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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、現在多くの企業さんがテレワークの環境整備に取り組まれています。その中では、テレワーク運用で生じる社内の質問対応やトラブルシューティングに工数を割かれてしまっている、という声も各部門で多いのではないでしょうか?市況ではそうした課題感が高まっているため、社内向けのFAQチャットボットへ注目が集まっています。
本記事では、そんな“社内向けFAQチャットボットの導入に関心がある方々”へ向けて、予め確認しておくべきポイント等をご紹介いたします。
社内向けチャットボット導入前に確認すべき3つのポイント
社内向けチャットボットの導入・運用に失敗しないために、以下のポイント3点は一度押さえておきましょう。
(1) “FAQの補完ツール”という前提認識を持つ
まず前提として認識しておきたいのは、FAQチャットボットはあくまでもFAQコンテンツを補完するためのツールということです。
具体的に言うと、「これまでFAQを運用してきたが閲覧数が伸びない」「FAQコンテンツの数が多く、ワード検索だけでは検索結果を絞り込めない」といったレベル感の課題を解決するためのツールがチャットボットです。
詰まるところ、チャットボットの強みというのは①「FAQの導線・窓口を増やすこと」と②「(自然文検索により)FAQの検索性を高めること」にあります。
そのため、AI型、シナリオ型などのタイプを問わずチャットボットの活用にFAQコンテンツの存在は当然必須であり、FAQの質や量が予め精査されているかどうかで初期運用の結果が左右されるとも言えるでしょう。実際のところ、FAQの運用・精査が十分にできていない状態でチャットボットを導入した企業さんでは、運用前のFAQデータ作成作業で疲弊してしまうケースも多いといいます。
こうした点を加味し、まずはFAQの運用と精査をしたうえでチャットボットの検討ができれば、本質を見失わずに成功へ繋げることができるでしょう。
(2) 社内の期待値を事前に調整しておく
2つ目に注意しておきたいのが、FAQチャットボットに対する社内の期待値調整です。
当然ですが、FAQチャットボットはすべての質問に対して的確な回答を導けるわけではありません。あくまでもFAQデータをベースとしたシステムであるため、カバーできるのは質問と回答がある程度定型化できるものに限ります。
しかし、従業員によっては、チャットボットというシステムへの漠然としたイメージから、「何を聞いても正確に回答をくれる」等の高い期待値を抱いているケースも少なくないでしょう。そして、その高い期待値のままチャットボットを利用した場合、エンドユーザーは概ね失望してしまいます。そうなるとチャットボットの活用が社内で定着するのは難しいでしょう。
そのため、担当者はFAQチャットボットを導入する目的とその役割をしっかりと定義したうえで、エンドユーザーとなる従業員へ事前に周知・説明しておく必要があります。その際には、チャットボットではどういう質問には的確に答えられて、どういう質問には回答できないのか等を例示も含めてアナウンスしておくといいでしょう。
(3) 「社内FAQは活用されないから…」は要注意!
最後3つ目に注意したいのが、「社内FAQでは活用が進まない」と決めつけてチャットボットの導入を検討してしまうことです。
もちろん、FAQの閲覧数や検索精度の点はチャットボットで改善できるケースも多いです。ただ同時に、チャットボットを導入せずとも改善できるケースがあることもまた事実なのです。
例えば、従業員が社内FAQを活用しなくなる理由の一つとして「情報が古い」といったことがありますが、この場合チャットボットを導入せずとも、FAQの定期的なメンテナンスや担当部門へのレポートライン設置によってコンテンツの経年劣化を防ぐことができます。また、新規投稿や情報更新したFAQを作業者がアナウンスするような慣習ができれば、「社員全員で運用していくもの」としてFAQが認識され、情報が古いことを理由に活用しなくなる従業員は減っていくでしょう。
このように、原因によってはチャットボットを導入せずとも改善できるケースは意外と多いです。お客様向け等の公開FAQと異なり、社内FAQはエンドユーザーである従業員と直接コミュニケーションを取ることができるので、「なぜ活用しようと思えないのか?」といったことを直接ヒアリングすることも難しくないでしょう。
社内FAQがうまく活用されていないのであれば、まずはその原因を明らかにすることが先決です。
まずは社内FAQを一度見直してみよう
社内FAQの見直しを行う際には、以下3つの観点で整理するといいでしょう。
【効率性】 必要なFAQに辿り着けているか?
FAQのレポート機能等で「0件ヒット」のワードと数量は定期的に確認できていますか?また、0件ヒットのレポート内容に合わせて類義語登録の更新や新規FAQの作成は適宜できているでしょうか?
0件ヒットの数は、そのままエンドユーザーの失望の数としても捉えられます。必要なFAQコンテンツの存在がもちろん大前提ですが、エンドユーザーである従業員の皆さんが“どんなキーワードで情報を求めているのか”を適宜確認したうえで、検索ワードの類義語登録やコンテンツのタイトル変更を行うことが必要です。
【有効性】 FAQは理解しやすい内容か?
FAQに限った話ではありませんが、コンテンツは“誰に向けたものか”という視点が非常に重要です。社内FAQの場合、自社の従業員に向けたコンテンツということになりますが、更に細かい粒度で営業社員向けか、技術社員向けか等まで考えられているでしょうか?
とりわけ技術系の話は専門性が高いため、技術関連のFAQを営業やその他部門向けに作成する場合には、リテラシーの違いを意識したうえで平易な単語を使用した方が良いでしょう。
また、FAQの回答文でテキスト量が多くなってしまいそうであれば、箇条書き等をうまく使って視覚的に分かりやすく見せる工夫も必要になります。
【運用性】 FAQは経年劣化していないか?
企業活動を進めていく中で、新しい社内ルールや業務オペレーションというのは必然と増えていくものです。そうして従来のナレッジが変更された際、FAQの更新ないし新規投稿は適宜できているでしょうか?
情報の古いコンテンツが散在していると、FAQへの信用が落ちるため当然活用は進みません。FAQ運用では、定期的なメンテナンスやレポートラインの整備、コンテンツ更新時のアナウンスなど日ごろの継続的な取り組みが非常に重要になります。
まとめ: 現状課題の棚卸しからはじめよう
FAQの閲覧数や検索性を向上させる手段として有用なチャットボットですが、まずはFAQ運用を通してコンテンツを精査することが重要です。まだ社内FAQを作り込んでいないという企業さんは、FAQコンテンツの作成と整理からはじめることを推奨します。
FAQもチャットボットも、それぞれの特徴を理解したうえで導入・運用することができれば、コストの削減だけでなく、業務の属人化を防ぎ従業員スキルの標準化ないしベースアップにも繋がる手段になります。そうした結果に繋げるためにも、まずは自社の状況とその原因を棚卸ししてから取り組み方を検討しましょう。
FAQページの作成ノウハウに関しては、ダウンロード資料を下記にて公開していますので是非ご覧ください。
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