パーソルワークスデザイン株式会社

サポート業界をナレッジ中心思考で改革、平均解決時間69%減、解決率20%向上

導入サービス PKSHA FAQ
業種 サービス
活用対象 オペレーター
導入目的 社内情報共有、問い合わせ業務の効率化
パーソルワークスデザイン株式会社

第二事業本部 サービス戦略部 部長 松野 淳一 氏

パーソルワークスデザイン株式会社は、ヘルプデスクやコールセンター業務のアウトソーシングや、それらのノウハウのコンサルティングサービスなどを提供している企業だ。同社では2015年にFAQ作成管理ツール「PKSHA FAQ」を導入後、ナレッジ管理の手法であるKCS(ナレッジセンターサポート)を実践し、業務の生産性向上に取り組んでいる。同社第二事業本部サービス戦略部部長の松野淳一氏に話を聞いた。

ナレッジを中心に全てが回るようにチームの導線を組み直す、というのがKCSのポイントです

パーソルワークスデザインの事業内容について教えてください。

お客様の業務を支援するヘルプデスクや、コールセンター業務のアウトソーシングサービスなどを提供しています。弊社で蓄積したノウハウのみをご所望のお客様には、それをコンサルティングサービスとしても販売しています。設立は1996年で、当初は日本IBM様の約2万人の社員向けにヘルプデスクサポートを提供しており、そこから事業が拡大しました。

所属されている第二事業本部サービス戦略部の役割を教えてください。

大きく言うと、アウトソーシングサービスのパフォーマンスを高めることです。自社の商品をサポートするのではなく、アウトソーサーとしてお客様の窓口を請け負うという業務特性ゆえ、お客様からお預かりした情報をいかに有効に最大限活用できることが重要なポイントとなります。どうやったら業務の品質や生産性が上げられるかを考え、ITツールのPKSHA FAQと、ナレッジ管理の手法であるKCSを導入しました。現在はこれらを用いてサービスのパフォーマンスをより高めるための取り組みを続けています。

KCSとはどのような手法なのでしょうか。

KCSでは、一人ひとりの行動が自分のためではなくチームのためであり、チームのためにとった適切な行動が評価されます。ナレッジセンターサポートという名前の通り、ナレッジを中心に全てが回るようにチームの導線を組み直す、というのがKCSのポイントです。効果としては、スタッフのナレッジにバラつきがなくなることでサービスレベルが高いレベルで平準化できたり、新人スタッフの教育時間を大幅に短縮できる、といったことがあります。実際、私たちがKCSを行ったことで得られた効果は「解決率の改善」「CS・ESの向上」「コストの削減」です。私たちがKCSを実践したことで、解決時間を大幅に短縮できました。更に、スタッフの満足度向上、処理件数の増加による1案件あたりのコスト削減など、高い効果が得られました。

KCSとはどのような手法なのでしょうか。 KCSとはどのような手法なのでしょうか。

「どんな小さなことでも共有する」KCSをまわすにはチーム作りがうまくいくことがポイント

「PKSHA FAQとKCSの導入はどのような流れで行ったのでしょうか。

PKSHA FAQを選んだのは、ナレッジの共有やメンバーの他者への貢献度の評価といったKCSの手法を実践するために最適だと考えたからです。まず2015年にPKSHA FAQを導入し、2016年にKCSを導入しました。KCSの導入当初は試行錯誤していました。数ヶ月間、実践を続けるうちに、KCSをまわすにはKCSの意義を繰り返し伝えることと、チーム作りがうまくいくことがポイントだと分かりました。現在は「ナレッジを捉える」「改善する」といった“解決ループ”と呼ばれるループをうまく回せるようになりました。この次は“発展ループ”と呼ばれる段階が課題で、こちらは「リーダーシップとコミュニケーションを推進する」、「パフォーマンスを評価する」などのサイクルを回します。評価としては、新規コンテンツの登録や、登録コンテンツが再利用されたなど、評価基準に沿ってチームに貢献した人を評価しています。

「どんな小さなことでも共有する」KCSをまわすにはチーム作りがうまくいくことがポイント

KCSの運用を定着させるうえでどのようなことがポイントになりますか。

スタッフと管理者のどちらの役割も非常に大切です。スタッフでいうと、「質問があったら答えられるものでも必ずナレッジを検索する」というオペレーションがなかなか定着しませんでした。業務命令にしてもやらない人がいる。原因を調べてみたところ、ナレッジを検索する意図を理解していないスタッフがほとんどだったのです。新人のスタッフの場合はKCSに則ったオペレーションをすんなり実践してくれるのですが、経験のあるスタッフに業務の流れを変えてもらうのには非常に苦労しましたね。またスタッフにいくら教えても、管理者が一枚岩になっていないと運用はうまくいきません。当社はコールセンターが宮崎にあるのですが、宮崎とテレビ会議を繋いで管理者と延々ディスカッションしました。

KCSを実践するに当たりPKSHA FAQはどのように寄与していますか。

KCSは「どんな小さなことでも共有する」ので、スタッフが自らコンテンツを作成する機会が頻繁にあります。PKSHA FAQは初心者のスタッフでも簡単にコンテンツを作成できるので非常に助かっています。

PKSHA FAQの運用で工夫しているポイントはありますか。

どんな小さなことでも共有する、という方針がある一方で、正式なコンテンツとして公開するものと、スタッフが走り書きのような形でアップロードした未公開状態の「下書きコンテンツ」の2種類を使い分けて運用しています。PKSHA FAQは下書きコンテンツを検索できる点は優れているのですが、公開済みのFAQと異なり、だれが下書きコンテンツを利用したか統計を取れないのが課題です。KCSでは、自分が公開したコンテンツがどれだけ他の人の役に立ったかを数値化して評価するので、下書きコンテンツについても統計を取れたらと思いました。

PKSHA FAQの次期バージョンが2017年6月末にリリース予定なのですが、新機能では御社の下書きコンテンツの利用方法に近い形で統計が取れるようになります。

そうなるとKCSを実践する際にPKSHA FAQがより使いやすくなりますね!
※次期バージョンでは、今までの一般公開FAQと同時にスタッフのみ閲覧・修正・評価し合える新機能「ナレッジメモ」が搭載されます。

導入効果:1次回答案件の平均解決時間を3分54秒から1分57秒へ(69%減)
初回コンタクト解決率20%向上。ES向上、コスト削減を実現。

アウトソーシングサービスにPKSHA FAQとKCSを採用して効果が出ている事例があれば教えてください。

お話できる事例は二つあります。一つ目は2016年1月にサービスを開始したプロジェクトです。
当初、質問を受けてから回答するまでの時間(TAT:Turn Around Time)に平均32分かかっていましたが、半年後には3分の1の11分にまで短縮できました。コンテンツの数も、当初は最低限の400件弱でスタートしたのですが、半年で2153件まで増えました。このプロジェクトには特徴があって、時期・季節によって質問内容が大きく変わったり、繁忙期にスタッフを増員します。
コンテンツが増えてKCSが浸透したことで、そういった変化にもうまく対応することができました。副次的な効果としては、KCSでは管理者がスタッフに細かく声掛けをするのですが、それにより従業員同士が非常に仲良くなり、ES向上にも寄与しました。
実際にこのプロジェクトに参加したスタッフは、KCSが業務効率化に非常に役立つことを実感しており、他のプロジェクトで業務をする際でも率先してKCSの実践を推進していくような働きをしています。

もう一つのプロジェクトでは、2016年の6月〜12月の間で、1次回答案件の平均解決時間を3分54秒から69%減の1分57秒まで短縮できました。全インシデントの初回コンタクト解決率についても20%向上しました。

そのため、処理可能な件数が増加し、1案件に掛かる単価が低下しコスト削減に寄与していると考えています。また、このプロジェクトには途中から大量に新しいスタッフが加わることが決まっていたので、人材育成への対応が目的の一つでしたが、非常にうまく対応することができ、教育時間の短縮につながっています。
昨今、AIの活用について新聞に載っていない日がないような状況ですが、その背景において、現在、ナレッジ運用の大切さが改めて注目されております。AI時代の到来に先がけ、人間側がそれを使い倒す手法としてKCSを活用することは非常に有効で、KCSを効率よく運用できるPKSHA FAQの次期バージョンに大きく期待しています。

導入効果:1次回答案件の平均解決時間を3分54秒から1分57秒へ(69%減) 導入効果:1次回答案件の平均解決時間を3分54秒から1分57秒へ(69%減)

※こちらの掲載内容は2017年2月時点の情報です。

社名 パーソルワークスデザイン株式会社
事業内容 ヘルプデスク・ITサポート、コールセンターサービス、コンサルティング、サーバ・インフラ運用
設立 1971年1月
URL https://www.persol-wd.co.jp/

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