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公開日/2023.8.29
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AI自動音声応答システムとは?メリットやデメリット、導入時のポイント

AI自動音声応答システムとは?メリットやデメリット、導入時のポイント

近年、さまざまなビジネスシーンでAI自動音声が活用されています。身近な活用事例としては、ニュース番組においてAIアナウンサーが原稿を読む機会が増えてきました。このようなAI自動音声による業務効率化の流れは、コールセンター業界にも拡大しています。

本記事では、AI自動音声応答の概要を説明すると共に、コールセンターに導入するメリット・デメリット、導入時のポイントを解説します。電話業務の効率化を検討しているコールセンターおよびカスタマーサポート担当者の方などは、ぜひご確認ください。

AI自動音声応答とは

まずは、AI自動音声応答の概要とIVRとの違い、活用方法について解説します。

AI自動音声応答の概要

AI自動音声応答(ボイスボット)とは、AIが顧客から問い合わせを聞き取り、自動的に適切な回答を行うシステムのことです。注文受付などの定型化できる業務を自動化し、営業時間外の対応も可能にします。

また、AI自動音声応答の仕組みとしては、まず顧客が発した言葉を音声認識技術でテキストに変換します。次に、テキスト化された内容を自然言語処理システムが処理し、回答文を生成します。最後に音声合成技術により読み上げを行い、あとはこの手順を繰り返します。

ボイスボットとは?IVRとの違いや活用シーン、メリット・デメリット

AI自動音声応答システムとIVR(自動音声応答システム)の違い

IVR(自動音声応答システム)とは、あらかじめ録音した音声ガイダンスを利用して顧客の要望を聞き取り、適切なオペレーターにつなぐシステムです。応対時間が短縮できるメリットはありますが、要望を伝えるには音声ガイダンスを聞いた上でのダイヤルプッシュが必要です。

一方、AI自動音声応答システムは、AIが音声認識エンジンで顧客の発話を分析し適切な回答を行います。顧客はオペレーターにつながるまで待機する必要もなく、対話をする中で問題解決ができます。

IVRとは?コールセンターに導入するメリットとデメリット、費用の目安

AI自動音声応答システムの活用場面

AI自動音声応答システムは、主にコールセンターやカスタマーサポート業界など、電話での顧客対応を行う業種で活用されています。これらの業界は以下のような課題を抱えており、問い合わせ対応の効率化が求められています。

  • 営業時間が長い
  • 特定のタイミングで問い合わせが集中する
  • オペレーターの人手不足

 

AI自動音声応答システムを導入することで、人工知能搭載の音声対話エンジンが電話業務を代行できるようになります。これにより、オペレーターの業務負担の軽減や、夜間・休日の対応など多くのメリットが期待できます。

PKSHA Voicebotの導入事例はこちら

AI自動音声応答を導入するメリットとデメリット

次に、コールセンターにAI自動音声応答シテスムを導入するメリットとデメリットを確認していきましょう。

AI自動音声応答のメリット

問い合わせ業務の効率化につながる

電話対応を自動化することにより、オペレーターの業務負担を軽減できます。FAQなどの簡単な問い合わせは自動的に処理されるので、人の介入が必要な質問だけがオペレーターにつながるようになるのです。その結果、コールセンターの入電数は削減され、人材の定着も期待できるでしょう。

あふれ呼や放棄呼の対策になる

コールセンターの呼量を削減することで、顧客満足度の向上が期待できます。あふれ呼や放棄呼の減少、待ち時間の短縮につながり、顧客の離脱を抑えられるようになるでしょう。また、IVRと比べると、音声ガイダンスを聞く必要がないというメリットもあります。

放棄呼の意味とは?機会損失を減らす放棄呼率を下げるための対策方法

人件費のコストの削減につながる

電話対応にかかる工数が少なくなれば、限られた人員でも対応できるようになり、人件費を削減できます。また、業務効率化による離職率低下は、教育コストの軽減にもつながります。導入コストはかかるものの、長期的にはコストパフォーマンスが高いシステムです。

営業時間外の対応できる

24時間対応が可能なため、機会損失を防ぎやすいです。顧客は自分のライフスタイルに合わせて、好きなタイミングで問い合わせができるようになります。また、テキストを入力するのが苦手な方にとっては、問い合わせのハードルが低くなります。

AI自動音声応答のデメリット

導入や運用のコストがかかる

IVR(自動音声応答システム)と比較すると、導入費用は高くなることが多いです。また、AI自動音声応答システムには、回答精度を上げるためのチューニングが必要です。導入しただけでは効果が得られないので、ある程度の運用コストも発生します。

シナリオ設計を行う必要がある

AI自動音声応答システムは、初期設定として会話のシナリオを設計する必要があります。過去の問い合わせデータを分析してシナリオを構築するため、手間と時間がかかります。

なお、シナリオ設計は他の自動応対システムでも必要です。例えば、IVRやチャットボットを導入する場合も同様の作業が生じるため、AI自動音声応答システムに限ったデメリットではありません。

AI自動音声応答システム導入時のポイント

最後に、AI自動音声応答システムの導入にあたって把握すべきポイントを紹介します。イニシャルコストがかかるため、自社にマッチした製品を選べるようにしましょう。

有人との連携や転送ができるシステムを選ぶ

AI自動音声応答システムで対応しきれなかった場合に、有人対応に切り替える機能が付いていることが望ましいです。多くのAI自動音声応答システムは、事前に用意されたシナリオに基づいて応答するため、イレギュラーな内容や緊急性の高い問い合わせには対応できない場合があります。

また、AI自動音声応答システムと人間のオペレーターとの連携を強化することも大切です。適正人数のオペレーターを配置し、スムーズに転送できる体制を整えましょう。

API連携により他システムとの連携はできるかどうか

API連携によって他のシステムと連携することで、電話対応をさらに効率化できる可能性が高まります。製品を検討する際は、どのようなシステムと連携が可能かを確認しましょう。

例えば、カレンダーアプリなどと連携できると、予約やリマインドまで自動で設定できるようになります。また、各種のチャットツールと連携が可能であれば、利用者の発話内容をテキスト化してSMSに送信することもできます。顧客へのアフターフォローが自動化することで、業務効率化や顧客満足度の向上が期待できます。

IVRとの比較を行う

AI自動音声応答は便利なシステムですが、問い合わせ内容や導入場面によってはIVRの方が優れている場合があります。例えば、「はい/いいえ」で回答できる質問が多い場合は、音声よりもボタンを押した方が便利な場合が多いです。IVRと併用できる製品もあるので、自社の提供サービスや業務形態に適切なシステムを選択するようにしましょう。

なお、AI自動音声応答システムを選ぶ際には、製品を提供しているベンダーも重要になります。ベンダーによって開発力や導入前後のサポート体制は異なるため、製品の品質や利便性は比較検討しておきましょう。具体的には、以下の3点に注意してください。

コールフロー構築がしやすいシステムを選ぶ

AI自動音声応答システムによる自動解決の解決率を上げるためには、運用開始後も利用状況にあわせたチューニングをすることが重要です。そのため、導入前のフロー構築だけでなく、導入後のコールフローの変更が容易にできるシステムを選ぶのが望ましいです。

システムによっては、コールフローの変更に追加費用を求められたり、変更の必要性について交渉が発生したりするので注意してください。

音声認識の精度が高いシステムを選ぶ

解決率を上げるためには、ユーザーの発話を正確にヒアリングできることが必要です。顧客との会話が成り立たない場合、顧客満足度の低下につながります。

無料トライアルを利用するなどして、認識精度が高いシステムを選ぶようにしましょう。

AIを使用した音声認識の仕組みとは?ビジネスでの活用例や課題

ノウハウと導入実績がある会社のシステムを選ぶ

AI自動音声応答システムを機能させるためには、導入前の構築をしっかり行うことと、導入後のメンテナンスを継続して実施することが必要です。そのため、導入前後のサポートが充実している企業のシステムを選択することが望ましいです。企業ホームページから、導入事例や得られた効果を確認するようにしましょう。

AI自動音声とは入電削減と顧客満足度向上に欠かせないシステム

コールセンターの業務効率化を実現する上で、AI自動音声応答システムを導入するメリットは多いです。ただし、導入メリットを最大化するには、自社の状況に合ったシステムを選ばなければなりません。先述した導入時のポイントを参考にして、システムに搭載されている機能や提供企業を比較検討することをおすすめします。

なお、PKSHA Communicationでは、毎月25万件の入電に対応するボイスボット「PKSHA Voicebot」を提供しています。日本語の音声認識精度の高さや導入後の手厚いサポートを強みとしており、経験・知識の豊富なメンバーがお客様をサポートします。製品紹介ページでは導入事例も紹介しておりますので、ご興味がございましたら下記よりご確認ください。


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