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公開日/2021.5.26
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社内wiki導入で失敗するのはなぜ?失敗例と防ぐためのポイントを解説

社内wiki導入で失敗するのはなぜ?失敗例と防ぐためのポイントを解説

社内wikiとは、Wikipediaのように従業員が自ら書き込める業務用百科事典のようなもので、業務ノウハウやナレッジの蓄積・共有を目的としたものです。テレワークの一般化に伴い、社内コミュニケーションの効率化を目的に導入検討する企業も増えています。
しかし、社内wikiを導入したが社内で浸透せずに失敗してしまう、という例も少なくありません。
本記事では、社内wikiツール導入における失敗例と、失敗を防ぐためのポイントについて解説します。

失敗例①:社内wikiが利用されない・浸透しない

社内wikiの失敗例として最もよくあるのが、そもそも社内wikiが浸透しないというケースです。その背景としては、以下のような理由が考えられます。

● 従業員に対し、社内Wikiツールの存在そのものが周知されていない
● ナレッジを共有することへのハードルが高い
● ナレッジ共有の文化がない
● ナレッジ共有した人を評価する仕組みがない

社内wikiは設置して終わりではありません。
閲覧してもらえる仕組みだけでなく、ナレッジやワークフローを投稿してもらう仕組みも構築していく必要があります。
そのためには、従業員への周知や文化づくりはもちろん、ナレッジ共有しやすいようにハードルを下げたり、ナレッジを投稿することへのモチベーションを高めたりすることが重要です。
具体的な2つの方法について、詳しく見ていきましょう。

対策①:運用の責任者を設ける

社内wikiの存在を周知し、浸透させるためには、まず責任者を設けることが必須でしょう。
ナレッジマネジメントの重要性を伝え、ナレッジ共有に貢献してくれた従業員を評価する仕組みを作るといったように、責任者を中心とした社内wiki活用の文化を構築していくが必要です。
とくに、ナレッジ共有の貢献者を評価するときは、ツールの運用部署だけでなく全社的に評価する姿勢が重要です。
例えば、運用担当者による「ナレッジ投稿者ランキング」の月次報告、多く利用されているナレッジの作成者を社内の定例会で表彰、などの方法があります。

対策②:作成・投稿のルールを設ける

あえて社内wikiの作成を一定のルール化してしまう、というのも方法の一つです。
ナレッジというのは、自分が情報を求める側では必要性を感じますが、ナレッジを共有する側は手間に感じることが多く、大きな動機がありません。つまり、積極的にナレッジを共有する文化・雰囲気を醸成する必要があります。
また、従業員側にとっては社内wiki作成にあたっての具体的なイメージが湧きづらいのも、投稿が活性化しにくい要因の一つです。雛型となるような投稿を用意するのと同時に、最低限必要な項目を定めてしまって、ある種のテンプレートにしてしまうのも一つの手段でしょう。
そこで、定期的に何かしら投稿・回答するなど、投稿に一定のルールを設け、心理的なハードルを下げると動機づけをしやすいでしょう。

失敗例②:社内wikiツールが使いづらい

次に多いのが、「社内wikiを使おうとしたけれど、ツールが使いづらかったのでやめた」というケースです。
例えば、下記のような使いにくい社内wikiツールでは、ただでさえ業務で得忙しい中で心理的ハードルとなってしまうので、利用者は増えていかないでしょう。

● 文章の書き方や構成、公開方法などがわからない
● 認知できない場所、わかりにくい場所に入口がある
● PCやスマートフォンなどの各デバイスへの最適化/レスポンシブ対応がなされていない
● 検索しても必要なページが出てこない

では、これらの使いづらさをどう解消していけば良いのでしょうか。
「フォーマットを作成する」「デザインを見直す」「検索機能がしっかりしているツールを選ぶ」の3つのポイントから考えていきましょう。

対策①:フォーマットを作成する

ナレッジやノウハウは豊富に持っているのに、実際にナレッジとして社内に共有することを考えると、文章の書き方や構成、公開方法などで悩んでしまうというケースは意外に多いものです。
とくに真面目でナレッジやノウハウも蓄積している人ほど、あれもこれも書こう、誰にでもわかりやすく書こうと努めるあまり、作成・投稿のハードルが上がってしまい、結果的に習慣化まで至らないことも考えられます。
そこで、誰でもすぐに書きやすいよう、一定の書式を定めたフォーマットを作っておくと良いでしょう。何を書くべきか、投稿すべきかが明確になるだけでなく、既に枠が決まっている状態から書き始められるので、作成時間の大幅短縮になります。

対策②:デザインを見直す

そもそも社wWikiが見やすいかどうか、というのも重要なポイントです。
せっかくナレッジやノウハウを投稿しても、閲覧されなければ意味がありません。そのためには、レスポンシブ対応など端末を問わず見やすいページデザインにしましょう。
また、検索窓のような導線がわかりやすい場所に設置されているかもデザインの重要なポイントです。PCでもスマートフォンでもタブレットでも、スクロールしないと見つからない場所に置かないよう、検索窓はサイトを開いてすぐのわかりやすい位置に設置しましょう。

対策③:検索機能がしっかりしているツールを選ぶ

検索窓がわかりやすい場所にあっても、用意されたコンテンツと検索ワードが一致しないとせっかくの情報を表示できません。ファイル内検索など、より詳細な方法で検索できるツールを選んだり、検索ワードだけでなく、タグやフォルダなどさまざまな方法でアクセスしやすいツールを選んだりするとより必要な情報にアクセスしやすいでしょう。
ユーザー(従業員)がどんな検索ワードでコンテンツを探しているのか把握し、使っている検索ワードに合わせてメンテナンスをしていくことが重要です。

社内wikiではなく、「社内FAQ」という選択肢も

FAQによるコミュニケーションを表現する画像

ツールは社内wikiにこだわらなくても、FAQシステムという選択肢もあります。
FAQシステムでは、「社内FAQ(サイト)」としてさまざまなナレッジをデータベース化していくことができます。

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(1) ナレッジを投稿しやすい・閲覧しやすい

取り上げるテーマについて網羅的に情報を詰め込んでいく社内wikiと比べて、「社内FAQ」は、必要な情報だけを掲載し、必要な情報だけを引き出す、という特徴があります。
FAQシステムの“FAQ(エフ・エー・キュー)”とは「Frequently Asked Questions」の略称で、「頻繁に尋ねられる質問」すなわち「よくある質問」と訳されます。
作成・公開するコンテンツの形式は「質問とそれに対する回答(=Q&A)」となるため、社内wikiのような網羅的なコンテンツではなく、特定の疑問を解消するための個別具体的なコンテンツになります。そのため、社内wikiと比較すると、投稿内の情報量はかなり少なくて済みます。
必要な情報だけを必要な量だけ、という形は、ナレッジコンテンツを作成する側にとっても、そのナレッジを求める側にとっても投稿しやすい・閲覧しやすいでしょう。

(2) 自社ナレッジの“Google先生”を作ろう

前述の通り、社内FAQでは「質問」に対する「回答」という形式で情報を収集・蓄積できるので、書き方がわかりやすく、検索しやすいという大きなメリットがあります。
そのイメージとしては、自社ナレッジの“Google先生”を作ることに等しいといえます。
スマートフォンが普及したこともあり、何か分からないことがあった際に「Google先生に聞いてみる(キーワード検索をかけてみる)」という行動は日常生活の一部として自然になっていると思います。
その検索行動を自社ナレッジのデータベースでも実現する、というのが「社内FAQ」の思想になります。

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まとめ:社内wikiか、社内FAQか、は自社の文化も見て決めよう

社内wikiを導入しても、なかなか社内で浸透しない、知られていても使いにくい、などの理由で失敗してしまう企業も少なくありません。失敗しないためのポイントは、前述の責任者設置とルール決めの2つです。
ただ、コンテンツ投稿の慣習化という意味では、執筆・編集など日常の業務から文章を書くことに慣れている(文章を書くことが好きだ)という文化の組織では社内wikiの活用は自然と進むかもしれません。
一方、社内wikiではなく「社内FAQ」を導入し、アクセス性の高いデータベース(社内FAQサイト)を作るという方法もあります。
自社の文化や利用システムなどを鑑みたうえで、適したものを検討するといいでしょう。

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