株式会社名古屋銀行
経営企画部主導のDXプロジェクト第1弾として採用 ~ AIチャットボットが複数部門に浸透し、行内全体の問い合わせ削減を大幅達成 ~
導入サービス | PKSHA Chatbot |
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業種 | 銀行 |
活用対象 | 一般ユーザー、社員 |
導入目的 | 営業店への問い合わせ数の削減、組織全体を巻き込んだ生産性向上 |
経営企画部 宮野 貴仁様
業務部 預金事務グループ 業務役 萩野 雅也様
業務部 事務効率化グループ 係長 野村 幸助様
業務部 事務効率化グループ 企画役 濵畑 敦様
問い合わせ削減の手段として使いやすさと価格が決め手に
銀行の概要と部署の役割について教えてください。
宮野様 名古屋銀行は愛知県に根ざす金融機関であり、県内預貸一位(2022年5月現在)を誇る銀行です。
お客様に寄り添い、共に未来を創っていく『未来創造業』をテーマに掲げ、愛知県在住のお客様を中心に支援しています。
その中で、私が所属する経営企画部は銀行全体の業務効率化を考えつつ、経営計画や各種予算を作成しています。
濵畑様 一方私が所属する業務部は、組織改編のさなかではありますが、現状は主に融資事務と預金事務を担っています。
この融資事務に取り組み始めたのも実は最近のことで、今後業務や知識を組織全体でシェアするような仕組み、構想そのものを検討しながら動いている立ち位置でもあります。
野村様 私も濵畑と同じ部署で働いており、ATM事務を主に担当すると共に、今後のFAQ作成について濵畑と共に推進していく立場としてアサインされています。
萩野様 普段事務の改訂とか営業店とかの問い合わせを受けており、一番電話を受ける部署にいます。
PKSHA Chatbot導入の背景を教えてください。
宮野様 PKSHA Chatbotのソリューションについて営業企画部に対してご提案をいただいたことが、プロダクトを知ったきっかけです。
営業企画部の業務に対しては費用対効果が合わなかったため導入には至りませんでしたが、その後、本部全体への営業店の問い合わせ数削減にフォーカスした場合に導入価値が高いのでは、と再検討し始めた次第です。
営業店から本部には内容が重複する問い合わせが複数回きたり、結局本部では答えられない内容の問い合わせがあったりすることも多く、問い合わせ数を削減したいという課題がありました。複数のベンダーとの比較検討をした結果、PKSHA Chatbotの導入を決めました。
特に年齢層が高い方々にはAIチャットボットの有用性を理解されづらい懸念がありましたが、複数のベンダーとの比較検討をした結果、「FAQがしっかり搭載されていたら利用されるのでは?」と感じ、PKSHA Chatbot導入を決めました。
PKSHA Chatbotにした決め手は何でしたか。
宮野様 コストと運用しやすさの2点で優れていたことが決め手になりました。AIの精度について素人目に比較することは難しいので、年齢層の高い行員でもわかりやすく、感覚的に操作しやすい管理画面が導入のポイントとなりました。
また、セールス担当者の説明もわかりやすく、銀行業務に対する理解を前提としたコミュニケーションをしていただいたことで、非常に好感が持てました。
PKSHA Chatbotに焦点をあてた理由は何でしょうか。
宮野様 問い合わせ数を削減したい、という思いに尽きます。しかし行内の温度感は、当時そう高くありませんでした。他社サービスを一人のユーザーとして知ってはいるものの、その有用性について当事者意識を持って注目してはいなかったのでしょう。
一方、私の中では当行で搭載すれば利用価値が高いはず、というある種の熱意のようなものが芽生えていました。自動対応する手段が他にもあれば検討したとは思いますが、人とAI技術の融合という観点で、現実的な手段はPKSHA Chatbotという結論に至りました。
問い合わせ削減に資するものであれば、何でも興味があるというのは正直なところです。問い合わせが減れば支店の対応時間も削減されますし、本部も企画業務などに一層時間を充てられるようになります。 ひいては銀行全体のさらなる飛躍や業務効率化といったところにもつながっていくので、問い合わせ削減というテーマは私たちにとって極めて重要でした。
問い合わせ内容が変化、見えてきた利活用の課題
リリースまではどのようなプロセスがあり、実際どのような課題が見えましたか。
濵畑様 スタート段階で難しかったのは、組織全体を巻き込む際、それぞれの取り組む姿勢や思い入れ、FAQの出し方などに差があったことです。互いに業務が異なるので致し方ないことではありますが、それぞれ温度感を確かめながら慎重に進めていきました。
宮野が全体のスケジュールや役割分担のバランスを的確に采配したことも成功要因のひとつだと感じます。
また選定後の角度が詰まっての導入は取り組み姿勢やレベル、業務も違うので仕方ないのですが、その中でも部がしっかりしていれば削減ができると思いながら進めております。
FAQの出し方のスタンスでバランスを取るのが難しかったので、その上で試しながらやりました。ただFAQや素朴な質問など何度もざっくりとした感触をいつも答えていただいていたのでその反応を見ながらやってきたという感じです。
野村様 作業は、やったことがなかったので作る方もどういう風に作ろうかなと思っていましたが、レクチャーを複数回実施していただき、操作もシンプルだったので、導入自体は想像以上に簡単でした。 ゼロから作る最初の一歩は大変でしたが、結局QとAを作ってリンク貼るのもほぼ形ができているので、例えば支店から問い合わせがあったら問い合わせがFAQに入っているかどうか調べ、入っていなければ追加という形でやってましたので、ゼロから作る最初の一歩は大変でしたが、形がある程度できたあとは問い合わせの電話が来たらまずFAQを見る、という流れが生まれました。
宮野様 一方で、操作履歴を確認してみると、利用の積極性は部署によって多少偏りがあるようです。
また、銀行業は人事異動が多いので、後任に操作の引き継ぎがうまくできていないと、利用頻度に影響が出てしまうなどの課題も見えてきています。
濵畑様 利活用のノウハウに加えて、この取り組みに対する熱意のようなものも併せて継いでいかなければ、という課題感はあります。
業務部はその地盤となる部署だと思いますので、FAQの質の担保に注力していきたいです。
リリース後の成果や感触について教えてください。
宮野様 直近は月1,500~2,000で推移しており、入行したばかりのフレッシュな方の問い合わせや、PKSHA Chatbotに載せられない個別相談などを除き、一般的な内容の問い合わせの多くはPKSHA Chatbotへ切り替えられている実感があります。
今でも操作履歴を見てるとだいぶ偏りはあるかなというのと銀行という職業柄人事異動が多いのでその引き継ぎがうまくできていないとなかなか難しいところはあると思っています。
異動時の業務引き継ぎが上手く進まず、FAQのメンテナンスやPKSHA Chatbotの運用レベルが下がっていく過程で事務局がタイムリーにフォローできれば良いのですが、必ずしも対応出来るとは限りません。その点、PKSHA Chatbotの画面や操作性は分かりやすいと評判をいただいています。
新しい業務が出る度に追加した内容に対してPKSHA Chatbotをご活用くださいとアナウンスしていくのも分かりやすいと感じています。その分、FAQのメンテナンスに時間をかけていくことになりますが、各部が自立的にFAQのメンテナンスを行っていける体制づくりを意識しています。
また数値的なところで言うと、電話件数が減っています。これもFAQのメンテナンスを徹底するのと、毎日少しずつでもチューニングを行っていくのが一番良いのかなと思います。
限られた行員にしかまだ感想を聞けていないのですが、PKSHA Chatbotはとても便利だと話しており、検索することに抵抗がない人は利用頻度が増えてくると思います。
一方相変わらず電話をしてくる方がいるのも事実で、そこに関してはPKSHA Chatbotに移行出来るように粘り強く対応をしていきたいと思います。
濱畑様 検索することに抵抗がない人は、電話での質問からの切り替えイメージがしやすい印象です。
インターフェイスを名古屋銀行様のキャラクターにした理由を教えてください。
ユーザーが質問しやすい雰囲気を演出するためにキャラクターを採用しました。弊行のキャラクターが吹き出しで喋っているような動きを意識して構築しています。当初の狙い通り、「ユーザーからの質問数増加」や「インターフェースが親しみやすい」という形で良い結果が出ています。
サポート面での感想もいただきたいです。
濵畑様 私たちがAI技術などについて知見がないことを前提にフォローしてくださるのが有り難かったです。
新しいことに対して理解が早い人間と、そうでない人間が組織の中にはいるので、それを踏まえたコミュニケーションを取ってくれるのは大変助かります。
価値を継ぎ、業務改革の道筋を作りたい
運用面ではどのように取り組んでいらっしゃいますか。
基本的には対話の改善画面を毎日確認しています。適宜、期間指定の範囲を広げたりしながら確認しており、その時々のユーザーニーズを汲み取るような分析をしています。 とは言え、今はまだチューニングの段階ということもあり、不必要なFAQの排除などは未対応です。今後、PKSHA Workplaceさんから実施いただく定例会の内容や、月次レポート等を活用しながら対応していきたいと思っています。今後の活用の幅もまだまだある状態です。
今後の展望を教えてください。
宮野様 営業店も本部もなるべく無駄なことを排除していくということを考えています。
なぜかというと経営企画部としては無駄をできる限り排除し、その余剰を営業活動に充てられるような仕組みを作ることに専念していきたいからです。それが地域のお客様へ提供する価値をさらに発展させていくことにも繋がります。
もともと営業活動に対する時間の捻出の難しさは、組織課題のひとつでもありました。直接的に業務連携のない経営企画部にもその余波として問い合わせが来るほどなので、やはり根本的なDXや組織改革といったアプローチが必要不可欠だと考えています。
今回のPKSHA Chatbot導入は、そのためのひとつの手段であったという認識です。
野村様 今後は利用者と管理者、双方が継続して使っていくための連携や手法といったものを検討していきたいです。先ほど挙げた引き継ぎ業務などについてフォローしつつ、人が替わっても変わらない質を担保できるような仕組みを作っていきます。
仮に私一人がFAQを担っても、自身の専門領域以外の質問については適切な回答かどうかがわかりません。これを機に自身も他の領域について勉強しつつ、わからないところを各担当者に確認し、連携しながら組織一体となってより良いFAQを作っていきたいです。
元々行内、行外まとめてPKSHA Chatbotの導入を考えていましたが、行外向けは直接お客様が利用するのでFAQの整備が上手くできるか危惧しております。行内での効果をみて使えそうだなと思ったら行外で導入をと思っており、行外PKSHA Chatbotをやるときに別の施策と抱き合わせでやるような形を考えております。
濱畑様 今後発生するシステムリプレイスや、イベントで発生するジャンルのFAQについても順次拡充していき、ユーザーの反応を継続的に分析していきたいと考えています。
萩野様 PKSHA Chatbotで解決できる内容を増やしていき、全体の問い合わせの50%程度まで高めたいと思っています。自動応答件数を増やしていくことで、イレギュラー的に対応しなければいけない問い合わせや、重要案件は人で対応するという役割分担をしていきたいです。そのためにも個別案件で発生した問い合わせを一般化していき、FAQとして追加していく姿勢が大事だと思っています。
社名 | 株式会社名古屋銀行 |
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事業内容 | 銀行業 |
創業 | 1949年 |
従業員数 | 1,865人 |
URL | https://www.meigin.com/ |
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