公開日/2022.11.7 最終更新日/2022.11.07
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ルールベース型AIとは?機械学習との違いやメリット・デメリット

ルールベース型AIって、機械学習とどう違う?

少子高齢化に伴う労働人口減少のソリューションとしてAIが注目されてから、久しくなります。
また昨今では、DXを掲げたあらゆるデジタル変革の流れの中でさまざまなビジネスにAI・アルゴリズムが導入され、私たちの生活においても馴染みのある存在になりました。

ただ、一言にAIといっても機械学習型とルールベース型、大きく分けて2つの種類があります。それぞれに特徴があり、ビジネスの種類や業務形態によって使い分けることが大切です。

本記事では、ルールベース型AIに注目し、機械学習型との違いや活用シーン、メリットやデメリットについて紹介します。

ルールベース型AIとは

ルールベース型AIの定義と、機械学習型AIとの違いについて解説します。

(1) ルールベース型AIの意味

ルールベース型AIとは、人が登録した情報をベースにAIが作業を行うタイプの人工知能技術のことです。人間がAIにルールを登録し、AIはそのルールに基づいて状況を判断して正確に作業を行うことができます。

(2) ルールベース型AIと機械学習型AIの違い

それに対して機械学習は、AI(人工知能)が自ら学習して、大量データから統計解析によってルールやパターンを見つけ出すことが可能です。
つまり、ルールベース型AIでは人間が登録していたルールに基づいて作業を行いますが、機械学習型AIはデータ分析を駆使して、AI自身が適切なルールを見つけ出す点で異なります。

機械学習型AIはデータを分析してルールを見つけ出すため、人間の憶測や経験則による誤差やミスをデータによって解決することができる一方、分析するデータの量が不足していると正しい結果を出力することが難しいという弱点もあります。

(3) ルールベース型AIの活用場面

ルールベース型AIは、主に問い合わせの際のチャットボットやECサイトのレコメンド機能で活用されています。
ルールベース型のチャットボットは「シナリオ型チャットボット」とも呼ばれていますが、設定しておいたシナリオに沿ってユーザーが回答して、会話を進める機能を持っています。

また、レコメンド機能は、予めモデルを登録しておくことで特定の動きを行った顧客に、おすすめ商品をWeb上に表示します。
例えば、商品Aを購入した顧客は、商品Bにも興味があるかもしれないと予測できる場合、商品Aをかごに入れた顧客に「商品Bをおすすめするポップを表示する」というルールを適用することで、レコメンド機能が実行されます。

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ルールベース型AIの4つのメリット

自ら学習する機械学習型AIの方が一見優れているように感じます。では、ルールベース型AIのメリットは何でしょうか?4つのメリットについて説明します。

(1) すぐに実用化しやすい

機械学習型AIはアルゴリズムの学習と精度の向上に一定の時間がかかります。それに対して、ルールベース型AIは人が登録・設定したルールに基づいて作動するため、機械学習によるAIの発達を待つ必要はなく、業務の自動化の実行までスピーディーに行うことができます。

(2) コスト を抑えられる

ルールベース型AIは機械学習型に比べて導入に時間がかからないため、コストも同時に抑えられます。
例えば、チャットボットをルールベース型AIによって構築するとしましょう。すでにFAQのような資料が準備されていれば、開発コストもそれほどかかりません。

(3) 簡易的な質問 にはすぐに回答できる

コストの問題を別にしても、どんなシーンでも機械学習型AIを導入したほうがよいとは限りません。
店舗やサイトによっては顧客からの質問の幅が狭く、高い費用をかけて機械学習型を設置する必要がないケースも多々あります。
その場合、ルールベース型AIはすぐに質問を対して回答できるため、機能面でも十分です。

(4) 人が意図した通りに教育できる

機械学習型の場合、AI自らが時間をかけて学習するため、どんなルールを構築するかは人間には予測できません。場合によっては多くのコストをつぎ込んだのに、思ったような機能を果たしてくれないこともあるでしょう。

それに対して、ルールベース型は人が意図した以上のことも、以下のこともアクションを起こせません。人がどんな入力をするかに100%依存しているといえるでしょう。
つまり、ルールベース型の場合、人が人を育てるように、人がAIを教育するのです。

ルールベース型AIの4つのデメリット

ルールベース型AIの4つのデメリットについて説明します。

(1) シナリオ以外の対応ができない

教育されていないことは判断や意思決定など何もできない点が、ルールベース型AIの最大のデメリットでしょう。
あくまでも人が登録したルールに基づいて動作するため、イレギュラーな対応には向いていません。ルールベース型のチャットボットが回答できない場合は、担当者に交代するしかなくなります。

(2) 人がAIに全て教える必要がある

機械学習型と異なり、自立学習はしないため、人力で学習させる必要があります。
例えば、チャットボットでAIを導入する場合、想定される質問が多岐に渡り複雑な場合は、前もって人がそのすべてを教えることが難しいため、機械学習型の方が選ばれることになります。

(3) 形式知でなければAIに教育できない

「形式知」とは、文章や計算式、図表などで客観的に説明できる知識のことです。形式知の反意語は「暗黙知」であり、経験や勘などが含まれ、言語化が難しい知識のことです。

言語化できない以上、データ化ができないため、形式知化しなければ、AIに教育することはできません。現在、暗黙知をどのようにAIに教育するかという課題に関して、研究が進んでいます。

(4) 回答速度が遅くなることがある

ルールベース型AIを使用したチャットボットの場合、受信したメッセージを識別し、それに対してあらかじめ準備された回答を抽出します。そのため質問によっては検索や抽出に時間がかかり、回答速度が遅くなることもあります。

ルールベース型AIを適切なシーンで活用し業務効率の向上を

AIには機械学習型とルールベース型があるため、コストや活用シーンなどを総合的に考慮して、適切なソリューションを選びましょう。
ただコストを抑えられるという理由だけでルールベース型を導入するのではなく、あくまでも業務効率に繋がるかを検討するようにしてください。

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この記事の執筆者

CXジャーナル編集部

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