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顧客からのお問い合わせに対応する部署は従来「コールセンター」と呼ばれ、その名のとおり電話対応が主な業務でした。しかし、現在では電話に加えて、チャットやメール、SNSなど、顧客からのお問い合わせ経路が多様化し、オペレーターの業務も複雑化しています。さらに近年は、生成AIをはじめとするAI技術の活用がコンタクトセンターにも広がり、オペレーターに求められる役割や育成のあり方も変化しつつあります。
顧客との最初の接点になることも多いオペレーターの教育は、顧客満足度や生産性の向上において欠かせない業務です。
オペレーターの教育にはいくつかのポイントがあり、各人のレベルに合わせた研修を施すことによって業務効率化を図れるだけでなく、離職率の改善も期待できます。
本記事では、オペレーターに求められる能力や、それぞれの能力を伸ばすためのポイントや実施方法について解説します。また、あわせて、音声認識・文字起こしなどのAIを教育に活かす方法や、実際の企業事例も紹介します。
コールセンターのオペレーターに必要な3つの能力・スキル
まずは、コールセンターのオペレーターに求められる3つの能力を整理しておきましょう。顧客の悩みや要望に沿って適切に対応するためには、どのような能力を身につけるべきなのでしょうか。
(1) コミュニケーション能力
製品に関するお問い合わせからクレームまで、顧客からの問い合わせ内容は多種多様です。また、仕事の隙間時間などの限られた時間で問い合わせをする顧客など、状況もさまざまです。
コールセンターのオペレーターは、顧客の要望や状況に応じて最適なコミュニケーションを図れる、高い水準のコミュニケーション能力が必要です。
ときには、商品やサービスに対して不満を覚え、相手が興奮しているケースがあり、その場合も慌てることなく顧客の気持ちに寄り添い、意図を汲む必要があるからです。
相手の要望を聴く力だけでなく、自分の考えを適切な言葉で伝える能力を磨くことで、円滑な意思疎通が可能になります。
また、話す速さや言葉の選び方を相手の状況に合わせて調整するなど、一人ひとりに合わせた応対も欠かせません。
(2) 問題解決能力
顧客からの多様な質問や要望に対して、常にマニュアルがあるとは限りません。その場合も適切にヒアリングを行い、柔軟に対処できる問題解決能力が求められます。
柔軟な対応だけでなく、エスカレーションに則った正しい情報伝達能力なども迅速な問題解決に繋がります。現場での経験以外の方法で問題解決能力を高める施策が重要です。
(3) 事務処理能力
電話によるオペレーション業務の場合、顧客応対と並行して事務作業を行うケースがあります。そのため、ミスなく迅速な事務処理能力が必要です。
商品の注文やサービス予約、顧客リストの確認といった情報処理のミスはクレームや失注に繋がります。顧客の情報確認が遅れると解決までの時間の遅延につながり、新たなクレームを生んでしまう可能性もあるため、事務処理能力の向上はオペレーターにとって必須といえます。
また、近年は電話に加えて、チャットやメール、SNSなど、顧客からの問い合わせ経路が多様化しつつあります。オペレーターの業務も複雑になり、これまで以上にマルチタスクを処理する能力が求められるようになっています。
なお、平均後処理時間(ACW)を短縮する方法については別記事で詳しく解説しています。
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コールセンターのオペレーターを教育するメリット
コールセンターのオペレーター教育は、企業と顧客の双方にメリットがあります。ここでは、コールセンターのオペレーターを教育するメリットを3つ紹介します。
オペレーターの対応次第では、クレームを入れた顧客を自社のファンに転換させることも可能です。
月刊コールセンタージャパン編集部が実施した2025年の「コールセンター実態調査」では、センター運営上の課題として「オペレータ1人当たりの生産性向上」が最上位に挙げられています。採用が難しくなるなか、いま在籍しているオペレーターの育成は、これまで以上に重要なテーマになっています。
(1) 応対品質の平準化とボトムアップ
オペレーター教育により、経験やパーソナルな能力に頼らないコールセンター全体の応対品質の平準化を図れます。また、新人の処理能力を改善することでボトムアップにも繋がります。
応対品質を平準化し、適切な対応ができるオペレーターが増えることにより、顧客満足度や企業のブランドイメージ、CVR(コンバージョン率)の向上も期待できます。
(2) 業務効率化の実現
コールセンターのように複数のスタッフが業務を担当する部署では、優秀なスタッフほど仕事の処理が早く、その分、対応件数が多くなり負担が増大しやすい傾向があります。個々のオペレーターを教育することで迅速かつ適切な対応が可能になり、優秀なオペレーターの負担を減らすことができます。
また、個々のオペレーターのスキルアップによって業務効率化を実現できるだけでなく、コア業務への選択と集中を図れるため生産性向上や利益増大にもつながります。
業務改善で重要なKPIについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「コールセンターの業務改善で一番重要なKPI一覧│算出方法や目安」
(3) オペレーターの離職率の低減
月刊コールセンタージャパン編集部が実施した2025年の「コールセンター実態調査」では、センター運営上の課題として「オペレータ1人当たりの生産性向上」が最上位に挙げられています。採用が難しくなるなか、いま在籍しているオペレーターの育成は、これまで以上に重要なテーマになっています。
ストレスを適切に処理する方法を教育することで、業務負担が原因となる離職の数を減らせます。
離職率の低減は、オペレーターの慢性的な不足の解決につながるため、クレーム処理などが業務の中心となるコールセンターでは重要なポイントといえるでしょう。
コールセンターの離職率については、以下の記事で詳しく解説しています。
「コールセンターの離職率が高い理由と改善する方法を徹底解説」
コールセンターにおける教育・研修方法
優秀なオペレーターを育成するには、各オペレーターのレベルを把握し、伸びしろがある部分に対して適切な内容の研修を行うことが重要です。
コールセンターにおける教育・研修には、具体的に次のような方法があります。
(1) 新人研修
新人教育は、円滑な応対に必須といえる「ソフトスキル」と「ハードスキル」を身に付けるための研修が中心となります。
ソフトスキルとは、話し方、ヒアリング力、問題を把握する力など、顧客との接し方に関わる能力のことです。
一方、ハードスキルは、エスカレーションの把握や各種システムの使い方といった業務の遂行に必要な機器や情報を把握する能力のことです。ハードスキルには、トラブルシューティングやメール・電話・チャットボットなどの連絡手段の使い方も含まれ、マニュアルの整備が必要不可欠です。
(2) フォローアップ研修
フォローアップ研修は、新人研修を終えたオペレーターの個々の能力を伸ばすための研修です。
伸びしろが大きいケースが多いため、各人の弱みや不得意な分野の平準化を最優先に行います。スキルチェックテストや、上司のモニタリングによるフィードバックがフォローアップ研修の主な実施方法です。
(3) キャリア・スキルアップ研修
一定のスキルや能力を持つオペレーターに対しては、さらにステップアップさせるためのキャリア・スキルアップ研修を実施します。
管理職やマネージャーに必要なマネジメントスキルの習得など、組織内で優秀なオペレーターのノウハウの獲得や、新たな業務領域への挑戦を促します。
キャリア・スキルアップ研修では、ナレッジマネジメントによる知識・情報の組織的な共有に加えて、個人の学ぶ姿勢も重要です。インセンティブや手当などの報酬を用意し、自律的なスキルアップを促しましょう。
AIを活用したオペレーター教育・研修
近年は、音声認識・文字起こしをはじめとするAIを、オペレーターの教育・研修に活用する動きが広がっています。まず全通話をテキスト化して応対の実態を可視化し、そのデータをもとに品質管理・フィードバック・ナレッジ整備を進めて人の力を最大化する——という段階的なアプローチが、教育の成果につながります。ここでは、教育・研修におけるAI活用の主な方法を3つ紹介します。
(1) モニタリング・応対評価の効率化新人研修
音声認識ですべての通話がテキスト化されると、SVは録音を最初から聞き直さなくても、会話ログを読むだけで応対内容を確認できます。これまで一部の通話を抽出して行っていた応対評価を、より多くの通話を対象に実施できるようになり、評価やフィードバックの頻度を高められます。
(2) フィードバックの客観化
テキスト化された応対内容や評価データにもとづいてフィードバックを行うことで、指導が担当者の感覚に左右されにくくなります。評価の根拠を具体的な会話内容で示せるため、オペレーターにとっても納得感のあるフィードバックにつながります。
(3)新人オペレーターの応対支援
通話内容の自動要約や、会話に応じたFAQの自動提示といった機能は、経験の浅いオペレーターの応対を支えます。応対履歴の作成やナレッジの検索にかかる負担が減ることで、新人が本来の応対に集中しやすくなり、独り立ちまでの期間の短縮も期待できます。また、自動要約で削減できた後処理時間を、応対の振り返りやフィードバックといった教育の時間に再投資することもできます。
オペレーター教育にAIを活用した事例3選
ここからは、音声認識・文字起こしをオペレーターの教育や応対品質の向上に活かしている企業の公開事例を紹介します。
auエネルギー&ライフ株式会社|新人の早期戦力化と対応品質の均質化
KDDIグループで家庭向けのエネルギー事業を手掛けるauエネルギー&ライフでは、通話内容の自動要約により応対履歴の入力を効率化し、後処理時間(ACW)を約25%短縮したといいます。
新人・ベテランを問わず同水準の要約を残せるようになったことで、新人の早期戦力化と対応品質の均質化につながっているとのことです。
また、リアルタイムの文字起こしと感情分析によりSVがすぐにフォローに入れる体制が、オペレーターの心理的な支えにもなっているといいます
▼事例の詳細
導入事例|auエネルギー&ライフ株式会社
イッツ・コミュニケーションズ株式会社|応対評価の納得感と公平性が向上
イッツ・コミュニケーションズでは従来、SVが通話録音を1件あたり15〜20分かけて聞き直したうえで、応対評価とフィードバックを行っていたといいます。
評価できる件数がオペレーター1人あたり月2件ほどに限られるため、評価に不公平感が生まれやすいことも課題でした。音声認識の導入後は応対評価の件数が増え、評価の納得感と公平性が向上し、オペレーターへのフォローも効果的になったとのことです。
▼事例の詳細
導入事例|イッツ・コミュニケーションズ株式会社
株式会社北國銀行|オペレーター自身による応対の振り返りが定着
北國銀行では、要約機能の活用により後処理時間(ACW)を約5分から約3分半へと短縮したといいます。
あわせて、多くのオペレーターがテキスト化された自分の応対内容を確認し、話すスピードや案内の正確さを自ら振り返るようになったとのことです。今後は、モニタリングや研修への活用も視野に入れているといいます。
▼事例の詳細
導入事例|株式会社北國銀行
3社に共通するのは、AIで応対内容が見えるようになったことで、SVの負担を増やさずにフィードバックの質と量を確保できた点です。評価の根拠が具体的な会話内容で示せるようになり、オペレーター自身が自分の応対を振り返る習慣も生まれています。
PKSHAでは、全通話の自動文字起こし・自動要約・品質評価により、オペレーターの教育と応対品質の向上を支えるAI音声認識「PKSHA Speech Insight」を提供しています。
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コールセンターでの教育は、各人のスキルレベルに合わせる
コールセンターには、着任して一週間の新人スタッフから10年を超えるベテランまで、スキルも年齢も異なるさまざまなスタッフが勤務しています。
オペレーターの教育を行ううえで、画一的な教育は効果的とはいえません。各オペレーターのスキルレベルに合わせて適切な教育を行うことで応対品質の平準化とボトムアップが図れます。
複雑化するコールセンター業務に対応できる人材を増やして顧客満足度を高め、自社のファンを増やしていきましょう。
教育・研修の仕組みづくりとあわせて、音声認識・文字起こしなどのAIを活用すれば、モニタリングやフィードバックの質を保ちながら、SV・オペレーター双方の負担を減らすことができます。
PKSHAでは、通話の可視化を支える「PKSHA Speech Insight」と、定型的な問い合わせの自動応答を担う「PKSHA VoiceAgent」を提供しています。
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