住友不動産株式会社
オペレーターの応対件数「20%増」を実現 ACWの自動化で負荷軽減と生産性向上を両立
| 導入サービス | PKSHA Speech Insight(AI音声認識) |
|---|---|
| 業種 | 建設・不動産・インフラ・流通 |
| 活用対象 | お客様からの問い合わせ |
| 導入目的 | 業務効率化 |
お客様センター 赤羽 様
お客様センター 戸田 様
お客様センター 瀬霜様
お客様センター 中平様
お客様センターの役割
事業内容とお客様センターの役割を教えてください。
当社グループは分譲マンションやオフィスビルの開発事業、注文住宅の建設やリフォームといったハウジング事業を中心に、ゴルフ場やフィットネスクラブの運営、インテリアの販売など様々な事業を展開しています。これらの事業を通じて、より良い社会資産を後世に残すことを使命とし、「信用と創造」というスローガンを掲げております。
お客様センターの役割は、当社グループで分譲したマンションや建設した注文住宅、リフォームした建物などについて、お客様からのアフターサービスに関するお問い合わせにご対応することです。また、住友不動産建物サービスが管理しているマンションにお住まいのお客様からのお問い合わせも受け付けております。
お客様センターの体制を教えてください。
東京と大阪の2拠点体制で、約50名超のオペレーターにて、24時間365日、お電話でのお問い合わせを受け付けています。オペレーター以外に、お客様からいただいた住設機器の修理依頼をメーカー各社にお繋ぎする担当者や、その他事務の担当者もおります。
呼量は、台風や地震などの災害時に増えます。また、夏の暑いときや、冬は雪が降ったり凍結が起きたりするので、そういった際にも呼量が増えます。天候にかなり左右されますね。

問い合わせ対応は電話のみなのですか。
はい、現状はお電話のみで対応しています。いただくお問い合わせの多くは個別対応が必要なものが多く、お客様も「直接電話で話したい」とお考えのケースがほとんどだからです。
一方で、住宅の不具合以外で、例えば、「管理費の引き落としタイミングはいつか」といった定型的なご質問であれば、FAQやチャットボットなども効果的だと考えています。将来的にはこうしたチャネルの導入も検討していく予定です。
呼量が年々増え、オペレーターの負担も増加
PKSHA Speech Insight導入前の課題を教えてください。
ここ数年は、毎年1万件弱くらいのペースでお問い合わせが増えていました。不動産や住宅といった産業の特性上、販売はゴールではなく、お客様との関係性の「スタート」です。その先の10年、20年とアフターサービスをご提供します。そのため、販売事業の拡大を上回るペースで、お問い合わせが増えていたのです。
お問い合わせの内容は多岐に渡りますし、対応依頼先の部門も様々なので、オペレーターの仕事のフローは複雑です。お客様が不動産や建築の専門用語を使われるケースも多くあります。そのため、採用してから1人で基本的なことができるようになるまでに、大体1年くらいはかかります。
お問い合わせが増え、オペレーターの増員がすぐには難しい中でも、少しでも業務の負担を減らすことはできないかと考え、それを実現できるツールはないかと調査・検討を始めました。そこで注目したのが通話音声の自動文字起こしツールです。
従来オペレーターは、通話中に様々な方法で通話内容をメモしていました。手書きでメモを作る人や、PCのメモ帳を使う人、CRMにある内容欄に仮の通話記録として打ち込む人などがいました。いずれの方式の場合でも、通話後にアフターコールワーク(以下、ACW)としてCRMの内容欄に通話内容のしっかりとした要約を入力する必要がありました。
そこで、音声起こしツールでリアルタイムに通話を記録してオペレーターの作業を減らし、要約も自動化してACWに利用できれば、負荷軽減に繋がると考えました。

既存のPBXと簡単に連携でき、導入が容易だった
PKSHA Speech Insightを選んでいただいた理由は何でしょうか。
展示会に参加して、PKSHA Speech Insightを含めた複数のツールがあることを知りました。そこから検証を開始しました。
選択の決め手になったのは要約精度の高さや導入のしやすさです。導入については、他の多くのコールセンターがクラウド型の電話システムを使っている中、当社はオンプレミスのPBXを使い続けているため、他社製ツールでは導入費用や期間がかなりかかってしまうことが分かりました。他社の場合、まず既存のPBXとの連携のための工事費用がかなり必要で、工期も1~2か月掛かる、といった具合でした。
一方でPKSHA Speech Insightは、アプリケーションをインストールするだけで簡単に使い始めることができました。
ほかにも、コールセンターに特化していることによるインタフェースの使いやすさなど、多くの魅力的な点がありました。これらを理由に、PKSHA Speech Insightの採用を決めました。

「属性要約オプション」を活用し、自動要約をそのままCRMに登録
導入後はどのような効果が出ていますか。
PKSHA Speech Insightを2024年10月に導入し、通話中の文字起こし機能についてはすぐに効果が出ました。オペレーターが通話中に対応に困った際など、スーパーバイザーがヘルプに入るのですが、それが非常にスムーズにできるようになったのです。
以前は、オペレーターがスーパーバイザーにヘルプを求める際、それまでの通話内容を口頭で要約して説明していました。しかし、その方法では通話の経緯を短時間で正確に共有するのが難しい場合がありました。
PKSHA Speech Insightの導入後は、スーパーバイザーがそれまでの会話履歴(文字起こし)に即座に目を通せるため、お客様とのやり取りを正確に把握した上で、スムーズにヘルプに入ることができるようになりました。
一方で、通話内容の自動要約については、標準機能のままでも高精度でしたが、さらに当社の業務要件に最適化させたいという要望が出てきました。例えば「落とし物」のお問い合わせでは、「何を落としたか」を当社独自の必須項目として要約に必ず反映させたい、といった具合です。
PKSHAの方にご相談したところ、すぐに「属性要約オプション」の活用をご提案いただき、2025年6月に導入しました。属性要約オプションによって、要約に必ず入れたい情報を予め指定することができるようになり、認識の精度が大きく高まりました。2025年9月からは原則、CRMの内容欄に、属性要約の結果をコピーペーストする決まりにしました。

音声認識精度向上においては、単語登録も役立ちました。導入当初は不動産や建築の専門用語が別の漢字に変換されてしまうケースがあったのですが、単語登録を進めることでそれが解消しました。現在は約900語を登録しています。2025年6月頃から誤変換がほぼ無くなったため、単語の追加登録もほとんどしていません。
こうした取り組みの結果、2025年9月には日勤のオペレーター1人当たりの1日の受電数が約20%増となりました。以前から掲げていた目標を達成できた形です。
導入初期を支えた、手厚い「伴走」サポート
PKSHAのサポートはいかがでしたか。
毎週のように来社していただいていた時期もありましたし、色々な面で手厚くサポートいただきました。
導入当初、当社のPCスペックや通信環境との組み合わせにより、一部の機能が安定しない事象が発生しました。このような当社の環境に関わる状況についても、PKSHAの担当の方は、親身になって様々な可能性を検討し、解決に導いてくださいました。
ほかにも、先ほどお話した属性要約のアイデアを出していただいたり、より精度高く音声認識をするための設定方法を教えていただいたりと、いろいろな面で助けていただきました。属性要約オプションで作った要約のクオリティが、それ以前の要約と全然違ったのには驚きました。やはり、分からない分野はしっかりとしたプロに頼るべきだ、と感じましたね。

コールログをFAQの作成などに活用したい
今後の展開についてのお考えを教えてください。
PKSHA Speech Insightについては、通話でうかがった内容などについて、そのままCRMに入力できるようにしていきたいと考えています。
スーパーバイザー向けのモニタリング機能も、さらに活用していきたいですね。優れたモニタリング機能があることは分かっているのですが、これまではPKSHAのサポートを頼りにしていた部分がありました。今後は自分達で操作し、改善点をどんどん見つけていけたら、と考えています。
もう少し先の展望としては、PKSHA Speech Insightで蓄積できたコールログをオペレーター向けのFAQの作成に使うことができたら、と思っています。これは、PKSHA Speech Insight導入の決め手の1つでもありました。
すでにFAQの試験的な作成はスタートしています。オペレーター間の共有事項をまとめた冊子があるのですが、これを生成AIでQAを自動生成しFAQ化してもらったところ、高い精度で実行できて驚きました。こうした既存の書類と、コールログを組み合わせて、FAQを充実させていけたらと考えています。
オペレーター向けのFAQが整った後には、お客様向けのFAQやチャットボット、ボイスボットの導入も検討していきます。
サービスを継続して良くしていこうという姿勢がある
PKSHA Speech Insightの導入を検討している企業様向けにメッセージをお願いします。
PKSHA Speech Insightは導入前に期待した以上に性能が良く、オペレーターは多くのお電話に対応できるようになっていますし、ミスも減っています。スーパーバイザーによる通話中のヘルプ対応もクオリティが大きく高まりました。
「導入して終わり」ではなく、導入後も継続的にサポートし、伴走してくださる点も、非常にありがたいと感じています。お話したように、導入後も様々にサポートしていただきました。こちらから「こういう機能があったら良いのに」とお伝えした要望が、1か月後に実装されて驚いたこともありました。
そうした、サービスを継続して良くしていこうとされているのが伝わってきます。今後PKSHA Speech Insightがさらに便利になるのではないかと期待しています。
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PKSHA Speech Insight
お客様との会話を自動書き起こしオペレーターのACWを半分に