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公開日/2020.1.24
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「所有から利用」の時代における真の顧客視点とは【前編】

「所有から利用」の時代における真の顧客視点とは【前編】

AI時代到来!?

1980年代後半、日本にインターネットがやってきました。90年代に入って商用化が一気に進み、一般的な時代になっていくわけですが、ネット社会の技術革新や社会への影響などはそれまでとは大きく違い、ドッグイヤー(今やほとんど死語ですが)といわれるように商品開発やサービスの変化のスピードは従来とは比較にならない早さになっていきました。インテル社設立の一人ゴードン・ムーア氏が唱えた「ムーアの法則」※がありますが、アナログ世代の私にはとても想像しえないスピード感でした。

※「ムーアの法則」:集積回路上のトランジスタ数は「18か月(=1.5年)ごとに倍になる。大規模数隻回路(LSIIC)の製造・生産における長期傾向について論じた1つの指標であり、経験則に類する将来予測である。米インテル社の創業者の一人であるゴードン・ムーアが1965年に自らの論文上に示した。(出典:Wikipedia)

そして、2000年代に入るとまさにそのスピードは増しインターネット無くして生活は成り立たないほどになってきました。それは、従来の技術開発は国や大企業が個々に開発をしていたものが、細分化されベンチャーや異業種の参入により加速度的に進み、複数の分野が融合することで複雑化しボーダーレスになってきているからではないでしょうか。

さてサポートの世界にあってはどうでしょう。電話の世界でアナログからデジタル技術に変わったからと言って電話そのものが変わったわけではありません。また、LINE、メール、チャットもチャットボットも電話にとって代わるチャネルにはなっていません。つまり、電話にとってかわるテクノロジーはまだ出てきていないのです。しかしながら、昨年あたりから急激に話題になっている「AI」があります。それがひょっとすると電話にとって代わるテクノロジーとなるのではと思わずにはいられないのです。

AIそのものは自動運転や教育、医療など様々な分野でその開発と利活用が考えられていますが、「Google Home」「Amazon Echo(Alexa)」「LINE Clova」を代表とするスマートスピーカーで考えてみると、今はまだ提供するGoogleやAmazonがそれぞれに提供しているサービスが中心ですが、これが広がり、かつつながることで各企業が提供するサービスやサポートがスマートスピーカーを通してできるようになるということはかなり実現性が高いと思いませんか!?「ロボアドバイザー」というAIを使い投資の手助けをしてくれるサービスはすでに20社くらいから提供されています。こうしたサービスがスマートスピーカーを通して提供される日は近いと思います。

4Pの時代から4Cの時代へ

少し先の話になりましたが、こうしたテクノロジーの発展とともに、生活スタイルが変わりそれに伴い人々の価値観も変わってきました。インターネットの影響力の大きさは想像を超えたはるかに大きなものでした。
それまでの物を作って売るといういわゆる工業化時代は、企業が情報を持ち、消費者はそれを提供してもらうという図式で常に企業側が、ある意味優位的な立場にいたわけです。ところが、インターネットが普及しSNSが拡大していくとこの図式が壊れていきます。商品やサービスそのものに対する価値観も当然変わっていき、マーケティングの世界も大きな変革を迫られることになっていきます。
それが、マーケティングの世界で良く使われる「4Pの崩壊」と言われ「4C時代」へと移っていったわけです。

ちなみに、4Pと4Cについて簡単に触れておくと

多少乱暴な言い方をすると、4P時代は物を作り価格を設定し、流通に乗せ、広告宣伝をすれば売れた時代だったと言えます。つまり売る側(企業側)からの論理(プロダクトアウト)でした。しかし、顧客のライフスタイルの変化にともなう価値観が変わってきたことで、物を買って所有することへの価値観から利用する価値観へ大きく転換していくのです。さらに、インターネットが普及しSNSが拡大していくことで情報がネットに氾濫し企業が発信する情報に限らず顧客や第三者から様々な情報が発信されてくると、企業が持つ情報の優位性は崩れ顧客の価値観やライフスタイルというものを中心に考えざる得なくなります。こうした変遷や考え方についての詳細はマーケッターの方々に譲るとして、サポートの世界はどう変わったのでしょうか。

【後編へ続く】

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