「足元の課題」から始まる銀行DX。AIと人が共働する、問合せスキームの構築
株式会社大垣共立銀行
PKSHA AI Helpdesk(AI ヘルプデスク)
金融
社員からの問い合わせ
従業員満足度向上, 業務効率化, ナレッジマネジメント
溝口 淳 様 デジタル統括部 DXセンター
奥村 勇樹 様 デジタル統括部 DXセンター
問い合わせ先が不明確で担当者への転送が頻発し、膨大なマニュアルを都度参照する手間が大きく、対応する側・問い合わせる側の双方に業務負担がかかっていました。
・PKSHA AIヘルプデスクでFAQエージェント・ドキュメントエージェント・有人対応を一本化し、問い合わせ件数を3〜4割削減。
・Microsoft Teamsへの組み込みで現場への定着を促進し、AIと人が協働する問い合わせスキームを構築。
Index
会社・ご担当者様の紹介
まず、お二人のお役回りについて教えてください。

溝口様:私たちはデジタル統括部のDXセンターに所属しており、主に社内DXの推進を担っています。生成AIの活用もその一環であり、PKSHA AIヘルプデスクも同様の取り組みとして導入しました。
これまでも各部署が個別にDXに取り組んでいましたが、より全社的・戦略的にDXを推進するため、2025年7月にシステム部とIT統轄部を統合し、デジタル統括部が発足しました。あわせて、DXセンターも新設しており、DX推進に向け、生成AIなども含めた新たな技術等の検証・活用などに取り組んでいます。
奥村様:現在は、AIを中心に試行錯誤しながらDX推進に取り組んでいます。DX推進というと、他部署からは華々しい部門に映ることもありますが、実際は地道な情報収集と検証を積み重ねながら、社内の生産性向上に貢献すべく日々業務にあたっています。
理想と現実を繋ぐAI戦略。将来の価値創出に向けた「足元の課題解決」
AI活用全体の目的や、貴社が目指す変革のビジョンについてお聞かせください。
溝口様:将来的には、従来の銀行業という枠を超えた、お客様への新たな価値提供がビジョンとしてあります。ビジョンを見据えながら、まずは社内の業務効率化を目的としたAI活用に取り組んでいます。
奥村様:現状、生成AIによって劇的な業務効率化が実現できているかというと、そうとも言い切れない部分があります。Copilotなどの一般的なツールはありますが、業務の中で活用しようとすると、どうしても個人レベルの利用にとどまり、業務フローへの組み込みにはまだ至っていないというのが実情です。AIエージェントがもう少し普及してくれば、業務での活用も一層進むのではないかと考えています。
しかしながら、エージェントもすぐに実用化するのは難しいため、並行して今回のようなヘルプデスクなどのツール導入により、足元の課題解決を着実に進めていくというアプローチを取っています。
電話問い合わせから脱却、問い合わせ窓口を一本化へ
PKSHA AIヘルプデスク導入前は、どのような課題がありましたか?

奥村様:1つ目は、問い合わせ先がわからないという問題です。例えばパソコン関連の質問をしたい場合、担当者情報が明示されていないため、連絡しても別の担当者へ回されることが頻繁に起きていました。問い合わせを対応する側も、担当外の問い合わせが来て対応に苦慮するケースが多々ありました。
2つ目は、銀行特有の事情として、業務のほぼすべてがマニュアル化されており、その都度参照・判断する手間が非常に大きいという点です。文章の要約や検索への生成AI活用への期待は高い一方、従来型のチャットボット形式のRAGには限界も感じていました。
そうした中でPKSHAのサービスを知り、FAQから有人対応まで一本化されたツール形態であることがわかりました。問い合わせ窓口を集約することで、問い合わせを行う側・対応する側の双方にとって業務効率化が見込めると判断し、導入を決めました。
PKSHA AIヘルプデスクを知ったきっかけと、選定の決め手について教えてください。
溝口様:導入のきっかけは、当社の公式アプリ「OKBアプリ」向けにPKSHAのAIチャットボット 「PKSHA ChatAgent」 を導入しており、その担当者から紹介を受けたことでした。
汎用的な生成AIはすでに社内に導入していましたが、社内情報を利用した業務への活用方法などを検討していく必要があり、まず最初に思い浮かんだのが、社内の問い合わせ対応への活用でした。
そうした中、PKSHA AIヘルプデスクは、精度が担保されたFAQを軸に、補足としてRAGを活用したマニュアル等の検索と有人チャット接続を組み合わせた形態であることや、当社がコミュニケーションツールとして活用しているMicrosoft Teamsに組み込めるという点が、大きな魅力でした。
最初の問い合わせ対象を「OKBアプリ」と「ローン」に絞った理由を教えてください。
溝口様:OKBアプリについては、問い合わせが一定数生じており、今後も続く見込みであったことや、既に利用していたPKSHAのAIチャットボットで整備したFAQをPKSHA AIヘルプデスクへ活用できるなどの理由で対象としました。ローンについても、定型的な問い合わせが存在しており、対象としました。
奥村様:FAQの登録にあたっては、正確性を重視しつつ、問い合わせ頻度の高いものを優先するという方針で進めました。OKBアプリについては全体で約150件のFAQがあり、もともとAIチャットボットで使用していたFAQの一部を移行しています。ローンについては、問い合わせ頻度が高く、かつ正確性が求められる内容を優先的にピックアップしました。
導入後の成果として、問い合わせ件数の削減はどの程度達成できましたか?
奥村様:現状は3〜4割の削減を達成しています。
溝口様:さらなる削減の余地はあると考えていますが、まずはAIヘルプデスクを現場に知ってもらい、より利用を促進するため、社内報等での定期的な情報発信を考えております。また、今後機能や手続きの追加等で問い合わせが増えることも想定されますので、FAQやマニュアルの更新を順次実施していくことも重要と考えます。
奥村様:情報発信に加え、今後は、対象領域を徐々に広げながら、本格的な業務領域への展開など、さらにAIとの協働が進むような取り組みを推進していきたいと考えています。
間違えることもある。AIに対する期待値調整の重要性
生成AIのハルシネーション(誤回答)に対してどのような認識をお持ちでしたか? 正確性の担保や、AIリテラシーの向上に向けて行っている取り組みがあれば教えてください。

溝口様:RAGの精度は100%には達しないという認識を最初から持っており、利用者が生成AIの回答を自分で確認できる体制が整っているかどうかを重視していました。
PKSHA AIヘルプデスクでは参照ドキュメントが表示され、リンクから内容を確認できる仕組みがあったことも、採用の決め手の一つです。マニュアル等でも「100%正確ではないので内容を確認してください」という旨を明記し、ユーザーに案内しています。
奥村様:生成AIは情報が古いなどで間違えるケースもあることも把握していましたが、基本的には「間違えることもあるというリスクを正しく把握し、そのリスクをカバーする対策をしたうえで、どんどん活用していきたい」という前向きなスタンスでした。一方で、いかにユーザーに安心して活用していただけるかも重要であると考えており、AIへの理解を深めていただくための周知活動も継続的に行っています。
溝口様:AIリテラシー向上については、生成AIに関する説明用の動画を提供しているほか、最近は勉強会も実施しています。勉強会は任意参加型で、実際に社内で導入しているAIをハンズオン形式で体験する内容も含んでいます。
今後、PKSHA AIヘルプデスクをどのような領域に展開していく予定ですか?
奥村様:直近では預り資産領域(金融商品販売部門)への適用を検討しています。その後は預金や融資、人事・総務などの領域で活用できないかを検討していきたいと考えております。一度にすべてというわけにはいきませんが、PKSHAさんによるFAQ作成のサポートなども受けつつ、優先度に応じて順次対応していく予定です。
貴行が目指す「未来の社内業務」のビジョンについても教えてください。

溝口様:現在はAIが前面に出るような使われ方をしていますが、今後はAIが裏方として業務に自然と組み込まれる形を目指したいと考えております。まだ構想が固まっているわけではありませんが、そうした方向性を見据えて取り組んでいきたいと考えています。
奥村様:目先は既存業務の効率化にAIを活用する段階ですが、今後はAIの利用を前提に業務フロー自体を見直していく必要があると考えています。それも私たちの重要な役割の一つと捉えており、さまざまな部署に積極的に働きかけながらDX推進していきたいと考えています。
PKSHA ChatAgent や PKSHA AIヘルプデスク 以外に、行内会議での利用を目的に「YOMEL by PKSHA(音声議事録AI)」もご導入いただいたと伺いました。PKSHAに期待、要望することがあれば教えてください。
溝口様:YOMELは4月から導入しております。PKSHAはAI領域において非常に先進的な知見をお持ちだと感じています。そのため、単なるシステム導入にとどまらず、導入後の運用定着や継続的な業務改善への伴走支援に期待しています。「この課題にもAIが使えますよ」といった、適用領域の拡大に向けた提案もぜひお願いしたいです。これまでも手厚くサポートしていただいていますが、今後もプロの視点からのご支援をよろしくお願いします。
奥村様:他社の活用事例を含めた積極的な情報提供を引き続きお願いしたいです。他社がどのようなAI製品を活用し、どう課題を解決しているのか、私たちがまだ把握しきれていないユースケースが数多くあるはずです。すぐにすべてを導入できるわけではありませんが、今後のロードマップを描く上でも、業界のトレンドや最新情報を共有していただけると非常にありがたいです。
貴重なお話をありがとうございました。
2026年6月4日時点の情報です。
この記事で紹介されたサービス
社内問合せ対応を自動化、
社内ヘルプデスクのベストソリューション
PKSHA AI Helpdesk(AI ヘルプデスク) 導入企業の他の記事はこちら
株式会社ニフコ
現場主導の「まずやってみよう」が拓いた、AI協働による業務変革
阪和興業株式会社
AI活用による従業員体験向上 AIヘルプデスク運用5年目を迎えた人事部の今
株式会社アーレスティ
RAG活用で1,500名のナレッジ探索を効率化 製造業における未来のナレッジマネジメント実現へ