PKSHA AISaaS TOP / CXジャーナル - 顧客と向き合うすべての人の“よりどころ“ / マニュアル化とFAQ化の違い?業務効率化で理解すべきポイントとは
公開日/2020.8.21
CXを知る

マニュアル化とFAQ化の違い?業務効率化で理解すべきポイントとは

マニュアル化とFAQ化の違い?業務効率化で理解すべきポイントとは

皆さんの職場では業務マニュアルや業務FAQなど運用されてますか?マニュアルやFAQの必要性が議論されるシーンはそれぞれ異なると思います。
マニュアルはどちらかというと新人スタッフや新たに異動してきたスタッフに対するスタートアップガイドという側面が強く、一方でFAQは、チーム全体の業務品質底上げや属人化解消など、業務品質の改善を検討する際に作成されるものです。
ただ、意外にもマニュアルやFAQが用意されていない現場は多く存在します。マニュアルやFAQの作成には多くの工数がかかり、運用にも注意が必要ですが、業務工数の効率化という観点から見て非常にメリットが多いものです。
今回はそんなマニュアルとFAQについてお話をさせていただきます。改めて皆さんの職場での必要性や、今後の運用について考えるきっかけになれば幸いです。
記事執筆者の紹介画像

マニュアルやFAQを作成するメリット

まずは、マニュアルやFAQを作成するメリットについて改めて整理していきたいと思います。

(1) 業務効率の向上

マニュアルやFAQを利用する事で改善を期待できるのが業務効率です。
何かを導入するとき、もしくは新人スタッフが何かを覚えようとするとき、これまでは担当者が関係者に質問して回ったり、トレーナーが常時横について教えていくというように、一つの業務に対して複数人のリソースを充てる必要がありました。
マニュアルやFAQを用意する事によって、担当者の自己解決率が向上し、必要最低限の工数で業務を進めることができるようになります。この効果は社内で新たなシステムを導入した際などにも有効で、担当部門への問い合わせを減らすといった効果も期待できます。

(2) 業務品質の均一化

業務の中には「ベテランのあの人じゃないとわからない」「この仕事はあの人が一番早い」といったように、いわゆる属人化の進んだ業務はないでしょうか?
業務マニュアルやFAQの作成は業務に必要なスキルを見える化し、業務内容を整理することに繋がりますので、必要とする全てのスタッフに、適切なレベルの業務スキルを振り分けることが出来るようになります。これはチーム全体のスキルの底上げにつながり、チーム全体での業務推進をいままで以上に効率化することが可能となります。

(3) スムーズな引き継ぎが可能

年度の切り替え時などに必ずといって良いほどに発生する業務の引継ぎ。惜しまれつつも退職する人や別の部門へ移籍する人、所属する部門の増員・拡大による新人採用など、様々なシーンで引継ぎは発生します。マニュアルの用意されていない業務の引継ぎとなると、大変なことは想像に難くないでしょう。
マニュアル化の難しい業務もあろうかと思いますが、滅多に変更のない定常業務も多くあるはずです。そうした業務をマニュアル化することで引継ぎ工数が大きく減り、さらに業務FAQを用意する事で新人担当者の独り立ちも従来より早く実現できる可能性が高まります。

(4) 業務の最適化が見込める

マニュアル化のための業務の棚卸しをすることで、現状の業務がどのようなフローで、どのような工数をかけて、どのようなスキルを必要として運用されているのか、といった細部を見える化することができます。
こうした見える化より、業務フロー設計当時と比較して、現状で最適化もしくは修正できる部分を見つけだし、業務をより最適化した形へアップデートすることが可能となります。

マニュアル・FAQ化に向いている業務

マニュアルやFAQ作成によるメリットを大きく4つ挙げさせていただきましたが、そうはいってもなかなかマニュアル化の難しい業務も数多くあります。ですので、まずマニュアル化・FAQ化を検討すべき4つの業務を例として挙げさせていただきたいと思います。

(1) バックオフィス業務

マニュアル化のしやすい業務の代表格がバックオフィス業務です。
バックオフィス業務と一口にいっても幅広いですが、例えば、総務部門が担当している福利厚生手続きであったり、営業事務部門が担当している請求書発行の手順、人事採用部門の採用手続きなど、ワークフローに変化の少ない業務もあるかと思います。このような業務は真っ先にマニュアル化・FAQ化し、業務工数の最適化に取り組むべきです。

(2) 案件の対応フロー

「案件」という言葉の指すものは、営業部の抱える商談であったり、コールセンターで対応しているインシデントであったり様々ですが、例えば、営業案件であれば案件の進捗管理を行ううえでの情報管理ルールの徹底等にも役立ちます。案件進行中に都度発生する疑問に対してはFAQで自己解決を促していく形が望ましいでしょう。

(3) 自社の製品・サービスに関する説明

お客様へ自社製品をご紹介する中で様々なご質問があるかと思います。経験の浅いスタッフの場合、他のスタッフへ確認する機会も多く出てくると思います。そうした際、FAQが用意されていれば、他のスタッフの時間を奪うことなく自己解決することができます。
また、FAQでは、検索したスタッフが目的のFAQを見つけられなかった際に、不足している情報をFAQコンテンツ化するという文化を醸成していくことによって、より実用性の高いFAQとして育てていくことができます。
古いコンテンツも同様です。直すべきところを見つけたら気付いた人が直していく、ということを繰り返すことによって効果的なFAQとして活用していくことが可能となります。

(4) トラブルシューティングやセキュリティインシデント対応

イレギュラー対応にもマニュアル・FAQは有効です。特にFAQでは、業務上のトラブルやお客様からのクレーム発生時の対応など、過去の対応例をコンテンツとして共有することにより、同様のインシデントが発生した際に迅速な対応が可能となります。イレギュラー対応は特に個々人の経験値で対応結果が変わることが多くあります。ベストプラクティスを社内で共有することで、対応品質の底上げを図ることが可能となります。
 ▼参考記事
 属人化の原因とリスクとは?業務標準化の方法まで徹底解説

マニュアル化とFAQ化の違いとは?

マニュアルとFAQの違いを表現する画像
まずマニュアルとFAQでは役割が違います。マニュアルは冒頭でも申し上げた通り、業務のスタートアップ時や、ワークフローの振り返りに活用されるものです。マニュアルに記載された業務がどのような内容で、どのような手順で、どのような結果に結びつくのかという一連の流れについて解説されています。基本的には「イレギュラーが発生しなければ原則こうなります」というガイドになり、内容の改定は定期的なメンテナンス時のみとなるのがポイントです。
対してFAQは、“マニュアルを前提として”業務を推進する中で出てくる疑問に答えるガイドとなります。よくある事例としては、社内システムを更新した際に配布されたマニュアルの通り操作したがうまくいかなかった場合などに、ユーザーがシステム担当者に質問をすることになりますが、この質問の内容(Q)と回答(A)がFAQコンテンツとなります。コンテンツの更新は随時行われ、マニュアルと異なりFAQはメンテナンスのタイミングを待つ必要はありません
マニュアルの作成には業務の棚卸しが必要になる一方で、FAQの作成には「いまどんな質問が集まっているのか?」という調査が必要となります。マニュアルとFAQの性格の違いを踏まえつつ、適切なコンテンツを作り上げていくことで社内の業務工数効率化を目指しましょう。

「マニュアル」運用で生じやすい課題とその対策

(1) 作成に時間が取られる

よくあるのがマニュアルの見せ方にこだわるがあまり、作成に時間がかかりすぎてしまうというケースです。
特にPowerPointで作成しようとする際にはこの傾向が顕著で、担当者だけでなく関係者までもがこだわってしまい先に進まないというケースもあります。読み手の理解を促すためにも、分かりやすいイラストを挿入するなどこだわりたくなる気持ちもわかりますが、作成にはきちんとスケジュールを設定して臨みましょう。
一方でマニュアルが伝えるべき内容全てを網羅するが故に、視認性が下がり、問題解決に必要な情報が見つけにくいといった使い勝手上の問題も起きやすいものです。
実際に使ってもらうだけでなく、定期的に利用者から意見を吸い上げて反映することも重要です。

(2) 管理や更新ができていない

作成されたマニュアルの所在が把握されていないという課題も起きがちです。せっかくマニュアルを準備しても使われなければ意味がありません。マニュアルを作成した後、一番重要なのはそのマニュアルを普及させる利用してもらうことと定期的なメンテナンスです。
メンテナンスとは、そのマニュアルの内容が現在も通用するものとなっているかどうかや、追記すべき情報がないかを確認することです。利用者がせっかく見てくれてもその内容が古くなっていたり誤った情報が含まれていると、そのマニュアルは使われないものとなってしまいます。
また、マニュアルは必要な時にすぐ見ることのできる導線が用意されているかも重要です。社内向けマニュアルであれば社内イントラサイトに設置したり、FAQの一部として掲載される事もありますが、それらの導線がユーザーにとって使い勝手の良いものになっているかどうか、時にはユーザーアンケートも実施しながら利用者の意見を吸い上げ、反映させることも検討しましょう。

「FAQ」運用で生じやすい課題とその対策

(1) 作成したFAQが利用されない

作成したFAQが利用されないというケースがあります。こうした状態の原因として多いのが、導線の問題です。FAQサイトが見られない、というのであればFAQサイトの設置場所の確認をしましょう。
社内向けのFAQサイトであれば、以下のような点は確認すべきです。

●その入り口は周知されているか?
●社内イントラサイトへ設置の場合、スクロールせず認知できる場所にFAQサイトへの入り口はあるか?
●メール等を活用して利用者に対する告知はされているか?

(2) FAQは閲覧されてるのに問い合わせが減らない

FAQサイトを用意したものの、思ったように問い合わせが減らないといった課題も多く見受けられます。これは実際にユーザーがFAQを見てくれているのかだけでなく、FAQを閲覧したユーザーがきちんと自己解決が出来ているかという視点でも確認が必要です。
FAQがきちんと役立っているか確認をする方法は、いくつかあります。

①FAQコンテンツにアンケートを設置する

ユーザーがFAQコンテンツを閲覧した際に、下記のような内容を確認するアンケートをとる手法があります。

●欲しい情報がきちんと書かれていたか?
●書かれている内容で問題を解決できたか?

この結果を見ながらコンテンツの改善を図っていく事でFAQの満足度を上げていくことが可能です。

②0件ヒットの検索ワードを確認する

FAQサイトでの検索で、用意したコンテンツが表示されているのか、といった視点のメンテナンスも有効です。
ユーザーがどんな検索ワードでコンテンツを探しているのか把握し、ユーザーが使用する検索ワードに合わせていくことは、FAQサイトの利便性を高める上で非常に重要です。

(3) お手製のFAQには限界がある

社内向けFAQの場合、グループウェアの機能を使った簡易FAQサイトであったり、中にはExcel等で作り込んだお手製のFAQを共有して運用しているケースも見受けられますが、やはりそれではFAQの効果を高めるうえでは限界があります
社内向けFAQとしてスタッフの自己解決率向上を狙うのであれば、どんなFAQが求められているのかを把握する必要があります。そのためには、用意したコンテンツがきちんと利用されているかどうか、必要なFAQがきちんとそろっているのかどうかなど、把握すべき点は数多くあります。
効果的なFAQサイトを構築する上では、専用のシステムを導入することも検討すべきでしょう。何よりFAQシステム導入の最大のメリットは実績管理と運用改善が出来る点といえます。

まとめ: 目的と優先度を判断しよう

マニュアルとFAQにはそれぞれ役割があり、どちらかだけを用意すれば良いというわけではありません。工数管理のうえでどちらから先に取り掛かるか悩むことがありましたら、まず何を解決したいのか、何を効率化したいのかを検討したうえで、作成に着手してみてはいかがでしょうか。
OKBIZ.では、FAQシステムを導入いただいた会社のご担当者様に対して、無料・無制限でFAQの活用トレーニングを日々開催しています。
FAQ活用による業務効率化をご検討されている企業様は、お気軽にご相談・お問い合わせいただければと思います。

【 FAQのご相談・お問い合わせはこちら 】

関連キーワード

おすすめ記事

TOPへ