約1万人の全社員への依頼から問合せ対応まで、PKSHA AIバックオフィスで一気通貫で解決

野村不動産ホールディングス株式会社

導入サービス

PKSHA AI Helpdesk(AI ヘルプデスク), PKSHA AI依頼管理

業種

建設・不動産・インフラ・流通

活用対象

社員からの問い合わせ

導入目的

ナレッジマネジメント, 従業員満足度向上, 業務効率化, DX

古澤 智大 様 グループDX戦略部 インフラ推進一課 課長代理

稲垣 玲 様 グループDX戦略部 インフラ推進一課 課長代理

導入前の課題
  • 全社のDX戦略と現場から浮かび上がった問い合わせ領域の課題
  • 問い合わせ領域対応にも社員への依頼・タスク管理でも課題があった
導入効果
  • PKSHA AIヘルプデスク導入7か月。問い合わせ総数が2.2倍でも人への問い合わせ件数は半分に
  • PKSHA AI依頼管理で管理者の100%が工数削減を実感、対応者も86%が継続移行

会社・ご担当者様のご紹介

まず、みなさまのご担当されている業務について教えてください。

古澤様:グループDX戦略部のAI推進・業務改善チームリーダーを務めており、PKSHA AIバックオフィス(PKSHA AIヘルプデスク / PKSHA AI依頼管理)の推進・運用を担当しています。グループDX戦略部は約75名体制で、その中でAI推進・業務改善チームチームは3名で活動しており、全社横断でのAI活用推進を担っています。

稲垣様:私はPKSHA AIバックオフィス導入のサポートと、社内への定着化フォローを担当しています。日々の問い合わせ対応から一歩進んで、依頼・タスク管理の運用面もあわせて見ています。

全社のDX戦略と現場から浮かび上がった問い合わせ領域の課題

野村不動産グループが掲げるDX戦略について教えてください。

古澤様:野村不動産グループでは、2030年に向けたビジョンの実現に向けて「野村不動産グループDX宣言」を策定し、DX戦略を推進しています。業務・プロセス変革の一環としてデータとAIの活用を掲げているほか、「時創」という取り組みを通じて社員一人ひとりの作業効率化を図り、本質的な価値創造に充てられる時間を生み出すことを目指しています。こうした方針は特定の部署に閉じたものではなく、グループ全体の業務プロセスを対象としており、社員一人ひとりの日々の働き方に関わるテーマとして位置づけられています。この全社的な取り組みの一つとして着手したのが問合せ領域の改善でした。

問い合わせ領域に着手することになった背景を教えてください。

古澤様:社員が必要な情報にアクセスするまでに時間がかかっていたこと、そして同じような質問が繰り返し寄せられていたことが、問い合わせ領域に着手したきっかけです。もともと電話でのやり取りが中心で、どこに問い合わせればよいか分からない、電話がつながらないといった声も少なくありませんでした。ナレッジも社内の各所に分散しており、これまでにもメール、Microsoft Teams(以下Teams)、Microsoft Formsを使った案内など、さまざまな改善に取り組んできましたが、いずれも根本的な解決には至っていませんでした。

PKSHA AIヘルプデスク導入7か月。問い合わせ総数が2.2倍でも人への問い合わせ件数は半分に

課題の解決に向けて、どのような検討を進めたのですか。

古澤様:ナレッジを一つに集約し、社内で定着しているTeamsに問い合わせの導線を整えていく方針で検討を進めました。そこで、PKSHA AIバックオフィスのサービスのひとつであるPKSHA AIヘルプデスクを2026年2月に導入し、社内では「しばもん」という愛称で運用を始めました。「しばもん」は、野村不動産ホールディングス グループDX戦略部の所在地である港区芝浦の「芝(しば)」と、問い合わせの「問(もん)」から名付けられた柴犬のキャラクターで、全社員からグループDX戦略部への問い合わせに対応する存在として誕生しました。親しみやすいキャラクターを窓口にすることで、これまで電話や対面でのやり取りに慣れていた社員にも自然に使ってもらえるようにしたいという狙いもありました。

数あるサービスの中からPKSHAを選んだ決め手は何ですか。

古澤様:他社のサービスの多くは、社内イントラネットなどを参照させて自己解決を促すコンセプトが主流でした。一方で当社が求めていたのは、FAQ・ドキュメントを用いた自己解決に加えて、最終的には人につながることができる複合的な仕組みです。それらの機能があったことに加え、すでに社内のコミュニケーションツールとして定着していたTeamsで利用できるという親和性の高さが、PKSHA製品を選んだ大きな理由です。当社は人が答えることの安心感やつながりを大切にする文化が根付いていると感じており、一般的なチャットボットに機械的に回答させるのではなく、ある程度、人のコミュニケーションを保ちながら問い合わせを解決していける点を評価しました。

また、どうしてもチャットボットだけでは解決に至らない問題は残ると思っており、結局定着しないよりも有人連携がある方が結果的に良いという判断でした。

PKSHA AIヘルプデスク導入後、どのような変化がありましたか。

古澤様:パスワードの失念やPC故障、PCの保証に関する問い合わせ、基本的な使い方といった、これまで多く寄せられていた問い合わせを「しばもん」で解決できるようになりました。結果として導入前と導入後7か月経った現在を比べると、問い合わせ件数は2.2倍に増加した一方、有人での問い合わせ対応件数は半分程度にまで減少しています。問い合わせ件数が増えた背景には、電話でのやり取りにハードルを感じていた社員や、以前は担当部署が分からず複数の窓口をたらい回しにされていた社員が、「しばもん」を通じて気軽に問い合わせできるようになったことがあると思います。社員の中にあった潜在的な問い合わせのニーズが顕在化した恰好ですね。一方で有人対応件数が減少したのは、窓口を一本化してFAQでの自己解決が進んだことで、同じ質問に個別対応する手間が減ったためと考えています。

PKSHA AI依頼管理で管理者の100%が工数削減を実感、対応者も86%が継続移行

問い合わせ領域対応にも社員への依頼・タスク管理でも課題があったと伺っています。

稲垣様:これまでは全社への作業依頼をメールで送っても、誰が対応しているかを把握するのが難しく、Microsoft Excelに情報を集約してリマインドを送るなど、管理側の工数が非常にかかっていました。依頼内容によっては返信の抜け漏れが発生することもあり、配信することそのものよりも、進捗管理の方が大きな負担になっていたほか、部署ごとに依頼の形式がまちまちで、全体の対応状況を横断的に把握しづらいという課題もありました。

依頼・タスク管理領域の検討はどのように進みましたか。

古澤様:PKSHA AIヘルプデスクの利用が進む中で、同じPKSHA AIバックオフィスのサービスであるPKSHA AI依頼管理の話を聞き、ピンとくるものがありました。PKSHA AIヘルプデスク同様にTeams上で使用でき、ゼロから新しいツール操作を覚えてもらう必要がなく、スムーズに受け入れられると考えました。メールは社内外から大量に届くため、見落としが生じる可能性がありますが、PKSHA AI依頼管理は日常的に利用するTeamsに通知が来て、一度開いても完了ボタンを押すまでは表示が残るので、社員が対応を忘れにくくなる点も評価しました。管理側としても、Teams上で配信内容や閲覧数、反応を把握できるため、内容を調整しながらのPDCAが回しやすくなると考えており、「野村不動産グループDX宣言」にある業務・プロセス変革につながると感じています。

PKSHA AI依頼管理の用途や効果について教えてください

稲垣様:PKSHA AI依頼管理は、2026年6月から先行導入し、4つのテーマで複数回の依頼配信を試しました。依頼を送る対象部署は特に指定せず、例えば「Windows 11のバージョンアップが未対応の社員」などの条件でピックアップし、対象を絞り込みました。結果として、管理者側の100%が工数削減効果を実感し、対応者側からも86%という高い継続利用の意向が得られました。使用しなかった場合と比べると、1回の依頼あたり平均して約62%の時間的な工数削減ができています。

こういったツールは導入を主導した管理側が効果を実感できて、対応者である従業員の手間が増えた結果、あまり芳しくない評価を頂くというのが一般的だと思っていたので、対応者の満足度も高かったのは意外でしたね。

おそらく、普段使い慣れたTeamsに統合された仕組みだったことで、対応者の負担を抑えつつ、依頼に気づきやすく忘れにくいというメリットが実感できたからではないかと思っています。

上層部との合意形成はどのようにされたのでしょうか。

古澤様:先行導入で得られた定量的な成果を上長に提示した際の反応が良かったことが、大きな決め手になりました。感覚的な手応えだけでなく、工数削減の数値や継続利用意向といった数字で語れたことが、社内での説得力を高めたと感じています。また、日頃からTeamsを使っている上長にとってもイメージがしやすく、対応状況を数字やグラフで追いかけられる可視化のしやすさや、UIの分かりやすさも評価につながりました。あとは、私たちの部署の取り組みを知った他部署でも管理側として導入したいとの声も出てきています。やはり、上層部にしても他部署にしても使った時の想像がしやすいかどうかは、ツールを導入するか否かに関わってくるのかもしれません。

PKSHA AI依頼管理は、どのように活用されていますか。

稲垣様:2026年9月に全社員、約10,000名への依頼配信を1回実施し、「しばもん」の基本的な使い方や問い合わせ方法をあらためて案内しました。AI依頼管理の通知機能のおかげか、今まで「しばもん」を利用したことが無かった人にも届いたようで、初めて開いた人の数も数百人単位で増えました。

今後は「しばもん」関連だけでなく様々な業務に関する発信を行っていきますが、グループDX戦略部として「しばもん」関連だけではなく様々な業務に関する発信・依頼を行っていく予定です。コーポレート部門でも当部と同様の悩みを持っている可能性が高いと思っているので、横展開できるように成果を出して行きたいと思っています。現在、管理者権限はグループDX戦略部のみが持っていますが、今後はコーポレート部門にも権限を広げていく予定です。

「困ったら『しばもん』に聞く」問い合わせと依頼管理の集約で窓口が明確に統合

2つの機能が「しばもん」(PKSHA AIバックオフィス)に統合されたことによる相乗効果はありましたか?

稲垣様:メリットとして感じているのは、管理者側は問い合わせ対応と依頼管理が同じ画面で完結することで、他のアプリやブラウザ、ソフトを開いて確認してといった手間が少ないことです。他にも依頼の準備から発信、その後の問い合わせ対応までを一気通貫でできる点にも良さを感じています。従来はメールで依頼を発信したあと、発信した依頼に関連するFAQをMicrosoft SharePointや社内イントラネットで別途管理する必要がありましたが、今は「しばもん」で一元管理できるようになりました。

問い合わせと依頼管理という異なる用途のやり取りが「しばもん」というひとつの窓口に集約されていることで、対応者側も、依頼内容を確認して分からないことがあればそのまま、タブを切り替えるだけで聞くことができます。「困ったら『しばもん』を開けばよい」という分かりやすさは二つのサービスを併せて導入するメリットだと思います。


AIバックオフィス「しばもん」のUI

運用を通じて見えてきた工夫や課題があれば教えてください。

稲垣様:PKSHA AI依頼管理はCSVで配信対象のリストを設定するのですが、ここが例えば人事労務ソフトと連携できたらさらに楽になりますね。とはいえ、先行導入の段階でフィードバックしたところは迅速に改善いただきましたので、今後の開発には期待しています。

コーポレート部門全体への展開で全社DXを加速

今後、PKSHA AIバックオフィス「しばもん」の活用でどのようなことに挑戦したいですか。

古澤様:「しばもん」の導入によってデータやナレッジが蓄積されてきており、次はそれをどう活用していくかというフェーズに進んでいきたいと考えています。具体的には、社員がどのようなことに困っているのかを理解し、単に問い合わせに応えるだけでなく、問い合わせ領域の業務処理まで担えるようなAIエージェントへと機能を広げていくことを検討しています。蓄積されたやり取りの傾向を分析することで、まだ言語化されていない社内の潜在的な課題を見つけ出すことにも活用していきたいですね。

社内のAI活用を今後どのように広げていきたいですか。

古澤様:グループ全体を横断して見ているDX戦略部の立場を活かして、「しばもん」を通じて社員の作業を効率化し、本質的な価値創造のための時間を生み出すというDX宣言の実現に取り組みたいと考えています。活用範囲をコーポレート全体へと広げ、特定の部署だけで閉じた取り組みにせず、グループ全体で得られた知見を横展開していくことが、DX戦略部としての役割だと考えています。

貴重なお話をありがとうございました。

2026年9月17日時点の情報です。