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公開日/2022.12.26
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コールセンターの平均処理時間とは?短縮する方法とメリット・注意点

コールセンターの平均処理時間とは?短縮する方法とメリット・注意点

コールセンターの業務効率化、顧客満足度の改善を図る際に重要な指標となるのが「平均処理時間(AHT)」です。AHTを改善することができれば、個人はもちろん、組織全体でさまざまなメリットが得られます。

一方、平均処理時間を短縮するための施策は様々あり、無計画に試みてしまうと効果が小さくなるだけでなく、逆にデメリットが大きくなる恐れもあります。そこで今回は平均処理時間の計測方法から代表的な施策まで基礎知識をまとめて解説します。

コールセンターにおける平均処理時間とは?

AHTは数ある部署や業務のなかでも、特にコールセンターで使われることが多く、重要な指標です。その意味と算出方法を解説します。

平均処理時間の意味

平均処理時間は「Average Handling Time(AHT)」ともいい、コールセンターにかかってきた1コール(入電)に対する処理に費やした時間のことを指します。具体的にはオペレーターと顧客の通話開始から、通話後の処理まで一人あたりの顧客対応の全ての工程にかかる時間です。コールセンターの業務効率に取り組むときの数値的な目標となる「重要業績評価指標(KPI)」に設定されることが多いです。また、目標の対象者もオペレーター個人、チーム全体のどちらでも設定できます。

平均処理時間の算出方法

平均処理時間の対象となる時間は大きく3つに分けられます。1つ目は、オペレーターと顧客との「通話時間」です。また、オペレーターがその場で回答できなかった場合などに発生するのが、担当部署への内線確認などが行われる「保留時間」です。最後は「後処理時間」で、通話終了後にオペレーターが問い合わせ内容の記録や顧客からのクレームなどを担当部署につながる部署への連絡などが含まれます。保留時間は通話時間に含めるケースが多いため、一般的に平均処理時間は以下のように算出します。

平均処理時間=平均通話時間(ATT)+平均後処理時間(ACW)

例えば、保留時間を含む平均通話時間が7分、平均後処理時間が5分の場合、「平均処理時間=7分+5分=12分」となります。平均通話時間の目安は業種や各企業によって異なるため改善を図る際は、まず現状の平均処理時間を計測後、少しずつKPIを達成していくことが重要です。

平均後処理時間(ACW)については、以下の記事で詳しく解説しています。
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平均処理時間を改善するメリットと注意点

平均通話時間を改善することで、大きなメリットが得られる一方、不適切な目標設定や施策を行ってしまうとかえって現状が悪化するリスクもあります。そのため、平均通話時間の改善に取り組む際は、メリットと注意点の両方を把握して臨む必要があります。

平均処理時間を改善するメリット

平均通話時間を短縮できれば、1つの入電をより短時間で処理できるようになるため、同じ量の人的リソースでもより多くの問い合わせに対応できます。これによって、電話がオペレーターにつながらない「待ち呼」や「あふれ呼」を減少させることができ、最終的に顧客が電話を切ってしまう「放棄呼」の抑止につなげられます。放棄呼が減少することや顧客の待ち時間の減少は、顧客をサポートする機会損失の防ぎ、顧客満足度(CS)の向上に直結します。その結果、企業やサービスのイメージが良くなり、顧客のロイヤリティを高められることも期待できます。

さらに応答率、稼働率の見直しにもつながるため、オペレーターの増員やアウトソーシングといった追加のコストを発生させることなく業務効率化が図れることも大きなメリットといえるでしょう。

平均処理時間を改善するときの注意点

平均処理時間の改善は、結果的にコスト削減や顧客満足度の向上につながりますが、無理やり短縮しようとすると逆効果になるリスクが高まるため注意が必要です。例えば、あまりにも無謀なKPIを設定してしまった場合、オペレーターが平均通話時間を短縮しようとするあまり顧客への対応の質が悪くなる恐れがあります。また、平均後処理時間を無理に縮めようと試みた結果、コミュニケーションが十分に行われなくなり、ナレッジが蓄積しにくくなるリスクが高まります。

さらにオペレーターの精神的な負担が増加してパフォーマンスの低下にもつながるおそれもあるため、現状をしっかりと把握して応対品質や顧客満足度の維持・向上も図りながら進める必要があります。

平均処理時間を短縮するための方法

平均処理時間を短縮するための代表的な施策を3つ紹介します。適切な施策は各企業によって異なるため、自社の環境を把握したうえで取り組むことをおすすめします。

オペレーターの研修や教育を実施する

定期的な研修もしくは優秀なオペレーターのナレッジを共有する時間を設けることで、新人オペレーターなどのスキルを底上げすることが可能です。スキルを底上げできれば顧客との無駄な会話や他部署との連携がスムーズになるため、個人レベルで平均処理時間の改善が図れます。さらにスキルをボトムアップして組織内での平準化を実現できれば、優秀なオペレーターの対応数も減少にもつながり、間接的な負担軽減も期待できるでしょう。

一人ひとりのオペレーターの平均処理時間やスキルは異なるため、個々のパフォーマンスを評価して改善し続けることが重要です。また、通話を録音して改善点を明確化するなど日々の業務に関連した日常的なトレーニングの機会を設けることも大切です。

対応マニュアルや社内FAQを整備する

平均処理時間を組織全体で改善するためには、基本的な顧客とのやりとりなどを示した「対応マニュアル」や個々の事例に適切に対応するための質疑をまとめた「社内FAQ」の整備が不可欠です。対応マニュアルを用意できれば新人であっても大まかなやりとりを把できるため、一定水準のコールセンター業務が可能です。

また、指導係のオペレーターの負担増加による組織全体での平均処理時間の増大や従業員満足度の低下も防げるでしょう。社内FAQがあれば、連携すべき部署や担当者などがすぐに分かるため保留時間の短縮も図れます。対応マニュアル、社内FAQともにPDCAサイクルを回して常に自社のサービスや商品、顧客の環境に適した状態を維持し続ける必要があります。

コールセンターシステムやCRMを導入する

音声通話やコミュニケーションの履歴、顧客情報を記録するほか、外線と内線通話を接続してコールを柔軟に制御する機能を備えた「コールセンターシステム」を導入することで、効率的に平均処理時間の向上を図れます。また、記録した顧客情報を「顧客管理システム(CRM)ツール」と連携することで、他のマーケティング施策への活用や次回以降の対応の指針を定めることも可能です。

ツールを導入して的確かつ効率的な平均処理時間の改善を図りましょう

平均処理時間の基本と改善方法について紹介しました。平均処理時間を短縮するためには、各数値を適切に把握して施策を運用し続ける必要があります。マンパワーでは継続的に取り組みにくいため、「PKSHA Speech Insight」の導入をおすすめします。

PKSHA Speech Insightは、高精度音声認識AIを駆使して「AWC工数の50%削減」、「オペレーターの教育コスト削減」を実現するためのツールです。既に利用されているPBX・CTI・ソフトフォン・CRMなどの業務ツールを一切変更しなくても、導入・運用できるため幅広い環境のコールセンターでご活用いただいています。平均処理時間の改善へ取り組む際はぜひお問い合わせください。

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