株式会社ハルメク・ビジネスソリューションズ

定期購読の解約・停止などにチャットボットで自動対応
ビジネスが拡大する中、問い合わせ件数の抑制に成功

導入サービス PKSHA Chatbot
業種 コールセンター、カスタマーサポート
活用対象 社員、オペレーター
導入目的 問い合わせ・各種手続き対応の自動化、お客様の満足度向上
株式会社ハルメク・ビジネスソリューションズ

株式会社ハルメク・ビジネスソリューションズ
お客様センター 企画推進室 リーダー
藤居 佳恵 様

入電抑制を目的にチャットボットを導入

事業内容を教えてください。

ハルメクグループは、女性誌No.1(※)の定期購読誌「ハルメク」の出版とWEBメディア「ハルメク365」の運営を行っており、その他に、カタログやWEBなどを通じてPB商品を中心とした通販事業を手掛けています。
※日本ABC協会発行社レポート(2023年1月~6月)

雑誌「ハルメク」は50代以上の女性を主要読者としており、現在の販売部数は約47万部です。書店での扱いはなく、お電話やネットでお申し込みいただく形を採っております。

ハルメク・ビジネスソリューションズは雑誌と通販の両通販事業において、物流とカスタマーサポートを担っています。関連するシステムの導入・管理についても一部我々の担当です。

所属されている部署の役割を教えてください。

カスタマーサポートを担うお客様センター全体としては、電話、FAX、はがき、インターネットを通じて、ハルメク本誌の受注と通販の受注、関連する問い合わせへの対応が役割です。

私が所属するコールセンター企画推進室の役割は、事業部が始めるハルメクに関連した新規サービスについての対応や、商品に不具合があった場合のお客様対応をどのようにするかといった調整なども担っています。また、私自身は新しい仕組みの導入も担当しており、新規のアプリやサービスの立ち上げなどにも関わっています。「PKSHA Chatbot」も私が主担当として導入しました。

コールセンターの体制を教えてください。

現在国内4か所にセンターがあり、オペレーターが約300人います。「感謝市」と呼ぶセールを開催する際には一時的にオペレーターを増員する場合もあります。

株式会社ハルメク・ビジネスソリューションズ

定期便・雑誌購読の休止・解約の手続きをチャットボットで受付

以前から放棄率の改善のために「PKSHA Voicebot」をお使いいただています(※関連記事
新たに「PKSHA Chatbot」をご導入いただいた経緯を教えてください。

コールセンターではお客様からのお問い合わせ対応と、定期購読や通販の受注対応の両方を受け付けています。電話が取れないことは機会損失にも繋がりますし、お客様にもご迷惑がかかります。

雑誌の販売数が伸びていく中で、入電数の増加に対応するために、まずPKSHA Voicebotを導入し、定期購読の受注、解約受付、通販の受注対応を自動化しました。それにより、放棄率も改善しオペレーターの負荷も軽減することができました。

この手続きを、Chatbotでもお受けできるようにすれば、入電自体を抑制できると同時にお客様の利便性も上がるのではないかと考えたのが導入のきっかけです。電話ではボイスボット、LINEやWebではチャットボットと対話していただき、手続きを終えられるようにしたいと考えました。

株式会社ハルメク・ビジネスソリューションズ

<ハルメク通販サイト チャットボット>

PKSHA Chatbotの導入時期はいつ頃でしょうか。

最初は2022年にLINE連携での利用を始めました。その後、2023年4月からWebサイトでもChatbotを利用できるようにしました。当社のお客様向けWebサイトは、ハルメク本誌のWeb版である「ハルメク365」とハルメク誌購読申込用サイト、通信販売用サイトの3つがあるのですが、2023年4~7月にかけて体制を整え、全てのサイトでチャットボット手続きのご案内を開始しました。

LINEについては、お友達登録をしていただいた方にお手続きいただけるようにしており、現在のお友達登録数は1万人を超えました。Webサイトの利用者も伸びており、現在はLINEとWebサイトあわせて月に1300件の手続きに対応しています。どちらも積極的に告知をしている訳ではないのですが、利用は広がっていますね。

現在はどのような手続きにPKSHA Chatbotを使われていらっしゃいますか。

特に問い合わせ件数の多い、通販の定期便や雑誌購読の休止・解約、商品の返品・交換、メルマガの停止、カタログ発送の停止などの手続きを、自動受付するために使っています。

 

解約等の手続きに必要な、お客様のお名前や電話番号、解約したい物や時期、理由などをチャットボットでお伺いしています。

LINEとWeb経由ではどちらのほうが利用が多いのでしょうか。

最近になり、Webの割合がLINEを超えました。手続きの完結率はWebとLINE合わせて平均で70%くらいですが、それぞれを見るとLINEのほうが高いですね。LINEの場合、手続きをするためにお友達登録をしていただいているので、よりしっかり手続きを終えたいと思われる方が多いのではないかと考えています。

株式会社ハルメク・ビジネスソリューションズ

問い合わせ数の抑制にチャットボットが貢献
1件あたりの対応時間も電話に比べて55%に

導入後にどのような効果が出ていますか。

ハルメクグループは通販の売り上げが好調で、2023年は全体の入電数が15%増加しました。一方で問い合わせの件数は4%増に止まっています。問い合わせの増加抑制に、チャットボットが大きく貢献しているのではないかと見ています。

具体的な数字が言える効果ではありませんが、施策実行の方針にも変化が出てきています。以前はコールセンターのキャパシティを考慮して、通販で「感謝市」と呼ぶセールを開催する時期と、購読者の増加が期待できる人気特集を掲載したハルメク本誌を出す時期が重ならないように調整していました。入電が増えすぎると放棄率が高まり、お客様にご迷惑をおかけしてしまうためです。しかしチャットボットの導入後は、放棄率の上昇に対する懸念がなくなったため、そうした調整は必要なくなりました。

オペレーターの方の対応時間は変化しましたか。

以前は解約手続きやお問い合わせがあった場合に、平均で1件当たり500秒ほど対応にかかっていました。Chatbot導入後の自動手続きに関しては、お客様にご入力いただいたデータがCSVで出力され、それをオペレーターが基幹システムに打ち込むだけで済むようになったので、現在では平均275秒で作業が完了しています。将来的にはこの入力作業も自動化していけたら、と考えています。

株式会社ハルメク・ビジネスソリューションズ

PKSHA Chatbotの機能面やPKSHAのサポートについてはどうご評価いただいていますか。

一番評価しているのは、私が頭の中で考えているフローをお話すると、それをしっかりと形にしていただけることです。管理画面も非常に便利で、チャットボットの対応ログを見てどういった点が課題なのか、といったことがすぐに分かります。

チャットボットのフロー変更など、自社で容易に設定が変えられる点も魅力だと理解しています。ただ、私が多忙でPKSHA様の研修講座を受ける時間が作れていないので、近いうちに受講して、より便利に活用していけたらと考えています。管理画面を見ていると、「この途中にあるフローを最後に持って行った方が完結率が上がるかもしれない」といったことが分かるので、そうした変更は将来的に自分でできるようになれたら、と思います。

FAQ的な活用も広げていきたい

Chatbotを実際に使われてから、新たに気づきがあったことなどはありますか。

Voicebotの導入時も同様だったのですが、当初は完了率が低かったのが、ある時期を境に急激に上がりました。その際に、「お客様にこの仕組みに慣れていただけたのだな」と実感できました。恐らく、何度か試され、途中で離脱していたお客様が多数いらっしゃったはずです。

それでも多くの方が「またやってみよう」とトライされ、最後まで手続きを終えていただけるようになったのだと思います。

当社はシニアのお客様が多いので、チャットボットは適さないと考えていたのですが、いざ導入してみると思った以上に受け入れてもらえていると感じています。新しい仕組みを導入することは大きなチャレンジではありますが、こういった傾向を掴めたことは大きな経験になりました。

チャットボットとの対話を、人間と話しているものだと思われるお客様が多くいらっしゃることも、導入後に分かったことですね。それだけ対話が自然に行われているということではありますが、今後はロボットとの対話であることが明確に伝わるよう、アイコンを工夫したいと考えています。

今後、PKSHA Chatbotの活用範囲の拡大を考えていらっしゃいますか。

現在は、解約など特定の処理を完了するための使い方が主で、問い合わせ対応などのFAQ的な使い方は、返品・交換などごく一部でしかしていません。今後はFAQコンテンツを充実させ、チャットボットで定型的に回答できる質問を増やすことで、さらなる入電の低減とお客様の利便性の向上につなげていければと思います。

先にご導入いただいていたPKSHA Voicebotの活用範囲が広がっている、といったことがあれば教えてください。

これまでは、ハルメク本誌の定期購読の受付や新聞広告など外販で下着やアパレルを出す際の単品の受注にVoicebotを活用してきました。これらは基本的に在庫切れの心配がないため、在庫確認システムと連携する必要がなく、例えばアパレルであればお名前やご住所、支払い方法、受注コード、色番などをうかがえば受注ができます。

将来的には、ボイスボットで複数商品の受注もしたいと考えておりまして、近々営業時間外に複数商品の受注を試験的に開始する予定です。在庫確認のフローが増える分、苦労が伴うかもしれませんが、営業時間外の売り上げを大きく拡大できる可能性があるので、チャレンジしていきたいと考えています。

企業名 株式会社ハルメク・ビジネスソリューションズ
事業内容 コールセンター、物流、情報システム、発注、在庫管理などフルフィルメントサービスの運営・提供
設立 2018年4月2日
URL https://www.halmek-holdings.co.jp/company/group/halmek-business-solutions/

この事例でご利用いただいている製品はこちら!