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公開日/2023.11.15
FAQ CXを知る

FAQサイトの改善方法|確認すべきポイントや取り組みの流れ

FAQサイトの改善方法|確認すべきポイントや取り組みの流れ

サービスが成長しシステムが複雑になるほど、問い合わせの数は増加する傾向にあり、カスタマーセンターの負担軽減が課題になりがちです。Webサービスを提供する企業のなかには、FAQページを開設してユーザーに自己解決を促す事例も増えています。その一方で、問題解決につながらないFAQはかえって問い合わせを増やす原因にもなりかねません。

今回はFAQの改善方法について、重要な3つの視点やステップごとの具体的な取り組みをご紹介します。

FAQを改善する際に確認するべきポイント

FAQの改善を行うことで、企業にとっては問い合わせ件数の削減や顧客体験(CX)の向上といったメリットが得られます。FAQサイトを改善する際は「効率性」「有効性」「運用性」の3つの軸でポイントを整理すると良いでしょう。

効率性

顧客が必要なFAQをすぐに探し出せるかという視点です。

効率性は主にアクセス性とデザイン性、検索性の3点で構成されており、アクセス性はFAQサイトにすぐにたどり着けるような導線が用意されていることを表します。デザイン性とはPCやスマートフォンなどの各デバイスに応じた表示がされているかどうかであり、検索性はFAQを正しく配置するなど、顧客が必要とする情報を探しやすくする工夫によって高まります。

どうしたらFAQサイトを見てもらえる?ユーザー理解と導線設計の考え方を解説

有効性

顧客が閲覧したFAQで自己解決できるかという視点です。

有効性は主に適量性と平易性、有益性、インタラクティブ性の要素で構成されており、適量性とはFAQの数や公開期間が適切かどうかを表します。例えば、情報が古すぎるFAQをいつまでも残すことなく、定期的に更新・削除を行っているかが問われます。

平易性とは回答の分かりやすさを指し、専門用語などで説明することなく、図表や動画などを適切に使用することが必要です。

有益性は、長い回答文でも苦にならずにユーザーをスムーズに導けているかが問われます。
インタラクティブ性はFAQを閲覧した顧客から有益なフィードバックを得る施策のことです。

運用性

先述の効率性と有効性を環境変化に対応しながら保持し、継続的に向上させられているかという視点です。

運用性はプロセスと体制、分析の要素から構成されており、プロセスはFAQを改善するうえで優先順位をつけていく方法論を指します。

さらに、自社の製品やサービスのライフサイクルを理解したうえで、FAQを作成する体制作りをすることが必要です。FAQの利用状況を把握するために定期的な分析も行うようにしましょう。

今回紹介した3つの視点は、顧客の解決率を高めるうえで必要となる要素です。具体的な項目を以下の記事で紹介しています。

【シェアNo.1が提唱】解決率を高めるFAQサイトの10要素とは

FAQの改善方法

解決率の高いFAQに求められる視点を紹介しましたが、企業の担当者が目指すべき改善の方向性はあるのでしょうか。FAQの改善を実施するにあたり具体的に何を行うべきか、以下で3つをご紹介します。

0件ヒット率(検索結果なしの数)をできるだけ下げる

0件ヒット率とは、利用者がFAQページを検索した際に、検索結果が1件もヒットしなかった回数が全体の検索回数に占める割合を指します。

仮に0件ヒット率が低かった場合、ユーザーがキーワードに対する回答を含む検索結果を得られたことになり、問題解決につながっている可能性が考えられるでしょう。逆に高い場合は、ユーザーが求める内容を提供できていない可能性があり、顧客満足度の低下が懸念されます。

0件ヒットが発生する原因として、キーワードに関するFAQがない、FAQはあるが検索キーワードとFAQのキーワードが合っていないことが挙げられます。改善のためには、0件ヒットに関するFAQを用意する、想定されるキーワードをFAQに盛り込むといった対策が必要です。

問い合わせが減らない?FAQ「0件ヒット」のせいかもしれません

SEOへの対策を強化する

SEOとは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略称です。FAQを利用するユーザーはGoogleなどの検索エンジン経由でサイトに訪れることがあります。

検索エンジンからの流入を増やすために、ユーザーの検索ニーズにマッチしたFAQを用意します。FAQページにつながる対策キーワードを設定し、それに応じてページ内の文章を調整することでサイト全体の評価を高めましょう。また、ユーザーが頻繁に調査する疑問や悩みを改めてリサーチすることで、SEOの優先順位を決めることも大切です。

FAQの具体的なSEO対策方法は以下の記事で紹介しています。
FAQページにSEO対策が重要な理由は?上位表示を目指すポイント

FAQの内容を修正・更新する

FAQを有効活用してコールセンターやカスタマーサポートの業務を効率化するためには、自己解決率を高めることが重要です。

実際はFAQを閲覧後に問い合わせをするユーザーもおり、そのようなユーザーはFAQページでは問題が解決しなかった可能性があります。原因としてFAQの回答が不十分なことや、求めるFAQがないことが挙げられるため、回答内容の情報量を増やす、より詳しく記載する、問い合わせでもらった内容をFAQに反映するといった改善が必要です。

企業には、コールセンターに集まる顧客の声(VOC)を適切に反映できる社内体制の構築も求められます。

自己解決に繋がるFAQコンテンツの作り方は?ライティングやレイアウトのポイント

使いやすいデザインに変更する

使い勝手の良いデザインは、ページの内容と同様に重視すべき項目です。ユーザーが調べたい内容になるべく簡単に到達できるよう機能を追加する必要があります。

具体例として、カテゴリ分けと検索機能の実装が挙げられます。検索窓を設ける際は、よく検索されるキーワードも表示し、各カテゴリ一覧ページへ遷移できるようにすると使い勝手も向上するでしょう。

また、レイアウトは定期的にABテストを実施するなど、改善の取り組みを欠かさずに行います。専門用語を避けて誰でもわかる言葉遣いになっているかも、定期的にチェックするのがコツです。

使いやすいFAQページのデザインとは?ユーザビリティ向上のポイント

FAQの改善に取り組む際の流れ

FAQ改善で重視すべき内容は分かりましたが、各作業を順番に沿って行うことで効率的な改善が可能です。問題点の洗い出し、数値目標の設定、改善、分析の流れで行うことをおすすめしています。

Step1.自社のFAQの課題や問題点を洗い出す

まずは、自社のFAQサイトやページが抱えている問題点を洗い出すことから行いましょう。何に取り組むべきかを明確にすることで課題が解決しやすくなります。

その際は、FAQに蓄積しているデータや現場の従業員の声を参考にすることで、理想の状態にするには何が足りないのか把握しやすくなります。

Step2.FAQサイトの目標値(KPI)を設定する

FAQサイトの現状を分析して、改善によって目指す数値目標を設定します。

KPIの例としては、「0件ヒット率を〇%まで下げる」「コンタクトセンターやメールセンターの入電数を〇%減らす」といった目標が挙げられ、具体的な数値目標を立てることがポイントです。

FAQサイトのKPI、どう設計すべき?必要なフレームワークと3つのポイントを解説

Step3.改善方法を立案し、実行する

次に定めた目標値を達成するために、何をどのような方法で改善を行うかを決めます。

例えば0件ヒット率が高い場合、検索キーワードにヒットするFAQコンテンツがないことが原因であれば、新しくFAQを作成することで内容の充実を図るといった対策が考えられます。

Step4.施策の結果を分析する

改善後は一定期間にわたってデータを収集、分析して、目標値を達成できたか確認しましょう。設定したKPIが達成できていない場合は、足りない理由を分析して繰り返し改善を図ることが重要です。

FAQの改善で顧客にとってより良いサービスを提供

FAQの使い勝手を高めることでオペレーターの負担軽減や業務効率化といったメリットが得られます。従来は電話で行っていた顧客対応をFAQが担うことで、企業のDXも進むでしょう。改善する際は効率性、有効性、運用性の視点から、解決率の高いFAQページを目指すことが重要です。

「0件ヒット率」や「コールセンターの問い合わせ数」は改善のうえで重要な指標となります。顧客の声やアクセスデータを分析し、改善点を洗い出してから数値目標を決めるなど、手順に沿って改善をすることがコツです。

KPIの達成に効果的な取り組みを続けることで、顧客の問題解決に役立つFAQにつながるでしょう。企業には、ユーザー目線かつ継続的な取り組みが求められます。

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