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公開日/2023.2.10
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RPAで自動化できるコールセンターの業務は?導入するメリットと注意点

RPAで自動化できるコールセンターの業務は?導入するメリットと注意点

コールセンターのオペレーターの課題の一つに業務過多が挙げられます。顧客からの電話応対に加えて、通話後に行うPC入力などの後処理業務(ACW)、その他単純作業などが、オペレーターの負担を大きくしています。

そこで、オペレーターが従来行っていた業務の一部をロボットに任せて負担軽減させようと、PRAを導入する企業が増えてきました。

あらかじめ業務フローやシナリオを設定することで、顧客案内やオペレーターの事務作業を自動で行ってくれます。

コールセンターにおけるRPAとは?

顧客に対して柔軟に対応を行うコールセンターは、RPAに不向きだと思われる方もいるかもしれません。しかし、コールセンター業務のなかには、データの転記やダウンロードなど、同じ作業を繰り返す業務があります。RPAを導入することで、それらの作業を自動化して業務の効率化が実現できます。

RPAの意味

RPAとは、PC上で行われる定型的な業務を自動化する技術やツールのことを指します。Robotic Process Automationの略称で、日本に訳すと、「ロボットによる業務の自動化」という意味になります。
単純な定型業務の自動化を得意としており、残業時間の削減や人手不足の解消を可能にする手段の一つとして考えられています。

RPAとAIの違い

RPAとAIは、双方とも定型業務を自動化できるということは共通点しています。しかしAI(人工知能)は大規模なデータを基に統計的に作業を判断するアルゴリズムのことを指し、主体的に判断をして作業を自動化してくれます。一方でRPAは人間が定めたルールに従い忠実に作業をする、という違いがあります。

コールセンターのRPA化で自動化できる業務

(1)問い合わせ内容の転記

RPAを導入することで、問い合わせ内容の転記を自動化が図れます。従来、対応履歴やメール内容、クレーム対応時などの情報はそれぞれの情報を一度まとめて管理システムに手打ちすることが一般的でした。一方、RPAを導入すれば元の文章や音声をそのまま文書化して転記することが可能です。これにより、オペレーターの事務作業を大幅に軽減できるほか、ヒューマンエラーの防止、整合性の確認の省力化などが期待できます。

(2)顧客情報の収集や登録

RPAを導入すれば、これまで人力で行っていた「情報収集やデータ登録」といった業務を自動化できます。例えば、顧客の注文内容を自動的に登録したり、WEBのアカウント情報を収集して登録、確認したりできるのは、オペレーターにとって心強い支援といえるのではないでしょうか。また、FAXのPRF化も自動で行えるため、顧客対応で紙とデータの両方を活用している現場にとっても、導入する価値は高いと考えられます。

(3)各種レポートの作成やダウンロード

電話対応時のレポートの作成や、録音した音声データのダウンロードも自動化できます。またコールセンターの運用担当者が、各オペレーターの評価を作成する際に、実際の稼働時間や対応件数などを自動で収集し、レポート表へ反映させることができ、作成時間の大幅な短縮が図れます。

特に音声データのダウンロードは、インターネット回線を大きく圧迫します。そのため、営業時間外に自動で行われるようセットしておくと良いでしょう。

(4)勤怠データの突合作業

日報の作業記録を集計したり、オペレーターの勤怠データを自動でチェックしたりできます。あらかじめRPAに収集してほしいデータと反映させてほしい表を設定しておけば、毎月の勤怠状況が一目でわかるよう表が作成され、日ごとの人数調節や稼働時間の指導が行えます。

コールセンターにRPAを導入するメリット

RPAでオペレーターやコールセンター運用担当者の業務を自動化すれば、業務負担が減るため、精神的にも時間にも余裕ができます。そのほかRPAの導入メリットは以下の通りです。

(1)コストを削減できる

人的リソースが活用できれば、適切な人員配置ができるようになります。そのため人件費や採用コストなどが期待できます。

(2)業務品質が安定する

オペレーターの業務負担が減ることで、一人ひとりが余裕をもって業務へ取り組めます。顧客一人にかけられる対応時間が増え、真摯に顧客の話を聞き、解決までの道筋をご案内できるでしょう。その結果、顧客満足度が向上し、業務品質のレベルが安定につながります。また、ロボットにより自動化をすることで、人的ミスの減少も期待できます。

(3)営業時間外でも稼働できる

人なら業務時間が限られていますが、RPAはシステムなので、現場が営業時間外でも稼働させられます。また、あらかじめRPAに時間を指定すれば、営業時間や長期休みのお知らせや、簡易的なサービスが提供できます。都度の対応を省けるため、より効率的な運用体制の構築に役立ちます。

コールセンターにRPAを導入する際の注意点

RPAには、得意なことと不得意なことがあります。例えば、前述したとおり、RPAはあらかじめ入力しておいたシナリオや、業務プロセス以外のことはできません。そのため導入する際は、任せたい業務をこなしてもらえるうえ、コールセンターの課題解決につながるか確認する必要があるでしょう。

(1)システムトラブルの際に業務が停止するおそれがある

製品によってはインターネット環境下になければ使用できない場合もあるでしょう。そのためシステムトラブルが起こり得ることを想定して対策を行い、代替案を用意しておくと良いでしょう。例えば最初は、小規模の範囲でのみ導入することがおすすめです。もし小規模な導入なら、業務全体が停止してしまうリスクを防ぐことができます。

(2)業務がブラックボックス化しないようにする

業務のブラックボックス化とは、限られた人間のみにしか理解できない業務を指します。また業務内容は知っているものの、一部の従業員のみ対応できる属人化も、ブラックボックス化といえます。RPAの導入後、担当者が退職や異動をした場合、システムの処理や管理方法がわからない事態に陥る可能性があります。RPAの操作に関しては、必ずマニュアルを作成し、共有しておくようにしましょう。

コールセンターへのRPA導入でオペレーターの不満の解消を

RPAは、業務の一部を自動化し、オペレーターおよびコンタクトセンター運用担当者の負担を軽減させるために効果的なソリューションです。

ただし導入する際は、問題なく任せられ課題解決に役立つかを見極める必要があります。また、属人化しないようRPAの操作や管理方法についてのマニュアルも完備してください。RPAを導入することで、コールセンターの業務効率化やオペレーターの負担軽減などを図りましょう。

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