10年続けたサイト改善、決定打はAI。FAQとChatAgentで代理店の自己解決率69%を達成

日本ベクトン・ディッキンソン株式会社

導入サービス

PKSHA ChatAgent(AIチャットボット), PKSHA FAQ(FAQシステム)

業種

メーカー・製造

活用対象

お客様からの問い合わせ, コンタクトセンター

導入目的

顧客満足度向上, 業務品質向上, ナレッジマネジメント

  • 日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 カスタマーサービス シニアマネージャー 友部 秀樹氏

  • 日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 カスタマーサービス マネージャー 高橋 美樹氏

  • 日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 カスタマー サポート チーム スーパーバイザー 齋藤 ゆきよ氏

導入前の課題

1日の問い合わせは数百件前後対応しており、対応者の教育コストが大きな負担に。さらに、問い合わせを減らすために用意した代理店専用のポータルサイトだけでは対応しきれない問い合わせもあった。

導入効果
代理店ポータルサイトのウェブフォーム経由の問い合わせは2~3割がPKSHA ChatAgentに移り、海外在庫の確認は完全に置き換え。PKSHA ChatAgentの自己解決率は69%を達成。問い合わせ対応の負荷は下がり、他の業務にも取り組めるように。

会社・ご担当者様のご紹介

まず、みなさまのお役回りについて教えてください。

友部様:私たちは、米国のメドテック企業BD(Becton, Dickinson and Company)の日本法人である日本ベクトン・ディッキンソン株式会社と株式会社メディコンにおいて、医療機器の受注から納品までのカスタマーサービス業務を担当しており、私はシニアマネージャーを務めております。今回のプロジェクトでは、マネージャーの高橋とスーパーバイザーの齋藤がPKSHA ChatAgentとPKSHA FAQの導入を担当しました。

ポータルサイト改修10年で残った課題に、PKSHA FAQとPKSHA ChatAgentを同時導入

導入前は、どのような課題を感じていましたか。

友部様:導入前の時点で1日の問い合わせは数百件で、それ以前はさらに多い水準でした。これを捌くために多くの人員をかけていました。 また、その問合せ内容も幅広く、かなりのスキルとトレーニングが必要でした。業務を一通り遂行できるレベルに達するまでに最低でも3か月、幅広い問い合わせを自律的にさばけるまでには3~6か月かかります。育成にかかる時間と、事業成長に伴う問い合わせの増加を考えると、これはシステム化すべきだと判断しました。

AI・システムの選定はどのような経緯で進みましたか。

高橋様:問い合わせの傾向が「在庫」「発注」「リードタイム・納期」に集約されていることはデータの傾向から認識しており、代理店様専用のディーラーポータルサイト(以下、ポータルサイト)を活用して問い合わせを減らす取り組みを進めてきました。代理店様が製品番号を入力すると、その時点の在庫、価格、納期、その他の製品情報が24時間いつでも確認いただけます。

しかし、それだけでは対応しきれない問い合わせもあり、解決策を探していく中で、複数のベンダーを比較検討し、最終的にPKSHAを選定しました。特にコロナ禍の中、サービスの品質を下げずにお客様に情報を提供し続けたいという強い気持ちもありました。

友部様:当初は生成AI型とシナリオ型の両方を検討していましたが、問合せの範囲が幅広く生成AI型では難しいと判断し、シナリオ型を導入しました。他社事例も参考にしながら、ポータルサイトでシステム的に対応できる分の問い合わせは減らせました。導入後の問合せの傾向を見ていると、さらにお客様の要望に応えるには生成AIの導入も必要だと感じています。そんな中、PKSHAは弊社の傾向に合わせて新しい機能を紹介してくださるため、次の開発でやるべきことがもうすでに掴めています。

PKSHA FAQとPKSHA ChatAgentを同時に導入した理由を教えてください。

高橋様:2つを導入すれば情報の連携もできますし、PKSHA FAQで基本的な問い合わせを素早く解決し、それでも分からない細かい情報をPKSHA ChatAgentで解決できるという相乗効果が生まれると考えたからです。お客様が本当に知りたいことに答える、という点で、ご提案の内容がまさに合致していました。

お問い合わせの受付は、数年前に電話からウェブフォームへ切り替えていました。ただ、フォームだと問い合わせしにくいというお客様も、チャットであれば聞きやすい。24時間いつでもご自身で必要な情報を得ていただけるように、PKSHA FAQとPKSHA ChatAgentを同じページに配置しました。

組み込みにあたって工夫された点、苦労された点はありますか。

高橋様:私達のお問い合わせの8~9割は代理店様で、残りがエンドユーザーです。代理店様はディーラーポータルサイトを利用することで出荷準備から運送会社への引き渡し、到着予定までを追えるようになっています。そこで疑問に思った点をFAQやチャットで解決していただく設計です。

苦労したのは、問い合わせ履歴からお客様が本当に知りたい情報を抽出し、FAQを構築する作業です。注文ステータスごとの疑問の解決など、ポータルサイト単体では解決できない課題もPKSHA FAQで対応しました。あわせて、導入前の過去の問い合わせ傾向を分析し、今回の導入時にデータベースとして参照しています。

定型はFAQ、細部はChatAgent。役割分担と徹底した分析で自己解決率69% を実現

導入効果について、どのように実感していますか。

高橋様:ウェブフォームからの問い合わせは2〜3割がPKSHA ChatAgentへ移り、特に海外在庫の確認などはほぼPKSHA ChatAgentへ置き換わりました。お客様の行動パターンを分析してチャットに向く質問を見極め、優先順位をつけてPKSHA ChatAgentへ移行しました。

齋藤様:ウェブフォームの時代は会社名・住所・氏名・電話番号・メールアドレスと入力項目が多く、初回の問い合わせにはハードルがありました。PKSHA ChatAgentの認証連携によって自動入力ができるようになり、心理的なハードルが下がったことも大きいです。自己解決率も69%と高い水準になっています。

高橋様:問い合わせ対応の負荷が下がったことで、これまで着手できなかった業務や、そこから派生する業務にも取り組めるようになりました。

自己解決率が高い水準にある要因は何だと分析していますか。

齋藤様:PKSHA ChatAgent導入時、シナリオの紐づけ機能を活用していたのですが、キーワードの紐づけだけでは足りないと考え、チャット履歴をすべて分析しました。ユーザーがどういった経路で答えにたどり着いているのかを分析し、同じ検索で確実にたどり着けるよう、FAQを追加して紐づけを重ねています。

FAQを載せるだけでなく、実際のクリック状況や0件ヒット率も分析し、0件にならない設計を最初から考えていました。顧客視点で改善を重ねたことに加え、導入後にPKSHAのカスタマーサクセスから伴走支援を受けられたことも大きく、自己解決率の向上につながったと考えています。

自己解決率の高さは、顧客解像度の高さの表れだと感じます。ユーザーからのフィードバックはいかがですか。

齋藤様:FAQのアンケート投票率は一般的には5%あれば高いほうと伺っていますが、弊社は8%となっています。良いフィードバックは「自分たちが知りたい時間にアクセスできる」「必要な情報が見つかる」というもの。一方で悪いフィードバックの多くは「自分が聞きたかったものではない」でした。私たちが考えることと、お客様が考えてたどり着くところは違うのだと分かりました。このケースならこちらを見せる、といったように紐づけを変えることで改善しています。

FAQとチャットの配置・見せ方については、どのような検討をされましたか。

齋藤様:PKSHAのご提案や他社の事例を参考に設計し、一部の代理店様にはリリース前に確認していただきました。たとえばFAQはアイコンから入る形のほうが分かりやすいのではないかという案がありましたが、実際に試すと導線が多すぎて分かりにくく、チャットの利用率も低下する結果になりました。

高橋様:複数のレイアウト案を試した結果、シンプルな左側リスト表示が最適と判断し、これに統一しました。実際にアイコンも制作しましたが、最終的には採用しませんでした。ユーザーに選択肢を与えるよりも、明確な導線を提供することを重視しました。

メンテナンスの人数や負担はどのように変化しましたか。

齋藤様:人数としては導入時から変わらず1名で対応しています。導入当初は時間をかけていましたが、現在は週に1回10分程度で済んでいます。ただ、外部環境も変わりつつあるので、今後は改めてメンテナンスの時間もしっかり取っていこうと考えています。

導入の成功要因や、他社への推奨ポイントを教えてください。

高橋様:2か月でここまでできたのは、PKSHAの丁寧なサポートのおかげです。担当の方は技術的理解が高いだけでなく、コミュニケーションが取りやすい。実務担当者にとっては、そこがとても大事でした。また、他社では管理者権限をいただくというオプションはなかったため、PKSHAの管理者権限は私達にとって大きな決め手となりました。私達の優先順位の中で、すぐに編集を加えるという点は上位でした。実際にこのことで現在タイムリーな修正が可能になっています。

友部様:他社では半年以上かけて開発するようなものを2か月という短期間で形にできたのは、PKSHAのAI SaaSだからこそだと感じています。ただ、PKSHAがどれだけ優れていても、ユーザー側が自社の状況・実態を把握していることが大切です。これから導入される方は、まず自分たちで自社の問い合わせ状況の分析から始めることをおすすめします。

代理店の先にいる、医療従事者と患者さんのために

心理的に変わったことはありますか。

齋藤様:エンドユーザー、つまり医療従事者の方や患者さんからの問い合わせには、切迫したものが多くあります。エンドユーザーに貢献したい——その想いを大切にしたいと考えていても、以前はどうしても目の前の対応に追われて作業的になってしまう部分がありました。そこから意識を切り替え、本来向き合いたかったサポートができるようになったことが、一番大きな変化です。

高橋様:以前は対応にあたるスタッフが限定的で、優先順位をつけることが難しい状況でした。ウェブフォームに切り替えたのもチャットを導入したのも、お客様のお問い合わせにできるだけ早くお答えしたいという同じ理由からです。お問い合わせの内容に優先順位をつけて、すぐに対応すべきケースに時間をかけられるようになったことが、一番よかった点です。

その先には、どのような姿を描いていますか。今後の展望をお聞かせください。

友部様:私たちが直接やりとりしているのは代理店様ですが、その先には必ず医療従事者の方と患者様がいます。代理店様からの問い合わせを早く正確に解決すれば、必要な製品が必要なときに医療現場へ届く。今回の取り組みは代理店様向けの仕組みですが、最終的に価値が届く先はエンドユーザーだと考えています。

24時間いつでも対応でき、問い合わせから解決までの所要時間も短い状態を、できるだけ少ないリソースで実現したい。それが「明日の医療を、あらゆる人々に™」という私たちのパーパスに、いちばん近づく道だと思っています。

貴重なお話をありがとうございました。

2026年7月21日時点の情報です。