公開日/2022.7.14 最終更新日/2022.07.15
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カスタマーエフォートスコア(CES)とは?計算方法と改善のポイント

カスタマーエフォートスコア(CES)どう測る?

カスタマーエフォートスコア(CES)は商品・サービスの売上や定着率に直結する指標です。もし数値が悪い場合は、会社やサービスに対するイメージが低下し、顧客離れに繋がります。

当記事では、カスタマーエフォートスコア(CES)の概要と、数値を改善させる具体的なポイントをご紹介します。

カスタマーエフォートスコア(CES)とは?

はじめにカスタマーエフォートスコアの概要を解説します。その中で、スコアが悪化する原因、計測方法、リテンション率との関係、NPS®との違いについても説明します。

(1) カスタマーエフォートスコアの意味

カスタマーエフォートスコアはCESとも表記されます。これは英語の「Customer Effort Score」の略称で、直訳すると顧客努力指標という意味になります。

つまり、顧客が商品やサービスを利用するときに、どのくらいの時間や労力が必要だったかを示す指標です。

カスタマーエフォートスコア(CES)は低いほうが良く、高いほど顧客に時間や労力を使わせている状態です。そのためスコアが高ければ、顧客のストレスや不満が高まりやすいです。

(2) カスタマーエフォートスコア(CES)が上がる主な原因

CESが悪化する主な原因は、以下の5つです。

① 顧客・ユーザー側で行う手順が多い

サービス利用時の手順が多いと顧客の不満は蓄積します。例としては「会員登録が長くて面倒」、「解約の手順が複雑」などがあります。

② 企業側の対応が遅い

対応・返答の遅さや連絡の多さは顧客のストレスになります。電話がつながりにくければ改善が必要です。
顧客からのお問い合わせには、迅速に対応しましょう。

③ 商品やサービスの使い方がわかりにくい

使用方法が分かりづらい、あるいは難しい場合、適したマニュアル等での説明がないと顧客にとって手間がかかりストレスの原因になります。

④ コンタクトセンター(コールセンター)への問い合わせ方法がわかりにくい

ただでさえ問題があってお問い合わせをするのに、相談窓口を探す手間でまたさらにストレスが募ります。
また、その後のプロセスでも、お問い合わせの電話をした際に繋がらず放棄呼・あふれ呼に繋がってしまう場合は、クレームの原因にすらなり得てしまいます。

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⑤ 強引な契約や営業をされる

ある程度の営業は必要です。しかしながら、適切な方法でなかったり、相手の感情を害するほど過剰すぎたりすると、当然ではありますがストレスや顧客離れに繋がります。

(3) カスタマーエフォートスコア(CES)の計測・計算方法

カスタマーエフォートスコア(CES)は、一般的にアンケートで計測されます。

アンケートは7段階の選択方式で、商品やサービスの使用に関するストレスや負担感を回答してもらいます。具体的には、特定の動作をするのにどれくらいのストレスや負担を感じたかを答えてもらいます。

以下、質問例です。

● 「サービスを利用する際、努力が必要でしたか?」
● 「商品を使用するときにストレスを感じましたか?」

回答後は、上位2区分(※)の得票率から下位3区分(※)の得票率を差し引いて求めます。
※7段階の1~3が上位区分、6~7が下位区分

例えば、ポジティブ評価60%、ネガティブ評価20%の場合、60-20で40です。最低値はマイナス100で、これに近づくほど顧客の満足度は低下していることになります。

(4) カスタマーエフォートスコア(CES)とリテンション率の関係

リテンション率とは、商品やサービスの定着率や継続率のことです。顧客維持率とも呼ばれます。

リテンション率とカスタマーエフォートスコア(CES)には相関関係があり、CESが下がる(改善する)とリテンション率は上がる傾向にあります。
つまりCESの数値が低く、顧客のストレスや負担が少ないほどリピートや継続する確率が上がりやすいことを示しています。

ちなみに、顧客と良好な関係を構築するためのマネジメント概念としてCRM(Customer Relationship Management)がありますが、リテンション率と密接に関係しています。

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(5) カスタマーエフォートスコア(CES)と「NPS®」の違い

カスタマーエフォートスコア(CES)とNPS®は比較されることが多いですが、内容は違います。それぞれ以下のように定義されています。

●CESは商品やサービスを使用するときの顧客の労力や手間の指標
●NPS®は他人にも紹介したいかという指標

簡単に表現すると、カスタマーエフォートスコア(CES)が「不満」、NPS®が「愛着」というイメージになります。なので、対極に近い指標と言って良いかもしれません。
CESは「自分が満足したかどうか」が基準ですが、NPS®は「他人に薦めたいか」という考え方です。

なお、NPS®は「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略称で、顧客ロイヤリティを測る指標です。
NPS®が高ければ顧客ロイヤリティが強く、リピートや紹介へつながる可能性が高くなります。また、他人に薦めたいかが基準なので、冷静で正確な判断になりやすいという特徴があります。

「NPS®」は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

カスタマーエフォートスコア(CES)が重要な理由

顧客のことを理解するための指標は、カスタマーエフォートスコア(CES)以外にもたくさんあります。
先述したNPS®もそのなかの1つです。それでは、なぜCESが特に注目されるのでしょうか。ここではCESが重要な理由を2つご紹介します。

(1) 顧客ロイヤリティを上げやすい

カスタマーエフォートスコア(CES)を活用すると、顧客ロイヤリティの向上が期待できます。顧客の不満を認識し、問題解決に注力できるからです。顧客の負担が少ない「エフォートレス」な状態を目指すことで、リピートに繋げられます。

反対に、新規のサービス提供や機能追加により、顧客ロイヤリティを向上させる方法はどうでしょうか。顧客の期待を上回り、感動を与えようとする考え方です。

しかし、実際はコストがかさむだけで効果は得られない可能性が高いです。
なぜならば、顧客は機能性の高さよりもストレスの少なさを優先するからです。以上のように、顧客ロイヤリティの向上にはCESの導入が効果的です。

(2) 優れた顧客体験(CX)の提供に繋がる

カスタマーエフォートスコア(CES)の活用により、ストレスを感じづらい顧客体験を提供しやすくなります。CESの改善は顧客が感じる不満に直接アプローチするからです。サービスだけが優れていても顧客満足度の向上には繋がりにくいですが、顧客の負担をなくすことで、その問題は解決されます。

実際にこのようなメリットが注目され、顧客との長期的関係が大切な業界(金融機関など)では、CESによる調査・分析が実施されています。

カスタマーエフォートスコア(CES)を向上させるためのポイント

最後に、カスタマーエフォートスコア(CES)を向上させるためのポイントとして、4つの方法をご紹介します。
これらを実施することでカスタマーサポートがより充実し、顧客の不満が解消されます。また、オペレーターの負担が軽減することも期待されます。

(1) よくある質問(FAQ)を充実させる

VOC(Voice Of Customer:お客様の声)を分析し、WebサイトにFAQページを作成しましょう。顧客が好きなタイミングで自己解決できるので、オペレーターの負担も軽減します。また、FAQツールのチャットボットの導入も有効です。

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(2) IVR・ビジュアルIVRを導入する

IVRは「Interactive Voice Response」の略称で、自動音声応答システムです。24時間対応できる仕組みを構築しておきましょう。

なお、現在は画面で操作できるビジュアルIVRも登場しているので、用途に応じて検討してみてください。

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(3) 問い合わせ方法・サポートチャネルを見直す

問い合わせ経路が電話のみの場合は他の方法を検討しましょう。電話がしづらい環境の顧客もいるからです。
たとえば、電車やバスなどの公共交通機関、職場や病院といった環境からでも問い合わせできるほうが良いでしょう。公式LINEアカウントや問い合わせフォームの導入は効果的です。

(4) オペレーターの対応を改善する

オペレーターの教育・研修や、マニュアルの整備を行います。
オペレーターの商品・サービスへの理解度が低い場合、顧客の問題をスムーズに解決できないためです。

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カスタマーエフォートスコア向上で企業利益と顧客ロイヤリティが改善

カスタマーエフォートスコア(CES)は、顧客が商品やサービスを利用する際の時間や労力を示す指標です。この数値を改善することで、顧客満足度や顧客ロイヤリティが向上し、会社に安定した収益に繋がりやすくなります。

スコアの向上には様々なアプローチがあるので、自社の現状に適した手段の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の執筆者

片岡 利之│FAQ活用トレーニング講師

コールセンターアウトソーサーにて、顧客満足度向上を支援する新規サービスの企画、営業、コールセンター運用改善、窓口の立上げ支援などを経験後、現在は株式会社PKSHA Communicationのカスタマーサクセス部門に在籍。 FAQソリューションの利活用を推進するトレーニング等を担当し、FAQに関する知識やノウハウの伝達を目的とした活動をしている。

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