三井住友海上火災保険株式会社

年間110万件の受電対応を効率化!PKSHA Voicebotで15万件を対応
チューニングを重ね完結率60%を達成

導入サービス PKSHA Voicebot
業種 損害保険
活用対象 一般ユーザー、社員
導入目的 応答率向上、平均処理時間の短縮
三井住友海上事例_1

三井住友海上火災保険株式会社
カスタマーコミュニケーション部 
企画チーム長 稲葉 弘幸 様
企画チーム  青木 麻央 様 
横浜センター 春田 大士 様

 

電話、チャットボット、ボイスボットなどを通じた問い合わせに対応

所属されている部署の役割を教えてください。

当社は損害保険会社として、自動車保険をはじめとする各種保険商品を提供し、多様なお客様のニーズに応えるサービスを展開しています。

その中で、カスタマーコミュニケーション部は、お客さまからのお問い合わせ対応が主な役割です。具体的には、事故受付や保険金のお支払いを除いた、各種保険商品に関するご相談やお手続きの問い合わせ窓口業務を担当しています。

お電話、メール、チャットなどの多様なチャネルで受け付けた内容を、各保険代理店や社内の関係部署に連携し、迅速かつ適切なお客さま対応を日々心掛けています。

カスタマーコミュニケーション部内には、全般の運営や制度設計、システムの導入・運用、オペレーターの採用・育成などを担当する様々なチームを組織し、これにより、お客さまの多様なニーズに柔軟かつ迅速に対応、より高品質なサービスを提供するため、組織全体で一丸となって取り組んでいます。

また、2025年4月に「コンタクトセンター企画部」から「カスタマーコミュニケーション部」へと部名を変更しました。今までの電話中心の運営から、セルフ解決やノンボイス対応を含めた「お客さま本位のカスタマーコミュニケーション」を描く部へと変革することを企図しています。

コンタクトセンターの規模や受電数などを教えてください。

全国3拠点に約100名の社員と、約430名のオペレーターが在籍し、2023年度は年間110万件の着信がありました。 オペレーターは電話以外に一部有人チャットにも対応しています。

三井住友海上事例_4

体制見直しとお客様対応の拡充のためにボイスボットを検討

PKSHA Voicebotを導入されることになった経緯を教えてください。

コロナ禍により、オペレーターを通常より減らして運用する中、体制見直しの必要を感じていました。2020年度の受電件数は160万件に達しており、Web受付やチャットボットの活用で20万件の削減に成功したものの、さらなる効率化が求められていました。

同時に、お客さまからのお問い合わせを24時間365日受け付ける、解約などのネガティブな要件を人と電話で話したくないというお客さまニーズに応えるなどの観点でお客さまサービスを拡充したいという思いもあり、そういった課題を解決する新たな一手として、ボイスボットの導入を検討しました。

PKSHA Voicebotはどのようにしてお知りになりましたか。

グループ会社の三井住友海上あいおい生命保険が先に導入していたので、それがきっかけです。ただし、検討段階ではPKSHA Voicebotを含めた複数のツールを検証しました。

 

どのようなところを比較されましたか。

導入実績や導入にかかる期間などです。実績に関してはグループ会社での利用の他、多くの金融機関が採用していたことで信頼性が上がりました。また、他のツールよりPKSHA Voicebotの方がかなり短期で導入できることが評価のポイントとなりました。

トライアンドエラーで完結率60%を実現

PKSHA Voicebotを導入されるまでの流れを教えてください。

2021年夏から導入検討を開始、2022年2月に導入プロジェクトをスタートし、最初は自動車保険の解約から利用を開始することを決めました。

自動車保険の解約には、10数項目をお客さまからうかがう必要があります。どうやったら上手くボイスボットにお話いただけるか、運用開始後もトライアンドエラーしながら精度を高め、目標としていた完結率60%を実現できました。

お客さまにボイスボットを使っていただくために、どのような工夫をされましたか。

聞き取り項目を簡略化して、聞き取りできなかった項目については、後続処理でカバーする等の案を検討しました。しかし、様々な検討をした結果、聞き取り項目については削減せずに全てボイスボットでお聞きすることにしました。

有人対応につなぐ分岐の位置についても検討しました。後ろの方の項目までヒアリングした後に離脱となると、お客さまへの負担が大きくなってしまうため、ボイスボットでご対応できない場合はすぐに有人対応に切り替えられるよう、分岐を対話の前半に設けるようにしました。

最初に流すアナウンスについても内容を見直しました。最初は注意事項などを丁寧にお伝えしていたのですが、待ち時間が長くなり過ぎてしまい、結果的にお客さまの満足度も下がってしまうため、お伝えすることを最小限に絞りました。

これらの取り組みによって離脱が減り、完結率が高まっていきました。PKSHA VoicebotはUIが使いやすく、分析や検証も容易なので、自社で気軽に修正を重ねることができました。

 

三井住友海上事例_2

ボイスボットの活用範囲を徐々に拡大

PKSHA Voicebotを導入されてから、どのように活用範囲を増やされていますか。

最初は営業時間内の限られた時間帯で自動車保険の解約受付からスタートしました。その後実際に受付の状況を確認し、課題を改善しながら徐々にボイスボットの受付時間を増やし、営業時間後に拡大して本格的な利用をするようになりました。

その後は、自動車保険の解約でお客さまのニーズが高いことを確認できたので、他の保険の解約手続きに利用を拡大していきました。2022年9月に火災保険の解約受付を、2022年10月からは賃貸者向け家財保険の退居失効の受付を開始しました。最近は、団体様向けの一部の傷害保険の解約の受付を始めました。

図6-1

 

PKSHA Voicebotへの導線はどのようになっていますか。

お客さまが架電されるフリーコールのIVRでご用件をうかがい、ご解約希望を選んでいただくと、ボイスボットにつながるようになっています。

15万件の自動対応でオペレーター負荷軽減
後続処理も大きく効率化

PKSHA Voicebot導入後の成果について教えてください。

2023年にオペレーターが対応した入電案件は110万件でしたが、それに対し15万件をPKSHA Voicebotで対応しています。
ボイスボット導入当初は完結率30%程度でしたが、改善に取り組んだ結果、完結率60%を達成することができました。

またボイスボットによる受付だけではなく、後続処理についてもあわせて効率化するための設計を心がけて実施しました。PKSHA VoicebotのデータをPoCの段階からツールを開発し、自動で各種データを参照し、不備の判定、目的別に振り分け等の分類を行うなど人手を介さずにできるように運営を作りました。

解約受付の自動化により、オペレーターが有人対応を必要とする重要なお問い合わせなどに集中できるようになりました。

また、お客さま本位の観点で解約手続きをボイスボットで完結できるようになったことも大きな成果だと感じています。電話のみで簡単に受付できることから、多くのお客さまにご利用いただいています。様々なニーズをお持ちのお客さまに対し、ボイスボットという選択肢を提供できたことは、サービス全体にとってプラスになったと感じています。

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活用業務の拡大を検討中

PKSHA Voicebotの今後の活用についてお考えお聞かせください。

現在対応している4つの解約業務については、今後も利便性が高まるようにブラッシュアップしていきたいと思います。

加えて、他の定型業務に関しても、精査しながらボイスボットの活用範囲の拡大を検討していきます。

PKSHA Voicebotの導入を考えられている企業様にメッセージをお願いします。

PKSHAの方には導入当初から今に至るまで、当社側のニーズやお客さまのニーズをしっかりご理解いただいています。本当に有力なパートナーだと感じていますし、生き生き働かれている方が多い、魅力的な会社だなと思っています。

アドバイスをいただく時にも、「世の中の役に立ちたい」という広い目線で考えられているのだな、と思う機会が何度もありました。ボイスボットの導入を検討されている方は、是非一度お話を聞いてほしいと思います。

社名 三井住友海上火災保険株式会社
設立 大正7年(1918年)10月21日
事業内容 1.損害保険業/保険引受/資産の運用
2.他の保険会社の保険業に係る業務の代理または事務の代行
3.債務の保証
4.確定拠出年金の運営管理業務
5.自動車損害賠償保障事業委託業務
   
URL https://www.ms-ins.com/

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