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公開日/2021.5.17
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FAQシステムの導入、4つの選定ポイントとは?顧客・社内向けでのメリットも解説

FAQシステムの導入、4つの選定ポイントとは?顧客・社内向けでのメリットも解説

スマートフォンやタブレットなどの情報端末が一般化し、各企業では在宅でのテレワーク等も普及していっている今日、顧客向けにも社内・従業員向けにもWebサポートチャネルの活用がよりいっそう重要になってきています。
Webサポートチャネルとは、顧客や従業員が問題や疑問・不安に直面した際に、電話やメール、チャットなどでわざわざ問い合わせをしなくてもWeb上で自己解決できる手段のことを指します。
そして、Webサポートチャネルならびにナレッジマネジメントツールとして多く活用されているのが「FAQシステム」です。
本記事では、FAQシステムの顧客向け活用と社内向け活用、それぞれの面からメリットや選び方を解説します。

FAQシステムとは

FAQシステムの“FAQ(エフ・エー・キュー)”とは「Frequently Asked Questions」の略称で、「頻繁に尋ねられる質問」すなわち「よくある質問」と訳されます。
FAQシステムの用途は、主に
顧客向けのカスタマーサポート

社内向けのナレッジマネジメント
の2種類に大別されます。
システム上でのコンテンツ形式としては「質問とそれに対する回答(=Q&A)」という形をとります。Q&Aは、シンプルですが強力なコミュニケーション形式です。
皆さんが生活や仕事の中で自然に使われているであろうGoogleやYahooなどのブラウザ検索が一番の代表例でしょう。知りたい情報についてのキーワードを検索窓に入れることで、データベース上から必要な情報・コンテンツをリスト形式で回答してくれる。
この体験を、対顧客や対従業員で実現するのがFAQシステムといえます。
また、質問に対する単純な回答だけでなく、「参考ページURL」「関連FAQ」などの周辺情報を含めたり、キーワードでの検索性向上や導線によるアクセス性向上など、ユーザーの自己解決促進のために運用改善をしていけるのがFAQシステムの特徴の一つです。

FAQシステム、2種類の利用目的

では、FAQシステムはどんな目的で利用されるのでしょうか。顧客向け・社内向けでそれぞれ見ていきましょう。

(1) 顧客向けFAQシステム、3つの利用目的

顧客サポートのためのFAQシステムは、以下のような目的で利用されるケースが一般的です。

① 顧客からのお問い合わせ対応工数・呼量の削減
② 自己解決チャネル提供による顧客満足度の向上
③ カスタマーサポート・サービス全体の品質向上(対応方法、回答内容の統一など)

顧客向けにFAQシステムを運用する場合、問い合わせ対応工数の削減という役割が大きいです。有人対応のリソースには限りがあるため、定型回答が可能な問い合わせはFAQシステムで顧客の自己解決を促すことで、本当に有人・オペレーター対応が必要な問い合わせ・コールへリソースを集中させられます。

(2) 社内向けFAQシステム、4つの利用目的

一方、社内向けに利用するFAQシステムの場合、以下のような利用目的が挙げられます。

① 業務の属人化解消
② チーム全体の業務効率や品質の向上・均一化
③ 業務フローや社内ルールの一元管理
④ 自社の製品やサービスに関する最新情報の一元管理

FAQシステムを社内利用する場合、これまで属人化していたナレッジや各種情報の共有ツールとしての役割が大きいです。
ワークフローを一元化してまとめておくことはもちろん、業務中のイレギュラー対応、トラブルシューティングなどはどうしても共有されにくく、新人スタッフが同じトライ&エラーを繰り返したり、先輩社員に聞いたりする手間がかかってしまいがちです。
こうした共有されにくいナレッジも、誰でもアクセスできる社内FAQシステムに蓄積しておけば、業務の属人化解消やトラブルの際の素早い対応が可能です。
結果として、チーム全体の業務効率や品質を底上げ・均一化することに繋がります。また、テレワーク・リモートワークにおける一元化された情報共有システムとしても使いやすいです。

FAQシステムの導入メリット(顧客向け・社内向け)

他社と差をつけるようなメリットを表現する画像

実際にFAQシステムを導入すると、具体的にどのようなメリットが考えられるのでしょうか。これも、顧客向けと社内向けの両面から少し深ぼって見ていきます。

(1) 顧客満足度の向上

顧客向けFAQシステムの導入・活用では、以下のような4つのメリットが見込めます。

① 顧客・ユーザー自身での自己解決を促進できる(問い合わせ以外の解決手段を用意できる)
② FAQシステムを通して、顧客・ユーザーの情報ニーズ等を把握できる
③ 上記により、顧客満足度の向上につながる
④ (対応工数の削減だけでなく)マーケティング活用により、売り上げ向上へも活用できる

分からないこと・疑問に直面した際、いちいち電話やメールで問い合わせなければならない、というはユーザーにとって非常にストレスになります。
顧客向けFAQシステムの活用できていれば、顧客・ユーザーは自身で自己解決が図れるため、問い合わせるという面倒くさいやり取りをせずに済みます。
この、「(ユーザーにとっての)面倒くさい、をなくす」という点は近年カスタマーサクセスの文脈でも非常に重要視されている考え方です。
FAQシステムでは、分析機能を活用することで検索キーワードやアクセス数などから顧客・ユーザーの情報ニーズを把握することができます。
拾った情報ニーズに対して、Webサイト上の掲載情報やFAQコンテンツなどで情報反映していくことで、顧客・ユーザーのストレスを減らし、顧客満足度の向上へ繋げていくことができます。

(2) 業務の効率化・平準化

社内向けFAQシステムの導入・活用では、以下のような3つのメリットが見込めます。

① 業務の効率化
② 業務品質の均一化・向上
③ 属人化の防止・解消(業務の引き継ぎもスムーズになる)

社内向けFAQの場合も、顧客向けFAQと考え方は大きく変わりません。従業員一人ひとりを顧客と捉えてユーザビリティを最適化していくことで、活用効果が発揮されます。
社内FAQの一番の活用効果は、なんといっても業務の効率化・品質の均一化です。
FAQの「質問と回答(Q&A)」という形式で社内のあらゆる情報(ナレッジ、ルール、マニュアル等々)をデータベース化していくことができるため、従業員は疑問や問題に直面した際、他のメンバーではなくFAQサイトへ質問することで自己解決を図ることができます。
そうしたナレッジデータベースの仕組みが社内インフラの一つとしてあることで、業務上のコミュニケーションコストやファイル等の探し物にかける時間コストが大幅に削減されます。
また、ワークフローをナレッジとして共有することは、異動や離職による業務の引き継ぎをスムーズにしたり、業務フローの見直す機会にも繋がります。

4つのポイントから、自社に適したFAQシステムを選ぶ

選定ポイントをチェックする画像

FAQシステムにもさまざまな種類がありますが、どのように選べば良いのでしょうか。ここでは、主要な4つのポイントをご紹介します。

(1) 運用改善に必須な 3つの分析機能

顧客にとっても従業員の場合でも、ユーザーが使いやすいFAQシステムを運用していくためには、最新情報への更新や、アンケート機能等によるユーザーからのフィードバックを反映していく必要があります。
そうした運用改善に取り組んでくためには、下記のような分析機能と、分かりやすい管理画面が非常に重要です。

① フィット&ギャップ分析機能

フィット&ギャップ分析機能とは、検索ヒット率カテゴリー別解決率などはじめとして、ユーザーの情報ニーズとFAQコンテンツの供給情報とのギャップをグラフィカルに把握できるような分析機能を指します。
優先的に改善すべきFAQをシステム側から提示されるため、どこから手を付けるべきかに悩まずに済みます

② 「類義語」登録機能

FAQコンテンツ作成者とFAQ利用ユーザーとでは、使用している言葉・単語が異なるケースが多いです。そこの言葉のギャップを埋めていくための機能が「類義語」登録機能と呼ばれるものです。
例えば、「スマートフォン」という言葉一つをとってみても、
「スマートフォン」「スマートホン」「スマホ」「スマフォ」「ケータイ」「携帯」「モバイル」「電話」「アイフォン」「アイホン」など、使用される言葉は様々です。
とくに顧客向けFAQの場合だと、ユーザー側のリテラシーは様々なレベルが存在するため、意味が同じでも使用される言葉のバリエーションは多くなってくるでしょう。
「類義語」登録機能を使えば、上記例のどの言葉でFAQ検索をかけても同じコンテンツを回答候補として提示することが可能になります。

③ FAQアンケート機能

作成したFAQコンテンツに対するフィードバックとして、FAQアンケート機能も必須といえます。

FAQアンケート機能を例示する画像

上記の画像はあくまで一例ですが、
閲覧したFAQを見て、解決できたのか、解決できなかったのか、をFAQコンテンツ内の下部へボタン形式等のアンケートを設置することで、ユーザーに手間を感じさせずにフィードバックをもらうことができます。
解決はできたが内容が分かりづらかった、情報が古くなかったか、もっと詳しく情報が欲しい、など各アンケートボタンを設けておくことで、改善すべきコンテンツを洗い出す際にフラグ立てしやすくなります。

(2) アクセス性を鑑みたデザインテンプレート

ユーザーがたどり着きやすい導線設計等を踏まえた、アクセス性を鑑みたFAQサイト・ページのデザインテンプレートが用意されていることも重要です。
FAQはいくら良いコンテンツを作っても、ユーザーに見てもらえなければ何の意味もありません。本末転倒です。
ただ実際のところ、「探してるFAQがどこにあるかわからない」という理由からユーザーに使われなくなってしまうFAQサイトは少なくありません。
こうした悲劇を避けるためにも、いくつかのFAQシステムではアクセス性を鑑みたデザインのテンプレートを標準で実装しています。
アクセス解析やUI/UXというものは既知の“定石・勝ちパターン”がいくつかあるので、メーカー側でデザインテンプレートが用意されているFAQシステムを選定すると、運用フェーズでの苦労を未然に解消することができるでしょう。

(3) CRM等の基幹システムとのデータ連携

CRMないしグループウェアや社内コミュニケーションツールなど、社内の基幹システムとデータ連携できるかどうかも重要なポイントです。
単体でどれほど使い勝手の良いFAQシステムであったとしても、社内の基幹システムとデータ連携ができないとなると、手作業でのオペレーションが多くなり運用が複雑化かる日効率化していってしまいます。
そのため、連携できる他社システムについても必須確認のポイントといえます。
また、顧客向けFAQサイトの場合は、CTIやIVR、音声認識システムなどとの連携も重要なポイントでしょう。

(4) 運用サポートの手厚さ

FAQサイトの運用開始にあたって忘れてしまいがちなのが、運用フェーズでのメーカーサポートです。
前述の通り、FAQサイトは、ユーザー利用状況を定期的に分析・把握し、得たフィードバックをもとにメンテナンスを繰り返していく思想のシステムです。その前提が抜け落ちていると、使われないFAQサイトになってしまいます。
そうした分析作業やメンテナンス作業をすべて社内の知見やリソースだけで回していく場合、かなりタフな運用になっていくでしょう。
そこで、FAQシステムを開発・提供するメーカー企業が持つ専門的なノウハウによるサポートを受けられるかどうか、運用フェーズでのサポート体制がしっかりしているかどうかも導入時ないしリプレイスの検討時に見極める必要があります。

まとめ:顧客・社内向けで、必要な機能と運用ノウハウは変わらない

FAQサイトは大きく分けて顧客向けと社内向けで2つの種類がありますが、システムとして必要な機能や利用方法、運用ノウハウなどは同じです。
これからFAQシステムの新規導入を検討する場合、もしくは既に導入済みでリプレイス等を検討している場合、前述した4つのポイント等を十分鑑みたうえで、ツール選定をするといいでしょう。

 
 

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