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PKSHA Communicationのユーザー会とは
PKSHA Communicationは「ユーザー企業の皆様をつなげる」ことを目的に年2回、東京と大阪でユーザー会を開催しています。当社が提供するカスタマーサポートソリューション「PKSHA FAQ」、「PKSHA Chatbot」、「PKSHA Voicebot」などの活用事例の共有や、ユーザー様同士の情報交換、ネットワーキングの場として、多くの企業の方にご参加いただいています。
導入企業様事例セッション
ユーザー会のメインプログラムは、PKSHA製品をご利用いただいているお客様のご活用事例です。今回は、株式会社公文教育研究会様、株式会社ミルボン様、株式会社ローソン様にご登壇いただきました。
PKSHA FAQご導入事例:株式会社公文教育研究会様
PKSHA FAQをご導入いただいている株式会社公文教育研究会様から、学習療法センター基盤業務チームリーダーの岡様にお話しいただきました。以下、講演内容をご紹介いたします。
2023年10月の新サービス開始に合わせてPKSHA FAQを導入
当社は世界の60を超える国と地域で、公文式教育を展開しています。学習者数は国内外合わせて350万人を超えています。
子供向けの事業だけでなく、高齢者向けの事業も展開しています。私が所属する学習療法センターがその担当で、読み書き・計算学習とコミュニケーションにより認知症の重度化防止・維持、改善を目指す「学習療法(非薬物療法)」の取り組みや、健康高齢者を対象に脳の健康づくり・認知症予防を支援する「脳の健康教室」という事業を全国で展開しています。
これらのサービスは、入所・通所施設や教室会場といった「場」に通っていただかないと提供することができませんでした。特に、男性の方はこういった「場」に通われるケースは決して多くありません。
そこで、「少しずつ脳の衰えを感じ始め、何かしたい」という50代以上の中高年・シニア世代を対象とした、かつ「通いの場」を必要としない個人向けサービス=KUMONの脳トレを2023年10月より初めてBtoC事業としてリリースしました。
KUMONの脳トレのプロジェクトは2023年1月に始まり、その時点でサービスの開始が同年10月であることは決まっていました。主管部署は開発チームでしたが、初のBtoC事業に挑むために部署を超えた体制で人を集めることになり、基盤業務チームの私も参加しました。
部署横断のプロジェクトであるとはいえ、開発チームは4人しかいないなど、人員的には厳しい中での取り組みでした。リソースの不足を補うために思い付いたのがPKSHA FAQの導入です。2017年に別部署で導入させていただいたこともあり、それ以来ツールとサービス内容の両方をとても信頼していたので、今回の導入を決めました。
他社を参考に、1週間でサイト開設
導入に際し、私がPKSHA FAQを実際に使ってみて感じたのが、「ユーザー目線の作りになっている」「操作が非常に簡単である」「安価かつサービスが手厚い」といったことでした。
中でもサービスの部分で、とても助けられたのがPKSHA様からの情報提供でした。参考にしやすい他社様の事例を4つほど教えていただき、「高齢者の方でもパッと内容を理解できるのではないか」と感じたファンケル様のページを参考にさせていただきました。
限られたリソースであったためにプロジェクトの進行はギリギリで、実際にFAQの導入に取り組んだのは、サービス開始の1週間前になってしまいました。ただし、導入前から「カテゴリー分けにはこだわり、こういう形にしたい」といろいろシミュレーションしていたため、短時間で導入を進めることができました。そしてサービス開始の1日前の9月30日に、FAQサイトを無事開設しました。
FAQが機能し、問い合わせ対応はスムーズに
サービス開始前は、「対応できないほどの問い合わせが来たらどうしようか」と悩んでいましたが、実際にはFAQが上手く機能し、問い合わせ対応はスムーズにできていますし、2023年10~12月の間に問い合わせ件数も減少しています。
一方で申込件数も減少してしまっているので、PRが弱かったのではないかと反省もしています。PRを改善し、申し込み件数が増えれば、FAQにもまた別の問題が出てくるかと思います。問題を都度解消できるよう、今後もFAQの鮮度の確保には注力していきます。
サービスを開始して感じているのが、問い合わせ対応の簡略化は重要である一方で、我々がそこを意識するのはもう少し先であるべきなのではないか、ということです。高齢者の方の中には、ICTリテラシーに不安があり、Webではなく紙や電話で申し込みをしたい、電話で問い合わせをしたいという方が多数いらっしゃいます。そういった方に寄り添えるよう、当面はオペレーターと自動応答のハイブリッドの体制を敷き、極力オペレーターの方に重心を置いた対応をしていきたいと考えています。
PKSHA FAQご導入事例:株式会社ミルボン様
続いてPKSHA FAQをご導入いただいている株式会社ミルボン様から、品質保証部品質保証グループお客様窓口の山崎様にお話しいただきました。以下、講演内容をご紹介いたします。
公式ECサイト開設でエンドユーザーからの問い合わせが急増
当社はプロの美容師の方向けの、「プロユース」と呼ばれる美容室でのみ取り扱う製品を製造・販売するヘア化粧品メーカーです。主に美容室専売のヘアカラー剤やパーマ剤、スタイリング剤、シャンプー、トリートメントなどに加え、スキンケアやメイクアップ化粧品などを手掛けています。
1960年の創業以来、長らくヘアケアに絞って事業を展開し、シェアナンバー1を獲得してきました。しかし、人生100年時代と言われる中でトータルビューティーへの需要が高まっていると判断し、2017年から開始したスキンケアやメイクアップなどの化粧品事業をはじめ、ヘアケア以外の事業にも力を入れています。
プロユース市場のビジネスはBtoBなので、取引先である販売代理店様や美容室様への対応は基本的に営業部門が窓口になります。例外が、美容室でエンドユーザーの方に当社の商品をご購入いただく形のビジネスで、このエンドユーザー様からお問い合わせいただいた場合の窓口が、私が所属するお客様窓口になります。
数年前までは、エンドユーザー様からのお問い合わせは年間5000件程度でしたが、2020年に公式ECサイトを開設し、そのお問い合わせもお客様窓口でお受けするようにして以来、お問い合わせが急増しています、2023年は約1万件にまでお問い合わせが増えました。
公式ECサイトは少し複雑な仕組みになっていまして、いわゆる通販や一般的なECサイト(当社が直接エンドユーザーの方の会員を募って製品を販売する形)ではありません。エンドユーザーの方には一度美容室で会員登録をしていただき、美容室を通じて商品を購入する仕組みとなっています。そのECサイトの受注や物流、サイト運営を、当社が美容室からの委託を受けて請け負う、という形です。そのため問い合わせ内容は、会員登録方法や商品購入方法、キャンセルや返品対応、といったものになります。
メンテナンスを繰り返し、設定したKPIをクリア
お問い合わせは電話とメールが半々で、内容は公式ECサイトのお問い合わせが約4割、製品の内容に関するものが約2割、購入方法に関するものが1割弱、といった具合です。
PKSHA FAQの導入検討は2019年2月頃に開始しました。2020年にスタートする公式ECサイトにおける顧客サポートを手厚くすることが目的でした。ただし導入を進めるうち、お問い合わせの簡素化やナレッジの集約、社員教育の教材、属人化している顧客対応プロセスの見える化・平準化などに役立つことが分かり、様々なことに積極的に活用しよう、という方針になりました。
当社として初のFAQ導入だったため、導入1年目は社内からも好評で、「新しい仕組みを導入し、進化に対応した」という声をたくさんもらいました。2年目からはお客様の問題解決にどれだけ寄与しているかを正確に測っていこう、という方針になり、KPIの設定やメンテナンスに取り組みました。
具体的にはPKSHA様の個別相談会に何度も参加したり、セミナー動画を見たりして運用方法を勉強していきました。PKSHAの方から「0件ヒット30%以下を目標とするのはいかがですか」とアドバイスいただいたため、そこから取り組みを開始し、四半期ごとにメンテナンスをコツコツ繰り返しました。その結果、最も良い時には0件ヒットを23.7%まで下げることができました。
0件ヒット以外には、エンドユーザーがFAQサイトでQ&Aを閲覧し、それでも問題解決できなかった場合にお問合せに至ったと考え、どこで離脱している方が多いのかに着目し、お問い合わせ削減に取り組んできました。公式ECサイト開設後に、「ログインできない」「パスワードを忘れた」といった、本来お客様が自己解決できるような内容のお問い合わせが増えたので、これをFAQによって解決できれば、お買い物の際の離脱が減らせるのではないかと考えました。
具体的な取り組みとしては、FAQがあるにも関わらず特にお問い合わせが多かったものについて、FAQのPV数やGoogleアナリティクスのデータを組み合わせて分析しました。そして、お問い合わせの直前にFAQを見ていたか、見ていたのであれば何故解決しなかったのか、どこが分かりにくかったのか、といったことを調べて、四半期ごとのメンテナンスにつなげていきました。この積み重ねにより、お問い合わせを減らすことができています。
2022年にコーポレートサイトのデザインリニューアルがあったタイミングで、FAQサイトとの連携を更に強化しました。より見てもらいやすい動線設計や、ECサイトとFAQサイトのトーンマナーの統一、FAQサイトの中にも商品画像を入れることによる検索性の向上、といったことに取り組みました。この結果、FAQ利用はより拡大しました。
オペレーターのFAQ活用をもっと広げたい
大きな成果が出ている一方で課題もあります。その1つは、長年お客様対応をしているオペレーターによる利用がなかなか進まないことです。独自の対応に自負を持っている人や、応対中のFAQ検索をハードルが高いと感じる人がおり、そういった方にはなかなか利用していただけないのが現状です。
こうした状況は、FAQのメリットである対応の平準化ができなくなるだけでなく、お客様対応の中で何らかの課題があった際に、FAQに加えて解決方法を共有するという流れも阻害してしまいます。簡単には解消しない問題だと認識していますが、これからも試行錯誤して状況を変えられたらと思います。
PKSHA Chatbotご導入事例:株式会社ローソン様
株式会社ローソンのCS推進室コンタクトセンター統括 兼 大連事務センター統括部長の稲葉様からは、PKSHA Chatbotの導入についてお話しいただきました。以下、講演内容をご紹介いたします。
2022年に社長直轄のCS推進室を設立
当社グループは様々な事業を展開しています。ローソンは現在1万4631店舗と多店舗ですが、連結子会社の成城石井は175店舗と少ない店舗で、高級感のあるこだわりの商品を推奨しています。他にもローソン銀行、中国やインドネシアでの事業拡大など、様々なことに取り組んでいます。
ローソンの概要としては、連結従業員が約1万人、FC加盟店オーナー様は約6000人、店舗クルーは18万人おります。海外含め、約30万人でローソン事業を支えています。
私が入社した2016年当時は、コールセンターを外部に委託しており、コストの高さや効率の悪さが問題になっていました。そこで、私のようなコールセンター経験者を多数採用し、新たに部署を立ち上げました。
その後、新部署でコールセンター業務の改善に取り組んだのですが、いろいろな問題がありなかなか進みませんでした。これではまずいと感じ、2021年秋に経営陣に提案し、2022年に社長直轄でCS推進室を立ち上げてもらいました。
CS推進室の主な役割は、お客様や店舗の声をベースにいろいろな改善に取り組むことです。大崎の本社の部隊が、いただいたお声を日々分析し、改善提案をしています。
Chatbotを導入し、応答率の維持に成功
お客様からの商品やサービスについてのお問い合わせは、沖縄にあるカスタマーセンターでお受けしています。ローソンの店頭に設置してあるマルチメディア端末「ロッピー」のガイドフォンを使ったお問い合わせも、沖縄のセンターに繋がります。
お問い合わせ内容は多岐に渡っていて、例えば「この商品の在庫はありますか」「栄養成分は何ですか」「このアレルゲンは入っていますか」といった確認や、「今やっているキャンペーンの特典グッズはどうしたらもらえますか」といった質問などがあります。
以前は電話とメールで愚直に対応していましたが、今はPKSHAのChatbot、Voicebotを活用してお問い合わせに対応しています。それぞれのツールが活躍しているのですが、本日はChatbotに焦点を当ててお話したいと思います。
Chatbotが最も活躍しているのがキャンペーン対応です。毎週新たなキャンペーンがあるので、その対応をすべてオペレーターが覚えるのは大変難しく、以前は一時的なコール増に上手く対応できないことが問題になっていました。
Chatbotは一問一答の形式に強く、それで対応できるお問い合わせがかなりあります。Chatbot導入後は大きな効果を発揮し、キャンペーン中でも高い応答率を維持できるようになりました。ある月は、有人対応件数を前年同月比で60%減らすことができました。
インテント作成のしやすさや公開予約設定機能も評価
インテント作成のしやすさも大きな特徴だと感じています。あらかじめ用意されているフォーマットに、過去のデータをコピーペーストするだけで誰でもインテントが作成できます。以前はかなり時間をかけていたのですが、Chatbotの導入後は一気に効率化しました。インテントの繋がりが分かりやすいので、メンテナンスも容易です。
公開予約設定もとても気に入っています。ローソンのキャンペーン開始は夜の0時が多いため、以前は担当者が時間にあわせて問い合わせ対応ページの公開作業をしていました。今はこの作業が必要無くなったので、とても感謝しています。
今後も更にChatbot活用について勉強していきたいと思っていますし、他社様の取り組みを学んだり、ツールの新機能を利用したりしていきたいと思っています。