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せっかく優秀な人材を採用することができたとしても、すぐに辞めてしまっては採用コストや時間が無駄になるだけでなく、会社のパフォーマンスや従業員のモチベーションまでもが低下してしまいます。離職を防ぐための有効な手段として、オンボーディングがあげられます。
オンボーディングを始めるにあたり、現状の課題を把握し、新入社員とのミスマッチの原因をきちんと把握する必要があります。
会社が抱える課題とは
新人は入社後、さまざまなことを覚えなければいけません。メインの業務はもちろん、勤怠の入力や請求書の処理などの事務処理、会社特有のルールや言葉、メンバーやチームの役割、会社の価値観などがあります。これらを漏れなく伝え、一人前の社員として活躍できるように組織としてサポートすることを『オンボーディング』といいます。
オンボーディングを実施している会社は増えてきているものの、重要なのは新入社員が抱える悩みに適したオンボーディングかどうかです。新入社員が抱える課題とはいったいどのようなものがあるのでしょうか。
社風のミスマッチ
そもそも、どれほど優秀な人材であったとしても、社風と合わなさそうな場合には採用は慎重になるべきでしょう。時間とお金をかけて採用したのにすぐに辞められてしまっては、会社にとっても社員にとってもデメリットになると予想できます。
しかし、会社の社風というのは全社員がつくり出すものです。新入社員が「社風が合わない」と結論づけてしまう前に、会社全体で新入社員をサポートしていくことで、新入社員が抱える小さな悩みもその場で解決することができるでしょう。
人間関係の問題
離職理由として大きなものの一つに、人間関係があります。新入社員は毎日分からないことの連続です。ちょっとした疑問であっても、誰に聞いたらいいのか分からないという状態では、孤独感を抱えてしまいます。
社内に気軽に悩みを相談できる場所を設けたり、他部署にまたがった横のつながりがあったりすれば、解決する可能性は高まります。
オンボーディングは配属部門メンバーが中心となり実施することも多いですが、人事も都度フィードバックをするなど検証しながら進め、会社全体で協力する姿勢が必要です。
社員としての自覚を持つためのオンボーディングとは
それでは、新入社員が「この会社のために頑張ろう」と帰属意識を持てるようなオンボーディングとはいったいどのようなものがあるのでしょうか。具体的な例をご紹介いたします。
1on1ミーティング
新入社員の長期の目標・短期の目標を明確にし、その都度フィードバックしてサポートすることはモチベーションアップや安心感につながります。そのための仕組みとして、1on1ミーティングがあります。1on1ミーティングとは、上司と部下が毎週や毎月など時期を決めて行う30分ほどの面談のことです。1on1ミーティングを続けることで、上司との信頼関係が構築でき、新入社員のやる気を引き出すこともでき、新入社員が何か問題を抱えてしまったときの変化にもいち早く対応することが可能です。
メンター制度
また、現場の上司でなく、年齢も近く相談しやすい先輩社員や人事部門などの社員が、新入社員の日々の業務や精神的なサポートをする『メンター』として関わることも効果的です。 上司にわざわざ聞くほどでもないと躊躇してしまうような小さな悩みも、積み重なれば不満になってしまいます。新入社員が相談しやすいサポート体制を整えましょう。
入社後オリエンテーション
入社後のオリエンテーションでは、企業理念・会社の仕組み・行動規範・就業規則などの人事制度の説明や、オフィス内部の案内や社員の紹介が行われます。入社日や翌日など、できるだけ早い時期にオリエンテーションを実施している会社も多いでしょう。オリエンテーションを行うことで、同期の横のつながりを構築できるだけでなく、会社の仲間になることを歓迎されていると実感できます。
急成長している会社が気をつけるべきこと
事業が成功して急成長している会社では、人材を新たに募集し、中途入社の社員や新入社員が増えます。会社としては勢いがある状態でも、きちんとオンボーディングがされていなければ、社員同士のつながりや当事者意識も薄れてしまい、結果的に離職につながります。
急成長している会社では、既存社員であっても会社の動きが見えず不安な状態に陥ってしまうものです。
このような場合、改めて企業理念を全社員で確認し、オンボーディングを導入するなど、組織にあった仕組みづくりが必要となります。スムーズに情報共有して新入社員の不安を払拭できる組織にしていきましょう。
まとめ
入社後のミスマッチを減らすためには、まずは、新入社員の抱える問題や、過去の退職事例などを分析し、ミスマッチの原因と課題は何なのかを明確にする必要があります。会社の社風・企業文化・理念などの会社の根幹を社内で共有したうえで、その考えに合う人を採用し、会社全体で新入社員をサポートするようにしましょう。