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公開日/2023.4.19
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イベントレポート『PKSHA Communication Users’Conference 2023 in 大阪』

イベントレポート『PKSHA Communication Users’Conference 2023 in 大阪』

目次

2023年2月16日、株式会社PKSHA Communicationは、3年ぶりに大阪でのオフライン開催となるユーザー会「PKSHA Communication Users’Conference 2023 in 大阪」を開催しました。
総勢50名以上の方々にご来場いただき、盛況に執り行うことができました。当日の様子をハイライトでご紹介します。
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PKSHA Communicationのユーザー会とは

PKSHA Communicationのユーザー会では「ユーザー企業の皆様をつなげる」ことを目的に、PKSHA Communication が提供するカスタマーサポートソリューションPKSHA FAQ、Chatbot、Voicebotの活用事例の共有や、ユーザー様同士の情報交換、ネットワーキングの場として、年に2回東京と大阪で開催しています。

導入企業様事例セッション

ユーザー会のメインプログラムは、PKSHA製品をご利用いただいているお客様のご活用事例です。今回は、株式会社工進様、三井住友海上あいおい生命保険株式会社様、三井住友トラストTAソリューション株式会社様にご登壇いただきました。

PKSHA FAQご活用事例:株式会社工進様

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PKSHA FAQのご活用事例は、株式会社工進の露木様にご登壇いただきました。工進様は農業・工業・土木の現場や家庭内で利用されるポンプ等の製造販売を行っている企業です。自社製品のお客様向けのカスタマーサポートサイトに、PKSHA FAQをご活用いただいています。

PKSHA FAQ導入前、電話でのお客様対応が中心

PKSHA FAQ導入以前は、お客様からのお問い合わせの大半は電話で行っていました。

カスタマーサポート窓口には、工事・土木作業に携わる現場のプロの方から、家庭菜園や家の掃除などで製品を利用している一般の方の両方の方々から、取り扱っている多彩な製品に関するお問い合わせが入ります。

お問い合わせ内容も、製品について熟知していないと答えられないテクニカルなものから、専門用語を使わず簡単な言葉での説明が必要なものまでと幅広いため、対応するオペレーターには豊富な知識が求められます。

「あふれ呼」が多い、電話対応業務の属人化が課題

コールセンターでは、入電数が多くオペレーターにつながる前にお客様が電話を切ってしまう「あふれ呼」が多く、オペレーターが回答するためのナレッジが紙資料で管理されていたり、社内の情報共有サーバーに保管されていたりと一元管理されていないため簡単に検索できない、またオペレーターの個人スキルに頼っているため、対応業務が属人的になってしまっているといった課題を抱えていました。

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このような課題を解決するために、社内のナレッジ・情報を一元管理でき、更に同じデータベースでお客様向けのFAQサイトも作れるシステムとして「PKSHA FAQ」を導入しました。

社内ナレッジを「PKSHA FAQ」に集約し一元管理、お客様向けFAQサイトも新たに作成

最初に取り組んだこととして、社内の共有サーバーに格納されている商品情報や関連する資料はすべてテキスト化しました。

製品数は1,500アイテム程あるので、そのナレッジをすべてテキスト化するのは無理だと思ったのですが、問い合わせ内容を分析してみるとお問い合わせの80%は主要な18機種だということがわかりました。そこでまずはこの18機種のナレッジをデータ化するところから始めました。

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FAQサイトを作るにあたって設計や製品開発や各担当部門にエスカレーションすることなく、全てオペレーターが対応できるようにしたい。という発想で進めました。

実際の手順としては過去のお問い合わせログをPKSHA Communicationに依頼してAI分析をしてもらい、FAQの候補を350個ほど作成してもらいました。そして、それらを一つ一つ確認して「PKSHA FAQ」にFAQを登録しました。さらにオペレーターが個人で持っている紙の資料もデータ化してFAQにいれました。

また、取扱説明書・サービスマニュアル・各製品の基本性能マニュアル、材料・梱包サイズ・パーツリスト・製品の分析データ・用語集などすべての情報を「PKSHA FAQ」にいれ、FAQサイトで検索できるようにしました。

そうやってできたFAQサイトは、社内情報を一元管理するための基礎となり、現在はコールセンターのオペレーターだけでなく全社員が利用しています。

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これらの登録した内容を元に、お客様FAQサイトも作りました。FAQサイトの工夫としては、まずTOPに製品写真を並べてすぐに該当の製品にたどり着けるようにしました。

FAQコンテンツも例えば、問い合わせ前に不具合の初期診断ができるようにチェック項目を細かく分けて自己解決をナビゲートしたり、使い方動画をFAQに載せ電話でのお問い合わせの場合でもSMSで動画FAQのURLをご案内するなどしています。

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「PKSHA FAQ」の導入で入電数は30%減少

お客様向けFAQサイト公開後から入電数は30%減少しました。お客様がFAQを見ればわかるお困りごとについては自己解決するようになったため、全体の入電数が減り応答率も向上しました。

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PKSHA Voicebot事例 三井住友海上あいおい生命保険株式会社様

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PKSHA Voicebotのご活用事例は、三井住友海上あいおい生命保険の田中様にご登壇いただきました。三井住友海上あいおい生命保険様はMS & AD インシュアランスグループの中で中核となる生命保険事業を担っています。

田中様の所属されている、保険金サービス部請求サポートグループでは給付金・保険金請求の受付及び請求に関するお問い合わせを受けるコールセンターです。保険を契約いただいているお客さまからのお電話でのお問い合わせの対応に、PKSHA Voicebotをご活用いただいています。

ボイスボット導入以前から課題はオペレーター不足

PKSHA Voicebot 導入前から入電数増加に伴い、対応するオペレーター不足が課題となっていました。

給付金請求の受付だけでなく、請求に関するお問い合わせも受け付けているため、たとえば「夫が事故にあって入院中ですが意識不明のため、妻の私が変わって手続きすることができますか?」や「弟が亡くなりましたが、保険金受取人になっていた母はすでに他界しています。その場合どうしたらいいですか?」というような内容のお問い合わせも入ります。

保険に関わる知識だけでなく、お客さまに寄り添った受け答えといった応対スキルも求められるため、オペレーターの教育には時間がかかります。オペレーターの採用難に加えて教育に時間がかかるため、現場では常にオペレーター不足が課題となっていました。

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ボイスボット導入のきっかけとなった「台風直撃」と「コロナ禍」

そのような課題を抱えていた中、2019年9月台風15号の直撃によるコールセンターの閉鎖、2020年4月新型コロナウィルスによる緊急事態宣言の発布による出社制限といった事態を受け、以前よりBCP対策は講じてきたものの、マンパワーに依存しないコールセンター業務の継続をより考える必要がでてきました。

そのため2021年1月よりボイスボットを導入し、多岐にわたる問い合わせの中から比較的簡易で定型的な業務、かつ件数が多い業務を選定してボイスボットを導入しました。

そして、さらに2021年8月にはコロナ療養の受付回線も導入しました。導入に際しては、入院・手術請求受付のフローが作られていたため、どんな質問をしたいかを考えるのみで2週間かからずにスタートできました。

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ボイスボットのみで対応完了できる「完結率」を70%目標に運用

ボイスボットの運用に関しては、ボイスボットに着信して受付完了まで電話を切られることなく要件が完了する率である「完結率」70%を目標に取り組みをスタートしました。

お電話いただいたお客さまに発話して回答していただくため、お答えに迷わないように、専門用語を使わない、「はい」「いいえ」で回答できる聞き方にする、無回答でも先に進められるようにするといった工夫をしています。

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そのほか、質問内容やお答えに迷いそうな部分をホームページに掲載するなどして、導入から7ヶ月目以降は目標としていた「完結率70%」を達成できています。

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PKSHA Voicebotの導入効果

現在、全入電の20%はボイスボットで対応できています。2022年8月にはコロナ第7波の影響で入電数も急増した時期はボイスボットでの受付が40%を占めましたが、完結率は変わらず70%を維持できていました。

またBCP 対策の観点でも24時間365日対応できているという安心感は大きいです。特にコロナ禍のような状況ではボイスボットは大きな力を発揮しました。

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ボイスボットさえ導入すれば、コールセンターのすべての課題がクリアされるわけではないのですが、ヒトとAIの棲み分けを行い、ヒトはヒトでしか対応できない部分により時間を使うことが可能となり「電話がつながらない」を改善しています。

これからもお客さまに電話してよかったと思っていただけるコールセンターを目指してまいります。

PKSHA Voicebot事例 三井住友トラストTAソリューション株式会社様

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PKSHA Voicebotのご活用事例は、三井住友トラストTAソリューション株式会社の新宮様にご登壇いただきました。三井住友トラストTAソリューション株式会社は三井住友トラストグループの証券代行事業における事務・システムの運営企画開発と、コールセンターの運営管理を担っている企業です。

三井住友銀行の100%子会社で、三井住友信託銀行、東京証券代行、日本証券代行の3社から事務・システム運営を委託しており、新宮様の所属されるコンタクトセンター統括部は、その受託業務の1つであるコンタクトコールセンターの運営管理を行っています。株主様からのお問い合わせの対応に、PKSHA FAQとPKSHA Voicebotをご活用いただいています。

顧客満足度向上に向け、戦略的にコールセンターを高度化

コールセンターが担っているのは、三井住友トラストグループが株主名簿管理業務を受託しているご委託会社様の株主様対応です。フリーダイヤルの受付時間は、平日の9時から17時で、株主様は配当金の受け取り方法や相続・株主優待などのお問い合わせ、各種変更、手続き証明書交付などのお問い合わせに対応しています。

証券代行コールセンターは、株主様向けのサービスや顧客満足度向上に向けても重要な役割を担っています。上場会社の個人株主重視の方針を受けて、その重要性は増しており時代や顧客のニーズに合わせて、コールセンターソリューションの導入を推進しています。対応記録の電子化から始まり、FAQシステム・IVR・有人チャット/チャットボット・ボイスボットの導入と、コールセンターシステムの導入を戦略的に進めてきました。

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「ノンボイスニーズへの対応」「24時間365日対応の拡充」を目指す

従来のフリーダイヤルでの9時から17時の受付時間をノンボイスによる無人対応を通じて、24時間365日対応へ拡充していく事により、利便性と満足度の向上を図っていくことです。これらの取り組みは同時に、コールセンターの受電抑制にもなり結果として応対品質の向上に繋がります。また、無人対応の拡充により、災害時や感染症拡大時などにおける受付手段の確保にも繋がります。

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電話中心のお問い合わせ対応から、自動応答を取り入れた対応へ

まず最初にPKSHA FAQを導入し、電話窓口の営業時間外の問題解決を目指しました。続いて有人チャットを導入しましたが、電話からチャットへの変換をどのように実現するかが悩みどころでした。

そんなときに「PKSHA Voicebot」を知りました。導入のポイントとしては、電話の自動音声により、要件を伺い、適切なチャネルへ誘導できる点です。 お問い合わせの内容に合わせて、SMS配信による有人チャットやFAQサイトの誘導が可能であること、また、要件によってはオペレーターへ繋ぐことも可能です。FAQサイトへの誘導は単にトップページへの誘導ではなく、個別のFAQを案内できるところもPKSHA Voicebotならではの特長でした。

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こちらは、今回取り組んだフロー概要です。オペレーターがいる営業時間内と、不在となる営業時間外に分けて設定しました。

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導入効果1 お問い合わせ対応をボイスボットで受付。入電集中時期の1割をFAQサイトと有人チャットに誘導。放棄呼の抑制に貢献

導入の効果は、昨年6月の入電集中時期に全体の約1割をFAQサイトと有人チャットで受付することができ、放棄呼の抑制に貢献しました。

導入による気付きとしては、株主様に適切なキーワードを回答してもらうために、質問の聞き方を工夫し、質問は最小限に絞ることで、途中離脱の防止を図ることです。 リリース後も引き続き対話改善サポートを受けながら、実際の反応にあわせて文言の修正などを行っています。

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導入効果2 書類請求の事務受付をボイスボットで自動化。事務受付の5割を対応

お問い合わせ対応だけでなく、書類請求の事務受付にもボイスボットを活用しました。会社法改正により、これまで書面交付が原則だった株主総会招集通知等について、電子交付が原則化され、書面交付を希望する場合は「書面交付請求書」の提出が必要となりました。それに伴い、コールセンターでは、照会対応と書類請求の事務受付の2つの業務が新たに発生することになりました。

このうち書類請求業務についてボイスボットを活用して自動化することで、オペレーターは照会業務に注力できる体制にしました。書類受付の24時間受付が可能となり、株主様の利便性が向上すると同時に、放棄呼の抑制にも繋がり安定的に受電できる体制が構築できました。電話での受付で、ウェブが苦手な方でも利用可能であることも良い点だと感じています。

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導入の効果として、昨年12月に10月・11月平均の8.6倍という想定外に入電が大きく増加した時に、電話での事務受付分の約5割に相当する件数をPKSHA Voicebotにて受け付けすることができ、こちらも入電の抑制に大きく貢献できました。

導入における気付きとしましては、株主様は音声受け付けの方が受け入れやすいということです。チャットボットによる受付も設定しておりましたが、ボイスボットの方が受付実績は多かったです。

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今後も、PKSHA社様との協力関係を維持、強化しながら、ノンボイスの活用を始めとして、様々な観点でコールセンターの高度化を進めていくことで、時代の変化や様々な株主様のニーズにタイムリーに対応していきたいと思います。 また、各種ツールを生かして、コールセンターの受け付け、運営体制を強化していくことで、株主様の満足度の向上と安定的効率的なセンター運営の両立を目指すとともに、ご委託会社、さらには証券市場からの評価、信頼を高めていきたいと考えております。

ワークショップ・ネットワーキング

カンファレンスの後半では、来場いただいているユーザー企業の方々でワークショップに取り組んでいただきました。今回のワークショップ内容は、とあるFAQサイトのデザインを紙でお渡しして、サイトの改善箇所を思いつく限り洗い出していただくというものです。このワークを、同じテーブルに座った違う会社の方々と意見交換をしながら、チームとして進めていただきました。初対面の方がほとんどですが、メンバー同士で議論するこのワークショップを通して打ち解けた雰囲気に。ワークショップ後も同じカスタマーサポート担当者同士、お互いの業務のお話や意見交換などをされる姿がみられました。

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懇親会

ユーザー会紹介後は、同じ会場で懇親会を開催いたしました。和やかな雰囲気の中、皆さん楽しんで情報交換や交流をされていました。このユーザー会をきっかけに、互いの会社やコールセンターを訪問するなど継続的な交流をされている企業様・ご担当者様もいらっしゃいます。

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参加企業様の声

参加後のアンケートで、皆様から頂いたお声の一部を紹介します。

・他社の方との会話はとても刺激になりました。同じ悩みもありました
・他業種の方の業務形態やお困りごとなど、生の声を聞ける大変良い機会となりました。
・ご講演もワークショップも大変参考になりました。ワークショップでご一緒した皆様と情報交換することで新たな発見があったり、同じ悩みを抱えているとわかり社外にも仲間がいるような安心感が得られたりと大変有意義でした。ぜひ今後も開催してください
・ワークショップが少し不安でしたが、いざ始まってみると皆様と活発に議論ができ、とても楽しかったです。その後のネットワーキングタイムでも情報交換がスムーズにでき、大変有意義な時間でした。

最後に

今回のユーザー会は、3年ぶりの大阪でのオフライン開催となりました。
ユーザーの皆様同士の対話や、当社メンバーとユーザーの皆様との対話など、オンラインでは難しい活発なコミュニケーションを各所で見ることができ、対面ならではの楽しさを感じる事ができました。

PKSHA Communicationでは今後も定期的に導入企業様同士が交流できるユーザー会を、オフライン・オンライン両方で継続的に開催していきます。
ぜひ引き続きご期待ください。

▼東京開催のレポートはこちら

 

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