公開日/2022.5.23 最終更新日/2022.05.23
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顧客満足度(CS)とは?重要性と注目指標、向上させる施策

顧客満足度(CS)を表現するイラスト

顧客満足度(CS)は、顧客が初めに商品やサービスに対して抱いている期待値と、実際に商品やサービスを利用して得た価値とのギャップを表します。

このギャップを測るには、一般的には顧客に対するアンケートで情報を収集します。商品・サービスを他の人にも薦めたいと思ったか、価格や品質は適切だったと思うか、などの質問に対し点数や5段階評価で回答してもらいます。
数字という非常にわかりやすい指標で表されるため、商品・サービスに対する顧客の評価がわかりやすく、改善点の洗い出しが効率よく行えます。

本記事では、顧客満足度(CS)の概要と指標の出し方、活用の仕方について解説します。

顧客満足度(CS)とは

顧客が商品・サービスに対して求めている価値は常に変化しています。そこで、変化に対応しつつ顧客が求める価値を提供できているかを測る指標が顧客満足度(CS)。
この顧客満足度(CS)を活用すれば商品・サービスの適切な改善を実施することができ、リピーターおよび新規顧客の獲得につながります。

(1) 顧客満足度(CS)の定義

顧客満足度(CS)とは、顧客が商品・サービスを利用した時に感じた価値の大きさの度合いを示すものです。顧客がお金を支払っているのは商品・サービス自体に対してではなく「その先にある満足」に対して支払っているという考え方に基づいています。

顧客が、利用する前の商品・サービスに対して抱いていた期待値と、実際に利用して得た商品価値とのギャップを表しているともいえます。

(2) 顧客は「成功体験」を重視するようになった

従来「QCD」が、顧客が商品・サービスに対して期待する重要な要素でした。
QCDとは、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の3つの名称の頭文字を取ってあわせた言葉です。

しかし昨今は、QCDに加えて商品・サービスを利用して実現できる「顧客の成功体験」や高い情報発信など顧客が商品・サービスに対して求めている価値の幅が広がっています。

顧客満足度(CS)を追求するべき理由

良い商品・サービスを提供するには顧客側の期待値を上回らなければなりません。そのためにはまず顧客の期待値を知る必要があります。顧客満足度(CS)は、顧客の期待値や商品・サービスに対する評価を知る重要な手掛かりになります。

(1) リピーターの増加のため

企業の利益を上げるためには「顧客生涯価値(LTV)」の向上が欠かせません。
「顧客生涯価値(LTV)」とは、顧客一人が企業にもたらす価値の総計を指します。顧客が商品・サービスに対して支払った費用から、企業が顧客一人に商品・サービスを提供するためにかかったコストを差し引いたものが顧客生涯価値(LTV)にあたります。

顧客生涯価値(LTV)は、新規顧客の獲得よりもリピーターを増加させた方が上がりやすいといわれています。
もちろん新規顧客の獲得も大切ですが、新規顧客に対して商品・サービスを提供するためにかかるコストは、既存顧客に対して提供するコストの5倍かかるという「1:5の法則」があります。
そのためリピーターの増加にウエートを置いた方が効率的に利益を拡大できることがわかります。

顧客が商品・サービスを利用して得た価値があらかじめ抱いていた期待値を上回れば、その顧客は高い確率でリピーターになってくれます。反対に価値が期待値を下回ると、再び商品・サービスを利用してくれる可能性は限りなく低くなります。

顧客満足度(CS)が高いということは、商品・サービスで期待値以上の価値を提供できている可能性が高いということです。そのため顧客満足度(CS)を追求し既存顧客の評価を上げれば、自社の商品・サービスをより多く長く利用してくれるでしょう。

また、リピーターが増えれば同業他社の商品やサービスよりも優位に立ちやすくなり、営業活動の労力を減らしやすくなります。

(2) ブランディングの強化のため

顧客満足度(CS)が向上すれば、商品・サービスを提供する企業のブランディング強化に繋がります。

ブランディングとは、業界における自社の強みや確固たるポジションを確立させ、多くの消費者に認知してもらうための活動のことです。

「世界中の女性なら誰もが憧れるファッションブランド」や「このメーカーの家電製品なら安心して購入できる」といったように、どの業界にも強いブランド力を持った企業があります。そしてそれらの業界には根強いファンや顧客がついており、売り上げに大きく貢献しています。

このようにブランディングを強化すれば顧客からの信頼性が上がります。すると商品やサービスの評価と連動して会社そのもののイメージが向上し、社会的な信用力や認知度アップも期待できます。

(3) 新規顧客の獲得のため

今やSNSを含むインターネットによる拡散や情報発信力は大きな影響力を持っています。

商品・サービスを利用した顧客がSNSで口コミを書き拡散すると、口コミを見た人が商品・サービスを利用してくれます。高評価の口コミが広がれば新規顧客の獲得につながります。

口頭、SNS、評価サイト、ブログなど潜在顧客が情報を得る接点(タッチポイント)が増えています。顧客満足度(CS)を追求すれば「この商品・サービスを他の人にも薦めたい」と考えた顧客が企業の力だけでは探しきれない潜在顧客を連れてきてくれます。

(4) 商品・サービスのブラッシュアップにつなげるため

顧客満足度(CS)は貴重な「定量的データ」ともいえます。定量的データを収集し分析すれば、商品・サービスの改善に役立てられます。その他、品質アップや生産性向上による利益率の改善にもつながります。

反対に顧客満足度(CS)を追求せず定量的なデータを得なければ、場当たり的な対策しか実施できず、効率的な商品・サービスの改善がしにくくなるでしょう。

顧客満足度の測定方法

顧客満足度(CS)を測定するには、顧客へのアンケートで情報収集するのが一般的です。例えばユーザーインタビュー、接客時のヒアリング、アンケート用紙への記入などがあります。自社で企画し実施してもいいですが、専門のリサーチ会社に依頼して実施する方法もあります。アンケートで収集したデータの「指標化」は主に次の3つに分類できます。

(1) NPS🄬(Net Promoter Score)

1つ目は顧客ロイヤルティを測定する指標「NPS🄬」です。顧客ロイヤルティとは、顧客が商品・サービスに対して抱いている信頼度・愛着・忠誠心の度合いを指します。アンケートにおける代表的な質問項目は「商品・サービスをどの程度家族や友人に推奨したいか」です。顧客に0〜10の11段階で評価してもらい、評価された数値を以下のように3段階に区分します。

0~6点:批判者
7~8点:中立者
9~10点:推奨者

そして以下の計算式で出した数値が「NPS🄬」です。

NPS🄬(%) = 推奨者の割合(%)- 批判者の割合(%)

※「NPS🄬」は「ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標」です。

(2) CSI(Customer Satisfaction Index)

2つ目は、顧客が購入前に抱いた期待と購入後の価値の差を測り、満足・不満足を分類するための指標「CSI」です。顧客への質問内容は5項目あり、各項目に適応する質問に対し0〜100点で採点してもらいます。

・顧客期待値
・顧客不満度
・顧客忠実度
・商品やサービスに対する顧客個人の評価である知覚品質
・価格に対する満足値である知覚値

これら5つの項目に対して顧客が出した点数の平均が「CSI」です。

(3) JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)

3つ目は、CSIの内容を日本の市場に特化させた「日本版顧客満足度指数(JCSI)」です。顧客への質問内容は6項目あり、各項目に対応する3〜4つの質問に対し0〜100点で採点してもらいます。うち5つの項目は「CSI」と同じで、「他人に商品を薦めたいか」という「推奨意向」が追加されます。

これら6つの項目に対して顧客が出した点数を確認し、以下の式で出した数値が顧客満足度になります。

JCSI = 実際に顧客が感じた価値 - 事前の期待値

指標を活用して顧客満足度を向上させる方法

指標は出して終わりではありません。上手に活用し顧客満足度(CS)を向上させることで初めてその効果を発揮します。指標の活用方法について説明します。

(1) 顧客との接点の強化

商品・サービスに対する顧客の意見や反応を収集しつつ、単純接触効果(ザイオンス効果)による印象の向上を図ります。

単純接触効果(ザイオンス効果)とは、繰り返し顧客に接することで商品・サービスまたは企業への印象アップにつなげることです。ただし接触が多すぎると逆効果になることもあります。

必要以上に何度も同じ商品・サービスを薦める、初めから企業または商品・サービスに対し嫌悪感を抱いている人に繰り返し同じ商品・サービスを薦める、など行うと顧客が離れる恐れがあるため接触頻度には注意が必要です。

(2) 衛生要因・動機づけ要因の把握

収集したアンケート結果から、「衛生要因」と「動機付け要因」を明らかにします。

「衛生要因」とは不満に関わる要因で、納期やレスポンスが遅いなど当たり前のことが不足していると悪化します。また「動機付け要因」は、サポートが的確、対応が期待以上だった場合に向上します。

動機付け要因の向上が必要ですが、そのためにはまず衛生要因が悪化していないことが最低条件です。衛生要因が悪化している場合は、初めに衛生要因の対策を実施し、プラスでもマイナスでもないゼロ地点に到達させる必要があります。

そこからプラスへ持ち上げるために動機付け要因の向上を目指します。

(3) 商品・サービスのPDCAサイクルの最適化

顧客満足度(CS)をもとに、商品・サービスに関わる部署を横断しつつ継続的な改善、「PDCAサイクル」に取り組む必要があります。

そのためにはまず顧客満足度(CS)の必要性や指標を出すための運用について関係者の理解を一致させ、適切な数値管理と目標設定(Plan)の実施が必要です。

数値管理と目標設定(Plan)を定めるには、まず顧客の期待値を知ることから始めます。顧客の期待値がわかれば自社の商品・サービスの強みがわかり、顧客の期待に応えるための数値や目標設定ができます。

以下の流れでPDCAサイクルを回しましょう。

・数値や目標設定(Plan)
・顧客が期待する商品・サービスを提供(Do)
・利用した顧客に対しアンケートを実施し、顧客満足度を調査(Check)
・調査によって出した指標の評価を行い、対策(Action)

商品・サービスを提供して終わりにするのではなく、顧客がその後、期待値を上回る価値を得られたかどうかを気にかける必要があります。課題があれば改善して再び商品・サービスを提供する。このPDCAサイクルの流れに、顧客満足度(CS)を最適化させます。

顧客満足度の向上に役立つ3つのツール

顧客満足度(CS)を効率よく向上させるために便利ツールを用いることをお薦めします。

自社でツールを作成し管理する方法もありますが、ネット上で公開されているフレームワークを利用した方が、ツールの作成期間を削れるため効率よく情報管理できます。

また初期費用や月額使用料はかかりますが、あらかじめ使いやすいようにパッケージングされたソフトを購入すれば、業務を手助けしてくれる多彩な機能が盛り込まれているため情報管理や業務の効率化が図れます。

(1) CRM(顧客関係管理システム)

顧客の情報をまとめて可視化するツールです。企業名・住所・担当者名・購買履歴・商談履歴などを統合して管理でき、蓄積したデータを分析すれば最適なキャンペーンの実施や提案につなげられます。

顧客情報が管理されていない場合、カスタマーサポートや商談など顧客と接する際にうまく対応できない可能性があります。顧客情報を管理し分析すれば、適切な顧客に適切な営業をかけることも可能です。

CRMを活用すれば、前章で紹介した動機付け要因の向上に役立ちます。

(2) SFA(営業支援ツール)

営業活動の自動化、効率化を支援してくれるツールです。営業が商談を始めてから受注に至るまでの流れや進捗状況、会議における議事録などを一括管理してくれます。都度、営業の進捗状況が把握できるため、顧客の意図や考えを理解しつつ商談を進められます。

営業は、商談だけではなく日報やプロジェクトのスケジュール管理など、担当する業務が多岐にわたります。なかには繰り返しの業務や定型作業も含まれており、それらを自動化することで営業の負荷を減らし、コアな業務に専念できるようになります。

また営業の負荷が減れば、業務におけるヌケ防止やミス防止に役立ち、前章で紹介した衛生要因が悪化するのを防ぎます。

(3) アンケート作成ツール

顧客アンケートの作成を支援してくれるツールです。主にアンケートの作成、作成したアンケートURLの配布、回収した回答の集計機能がついています。またツールのなかには回答結果の分析機能がついたものもあり、ツールのフォームに沿って入力するだけで、アンケートの作成・配布・回収・分析ができます。

Googleが提供している無料のツールや、ソフトとしてパッケージングされている商品もあり、顧客満足度(CS)を高めるための情報を自社で継続的に収集したい場合にお薦めです。

また企業内でアンケートの作成から分析までを実施するのが手間に感じる場合は、「リサーチの専門会社」へ依頼する手もあります。専門会社は多くのモニターを独自で抱えておりアンケートの分析に関するノウハウも豊富なため、すべてお任せすることで効率よく情報収集ができます。

顧客満足度(CS)の向上でリピーターの確保に力を入れる

リピーターの確保のために重要なのが「顧客満足度(CS)」です。顧客満足度(CS)は、商品・サービスに対して顧客が得た価値をわかりやすく表した指標です。

点数や5段階評価などのわかりやすい回答方法を採用したアンケートを実施し、アンケート結果をもとに商品・サービスを改善し顧客満足度(CS)の向上する。
顧客満足度(CS)を活用してリピーターを増やし、同業他社よりも優位なブランド・ポジションを確立しましょう。

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この記事の執筆者

CXジャーナル編集部

「顧客と向き合うすべての人の“よりどころ“」というタグラインのもと、顧客とのコミュニケーション・カスタマーサービスに関するあらゆる問いにお答えしていくことをミッションにしています。 (運営元:株式会社 PKSHA Communication)

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