東京理科大学
大学初!FAQシステムPKSHA FAQとの連携により、導入1ヶ月で昨対21%の問合せ削減を実現!
導入サービス | PKSHA Chatbot、PKSHA FAQ |
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業種 | 大学 |
活用対象 | 社内 |
導入目的 | 問い合わせ対応件数の削減、FAQサイトの利活用 |
情報システム部 情報システム課 田畑 暢晃 様
情報システム部 情報システム課 吉田 孝将 様
大学、ご担当者様の紹介
貴学の概要について教えてください。
東京理科大学の創立は1881年であり、この年、東京大学出身の理学を勉強した21名により東京理科大学の前身となる「東京物理学講習所」が創立されました。昨年2021年、創立140年を迎えた歴史ある大学です。
建学の精神に「理学の普及をもって国運発展の基礎とする」を掲げ、この精神は現在も受け継がれています。また、教育方針である「真に実力を身につけた学生を卒業させる」という「実力主義」は、わが国私学随一の理工系総合大学に発展した現在も受け継がれています。更に、「自然・人間・社会とこれらの調和的発展のための科学と技術の創造」という教育研究理念を掲げています。
みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?
田畑様 私は情報システム部に入職して5年目です。入職当時から学内のシステム、中でもWebシステムの開発や企画、既存のシステムの補修などを担っていて、特にSaaS系のシステムを担当することが多いです。
吉田様 私は入職30年目で、現在はヘルプデスクのチームリーダーをしています。学生や教員、ご家族の方からの問い合わせに対応するのが主な役目です。私たちが課題解決できない場合は、田畑を含めた(システム関連の)チームメンバーにエスカレーションしたり、関連部署へ取り次ぎをします。今回のAIチャットボット導入は、我々チームにとってとても重要度の高いものでした。問い合わせされる方々への満足度を高め、かつ私たちの業務効率化のきっかけにもなる、双方にとってwin-winな選択肢だったと思います。
デジタルネイティブな学生に適したサービスの導入を推進
従来のチャットボットの利用低迷や、FAQサイトで検索する手間を省くために
田畑様 以前よりFAQサイト「PKSHA FAQ(※1)」自体は早く準備・公開しており、運用が安定してきたタイミングで別のチャットボットを導入していました。その際は「とりあえずやってみよう」という姿勢で、AIが搭載されていないタイプのチャットボットを試験的に入れていたんです。
※1:FAQナレッジ構築とインシデント管理ができるクラウド型システム
実際運用してみて出てきた一つめの課題は、まったく使われなかったことです。これに関しては、導線設計にも問題があったと反省しています。二つめの課題は、学生・教職員側の視点で知りたい答えを探すのが大変という点です。利用する学生さんはデジタルネイティブ世代なので、結果がずらりと一覧化されるFAQサイトの仕様はあまりフィットしていませんでした。
振り返って、FAQ普及ができなかった最大の原因は認知の低さだったと考えています。当時は、画面右下にチャットボットのボタンが出るスタンダードなタイプのデザインを採用していたのですが、それが学生・教職員の目に留まらなかった可能性もありますね。
デザインを改善する、回答を充実させる、あるいは回答を適切な内容に修正するなど、利用率を高めるために想定される手段はさまざまです。しかし、仮にそれらに取り組むとしても、不満を感じた学生・教職員視点のフィードバックを取れておらず、改善のサイクルを回すことができていませんでした。
そのため、結局FAQが十分に機能せず、窓口に問い合わせが集中しヘルプデスクが問い合わせ対応に追われてしまっていました。FAQサイトによって全体のシステムはたしかに発展しましたし、問い合わせの母数も減ったのですが、あと一歩の改善を目指してたどり着いた結論が、AIチャットボットによる対応の強化でした。
導入の決め手はPKSHA FAQとの連携機能
田畑様 最大の決め手は、PKSHA FAQとの連携が始まったことです。私たちは問い合わせ管理と履歴の蓄積にPKSHA FAQを利用していたので、その基盤を活かしたいという思いがありました。
PKSHA ChatbotへFAQを取り込むとなった際、はじめに200件登録をしたのですが、これはPKSHA FAQに対応履歴として蓄積していたデータの中から、FAQ化できると判断されたものを上位から選抜したものでした。
FAQを200件から700件へ拡充し、自動化できる範囲を拡大
田畑様 現在は700件程度のFAQコンテンツがあります。この追加された内容は、もともと学内ポータルシステムの各システムに分散していたFAQによるもので、これを機に全データをPKSHA FAQに集約し、ヘルプデスクチームでブラッシュアップしていきました。
吉田様 もともとFAQサイトの立ち上げ時に準備していた200件のFAQについては数ヶ月で作成が完了しており、その直後のコロナ禍によって問い合わせ数が急増し、さらなるFAQの増加に至ったという流れです。分散していたFAQの移行も含め、私たちのナレッジをFAQに落とし込むまでの期間は半年ほど、その担当者は2~3名でした。
コロナ禍によって急きょ始まったオンライン授業開始が影響し、2020年4月後半から問い合わせ件数が急激に増えたので、同年のGWは連休全部出勤するほどの忙しさでしたね。この状況ではどうにもならないということで、最優先事項としてFAQの充実にリソースを充てました。
田畑様 吉田をはじめ日頃からヘルプデスクで対応するメンバーが、その豊富な知見を活かし、ある程度質問の予想を立てながら先読みしてFAQを作っていたことも、スピーディなコンテンツ化が実現した要因かもしれません。
最大の魅力は二重管理の必要がないこと
田畑様 最大の魅力は、PKSHA FAQとの連携によって二重管理の手間が省けることです。PKSHA Chatbot導入前はヘルプデスク業務を外注した時期もありましたが、PKSHA FAQとPKSHA Chatbotの連携が実現したと聞いてすぐにPKSHA Chatbot導入を決断しました。
吉田様 FAQとAIチャットボットの両輪を回すうえで、AIチャットボットのメンテナンスにリソースを割かなくていいことは大きな魅力でした。回答が適切でなかったところだけ調整すればいいので、私たちはFAQサイトの改善に注力することができます。導入時にリソースを充てるのは当然のことだとは思っていますが、そのあとの運用時のメンテナンスにかかるリソースについてはできるだけコストを削減したいところだったので、ヘルプデスク対応当事者という立場からすれば評価できるポイントでした。
チャットウィンドウのデザイン・画面設計の検討のみで公開準備は完了
1ヶ月弱でのスピードリリースを実現
田畑様 2月末に契約し、3月末にはリリースしていたので、準備期間は約1ヶ月です。そこまでの道のりとしては、契約後の初週にインターフェース定義書を提出し、続いて画面設計の検討を進めました。PKSHA Chatbotチャットウィンドウの設置はウェブサイトのHTML部分に指定のタグを入れるという方法で、我々は手元でHTMLの修正ができる状態でしたので、その点もスムーズに進んだ要因だと思います。
それを踏まえてテストサイトを作成し、ヘルプデスク担当者にフィードバックをもとにいくつか改善を重ねました。コンテンツについては新規のFAQを作る必要はなかったので、PKSHAさんに任せてPKSHA FAQとの連携を待って、そのままリリースしたという流れです。
良かったところは、シナリオ設計が要らなかったことです。通常のチャットボットだと「この選択肢をクリックされたらこのFAQを表示する」というシナリオを組まなければならないこともあるのですが、PKSHA Chatbotはシナリオを作成しなくても、一問一答で高精度な回答を返すため、シナリオを作成する必要がなかったのが印象的ですね。全体として特に苦労なく、リリースまで進めることができました。
Webサイトから電話番号・メールアドレス等の問い合わせ先記載を排除
田畑様 もともと変更したいと思っていた点なのですが、Webサイトから電話番号やメールアドレスといった問い合わせ先の記載を削除し、FAQサイト内に移行したのが大きな挑戦でした。「認知度の低さ」という課題を踏まえ、FAQサイトを経なければ連絡先を確認できない形の導線にしてみました。
吉田様 変更前は「問い合わせ先がどこかわからない」といったクレームが来るのではないかと不安でしたが、やってみれば意外とそういった問い合わせはありませんでした。私たちがチャットボットの精度をより高めていけば、なんの問題もないと感じています。
問い合わせ数の削減と対応の標準化において明確に効果を実感
4〜5月で、前年比21%の問い合わせ削減に!
吉田様 ヘルプデスク担当者が対応する件数を前年比で21%削減できました。2年前のコロナ禍のタイミングは異常事態だったとして、昨年と今年の比較を見てもこれだけ明らかな結果が出ているので、施策の効果はあったと判断しています。
数字だけでなく体感として、私個人はとても大きな変化を感じています。今までは他メンバーが対応できなかった問い合わせが私のところに回ってくることも多かったのですが、今はそういった対応が全くなくなりました。これに関しては、ヘルプデスク内で回答を探しやすくなったことが理由だと思います。
また、対応の標準化という効果も感じています。コンテンツを見直して、より良い説明を検討したり、間違えた内容を確認したりといったことを繰り返し、改善していることの効果が出ているのかもしれません。担当者側もチャットボットを利用してナレッジを検索し、学生・教職員の視点を体感できるので、そこも良いところですね。情報整理やナレッジ共有に対する副次的効果が想像以上に大きいと思いました。
継続的な改善活動への伴走、問い合わせ対応のコンサルティングをしてくれるPKSHAのサポート
田畑様 全体として、大変満足しています。製品知識について素人目線での質問をしても、すぐに回答していただけたところが良かったです。マニュアルも手元にはあるのですが、実際触ってみて直接聞きたいことが出てくるものなので、レスポンスの速さに対しては特に良い印象を受けました。
定例会議を通じて継続的な改善活動に伴走していただけるところもありがたいです。私たちは学内の対応については熟知していますが、一般的な問い合わせ対応についてのトレンドや理想といったところを共有いただけるのが助かります。いわば問い合わせ対応のコンサルティングをしていただいているような感覚ですね。
また、営業担当者とSEの乖離がなかったのも印象的でした。システムを提供して終わりというわけではなく、運営面まで踏み込んだ提案もしてくれましたし、一貫して私たちの視点に立ったサポートをしてくれています。
問い合わせ内容からの感情分析等、新機能に期待
田畑様 問い合わせの感情分析機能があるとおもしろいかもしれません。使っている言葉によって相手の感情や状態を分析し、問い合わせの重要度を判別して差別化できると、最適な優先順位で対応ができるのかな、と考えています。
もう一つ欲を言えば、簡単に個人識別できる機能があると良いですね。例えば、同じ学部から複数の学生さんからの問い合わせが多いといったケースが判別できれば、その問い合わせが多い学部に紐づく何かしらの問題があるかもしれません。こういった機能が増えてくると、今後より精度の高い問い合わせ対応ができるのではないか、と開発に期待しています。
問い合わせまでの新たなフローを浸透させる
他部署への横展開、最終的には全学・学外展開へ
吉田様 最終的には、直接私たちのところに届く問い合わせ件数をゼロに近い状態までもっていきたいですね。数についてだけでなく、自分で調べたあとにお問い合わせいただくのか、何もわからないままお問い合わせいただくかによっても、対応の内容は変わります。まずは自分で調べる → 事前情報を理解したうえで不明点に回答するような流れが浸透していくことが理想的です。
田畑様 もう少し視野を広げると、他部署へもこの取り組みが波及し、最終的には大学全体のDXへとつながっていくと良いなという展望もあります。対象も学生だけでなく、受験生の方々や、産学連携で関わる企業の方々など、あらゆるステークホルダーの疑問をすべて解決する窓口としても機能させていきたいです。それぞれ窓口が分散している現状を変えていくのが、今後の目標です。
最後に一言お願いいたします。
吉田様 AIチャットボットが問合せ対応の救世主になるまでは、もう少し時間がかかるだろう、というのが導入してみての率直な感想です。 しかしながら、日頃から問い合わせ対応に時間がかかり、「そのための人員が必要」や「業務に時間が割けない」といった悩みを抱えている方は、ぜひご検討される価値があると思います。 利用者が増えることにより、AIチャットボットがより賢く成長し、いずれは「あの時に導入しておいてよかった」と思える日がくることを期待しています。
田畑様 PKSHA Chatbotは管理者にとって非常に使いやすいシステムでありますが、複数部署で共同管理する場合のアカウント毎の権限割振りのバリエーションがより豊富になれば良いと思います。例えば、現在は他部署のインテントも更新でき、KPI等も閲覧できるため、このあたりの機能が拡充してくるとより使いやすいシステムになると思います。
以上、ありがとうございました。
社名 | 東京理科大学 |
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事業内容 | 教育、学習支援 |
設立 | 1881年 |
URL | https://www.tus.ac.jp/ |