公開日/2022.10.6 最終更新日/2022.10.06
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カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違い|役割や目的を比較

カスタマーサポートとカスタマーサクセス、何が違う?

ビジネス・マーケティングの世界において近年注目されているのが、「カスタマーサクセス」という領域です。カスタマーサクセスは顧客データから要望を積極的に分析し、改善 ・フォローすることで顧客の成功体験を生みだす考え方です。
CRM(顧客管理)より一歩踏み込んだ手法として、近年のサブスクリプションサービスの増加に伴い、多くの企業で取り入れられるようになりました。

本記事では、カスタマーサポートと比較しながら、カスタマーサクセスの定義や背景、特徴を詳しく解説します。

「カスタマーサポート」と「カスタマーサクセス」とは

「カスタマーサポート」と「カスタマーサクセス」の両者は、似ているようで全く異なります。まずはその違いを確認していきましょう。

(1) カスタマーサポートの意味

カスタマーサポートとは、顧客が課題や問題点を抱えた際に、迅速に問題解決のサポートを行うことを指します。

お問い合わせ窓口が分かりやすい例です。カスタマーサポートでは、「商品やサービスの使い方を知りたい」、「サービスの解約方法を知りたい」と言う問い合わせに対し、迅速に回答します。

他にも、商品を購入した後のアフターサポートや、コンタクトセンターと言った部門もカスタマーサポートに該当します。その点からカスタマーサポートのミッションは単発的な問題を解決することといえるでしょう。

(2) カスタマーサクセスの意味

一方、カスタマーサクセスとは、顧客が自社の商品やサービスを利用し期待する成果や成功を得られるように、能動的に顧客を支援し続けることを指します。

具体的な例としては、自社サービスの活用方法に関する顧客への定期的な案内や、既存顧客向けサポートサイトのFAQ充実化、顧客企業同士のコミュニティ設計、ユーザー会の開催などが挙げられます。

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カスタマーサクセスが重要視されてきている理由は、近年SaaS(Software as a Service)・サブスクリプションモデルの製品やサービスが増加したことにあります。これらのビジネスは一度販売したらお終いという売り切り型のビジネスではなく、顧客に継続して利用し続けていただかなくてはなりません。

そういった背景から、カスタマーサクセスに取り組み、解約率を低下させることや顧客が生涯に渡って支払う価値であるLTV(Life Time Value「顧客生涯価値」)を向上させることが重要になりました。

例えば、タブレット端末を使ったPOSレジシステムの 事例では、ユーザーである店舗スタッフのニーズを分析し、レジ機能に加えさまざまなプラスアルファのサービスを拡張させてきました。これにより、「理想の店舗経営」というユーザーの求める価値を創造し、ロイヤリティの高い顧客を生みだすことに成功しています。

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カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いを比較

両者の概要を掴んだところで、更に細かく違いを見ていきましょう。

まずは、カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いを比較した表をご紹介します。

項目 カスタマーサポート カスタマーサクセス
共通点 顧客の課題解決や問い合わせ対応 顧客の成功体験を実現、LTVの向上
業務内容 問い合わせ対応、クレーム対応など 成果管理、顧客のヒアリング、顧客の指導や教育など
組織の位置づけ コストセンター レベニュードライバー
KPI 問題点の解決、対応スピード、顧客の対応回数など 顧客の成功、アップセルクロスセルの獲得、解約率の低下など
支援の姿勢 受動的(迅速な対応) 能動的(先回りした支援)
求められるスキル 顧客の課題や問題に対して、迅速に対応できるスキル 顧客のビジネスのゴールを理解し、成功へと導くスキル
顧客との関わり方 短期的・単発的 長期的・継続的
機能を必要とする企業 すべての企業 特にサブスクリプションサービス提供企業やSaaS企業

以下でそれぞれを詳しく説明していきましょう。

(1) 目的・役割

カスタマーサポートとカスタマーサクセスは、顧客満足度の向上を目的としている点は共通していますが、以下のような違いがあります。

カスタマーサポートは、顧客の一時的な課題や問題、疑問点を解消することを目的としています。

一方、カスタマーサクセスは、先回りしたニーズの提供で顧客の成功体験を実現させる支援をして、LTVを向上させることを目的としています。カスタマーサクセスが求めるのは「顧客体験の充実」であり、それにより商品・サービスを契約・購入していただいている顧客の利益が最大化することです。

(2) 業務内容

カスタマーサポートの業務内容は問い合わせ対応、クレーム対応などが挙げられます。いずれも、顧客の不満を適切に把握し、スムーズに解消できるかに主眼が置かれます。

一方、カスタマーサクセスの業務内容は、売上などのデータを通した成果管理、顧客のヒアリング、顧客の指導や教育などが挙げられます。これらを通してカスタマーエクスペリエンスを向上させ、顧客に成功事例をもたらすことに主眼が置かれます。

形態は会社により異なるものの、自社サービスに対して社内にカスタマーサクセスチームのような部署が作られることもあれば、営業や開発といったそれぞれの部署にカスタマーサクセスの思想を組み入れる例もあります。対象とするプロダクトにより、カスタマーとなる対象はBtoCの場合もあればBtoBの場合もあります。

(3) 組織の位置づけ

カスタマーサポートは収益を生まずコストだけが発生する部署であることから、コストセンターと位置付けられます。一方、カスタマーサクセスはその取り組み次第で自社の収益を増加させることから、レベニュードライバーと位置付けられます。

(4) KPI(成果の指標)

設定した目標に対する成果指標であるKPI(重要業績評価指標)も、両者は異なります。
カスタマーサポートのKPIは、「顧客の問題を解決できたか」や「対応スピード(時間)」、「解決までにかかった対応回数」などが設定され、いずれも迅速に解決することを成功の指標とします。

一方、カスタマーサクセスのKPIは、顧客の成功を通じてLTVを向上させることを成功の指標とします。
例えば、「解約率の低下」、「アップセル(現行の商品・サービスより高額な上位モデルに変えてもらうこと)の獲得」、「クロスセル(現行の商品・サービスに加え別の商品を購入してもらうこと)の獲得」、「NPS(ネットプロモータースコア・顧客ロイヤルティを測る指標)」などが挙げられます。カスタマーサクセスのKPIについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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(5) 支援の姿勢

担当者の支援の姿勢も両者で異なります。カスタマーサポートは受け付けたトラブルを対応するということから、受動的な姿勢になりがちです。

一方、カスタマーサクセスは積極的なアプローチにより、顧客に対して先回りした支援を行います。新規顧客に対しては初期設定や基本機能を使えるようになるまでのサポートを行い、契約後も利用状況のモニタリングや個別課題・要望のヒアリングで顧客情報を集めます。

それらで得た情報はチームに共有され、商品・サービスの改善に繋げます。つまり、顧客に対しより具体的なアクションを起こすことができるのがカスタマーサクセスといえるでしょう。

(6) 求められるスキル

どちらもコミュニケーション能力が大切ですが、カスタマーサポートは顧客の言葉から不明点を明確に割り出し、迅速に回答する的確さが求められます。

一方、カスタマーサクセスは顧客のビジネスのゴールを理解し、成功へと導くスキルが必要です。顧客が商品・サービスを利用する中で蓄積したデータやフィードバック、アンケート、口コミなどをリソースとして、顧客が潜在意識の中で持っているニーズを明確に掴むことが重要です。

(7) 顧客との関わり方

カスタマーサポートは顧客のトラブルに対してなるべく短時間で解消することを目的とすることから、期間は短く、タイミングも単発的なものです。

一方、カスタマーサクセスはサービスの継続率を向上させることが目的とすることから、長期的な信頼関係を構築する傾向にあります。顧客に商品・サービスに愛着心を持っていただき、より客単価を上げ、より長い契約期間にするという結果をもたらすことが目標となります。

(8) 必要とする顧客企業

カスタマーサポートは提供する商品・サービスに対するサポートという点で、ほぼ全ての企業に必要といえます。
カスタマーサクセスも同様に必要な考え方と言えますが、特にサブスクリプションサービス提供企業やSaaS企業であれば、カスタマーサクセスの施策を取り組むことで収益を最大化させる可能性が高まるため、導入することをおすすめする企業と言えます。

カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いを押さえて導入を検討しよう

サブスクリプション型ビジネスに代表される長期的なビジネスモデルが普及したことから、カスタマーサクセスを活用することの重要性は日々増しています。
また、カスタマーサクセスにおける長期的な顧客との関係性を重視する考え方は、業界に関わらず重要といえます。カスタマーサクセスを強化し、他社との差別化を図りましょう。

なお、カスタマーサポートについては、高い視座を持ち特徴的な取り組みをしているユーグレナさまのケーススタディ記事もございますので、ぜひご覧ください。

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この記事の執筆者

CXジャーナル編集部

「顧客と向き合うすべての人の“よりどころ“」というタグラインのもと、顧客とのコミュニケーション・カスタマーサービスに関するあらゆる問いにお答えしていくことをミッションにしています。 (運営元:株式会社 PKSHA Communication)

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