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公開日/2023.4.28
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問い合わせ対応を効率化する方法|改善すべき理由や対応業務の課題

問い合わせ対応を効率化する方法|改善すべき理由や対応業務の課題

どのようなサービスや製品を提供していても、顧客のロイヤリティを高めるためには問い合わせ対応の品質向上は欠かせません。問い合わせ対応とは、顧客からメールや電話などで寄せられる問い合わせに対して個別で対応する業務のことです。

本記事では問い合わせ対応の効率化が重要な理由や、問い合わせ対応における主な課題と、解決のための具体的な方法について解説します。合わせて問い合わせ対応を効率化するための、カスタマサポートソリューションについても説明します。

問い合わせ対応の効率化が重要な理由

ここでは、すべての企業にとって問い合わせ対応の効率化が重要な3つの理由について説明します。

顧客満足度の向上につながるため

問い合わせ対応の効率化が重要な1つ目の理由は、顧客満足度の向上につながるからです。現在、多くの企業が製品やサービスを売り切るだけでなく、その前後のプロセス全体を「カスタマージャーニー」と定義しています。カスタマージャーニーとは、顧客が自社の商品やサービスを知り、実際に購入し利用するまで、またその後利用継続や再購入するまでの、顧客の一連の体験を指します。

問い合わせ対応は、カスタマージャーニーのプロセスの中でも、顧客が購入・利用した後のフェーズに含まれます。もし、顧客の問い合わせに素早く丁寧に対応すれば、顧客満足度は向上し、再購入や利用継続につながります。また、顧客満足度の向上は自社サイトへの愛着心と言われるロイヤリティの向上も期待できるでしょう。

近年、サブスクリプション型のビジネスモデルが増えているため、顧客が自社のサービスや製品に対してロイヤリティを持ち続けてくれないと、契約はすぐに打ち切られてしまいます。そのため、適切な問い合わせ対応による顧客満足度向上は、長期的な視野でみれば収益アップのきっかけになると言えるでしょう。

他社企業との差別化を図れるため

問い合わせ対応の効率化が重要な2つ目の理由は、他社企業との差別化を図れるからです。現在、商品の質や機能によって他社との差別化を図るのはますます困難になっています。そのため、は「カスタマーエクスペリエンス」が今まで以上に重要になってきているといえるでしょう。

カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience)とは、商品やサービスの機能や性能だけでなく、購入するまでの過程や購入後のフォローアップなどにおける顧客の経験、感情的価値の訴求を重視することを指します。

例えば、商品購入後、何かトラブルや不明点にぶつかったときに、商品の提供元に問い合わせてもなかなか電話がつながらなかったり、欲しい答えが得られなかったりすると、カスタマーエクスペリエンスは低下します。結果として、問い合わせをあきらめ、商品やサービスの継続的な使用も中止してしまうでしょう。

逆に、同じ状況下で高品質な対応により、顧客に安心感を与えることができれば、継続的な利用につなげることも可能です。その結果、同程度のクオリティや機能の商品であっても、良質な対応をすることで、差別化できるのです。

商品やサービスの改善につながるため

問い合わせ対応の効率化が重要な3つ目の理由は、商品やサービスの改善につながるからです。問い合わせ対応に的確に対応することは顧客にとってメリットがあるだけでなく、自社のマーケティング戦略にとっても重要な意味を持ちます。

蓄積される問い合わせ内容や履歴により、顧客が自社の商品やサービスに何を求めているのか、具体的なニーズを把握できます。結果として、顧客の具体的ニーズに基づき、商品やサービスの改善を行いやすくなるのです。顧客によってより価値のある商品やサービスを生み出せますし、利用者数の向上や売上アップにつながることでしょう。

問い合わせ対応における主な課題

企業にとって注力すべき問い合わせ対応ですが、どんな課題があるでしょうか。ここでは、問い合わせ対応における3つの主な課題を取り上げます。

問い合わせ件数が多くなると、対応できない場合がある

問い合わせ対応における1つ目の課題は、問い合わせ件数が多くなると、対応できない場合があることです。

特に問い合わせ対応をカスタマーサポートのスタッフだけで行っていると、増加する件数に対応できなくなるケースがあります。具体的には、対応可能な範囲を超えると電話がつながりにくくなります。電話応対をするオペレータースタッフがひっきりなしに電話応対を続けることになり、オペレーターのストレスも高まり応対品質の低下も避けられないでしょう。電話がつながらず、サポートの質も低いとなると、顧客満足度は低下しますし、最悪の場合、自社のサポート体制に対するクレームに発展する可能性もあるでしょう。

問い合わせ件数の増加に対処する最初のステップは、要因を分析することです。その上で、内容に講じた改善を行う必要があります。例えば、問い合わせ件数の増加要因には、以下のようなものが考えられます。

・キャンペーンの影響による顧客数やHPへのアクセス数増加
・Webサイトの情報不足
・マニュアルやFAQの分かりにくさ

問い合わせ対応に時間がかかりやすい

問い合わせ対応における2つ目の課題は、問い合わせ対応に時間がかかってしまうことです。

近年、コールセンターなどにおいて、1人のオペレーターが1件の対応を終了するまでに必要な時間(平均応答時間)が増加傾向にあります。その理由として考えられるのは、サービスの多様化や複雑化により問い合わせ内容が多岐に渡るようになったことです。1人のオペレーターでは対応できず、回答に複数の部署の確認が必要になるケースも増えています。

オペレーターの側としてはできるだけ正確な情報を顧客に提供したいと思っているのですが、顧客の側からすればネガティブな印象を持ちやすくなるでしょう。オペレーターの対応は、顧客にとっては企業のイメージを形作っていることを忘れないようにしてください。顧客は「たらい回し」にされている印象を持つ可能性がありますし、欲しい情報がすぐに得られず「一度の問い合わせでは回答してくれない企業」というイメージを持ってしまう可能性があります。

こうした印象を持たれるのを回避するためには、対応時間の短縮に向けて顧客向け・オペレーター向け双方のFAQの見直しや個別対応時の手順構築が不可欠となります。

問い合わせ対応の品質にバラつきが起こりやすい

問い合わせ対応における3つ目の課題は、問い合わせ対応の品質にバラつきが起こりやすいことです。オペレーターの対応スキルは研修によって一定程度の水準が担保されています。しかし、どれだけ研修を重ねてもオペレーター1人ひとりの経験やスキル、コミュニケーション能力は異なるため、同じ問い合わせ内容でも対応の品質にバラつきが生じてしまいます。

こうした事態を避けるためには、誰が対応しても同じクオリティで行えるようにする必要があります。オペレーター1人の対応が「企業の印象」として顧客に伝わることを意識することが大切でしょう。主な対策の例としては、バラつきが生じないように継続的に研修を実施することや、カスタマーサポートの品質向上に向けたアンケートなどを行うなどの施策が必要です。

問い合わせ対応を効率化する具体的方法

ここでは、上記の課題を踏まえ、問い合わせ対応を効率化する具体的な4つの方法を紹介します。

社内マニュアルを整備する

問い合わせ対応を効率化する1つ目の方法は、社内マニュアルを整備することです。社内マニュアルに沿って業務を進行するようにしておけば、誰でも一定水準の対応ができるようになります。オペレーター間の知識が均質化されるため、対応のバラつきも抑えられますし、イレギュラー対応まで記載しておけばトラブル発生時でもすぐに対応できます。

ただ、マニュアルは一度作ればそれで良いという訳ではありません。定期的に見直しを行い、常に最新の状態に保つことが大切です。具体的には、社内マニュアルを活用するためには、ナレッジ管理システム(社内FAQシステム)の導入を検討することをおすすめします。ナレッジを一元管理でき、誰でも簡単に情報にアクセスできます。

管理システムやヘルプデスクツールを導入する

問い合わせ対応を効率化する2つ目の方法は、管理システムやヘルプデスクツールを導入することです。管理システムやヘルプデスクツールとは、情報を一元管理し社内で共有できるシステムのことです。ここで言う情報とは顧客からの問い合わせを「いつ・誰が・どのように」対応したかというものです。

管理システムやヘルプデスクツールの導入によりオペレーター同士の情報共有がスムーズになり、対応ミスの防止につながります。また、自動メール送信やテンプレート機能の活用により、コア業務に集中できるようになります。さらに、電話やメールなどから寄せられた問い合わせ内容を一括管理できるため、蓄積された情報をカスタマーサポートやマーケティング施策改善に生かせるようになります。

アウトソーシングを活用する

問い合わせ対応を効率化する3つ目の方法は、業務の一部を外部に依頼して本来注力すべき業務に集中することです。コールセンターやヘルプデスクの専門スタッフに対応を任せることで対応品質の向上が期待できます。また、オペレーターの採用や教育を行う必要がなくなるため自社の負担や時間を削減できるでしょう。

FAQを整備する

問い合わせ対応を効率化する4つ目の方法は、FAQを整備することです。FAQとはよくある問い合わせと回答をまとめたものですが、顧客の利便性を考えてFAQを見直すことで問い合わせ件数の削減につながります。具体的には以下のようなポイントを見直してみましょう。

・頻繫に問い合わせを受ける内容がFAQに掲載されているか
・FAQは顧客が問題を探しやすいデザインになっているか
・顧客が見つけやすい場所にFAQが掲載されているか

チャットボットを導入する

問い合わせ対応を効率化する5つ目の方法は、チャットボットの導入です。チャットボットとは顧客の問い合わせに自動で応答できるプログラムで、導入によりオペレーターが対応しなければいけない問い合わせを減らすことができます。チャットボットの特徴は、顧客にとって疑問が生じたタイミングで質問可能で、すぐに回答を得られるという点です。24時間365日の顧客対応が可能で、簡易な質問は有人対応が不要になります。

AIチャットボットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
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問い合わせ対応の効率化はどの企業にとっても喫緊の課題です。問い合わせ対応を効率化することで、顧客満足度の向上を目指せますし、商品やサービスの質も改善できるからです。さまざまなソリューションがありますが、FAQシステムやチャットボットは顧客の利便性を高めオペレーターのストレスも減らせます。

 

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