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企画・営業部門にとって、業務の属人化は大きな課題の1つです。特定の人にしか業務内容が分からない状態を放置すると、社内にノウハウが蓄積されずに効率が下がり、業績にも悪影響を与えます。
業務の属人化を解消する方法として今注目されているのが「ナレッジベース」と呼ばれるデータベースです。社内の知的財産を一か所に集約することによって業務や効率化や顧客対応の品質向上といった効果が期待でき、データの蓄積を継続していくことでナレッジベース自体が会社にとって大きな資産になります。
今回は、ナレッジベースの基礎知識や構築方法、具体的な活用方法を分かりやすく解説します。
ナレッジベースの基礎知識
ナレッジベースは直訳すると「知識の土台」という意味で、企業内で個々が持っているデータを一か所に集約し、検索できるようにしたシステムです。まずはナレッジベースに関する基本的な知識を身に付けましょう。
(1) ナレッジベースとは?
組織として業務を進めていく上で、ナレッジ(知識、経験・ノウハウ、そのほか有益な情報)の共有は欠かせません。業務で得た知識や商品開発のノウハウ、顧客からの問い合わせ内容といった情報は企業の知的資産であり、それを蓄積するためのデータベースを「ナレッジベース」と呼びます。
蓄積されたナレッジ は全社に共有、編集・更新され、必要に応じて従業員が 検索することを可能にします 。人材の流動化によるナレッジ断絶の対策として取り組まれることが多く、業務の属人化を解消する方法として注目されています。
業務に関する知見が蓄積された唯一無二のナレッジベースは、やがて企業の資産へと変わっていきます。
(2) ナレッジベースは「ナレッジマネジメント」の一環
業務に関する知識を管理し、有効活用する試みを「ナレッジマネジメント」と呼びます。ナレッジベースの構築は、ナレッジマネジメントの一環といえる でしょう。
ナレッジベースには、社内の情報だけではなく、顧客からの問い合わせ内容やクレームといった営業に関する情報も含まれます。そのため、情報伝達 の速度向上、業務効率化、顧客対応の品質向上といったさまざまな成果が期待でき、顧客と自社の双方にメリットがあります。
ナレッジベースで蓄積した情報を、より多くのマネジメント施策に活かし、企業競争力を高めましょう。
ナレッジベースの構築方法
「ナレッジベースの構築は難しいのでは?」と感じるかもしれませんが、既存の社内システムを活用することでも取り組みが可能です。より効率良くナレッジマネジメントを実施したいと考える方のために開発された専用のツールもあるので、ナレッジベースを構築する目的や社内のニーズに合わせて活用してください。
(1) 既存システムを活用する
ナレッジベースの構築は、個別で導入しているツールを利用して実施できます。ただし、専用のツールではないため、データの検索・蓄積・管理・共有などの機能を適切に組み合わせて活用しなければなりません。
事前にしっかりと運用計画を策定し、ツール間の連携を確認することが、ナレッジベースの構築を成功させるために欠かせないポイントです。
ナレッジベースの構築に活用できるツールの種類には次のようなものがあります。
① データベース型
「知識情報検索型」とも呼ばれ、情報をデータベースとして蓄積し、共有するためのツールです。必要に応じてデータを検索することもできます。
② グループウェア型
スケジュール管理やチャット、メールといったコミュニケーションのための機能を備えたツールです。プロジェクトや業務を進める中で生まれた情報を共有しながら進捗状況も把握できるので、業務効率化に役立ちます。
③ ヘルプデスク型
質問と回答が対になった「FAQ」形式のツールです。社内や顧客からの質問、要望、クレームとそれに対する回答を蓄積してデータベース化することによって、ピンポイントで必要な情報を探し出せます。
④ データマイニングツール型
別名「ビッグデータ」と呼ばれるツールです。情報を蓄積するだけではなく、AIを活用してデータを分析し、そこから新たなナレッジを生み出すことができます。データベース型のナレッジベースに分析機能が加わったものがデータマイニングツール型と考えると分かりやすいでしょう。
⑤ 文書管理システム型
紙の文書をスキャンした画像データや電子文書を管理するためのツールです。ただ文書を管理するだけではなく、必要な時に必要な文書へスムーズにアクセスできるようにすることが目的です。
⑥ 社内SNS型
オンラインで社員同士がコミュニケーションを取るためのツールです。一般的なSNSのようなグループチャット機能の他に、掲示板で商品開発のアイデアを募るなど、社員間のコラボレーションを加速させることができます。
⑦ 社内wiki型
無料のオンライン百科事典として有名なウィキペディアの「社内版」で、商品開発や営業など、社内のナレッジに関するさまざまな情報を記述した掲示板形式のツールです。データを蓄積していくことによって、業務に必要な情報を簡単に探し出すことができます。
(2) ナレッジマネジメントツールを活用する
ナレッジベースやナレッジベースマネジメントには専用のツールが存在し、ナレッジを効率的に活用するための機能が備わっています。
社内にシステムの専門知識を持ったエンジニアがいない場合は、サポートの手厚いツールを利用するのが望ましいでしょう。使いやすいUIなど、運用のしやすさも考慮することが大切です。
ナレッジベースの活用方法と運用のコツ
ナレッジベースは、それ自体を構築することが目的ではなく、蓄積したデータをどのように活用するかという点がもっとも大切です。そのため、「データが検索しやすい」、「運用を属人化しない」といった工夫が必要です。ここからは、ナレッジベースの活用方法と運用のコツを具体的に解説します。
(1) ナレッジベースの効果的な活用方法
ナレッジベースは社内外向けにFAQ化して運用するのがおすすめです。質問・疑問とそれに対する回答というシンプルな形式のため、必要な情報だけを引き出しやすいことが特長で、ナレッジベースに業務に関する情報や顧客からの問い合わせ内容、その対応方法、製品情報などを蓄積することで有益な情報を収集しやすくなります。
(2) ナレッジベースを運用する際のコツ
ナレッジベースを構築する際にチャットボットを導入すると、顧客や従業員がナレッジベースに検索をかけられるようになるので利用されやすくなります。
フリーワードでの検索はもちろんのこと、会話形式のUIで適切なFAQページに遷移させることも可能です。カスタマーサポートや社内ヘルプデスク部門(情シス、人事労務等の管理部門)の業務負荷軽減に大きな効果が期待できます。
国内でもっとも多く利用されているFAQシステム「PKSHA FAQ」は、誰でも簡単にFAQの作成・公開・分析・運用改善ができるクラウドのFAQ型ナレッジマネジメントシステムです。
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