立命館大学
環境の変化によって生じる教育現場の課題をAIによって支える新たなチャレンジ
導入サービス | PKSHA Chatbot |
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業種 | 大学 |
活用対象 | 社員 |
導入目的 | 教員支援の効率化・高度化、24時間365日の問い合わせ窓口 |
立命館大学 教学部 教務課 課長 三好真紀様
立命館大学 教学部 教務課 課長補佐 西浦明倫様
立命館大学 教学部 教務課 落合弘望様
立命館大学 教学部 教務課 中西良彰様
立命館大学 財務部 財務経理課 課長 三原あや様
立命館大学 財務部 財務経理課 課長補佐 野口公彦様
立命館大学 財務部 財務経理課 鈴木裕加様
立命館大学 財務部 財務経理課 高守陽子様
会社、ご担当者様の紹介
立命館大学について教えてください
立命館の歴史は、西園寺公望が1869(明治2)年に私塾「立命館」を創始したことに始まります。1900(明治33)年に中川小十郎が立命館大学の前身となる「私立京都法政学校」を創立しました。そして、2020年には創始150年・創立120周年を迎えました。立命館大学は、「自由と清新」の建学の精神と「平和と民主主義」の教学理念に基づき、「未来を信じ、未来に生きる」の精神をもって、確かな学力の上に、豊かな個性を花開かせ、正義と倫理をもった地球市民として活躍できる人間の育成に努めることを教育的使命としています。
みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?
教務課 三好様 立命館大学は、京都、滋賀、大阪に複数のキャンパスを有し、16の学部と21の研究科をもつ総合大学です。それぞれのキャンパス、学部・研究科の特性に応じた多様な教育・学修環境や、地域を越えたオンラインコミュニケーションの取り組みが必要となっています。
教務課では、教育の改善を目的に、ICTを活用した新しい授業形態への支援など、教員・学生の教育環境を整備する業務を行っています。
財務経理課 三原様 財務経理課では、学園の財務および経理に関する業務を行っています。具体的には財政政策の企画立案から予算案策定、決算業務、資産運用といったものから、今回チャットボットの導入を決めた学納金収入の収納業務を担っています。
財務経理課の中長期的なミッションとしては、事業の効果検証に基づく予算最適化や事業価値の可視化・発信などがあります。
新型コロナウイルスの影響で、授業のオンライン化に伴い生まれた新たなニーズとは…
導入のきっかけについて教えてください
教務課 西浦様 コロナ禍により、授業や試験をはじめ、教員・学生間のコミュニケーションがオンライン化、システム化され、我々大学職員の働き方も変わりました。このような変化に対応する中で、大学には情報を迅速かつ正確に伝えるだけではなく、多くの人に同時並行的に、時間と空間を超えて伝えることが求められました。
財務経理課 野口様 財務経理課では、約3,100件(2020年度実績)の学費に関する問い合わせを学生・学費支弁者の方々から電話で受けて、多大な時間を割いて対応にあたって参りました。結果、担当する職員の業務量が大きな課題となっており、いかに大学から適切な情報発信をするか、また問い合わせへの回答方法に改善の必要性を感じていました。
当時、どのような点に課題を感じていましたか?
教務課 落合様 これまでも教員に情報を共有する仕組みとして、専用のFAQサイトを設けていました。しかし、コロナ禍による変化によって伝えるべき情報やマニュアルが増えて、サイト内の情報量が膨大になり、どこにどのような情報があるかが分かりにくい状態となっていました。
アンケート結果でも、求める情報がどこにあるかが分からない、という声も多かったと聞いています
教務課 中西様:そうなんです。専用のFAQサイトに検索機能がなく、必要な情報になかなか辿り着けない状況でした。その結果、電話やメールなどで1日100件以上の問い合わせが教務課に寄せられ、その対応に多大な時間を割く日が続きました。
チャットボットに焦点を当てた理由
ソリューションとして、なぜチャットボットに焦点を当てられたのでしょうか?
教務課 西浦様 チャットボットに目を向けた大きな理由の一つは、AIという新しい領域にチャレンジしたいという思いがありました。先程述べた通り、多くの情報を伝えるためには、ユーザー自身が必要な情報をサイト内の膨大な情報から探し出すという、現在のあり方には限界を感じていました。
これを打破するためには、ユーザーの言葉で表現された問い合わせに対して、ゆらぎの調整を行って、蓄積された情報と結び付け、必要な回答を提示させるといった、AIを活用した新たな取り組みが答えになるのではないかと感じたのです。
教務課 三好様 ただし、ITに慣れていない教員もいるので、複雑なシステムは導入が困難です。そのため、チャットボットのユーザーのインターフェースがシンプルで見やすいと感じたことは導入を決めた理由の一つです。
また、管理者側のダッシュボードが、豊富な機能に加えて使いやすく整理された画面構成となっており、業務負担を増やすことなく導入ができると感じたことも大きなポイントでした。
財務経理課 鈴木様:財務経理課では、学生・学費支弁者の方々からの電話での問い合わせ内容を分析した結果、納入期日に関するものなど定型的な内容であることに気が付きました。
そこで、2021年度からは学費等納入に関するお知らせを行う専用WEBページを立ち上げたところ一定の効果がありました。
チャットボットには、知りたい情報に素早くアクセスできる特性があると考え、次のステップとして、定型的な内容の問い合わせに回答する手段として導入を決めました。
1ヶ月間の実証実験で複数社との比較を経て、PKSHA Chatbotを選択いただく
どのような流れでサービスを選定していかれましたか?
教務課 三好様 選定にあたり、教務課が中心となって1ヶ月の実証実験を実施しました。
その際に、最も重視していたのが「AIの回答精度」です。実証実験を行い、納得できる精度が出るかという点を選定の第一条件としました。
また、この精度を維持、改善するためのチューニングの機能を、職員だけで行うことができるか、そしてPKSHA社のサポートが充実しているか、この点も重視しました。
PKSHA Chatbotに決めていただいた理由を教えていただけますでしょうか?
教務課 落合様 実証実験において、非常に高い回答精度が得られたことです。
大学に特有の専門用語や、本学ならではの問い合わせにもしっかりと回答を返してくれ、数十名規模でのテストでも、満足のいく結果を出してくれたことは大きな決め手でした。
また、チューニング機能も、直感的で分かりやすく安心材料となりました。
現在はチューニング作業を整理してリスト化し、誰でも対応できる環境を作りつつあります。
教務課 西浦様 そして、大きな決め手となったのが、FAQの作成をサポートしてくれるナレッジメーカーの存在です。
これまで受けた電話やメールでの問い合わせを、テキストデータに整理してFAQ化するとなれば、膨大な作業が発生し、それだけでチャットボット導入を断念せざるを得ない可能性もありました。これに対して、データを提供すればFAQを生成してくれるナレッジメーカーというサービスがあったことで、FAQが効率的に作成でき、チャットボット導入への道筋が立ちました。
ただ、ナレッジメーカーによって出力されたデータには、文法の不整合や重複している質問などが解消されていないものもあり、全てのFAQを見直すために多くの時間を要したことも事実です。
教務課 中西様:PKSHA社のCSの方から、多くの企業への導入事例や、それを通した経験、アドバイスをいただけたことは、今後システムの更なる拡充や定着を図るうえで参考になりました。
リリースまでの流れ
サービス選定からリリースまでの流れをお聞かせいただけますでしょうか?
教務課 三好様 PKSHA社のCS専任者からのサポートが手厚く、分からないことがあればすぐに確認する、実現したい要件があれば実装の相談を行う、というサイクルを早く回せたことで、スケジュール通りにリリースすることができました。
特に苦労した点や、逆に想定よりもスムーズに行えた点があれば教えてください
教務課 落合様 FAQの作成は、最大の山場でした。見直しが必要な結果になったとは言え、ナレッジメーカーのサービスを利用することにより、手元にあるデータから一括して全FAQを作成できたことで俯瞰して確認でき、新たな視点が生まれました。FAQごとに使われている単語や文法の統一、それぞれのFAQでどこまで説明するのかといった切り分けなど、ルールを決めて整理する、という視点です。
教務課 中西様:単にFAQを作っただけではなく、俯瞰的な視点から統一性を持たせたFAQとなっているため、実証実験期間に使っていただいた方からも、しっかり回答が返ってくる、知りたいことが分かる、と高い評価をいただきました。
また、時間をかけた分、愛着も湧くものですから、より良くしていきたいという気持ちも出てきますね。
財務経理課 高守様 財務経理課においても、FAQを整備する事が大きなポイントでした。
財務経理課では既存のFAQを元に作業を行ったので、作業負荷を少なくできたという認識です。
ただ、チャットボットの検証作業を通じて、従来のFAQで想定していた範囲以上の整備が必要な事が分かってきました。
そのため、チャットボットの対話ログを活用してFAQのアップデートを行うことを新たな課題としています。
このFAQのアップデート作業を定期的な業務オペレーションとして実施していく予定です。
立命館大学様とPKSHAとで「ワンチーム」をつくる
サービス選定からリリースまで一区切り付いたタイミングですが、PKSHAのサポートや、メンバーについての印象・感想を教えてください
教務課 西浦様 実証実験から導入に至るまで、まさにワンチームという表現がしっくりくるほど、PKSHA社の前田様と連携して進めることができました。
システム導入を行っても、活かしきれない、定着しないなどの不安もある中、素晴らしいスタートが切れたと思っています。今後は、ユーザーの満足度向上に向けて、これからもワンチームで中長期的にアップデートしていければと思います。
財務経理課 高守様 まさに、ワンチームという言葉がしっくりきますね。財務経理課のメンバーは、システム導入のプロフェッショナル集団ではありません。それでも、必要なことを実現するためにどの機能を用いて進めるべきか、手厚いサポートとフォローがあったお陰で、学生や学費支弁者の方々へ自信を持って提供できるチャットボットができあがったと感じています。
現在の運用状況について
現在の運用状況について教えてください
教務課 落合様 導入後の1ヶ月で、500名近い方々に利用していただき、高い回答精度で回答できているというアンケート結果が出ています。
より多くの教員にも使ってもらえるよう、チャットボット導入のチラシを作成し、教員ラウンジや掲示板などに掲示したり、メールなどで案内を出した効果も出ていると考えています。
財務経理課 鈴木様 想定していた以上に学内外問わず多くの方々にご利用いただいております。高い精度で回答できているとの分析結果が出ていますが、こちらが想定していなかった質問も存在しているため、引き続き質問状況を分析し、学費の納入に関する情報をより分かりやすくお伝えできるように努めて参ります。
チャットボットをきっかけにさらなるDX施策の推進を目指す
最終的な目標値があれば教えてください
教務課 三好様 当初の目的でもあった、電話やメールによる問い合わせを削減し、まずは2割、できれば4割削減というところまで行けば非常に大きな成果と考えているので、ここを目指していきたいと考えています。その上で、教務課のミッションである教育環境の整備支援や、新たなICTの導入を通してDXの推進を図っていきたいと考えています。
財務経理課 三原様 財務経理課のチャットボットは、学費等納入に関する問い合わせへの回答に活用し、知りたい情報へアクセスしやすい環境の提供を目指します。
職員の勤務時間外でも対応可能なチャットボットの特性を活かしつつ、これまで年間約3,100件あった電話問い合わせに対応し得る情報提供を行うことを一つの指標としています。
その他今後の展望や展開予定について教えてください
教務課 西浦様 環境の変化により、問い合わせ量の増加や、新たなナレッジ共有のモデルを必要としている部課があるため、教務課だけではなく学内で広く活用できるようにデータや事例を蓄積していきたいと考えています。
また、約3,000名いる教員に、「チャットボットを見てみよう」と思ってもらえるように、アナウンスやチューニング・改善も積極的に行っていきたいと考えています。
財務経理課 野口様 財務経理課では、業務を通じて学内の各部署との連絡が多く発生します。
その中には、単純な経理処理や手続締切日など、定型的な問い合わせも含まれます。
それらの回答手段としてチャットボットを活用することで、定型的な反復作業に割いていた時間を創造的業務へと転換し、中長期的なミッション実現に向けた取り組みにエフォートをあてられるよう変えていきたいと考えています。
以上、ありがとうございました。
社名 | 立命館大学 |
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事業内容 | 教育、学習支援 |
創立 | 1900年 |
URL | https://www.ritsumei.ac.jp/ |
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