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公開日/2023.2.20
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コールセンター用語ACDの意味は?機能や導入するメリット、注意点

コールセンター用語ACDの意味は?機能や導入するメリット、注意点

カスタマーサポートを担当するコールセンターでは、いつ顧客から入電があるかわからないため、日による通話時間や電話対応件数が読めません。

そのため、従業員を効率よく配置したり、入電を割り振ったりできず、顧客を待機させてしまうことにつながります。そこでおすすめのシステムが「ACD(着信呼自動分配装置)」です。ACDは、顧客からの入電を従業員の稼働状況や人数さらにスキルに応じて自動で割り振ってくれる仕組みを持つため、従業員と顧客双方の不満解消に効果的です。

これからACDの導入を検討されている方は、システムの機能やメリットについて理解を深めましょう。

コールセンターにおけるACDとは?

ACDとは、顧客からの問い合わせを自動でオペレーターに振り分けるシステムのことです。Automatic Call Distributionの略称で、日本語では着信呼自動分配装置と訳します。事前に振り分けのルールを決めて設定しておくことで、顧客から着信があった際に、システムが適切な部署へ自動でつないでくれます。

コールセンターのACDの機能

コールセンターのACD機能には、従業員の負担を軽減させるだけでなく、スムーズなご案内を可能とし顧客満足度の向上に役立つ機能が盛り込まれています。ACDを導入する際は、取り入れたい機能があるか確認しましょう。

(1)待ち時間ガイダンス

待ち時間ガイダンスとは、顧客が電話をかけてからオペレーターにつながるまでの待ち時間に流れるアナウンスのことで、回線が混みあっているときに流れることが多いです。

例えば、「ただ今電話が混み合っております。恐れ入りますが、そのままでしばらくお待ちください。」というアナウンスを聞いたことはないでしょうか。現在どのような状況か顧客へ伝えることで安心感を与え、顧客によっては後でかけ直すといった行動の判断材料にもなります。

(2)スキルベースルーティング

顧客が入電した際、電話の自動音声応答装置に入力した情報をもとに、適切な部署へ自動でつないでくれる機能です。当機能を使用することで、電話を受けたオペレーターが適切な部署へ転送するといった工程が不要になります。

具体的には、製品やサービスの使い方に関する説明はA部署に転送し、お支払方法に関する説明はB部署に転送する、といった使い方ができます。また両方の部署が込み合っている場合は、両方の知識とスキルがある方に自動で割り振るなどが行えて、効率よく割り振れるうえ、顧客の待ち時間が減らせます。

(3)ランダムルーティング

あらかじめ定めたルールに沿って自動で振り分けてくれるスキルベースルーティングと違い、手が空いているオペレーターへランダムで振り分けてくれるシステムです。ルール決めを行う手間が省けるというメリットがありますが、ランダムで割り振られるため、スキルレベルが低い従業員にまで割り振られてしまう可能性があります。そのため人数が多く、かつ全従業員の対応内容がある程度決まっている場合に適しているといえるでしょう。

(4)スケジュール制御

あらかじめ日時を指定しておくことで、定めた日程および時間内に電話をかけた顧客へアナウンスを流せます。例えば営業時間外に電話をかけた顧客へ「本日の営業は終了いたしました」とアナウンスを流すことで、適切な案内が自動で行えます。そのほか週末休みや年末年始休業に入るたびにアナウンスが流れるよう設定しておけば、店舗や企業の休業期間や営業時間をお伝えできます。

(5)オペレーターステータス

従業員の対応状況により、顧客からの入電を適切に振り分けるシステムです。例えば従業員の対応中・待機中・離席中といった状況に応じ、顧客からの架電を対応可能な従業員へ適切に割り振るため、効率よく対応が行えます。また待機中でも、従業員ごとに優先して割り振ってもらえるよう設定もできるため、スキルが高い従業員へ優先的に割り振らせることもできます。

(6)オーバーフロー転送

対応する部署において待機している従業員がおらず、かつ顧客からの架電数が一定量を超えた際、対応できるほかの部署へ転送してもらう機能です。顧客をお待たせする時間が短くなるほか、社内の人材を効率よく活用できます。

コールセンターにACDを導入するメリット

ACDは、効率良くコールの割り振りを計算して行ってくれるため、コールセンター部署の業務効率化の向上や顧客の待ち時間を減らせます。コールセンターの運営で課題を抱えている場合は、導入されることをおすすめします。

(1)業務の効率化につながる

ACDを導入することで問い合わせを的確な部署やオペレーター、従業員に割り振れるため、コールセンターやカスタマーセンターの業務効率化に不可欠な「たらい回し」を防止できます。また割り振りも自動で素早く行えるため、待機時間を減らせて架電一件あたりにかかる時間も削減できるでしょう。その結果、生産性の向上はもちろん、担当者の業務負担の軽減、さらにベテランのオペレーターに電話が集中するといった「不満の解消」による離職率の低下につながることも期待できます。

(2)顧客満足度の向上が期待できる

コンタクトセンターに対して顧客が抱く不満のなかに、従業員が電話に出るまでの時間が長い点が挙げられます。そこでACDシステムを用いて顧客からの入電を手の空いた従業員へ効率よく割り振ることで、応答時間の短縮やあふれ呼の減少などにつながります。お待たせ時間を短縮し、顧客の疑問や課題のスムーズな解決が実現すれば、顧客満足度の向上が期待できます。

顧客満足度(CS)については、以下の記事で詳しく解説しています。
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(3)新人オペレーターの研修に活用できる

顧客からの入電数に応じて、経験が浅い新人オペレーターへの振り分け頻度を調整できます。実際の現場で、ベテランオペレーターと新人オペレーターの入電数を均等化すると、業務に慣れていない状態にもかかわらず多くの応対をこなすため、オペレーターにとっても負担が大きく、スムーズでない案内に対して顧客も不信感や不満を抱くことがあります。

しかし、ある程度新人オペレーターへの入電数を減らし、対応件数をコントロールすることで、新人オペレーターの負担を調整できます。慣れてきたら徐々に増やせば、新人オペレーターの研修として活用できるでしょう。

コールセンターにACDを導入する際の注意点

ACDは、従業員と顧客双方の不満解消につながるシステムですが、導入時および導入後において、いくつか気を付けるべき点があります。

(1)既存システムとの互換性を確認しておく

新規でACDの導入を行う場合には、自社の既存システムとの互換性を確認しておきましょう。例えば、ACDのなかには顧客情報が記載されたエクセルデータを取り込むことで、自動的にシステム内へ反映できるソフトがあります。そのほか自社のビジネスフォンに搭載されているIVR機能との連携やCTIなど、連携できる既存のシステムが多いほど、ACD導入の初期費用は抑えられます。

またACDはクラウド型とオンプレミス型の2つの種類があります。
クラウド型は、オンライン上のサーバーで提供されているため、導入時の設定がオンプレミス型に比べて容易ですが、操作画面や既存のシステムに合わせたカスタマイズは難しい点があります。

一方でオンプレミス型は、カスタマイズ性が高くセキュリティに強いですが、設備の導入や初期設定に時間がかかりやすい点があります。

それぞれのメリットとデメリットを比較し、自社に導入しやすい形式を選びましょう。

(2)適切な振り分け設定と管理ができているか随時確認する

ACDは導入して初期設定を施したら完了ではなく、機能は使いこなせているか、現状の従業員数や稼働数に見合う振り分け設定にできているかを定期的に確認する必要があります。

特に短期間のセールやイベントを開催する場合は、入電が通常より集中するため、より多くの従業員数が必要なうえ、より効率よく従業員へ入電を割り振ることが大切です。

このように都度割り振り設定を見直せば、ACDの導入メリットがより感じられるでしょう。

コールセンターの課題はACDの自動機能で解決を

ACDは、顧客からの入電を、コールセンターに在籍している従業員のスキル・稼働状態に応じて自動で割り振り、双方の満足度向上につなげるソリューションです。従業員の精神的負担が減れば、顧客一人ひとりに対して満足のいく対応ができるため、生産性の向上も期待できるでしょう。

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