アニコム損害保険株式会社

PKSHA Speech InsightでACWを37%削減
保険契約数の増加に伴い入電が増加する中、応答率も向上

導入サービス PKSHA Speech Insight
業種 保険業
活用対象 一般ユーザー、社員、オペレーター
導入目的 応対品質、応答率の向上
アニコム損害保険株式会社

アニコム損害保険株式会社
カスタマーリレーション部 北日本CS課長
岡邉 貴子 様
カスタマーリレーション部 東日本CS課
片山 琴絵 様
加藤 夏美 様

会社・ご担当者様について

事業内容と所属されている部署の役割を教えてください。

当社はペット保険専業の損害保険会社です。所属するカスタマーリレーション部の主な役割は、ペット保険にご契約いただいているお客様や契約をご検討いただいているお客様、動物病院様からのお電話、メール、チャットでのお問い合わせにご対応することです。ご契約前のお客様から、商品プランの内容についてお問い合わせいただいた際には、こちらからお勧めのプランを提示させていただく流れになることがあり、営業的な業務もオペレーターが担当することになります。

加えて、お客様からいただいたご意見の社内へのフィードバックや、こちらからお客様へお電話して各種ご提案をするアウトバウンド業務も担っています。

コールセンターは全国に8拠点あり、計67人のオペレーターがおります。もっとも大きい北海道の拠点には28人のオペレーターがいる一方で、東北の拠点は3人と、規模は様々です。1つの電話番号で受電したお問い合わせを、システムで全国の拠点に振り分けています。

最も多い問い合わせは、保険金の請求方法に関するものです。その他に多いお問い合わせ内容としては、先ほどのご契約前の商品プランの内容についてのお問い合わせや、ご契約後の保険料のお支払いに関するお問い合わせ、保険継続手続きに関するお問い合わせ、動物病院の方からの、病院の窓口で手続きしていただいた保険金の精算に関するお問い合わせなどがあります。

90%以上の応答率が目標

コールセンターで重視しているKPIを教えてください。

「当社のファンになっていただけるような対応をしたい」ということを一番に考えており、そのために必要なこととして、応対品質や応答率の向上があると認識しています。応答率は本来100%であるべきだと考えていますが、当面の現実的な目標として90%以上を設定しています。

当社はペットの飼い主の方に保険を提供しておりますし、コールセンターのメンバーもペットを飼っている方が多いです。ですから同じ動物を愛するものとして、「飼い主の方に寄り添う対応をしたい」と考えています。ペットの成長を共に喜び、お亡くなりになった際には一緒に悲しむ。そのようなお客様の気持ちに寄り添ったサポートを心がけています。

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事業環境が変化し、業務効率化が必須に

PKSHA Speech Insightをご導入いただく前にはどのような課題がありましたか。

おかげさまで、契約件数が毎年増加しているなか、コロナ禍でさらに契約数が大きく伸びました。それに伴い、お客様からのお問い合わせも増加傾向にあります。

市場拡大を受けて、近年は大手保険会社もペット保険の提供を始めました。同時に、ご契約者様の通院頻度の増加や物価の上昇といった事業環境の変化もあるなかで、お客様のご希望に沿った上で、収入保険料に対して支払った保険金の割合を示す「損害率」を適正に保つにはどうするべきかを社内で議論しました。そして、オペレーションの効率化や、サービスに今まで以上にお客様の声を反映することが重要であるという結論に達しました。

それらを実現するために必要なツールとして注目したのがPKSHA Speech Insightです。

入電を抑制するための取り組みなどは以前からされていたのでしょうか。

はい、従来からPKSHA FAQを導入しており、お客様による自己解決率の向上を目指していました。しかし契約件数が急増しており、一定の割合で自己解決をしていただいたとしても、入電数自体は右肩上がりで増え続けるという状況でした。そのためお電話でのお問い合わせ対応についても、一部業務を効率化する必要があると考えました。

要約の精度を高く評価し、導入を決定

PKSHA Speech Insightのどういった機能をご評価いただいたのでしょうか。

アフターコールワーク(ACW)を削減したいと考えていたので、対話の音声を書き起こしできることと、それを要約できることに魅力を感じました。

PCの音声から書き起こしや要約ができるため、今後コールセンターシステムの入れ替えがあった場合にも、システムとの連携を気にせず継続して使えます。この点も我々の要件に合致しており、操作もとてもシンプルで、オペレーターが容易に使えると感じました。

PoCでPKSHA Speech Insightを試した際には、要約した文章の平均45%が、全く修正せずに業務に活用できることが分かりました。「導入すると応答率がこれくらい高まる」「契約数がこれくらい増加してもオペレーターを増員しなくても対応できる」といったことについての具体的な数字の算出も、PKSHAの方にご支援いただきました。

こうした取り組みによって、「PKSHA Speech Insightを導入すれば様々な効果が出せる」という確信が持てたので、安心して導入することができました。

他のツールとの比較はされましたか。

雑誌広告でPKSHA Speech Insightを知り、従来からPKSHA FAQを使っていてPKSHA様をとても信頼していたこともあったので、まずはPKSHA Speech Insightを試してから考えようという流れでした。PoCで素晴らしい結果が出て、コスト面も問題がなかったため、採用を決めました。2023年5月頃に最初にご説明いただき、実際に稼働したのは2024年3月からでした。

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オペレーターのアイデアで従来のやり方を見直し、ACW削減を実現

導入はスムーズに進みましたか。

実は導入当初は少し苦戦しました。従来通りの履歴の残し方をすると、PKSHA Speech Insightを利用しても業務があまり効率化しなかったのです。

従来は、お客様との会話を、実際のやり取りをもとにできる限り細かく履歴に残していました。同様に、PKSHA Speech Insightで自動書き起こしたものを同じように細かく修正してしまうと、それなりに時間がかかってしまいます。

そこで履歴の残し方を見直しました。PKSHA Speech Insightを使えば、聞き返したい箇所にすぐたどり着くことができるため、書き起こしは修正せずにそのまま記録として使うことにしました。要約については、内容が分かりにくい部分のみ修正する形にしました。

こうした運用方法は、オペレーターのアイデアから生まれました。以前からオペレーターに成果が出た取り組みについて日報で報告してもらっており、それを全体で共有していました。今回はあるオペレーターが「会話の書き起こしをあまり細かく修正せずに、次の電話を取ることに意識を向けています。これによりACWにかかる時間がかなり短縮できています」と報告してくれたので、それをベースに新たなオペレーションを考え、全体で取り入れました。

これをきっかけに、オペレーター間のコミュニケーションをいつも以上にオープンにし、改善に集中的に取り組む流れができました。その結果として、大きくACWの時間を削減できたと感じています。

導入後のサポートはいかがでしたか。

PKSHAの担当の方には、本当に丁寧に対応していただきました。毎週定例の会議を開いており、そこで細かにヒアリングしていただき、問題を解決していただいています。

ACWは4分から2分50秒に短縮

ACWの削減時間など、具体的な効果について教えてください。

従来はACWに平均4分かかっていたのですが、現在は平均2分50秒まで短縮することができました。元々、3分を切ることを目標としていましたので、しっかりと目標を達成し、削減率で言うと37%削減を達成しました。

応答率は、2023年3月〜2024年3月までの1年間で87%と、目標とする90%を下回ってしまっていました。しかしPKSHA Speech Insight導入後は、目標としていた90%にまで高めることができています。

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数字以外の部分でも何か効果は出ていますか。

お客様との会話内容や話速などのデータが可視化されたことによって、「私は会話の流れの作り方が下手だ」「早口で話しすぎている」といった具合に、オペレーターが自身の対応を見直すきっかけになっているようです。

あるオペレーターがお客様との会話の最後に「では、本日は〜と〜を承りました」といったことを言うと、AIの要約の精度が高まることを見つけてくれました。この発言によって、お客様にもより会話内容をご理解いただきやすくなると思いますし、要約の精度が高まることでACWも効率化します。今では多くのオペレーターがこのやり方を取り入れています。

応対品質ダッシュボードやFAQ連携を活用したい

今後こういう活用をしていきたい、といったことはございますか。

応対品質のダッシュボードを今はあまり使いこなせていないので、今後は積極的に活用できたらと考えています。

従来は応対品質を評価する場合、設定した約20項目を採点するために、評価者がオペレーターの会話を改めて聞き、3段階の評価を付けたり、評価の理由をコメントとして書いたりしていました。とても時間がかかる上に、評価者によってどうしても評価にばらつきが出てしまっていました。

今後はここにPKSHA Speech Insightを使うことで、評価業務を効率化するとともに、オペレーターの納得感も高めていけたらと考えています。

また、FAQ連携機能も活用していきたいです。現在はお客様に公開しているFAQをPKSHA Speech Insightに取り込んでいます。お客様との会話の際に特定のワードが出てきた場合は、関連するFAQを自動で表示するようにしています。
今後は、社内用のマニュアルとして使っているFAQもPKSHA Speech Insightに取り込みたいと考えています。そうすることで、オペレーターをより強力に支援できますし、お客様をお持たせする時間も短縮できるはずです。新人オペレーターを効率的に教育する効果も見込めるのではないかと考えています。

AIは欠かせないが、どう活用するかが重要

PKSHA Speech Insightの利用を考えられている方にメッセージをお願いします。

コールセンターの運営にAIの活用が欠かせない時代になったと感じます。業務を効率化するために、こういったツールを積極的に使うことはとても大切であると日々実感しています。

今回PKSHA Speech Insightを導入して、ただ入れるだけではなく、どう活用するかを考えることが重要だと改めて感じました。AIはまだ発展途上でもあるので、導入するだけで効果を期待するのではなく、適切な運用やマネジメントが欠かせません。そういったことを踏まえた上で、是非チャレンジしていただければと思います。

社名 アニコム損害保険株式会社
主要業務 損害保険業
設立 2006年1月26日
従業員数 509名(2024年3月末現在)
URL https://www.anicom-sompo.co.jp/

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