三井住友カード株式会社

コールセンターの呼量削減に社内ナレッジ統合・整備で挑戦!膨大な情報の分析・整理でFAQ/AIチャットボットを強化し自己解決率向上へ

導入サービス PKSHA FAQ
業種 信販カード
活用対象 社員
導入目的 社内情報共有、問い合わせ業務の効率化
三井住友カード株式会社

写真左下から時計回りに
オペレーションサービス統括部 根上かおり氏
オペレーションサービス統括部 森本麻里氏
オペレーションサービス統括部 鶴田江里奈氏
オペレーションサービス統括部 グループ長 鵜飼香織氏
オペレーションサービス統括部 部長代理 小野友也氏

クレジットカード会社として知られる三井住友カード株式会社は、1967年の設立以来、日本におけるVisaのパイオニアとして活躍してきた。近年はクレジットカードに限らず、デビットカードやプリペイドカードなどさまざまなキャッシュレスサービスを展開し、多くのユーザーのライフスタイルに合ったサービス展開や、加盟店向けキャッシュレス決済の推進事業なども行っている。

非常に多くのユーザーを対象としたサポートを行う中、よりよい対応を効率的に行うための施策として社内ナレッジの一元化を決意。その実行にあたりFAQコンサルティングサービスを利用した狙いと効果について、オペレーションサービス統括部(大阪)の鵜飼香織氏、森本麻里氏、根上かおり氏、鶴田江里奈氏、小野友也氏に話を聞いた。

導入前の課題:外部向けFAQと内部マニュアルでナレッジが分断
一元管理される共通ナレッジ構築で呼量削減を目指す

運用体制とご担当業務を教えてください。

小野 我々の部署はカスタマーサポートの一環として、内部のオペレーター向けのインナーナレッジとお客様向けのアウターナレッジの整備を担当しています。その中で、お客様の困りごとニーズに、お客様が選択するチャネルでのサポートを的確に提供することを一番のミッションとしています。

鵜飼 我々の部署ではお客様向けのホームページFAQやチャットボットに関するアウターナレッジについて5名、オペレーター向けのインナーナレッジについて5名が担当しています。その他にもコールセンター側に日々のお客様の問い合わせをナレッジに反映するための担当者もいます。

以前はどのような課題があったのでしょうか。

鵜飼 大きく2つの課題がありました。まず、お客様向けのアウターナレッジとオペレーター向けのインナーナレッジが一元管理できておらず、さらに更新やFAQの追加もそれぞれに行っていたことで粒度や最新化のタイミングに差がありました。そのため、社内ナレッジを一元化して共通ナレッジを構築すること、それを媒介としてインナーとアウターのナレッジを相互反映運用することをゴールとして考えていました。

森本 FAQは現在、すべて含めると1200件ほどあり基本的な項目は網羅されています。月次で見直しやキーワード対策といったルーティンで改善活動も行っていますが、アクセスログをベースに作業をしているため、実際のお客様のコールリーズンまでは分析できていませんでした。「解約」や「住所変更」といったお問い合わせの項目はわかるものの、その中の何に困っているのかが把握できていなかったのです。それを、FAQに反映することで自己解決していただき、呼量削減につなげることがもう1つの課題でした。

鵜飼 アクセスログの分析からFAQは月次で最新化しても、オペレーター向けマニュアルやチャットボットとシームレスに連動する仕組みがなく、一元管理をしてナレッジの鮮度や粒度を合わせることは課題でした。またWebを訪れているにもかかわらず電話につながっているお客様が一定数いることから、電話対応の内容を基にFAQやチャットボットをもう少しブラッシュアップすれば呼量削減につながるのではないかと考えていました。

選定のポイント:FAQマネジメントの豊富な実績が選定の決め手
ノウハウに基づく提案で即時活用できる成果物を得られ満足

FAQコンサルタントとして弊社をご選択いただいた決め手を教えてください。

鵜飼 以前から社内でナレッジ整備についてはやろう、やりたいという声はあったものの、工数や期間の関係で手をつけられずにいました。そこで、FAQのマネジメント実績が豊富であったこと、提案していただいた内容が課題解決につながると感じられたことから貴社にお願いすることにしました。

実際にご利用いただいた感想はいかがでしょうか。

鵜飼 依頼して良かったと感じていますし、感謝しかありません。コンサルタントとしてプロジェクトに入っていただいた部分では、非常に綿密な打ち合わせで我々の要望に応えるだけでなく、改善点の提案もいただきました。一方的に伝えた要望通りのものを作るだけでなく、ノウハウを元によりよい形に向けた提案をいただいたことで、社内で即時活用できる、想定以上の成果物が得られたと考えています。もっと良いものを、分かりやすいものをとお互いの意見を反映しお客様目線でのものが作れたと感じています。

また、プロジェクトも3ヶ月という短期間で、お客様からのメールやコールセンターログなど何万件という膨大な量のデータを見て作業を完遂していただいたこと、ナレッジ項目を顧客目線で全方位から再構築していただいたことがよかったですね。カスタマージャーニー等の部分では、目からウロコが落ちるほど新たな発見を感じました。

導入効果:分析結果を外部向けFAQ更新やAIチャットボット構築に活用。共通ナレッジを情報の相互反映基盤とし自己解決率や生産性向上を狙う

今回成果物として分析レポートとFAQコンテンツの改善提案をご提示させていただきましたが、どのように活用され、どんな効果を感じているのでしょうか。

根上 私はFAQの改善や修正を担当しているのですが、成果物の中から20件ほど新しく外部向けホームページFAQに項目を追加したところ、さっそく多くアクセスされているものが出るなどの効果を感じています。私自身はコールセンターで実際にお客様対応した経験が少なく、感覚的に問い合わせの多いものについては把握していましたが、問い合わせが少ないものについては知る機会がありませんでした。それを分析シートから探して確認できるようになったため、実際のお客様が必要としているFAQをスピーディーにアップしていけるという点でも活用価値が高いと感じています。今後は引き続きFAQコンテンツの追加や改善を進め、お客様のWebでの自己解決や利便性を高めて呼量削減につなげて行きたいですね。

小野 FAQコンテンツの改善提案を活用して、お客様向けの手続きページにチャットボットを公開しました。またサポートページトップや総合案内窓口にもAIチャットボットをリリースすべく準備中です。今回得たカスタマージャーニー軸をベースに、お客様が見つけやすく、自己解決しやすいような項目と構成を検討しています。

鶴田 コールセンター向けのデジタルマニュアルの作成と管理を担当しており今回インナー向けにAIナレッジ検索システムの構築も行っています。お客様の問い合わせではいろいろな切り口や言い回しがありますが、そのバリエーションを組み込むために今回このプロジェクトで抽出されたFAQをシナリオとして活用しました。今後もAIナレッジシステムの学習向上に役立てたいと考えています。

鵜飼 従来は社内向けのインナーナレッジを整備するグループの活動と、お客様向けホームページのメンテナンス業務が切り離されていたため、情報が同期されていませんでした。今回、一元化して共通ナレッジができたことで、各ナレッジのハブとして情報の相互反映基盤として使おうと考えています。常に最新情報をお客様にも社内にも掲示できるため、結果的にナレッジ強化につながり、お客様自身でのお困りごとやニーズの解決にも、オペレーターの生産性向上にも寄与できるのではないかと考えています。

無人ユーザー対応の2本柱はFAQ/チャットボットのWeb系と自動音声応答、高まる需要に対応しさらなる呼量削減や対応力強化へ

コロナ禍でお客様からのお問い合わせに変化はありましたか?

小野 キャッシュレスとデジタル化の流れが一気に進んでと感じています。会員数の増加に伴いお問い合わせの件数は年々増え続けています。またWebを訪れて自己解決しようというお客様の動きも高まってきています。コロナ禍でその動きが加速化され、Webで解決できることはWebで、有人で対応すべくは有人でという対応が求められています。我々もWeb解決を促進し、お電話いただいた時にオペレーターからWebサービスを案内するなどもしていますWebを見る方が増えることでFAQやチャットボットが目に触れるようになり、自己解決率が高いコンテンツを提供する重要性が高くなっていると考えています。今後、お客様のスピーディーな解決に向けてよりよいものを作って行けるようお客様満足向上と、効率化につなげられたらと考えています。

今後の展望を教えてください。

鵜飼 今後は、お客様のお困りごとに24時間対応できるチャネルとしてWebだけでなく、電話での無人チャネルとして自動音声応答なども利用していきたいと考えています。社内での柱の1つがチャットボットやFAQといったWebでの解決ツール、もう1つの柱が自動応答という2本柱で無人チャネルを充実させ、お客様の困りごとをお客様の選択するチャネルできちんと解決していただける構成にするにはどうしたらいいのかということを追求し、実現していきたいと考えています。

※こちらの掲載内容は2021年8月時点の情報です。

社名 三井住友カード株式会社
事業内容 クレジットカード業務、デビットカード・プリペイドカード・その他決済業務、ローン業務、保証業務、その他付随業務
設立 1967年12月26日
従業員数 2,627名(2022年3月末日現在)
URL https://www.smbc-card.com/company/index.jsp

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