公開日/2022.2.7 最終更新日/2022.02.08
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情報システム(IT)のコスト削減による効果と実現のポイントとは

情報システムを表現する画像

情報システム(IT)コストとはハードウェアやソフトウェアの購入にかかる費用や、ITに必要な人件費、ベンダー費用といったコストの総称です。

一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会の「企業IT動向調査報告書 2021」によると、情報システムコストは、企業の売上額の2%程度を占めるといいます。つまり、売上額が年間1億円の企業であれば、年間200万円程度の情報システムコストがかかっていることになります。

IT機器の中には、コストがかかっている割には思うような成果が出ていないものもあるでしょう。情報システムコストを見直して最適化することにより、経費の削減だけでなく、業務の効率化や生産性の向上にもつながります。

本記事では、情報システムコストの基本概念から経費削減に取り組む際の注意点まで解説します。

情報システム(IT)コストとは

情報システム(IT)コストは、ハードウェアやソフトウェアの購入費といった「直接コスト」と、IT管理業務にかかる人件費などの「間接コスト」に大別できます。それぞれの特徴について詳しく説明します。

(1) 外部に支払う「直接コスト」

「直接コスト」とは、ITシステムを運用するために外部に支払っているコストのことです。ハードウェア費、ソフトウェア費、消耗品費、ネットワーク費など、IT設備の導入や運用コスト、委託費用が直接コストに該当します。

(2) 人件費が中心となる「間接コスト」

一方、「間接コスト」とはシステムの運用に必要な自社スタッフの人件費や場所代などのコストのことです。

間接コストは直接コストに比べて一つ一つの金額がそれほど大きくなく、費用削減の対象になりにくい傾向がありますが、複数の製品やサービス、部門にまたがっていることが多々あるため、改善の余地は十分にあります。

間接コストには「コミュニケーションコスト」も含まれます。
コミュニケーションコストとは、情報伝達や意思疎通にかかる時間や労力のことです。コミュニケーションコストが低ければ低いほど、複数人で取り組む仕事がスピーディーに進みます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。


ちなみに、直接コストと間接コストの分類に絶対的な基準はなく、基準を変えれば分類も異なります。

例えば、製造業の場合は工場を基準にして、工場でかかった費用を直接費に、それ以外の本社や営業所でかかった費用を間接費にすることもできます。直接コストと間接コストの分類は、コストを削減するための考え方の一つであるといえます。

情報システム(IT)コストの削減方法

情報システム(IT)コストはDX(デジタルトランスフォーメーション)などの加速によって年々膨れ上がり、課題を抱えている企業も多いでしょう。ITコストの削減方法は多岐にわたるため、まずは代表的な削減方法をおさえておきましょう。

(1) 新技術や新設備の導入

新技術や設備を導入することで、直接コストを減らすことができます。具体的には、システムの統合や集約、ダウンサイジングといった施策が挙げられます。ただし、初期投資が必要になるため、購入以外にリースも視野に入れて費用対効果を検討する必要があります。

(2) ベンダーの合理化

企業によっては、目的別に複数のベンダーとITサービスを契約しているケースもあるでしょう。重複した機能を提供しているベンダーがあれば、合理化してコストを削減することが可能です。

ベンダーの合理化は、アプリ、プロジェクト、サービスなどが対象となります。戦略的重要性を考慮しながら最適なベンダーを選ぶことで直接コストを削減し、同時にフローを見直せば業務効率化も実現できます。

(3) 業務の効率化とスタッフ教育

人件費に対する利益率を向上させるために内部リソースを最適化し、強化することによって間接コストの削減につながります。具体的には次のような方法があります。

① ナレッジの共有

社内でよくある問い合わせ内容をまとめたFAQの整備や、社内の情報を一ヵ所に集約したナレッジベースを構築し、属人的になりがちなナレッジ(知識)を社内で共有する仕組みを作ります。集約されたナレッジは、既存の従業員のスキルアップ以外に、新人教育にも活用できます。

日本企業は毎日、「1.6 時間×従業員数」の時間・コストを「調べもの」に費やしているといわれています。従業員の自己解決促進やコミュニケーションコスト削減には、ナレッジマネジメントシステムのOKBIZ.シリーズ製品が役立ちます。
詳しくは以下のリンク先ページをご覧ください。

② 運用管理の自動化

運用管理業務のようなルーティンワークは、大いに自動化する余地があります。個人のパソコンで行っている管理業務にツールを導入すれば、作業の一部、もしくはすべてを自動化できるでしょう。結果的に従業員の時間を節約し、本当に必要な業務に時間を割くことが可能です。

③ 教育によるITリテラシーの向上

従業員のITリテラシーが向上すれば、情報システム部門への問い合わせ数が減少し、コミュニケーションコストの大幅な節約につながります。社内セミナーの開催やマニュアルの整備といった教育を実施すれば、比較的短期間で情報システムコストの削減が期待できるでしょう。

情報システム(IT)コストの削減に取り組む際の注意点

情報システムコストを削減する際によくある失敗が、コスト(費用)は削減できたが、かえって運用に手間がかかるようになり、生産性が落ちてしまうというものです。コストだけではなく、費用対効果を意識しながらコストダウンの方法を考えましょう。ここでは、情報システムコストを削減する際、特に注意しておきたいポイントを解説します。

(1) 事前にシミュレーションを行い導入後に効果測定をする

IT機器の導入や体制の再構築を行う際に、見切り発車でコスト削減を進めると失敗の元になります。具体的には、他の業務の負担増を招いたり、期待する効果を得られなかったりするという失敗例が挙げるため、月々の削減額や業務への影響、移行コストの回収期間などをシュミレーションした上で本格導入すると良いでしょう。

(2) 導入・運用効率を考慮する

先ほど説明した通り、情報システムコストには、直接コスト以外にも間接コストと呼ばれるものがあります。直接コストを削減した結果、運用に手間がかかるようになり、間接コストが増えてしまってはトータルでプラスになりません。IT機器の導入や体制の再構築の工数を見える化し、効率化を意識してプロジェクトを進めましょう。

情報システム(IT)コストの削減は長期的な目線で考えることが大切

情報システムコストは、IT機器の購入やサービスにかかる費用を削減すれば簡単に実現できます。しかし、本当に見直しが必要なのは、製品やサービスの購入にかかる短期的なコストではなく、長期的なコストです。

場合によっては、新たなIT機器やサービスの導入が、長期的な情報システムコストの削減につながることもあるでしょう。目先の結果に囚われず、長期的な目線で見た時に費用対効果が最も高い方法を選択しましょう。

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この記事の執筆者

CXジャーナル編集部

「顧客と向き合うすべての人の“よりどころ“」というタグラインのもと、顧客とのコミュニケーション・カスタマーサービスに関するあらゆる問いにお答えしていくことをミッションにしています。 (運営元:株式会社 PKSHA Communication)

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