サポートに追われていたSVの負荷を低減 時間に余裕が生まれ、技能継承や新人育成の充実化を実現
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社
PKSHA Speech Insight(AI音声認識)
メーカー・製造
コンタクトセンター
業務効率化
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社
エネルギーソリューション事業本部 エネルギーシステム本部 生駒 学様
オムロン フィールドエンジニアリング株式会社
フィールドサポート本部 サポート部 お客様サービスセンタ 菊本 江司様
フィールドサポート本部 サポート部 お客様サービスセンタ 寛座 聖也様
フィールドサポート本部 サポート部 お客様サービスセンタ 川本 和也様
フィールドサポート本部 サポート部 お客様サービスセンタ 川島 信行様
・自動要約の活用によりACWが平均3分から1分半へ半減。オペレーターの対応可能件数が増え、SVの電話対応の負荷が軽減された
・SVが本来のマネジメント業務に集中できるようになり、残業なしで業務を完了。通話中のオペレーター支援や、経験の浅いオペレーターへの同席フォローも可能に
・新人オペレーターの独り立ちまでの育成期間が約1年から3~5カ月に短縮。最大の課題だった後任SVの育成にも着手できるようになった
Index
オムロングループのオムロン ソーシアルソリューションズは再生可能エネルギーに関連するエネルギー事業など6つの事業を展開しています。同社はエネルギー事業において2025年12月、顧客からの問い合わせに対応するコールセンター業務の効率化を目的に音声認識・通話分析サービスの「PKSHA Speech Insight」を導入しました。導入の経緯や効果などについて、同社と、コールセンター運営を共同で担うオムロン フィールドエンジニアリングのご担当者にうかがいました。
エネルギー分野に関する問い合わせに対応
事業内容を教えてください。
当社はオムロングループに属しており、創業以降、世界初の電子式自動感応信号機や無人駅システムなど、独自のオートメーション技術とイノベーションで社会的課題の解決に取り組んでいます。
現在の事業として、エネルギー、公共輸送、交通安全、ネットワーク保護、インフラモニタリング、マネジメントサービスの6つがあります。私たちの所属はエネルギーソリューション事業本部です。
運営しているコールセンターについても教えてください。
エネルギー事業部門のコールセンターでは、当社製品購入をご検討される際や、ご購入後の施工時に発生するトラブル、施工の際に必要な技術などについてのお問い合わせをお受けしています。ご購入前の対応窓口を「プレ窓口」、ご購入後の対応窓口を「アフタ窓口」と呼んでいます。お問い合わせは、製品のユーザー様と販売店様の両方からいただいており、販売店様からのお問い合わせの方が多い状況です。
コールセンター運営は、当社と、同じオムロングループのオムロンフィールドエンジニアリングが共同で担当しています。
オペレーターは皆、電気についての専門的な知識を身に付けてお客様にご対応しています。SVはそれに加えて、製品の仕様やシステムとして構築する場合のポイントなど、さらに幅広い知識を持っています。各オペレーターも部分的にはそういったことを理解していますが、全体を網羅的に把握しているのがSV、といった具合です。
SVはこのほかにも、オペレーターの通話内容をチェックしリアルタイムにヘルプに入ることや、オペレーターがCRMに登録した通話内容を確認すること、コールセンターでは解決できない問題があった場合に他部署と連携すること、などが役割です。
事業拡大に伴い、呼量が大幅に増加

PKSHA Speech Insight導入前にはどのような課題がありましたか。
コールセンターのSVがあと数年で定年退職する、という状況だったのですが、後任を育てることができていませんでした。
その理由は、事業拡大によって入電量が前年比で10~15%増加し続けたことにあります。オペレーターの業務が多くなり過ぎたことで、SVがオペレーターと一緒に電話対応せざるを得なくなり、新たなSVの育成や、オペレーターの教育・指導に手が回らなくなっていました。
SVは、休憩時間を除いた7時間の勤務時間のうち、5時間かけてオペレーターの仕事をサポートしていました。そのため残る2時間と、1時間の残業で、本来のSV業務をなんとかこなすといった具合になってしまっており、人材育成に時間を割く余裕はありませんでした。
こうした課題を解決するため、なんらかのツールを導入してコールセンター業務を効率化する必要があると考えました。
当初の方針を転換し、PKSHA Speech Insightを採用
PKSHA Speech Insightをお選びいただいた理由は何ですか。
当初は、有人対応が必要なお問い合わせのみをオペレーターへ転送するなどして呼量を削減しよう、と考えました。しかし検討を進めるうち、既存のお問い合わせの多くは、専門知識を持ったオペレーターがしっかり対応すべきものであると改めて分かったため、方針を変えることにしました。
そのようなタイミングで、PKSHAの方からPKSHA Speech Insightについてご提案いただきました。ご説明を受け、「通話を自動で要約すればオペレーターのACWを短縮できるし、ACWが減ればオペレーターがより多くの電話を受けられるようになり、SVの支援が必要なケースも減っていくのではないか」と考えました。
実は、以前にも通話を自動要約するツールを導入したことがあったのですが、会話の一部を切り取っただけのような要約で、そのまま業務で利用するには難しい品質でした。しかしPKSHA Speech Insightのデモを見せていただいたところ、そのままCRMに登録できるようなレベルの要約だと感じ、採用の大きな決め手になりました。

自動要約は原則修正禁止に
導入の際に苦労した点はありますか。
導入に当たって大きなハードルを感じることはありませんでした。PKSHAの方から、システムの仕組みや活用イメージについて、実際の画面や動作も見せていただきながら丁寧にご説明いただいたことで、現場も混乱することなく導入を進めることができました。テスト段階で自動要約の内容に違和感があることはありましたが、専門用語を単語登録したり、PKSHAの方にフィードバックを重ねることで、素早く改善されていきました。
運用開始後には想定していなかった課題もありましたね。要約が自動でできるようになったことでACWが短縮するはずが、あまり時間が変わっていなかったのです。原因を探ったところ、ベテランのオペレーターは通話中に会話内容を自然と頭の中で要約する癖がついており、その内容とPKSHA Speech Insightの要約に違いがあると、自動要約を自分の考えたものに近づけるよう修正していたことが分かりました。
従来からオペレーターごとに通話内容の解釈や要約の品質が異なることに悩んでいたこともあり、PKSHA Speech Insightの導入を契機に、「オペレーターは要約の修正を原則してはいけない」というルールに改めました。要約の内容は改めてSVも確認する形なので、SVが問題を感じた場合に修正することにしています。
ACWの時間が半減、課題だった育成も可能に
導入後にはどのような成果が出ていますか。
ACWの時間が従来の平均3分から1分半に半減しました。これによってオペレーターがより多くのお電話にご対応できるようになり、SVが電話に出る必要がなくなりました。SVは自身の本来の業務に集中できるようになったため、残業することなく業務時間内に業務を終えられるようになりました。
従来はSVも電話対応をしていたため、お客様との通話中にトラブルが起きたオペレーターをSVが素早く支援する、といったことがほとんどできていませんでした。今は支援もスムーズですし、経験が浅いオペレーターが通話する際などには横に座って一緒に通話を聞きながらサポートする、といったことができています。
この結果、新人オペレーターが1人で顧客対応ができるようになるまでにかかる育成期間が劇的に短縮しました。従来は1年ほどかけていましたが、今は3~5カ月で教育が終わります。
当初、最も大きな課題として感じていた後任SVの育成についても、しっかりと時間をかけられるようになりました。

FAQサジェスト機能の活用を検討
今後の展開について教えてください。
PKSHA Speech Insightの新機能であるFAQサジェスト機能の活用を検討しています。この機能は、オペレーターとお客様の会話内容に応じて、適切なFAQをリアルタイムで提示してくれるものです。現在は、オペレーターが自らFAQを検索している形なので、自動でFAQがサジェストされるようになれば、通話時間の短縮や応対品質の向上に繋がるのではないかと期待しています。特に、知識に不安がある新人オペレーターにとっては、大きな助けになるのではないかと思います。
新人教育という点では、AIエージェントを使ってお電話でのお客様対応をロールプレイする仕組みが作れないか、とも考えています。現在はSVが新人を教育する形ですが、AIによる教育も取り入れることで、より短期間で一人前に成長できるのではないか、と展望しています。SVの負荷もさらに軽減できるはずです。
生成AIや音声解析のツールはまず触ってみることが大事
PKSHA Speech Insightの利用を検討している方にメッセージをお願いいたします。
まずは小さな取り組みからでも始めてみることが大切だと思います。私たち自身も当初は別の機能を持ったツールの導入を検討していましたが、結果的にPKSHA Speech Insightを導入する形になりました。それによって、当初は想定してもいなかったさまざまな効果を実感することができました。
特に、生成AIや音声解析の分野は進化のスピードが非常に速いため、まずは実際に触れてみることが大切だと感じます。操作してみることで、自社のどのような業務に活用できる可能性があるのかを見極めることができます。
PKSHAの担当者の方々は現場の課題に寄り添いながら親身にサポートしてくださるため、具体的な活用イメージが固まっていない段階でも、安心してご相談できるはずです。対話を重ねる中で、自社では気付かなかった改善の可能性が見えてくるのではないかと思います。
2026年9月9日時点の情報です。
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