公開日/2022.5.16 最終更新日/2022.07.19
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サイレントカスタマーとは?不満を見極めサービス向上に役立てる方法

サイレントカスタマーを表現するイラスト

企業や商品・サービスに対し、不満を持ちながらも直接訴えることなく黙って去ってしまう顧客がいます。「サイレントカスタマー」と呼ばれ、各企業が抱える顧客の中に一定数いるといわれています。

直接訴えられることがないからと安心しがちですが、サイレントカスタマーは企業へ直接訴えないだけで、SNSやブログ上など他の媒体で苦情を発信して企業や商品・サービスから離れていく可能性があります。

当記事では、サイレントカスタマーを放置する危険性と対策について紹介します。

サイレントカスタマーの概要

サイレントカスタマーとは、企業やサービスへ不満を持ちながらも、黙って去ってしまう顧客のことを指します。
サイレントカスタマーを放置すると、既存顧客や潜在顧客を大量に失う可能性が高いため、早急な対応が必要です。

不満を持つ顧客の中には、苦情を申し立てる人と苦情を言わず黙って去る「サイレントカスタマー」の2通りがいます。
苦情を申し立てる人への対応は、「グッドマンの第一法則」からもわかるように非常に重要であるといえます。

(1) 「グッドマンの法則」とは

「グッドマンの法則」とは、アメリカのジョン・グッドマン氏が、苦情処理と再購入決定率の関係を測定して出した法則のことです。中でも「グッドマンの第一法則」とは以下のような法則です。

「不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の該当商品・サービスの再購入決定率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客のそれに対して比較的高い」

※引用元:「Goodmanの法則‐グッドマンの法則‐」(NPO法人顧客ロイヤルティ協会)

実際に苦情を申し立てた顧客に対し適切な対応をした場合、リピーターになる確率が非常に高いことを示しています。

(2) 7割の顧客はサイレントカスタマーになり得る

株式会社日経リサーチの調査によると、
不満があった場合の「企業に対する申し出率」は27.5%と、苦情を申し立てる人が少数であることがわかっています。つまりは、7割の顧客はサイレントカスタマーになり得るということです。

サイレントカスタマーは直接企業へ苦情を申し立てませんが、SNSや他の媒体で苦情を発信する可能性があります。このような顧客が各企業に約7割いる可能性があり、知らない間に企業や商品・サービスにマイナスイメージが付く恐れがあります。

サイレントカスタマーを放置するリスク

サイレントカスタマーは、直接企業へ苦情を申し立てないため放置されがちです。しかしこのまま放置すると、企業にとって大きな不利益につながる場合があります。

(1) 既存顧客を失う

サイレントカスタマーは不満を持っています。
顧客が抱える疑問や不満を解決していないため、放置すれば既存顧客を失うことになります。またサイレントカスタマーが抱える不満が非常に重大な問題であった場合、企業へ伝わってこないため解決されません。

サイレントカスタマーは適切に対応すると優良顧客になる可能性があるため、放置し失うことは企業にとって大きな損失になります。

(2) 潜在顧客を失う

サイレントカスタマーが発信したネガティブな口コミや評判が広まるため、潜在顧客を多く失う可能性があります。

「グッドマンの第二法則」からもわかるように、潜在顧客はネガティブな口コミや評判を信じやすい傾向にあります。
「グッドマンの第二法則」とは以下のような法則です。

「苦情処理に不満を抱いた顧客の非好意的な口コミの影響は、満足した顧客の好意的な口コミに比較して、二倍も強く影響を与える」

※引用元:「Goodmanの法則‐グッドマンの法則‐」(NPO法人顧客ロイヤルティ協会)

ネガティブな口コミや評判の中には誤解や虚偽が含まれていることもあります。にも関わらず広まると、商品・サービスに対しマイナスイメージが付く恐れがあるため早急に誤解を解く必要があります。

(3) 解決すべき問題が明確化できない

不満を持っているにも関わらず問題点の申し出がないため、解決すべき問題が明確化できません。すると以下のような悪循環が生まれます。

[ 顧客が離れていく → 問題がわからない → 改善されない ]

サイレントカスタマーへの対策

不満を抱えていても申し出をしないサイレントカスタマーの対策をするには、できるだけ顧客が手間を掛けずに気軽に発言できる場を設けることが大切です。

(1) 問い合わせ先を顧客へわかりやすく提示する

問い合わせ先がわからないといった理由からサイレントカスタマーになる人がいます。

問い合わせ先を企業やサービスの公式サイトなどわかりやすい場所に提示しましょう。FAQページの内容を充実させるのも効果的です。

(2) 気軽に意見を言える場を用意する

企業へ直接不満を言いにくいといった理由からサイレントカスタマーになる人がいます。
こうした顧客に対しては、気軽にメッセージを書き込めるチャットボットの導入が効果的です。

なかでも、顧客が入力したメッセージ内容を分析し適切な回答の精度を上げていく“AI型”のチャットボットは各業界で導入・活用が進んできています。

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(3) アクティブサポートを行う

SNSで顧客が発信したメッセージに対し返信するなど、顧客へ能動的にサポートする“アクティブサポート”を行います。
顧客の本音がわかりやすく、サイレントカスタマーの発生防止に繋がります。

また同時に、SNSやブログ上で収集した企業や商品・サービスに関する投稿をマーケティングに活かす“ソーシャルリスニング”を行うことで、商品・サービスの改善にも貢献するでしょう。

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(4) 従業員へ消費者教育を実施する

従業員へ消費者教育を実施することは顧客の信頼度や顧客満足度の向上につながります。実際に「グッドマンの第三法則」で以下のように述べられています。

「企業の行う消費者教育によって、その企業に対する消費者の信頼度が高まり好意的な口コミの波及効果が期待されるばかりか、商品購入意図が高まり、かつ市場拡大に貢献する」

※引用元:「Goodmanの法則‐グッドマンの法則‐」(NPO法人顧客ロイヤルティ協会)

サイレントカスタマーを減らすには、不満を持つきっかけ自体をなくしていくことが大切です。従業員に消費者教育を実施し、顧客目線に立って考えることを実践してもらいます。不満を持った顧客に対し適切な解決方法を提案すれば、顧客は不満が解消されるうえ、さらに商品購入意図が高まる可能性があります。

サイレントカスタマーは放置せず顧客目線に立った対策を

サイレントカスタマーを放置すると、既存顧客を失う恐れがあります。またSNSやブログ上で発信されたマイナスイメージは払拭するのが難しく、潜在顧客まで失う可能性があります。
サイレントカスタマーを対策するには、苦情を言いやすい環境づくりと、不満を発信している顧客の発見と対処が効果的です。

従業員に消費者教育を実施し、サイレントカスタマーをできるだけ生み出さないよう顧客目線に立った対応を心掛けましょう。

この記事の執筆者

CXジャーナル編集部

「顧客と向き合うすべての人の“よりどころ“」というタグラインのもと、顧客とのコミュニケーション・カスタマーサービスに関するあらゆる問いにお答えしていくことをミッションにしています。 (運営元:株式会社 PKSHA Communication)

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