株式会社工進
カスタマーサポートと社内情報共有の両面でフル活用。「わかりやすい」にこだわった自己解決のツールで受電数50%減を実現!
導入サービス | PKSHA FAQ |
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業種 | 製造 |
活用対象 | 一般ユーザー、社員、オペレーター |
導入目的 | 社内情報共有、受電数削減 |
工進カスタマーサポートセンター
株式会社工進は1948年の創業以来、農業・工業・土木の現場で利用されるポンプの製造販売を手がけてきた企業だ。日本、中国、タイの3カ所に工場を持ち、世界160カ国で幅広く活用される製品を送り出してきたトップブランドとして「すべてはお客様のため」を企業ポリシーとしたものづくりを行っている。
長年プロユースの機器を扱っていた同社は、近年個人向けの園芸機器や小型発電機にも着手。幅広い顧客に向けたサポートの充実を実現するツールとして採用したのが「PKSHA FAQ」だ。その導入経緯と効果について、株式会社工進 品質・CS担当参与 露木規雄氏と、フリーダイヤル リーダー 加藤美奈子氏に話を聞いた。
導入前の課題:専門家からシニア女性まで幅広い対応が必要
コールセンターの放棄呼と共有できないナレッジの改善が急務
工進について教えてください。
露木:ポンプを中心に、農機具や発電機など専門家向け製品群が多い会社です。世界的に製品が利用されており、エンジンポンプは世界ナンバー1のシェアを持っています。ここ数年は一般家庭で使われる充電式園芸機器として草刈り機や高圧洗浄機、チェーンソー、掃除機なども手がけるようになりました。特に高圧洗浄機やテレビの通販番組でも取り上げられ、非常に幅広いお客様に使われています。一番手軽な製品としては電池式の灯油ポンプがあり、こちらは7割ほどのシェアです。
サポートについて感じていた課題を教えてください。
露木:専門家向けサポートではかなりの専門知識が必要です。一方、一般家庭向け製品はテレビ通販からの購入等でシニア層、特に女性のお客様も増え、充電方法やバッテリーの取り付け方など細かなサポートを専門用語なしで行う必要があります。両方のお客様に向けてウェブサイトでの情報提供とコールセンター対応を行っていく必要がありますが、専門知識を持った少人数での対応では、電話の問い合わせが多い時には対応しきれていなかったこと、平日9時から17時のみの対応なので時間外や週末のお問い合わせに対応できない状態だったことが大きな課題でした。
コールセンターへのお問い合わせはどのくらいあったのでしょうか。
露木:ピーク時は一日900件程度、平均でも400件ほどありました。実際に対応できていたのは一部のコールですので、放棄率が高く、お客様側から見れば全く繋がらないわけです。営業所にもフリーダイヤルが繋がらないという連絡が多く入るようになり、応答率を80%ぐらいまで対応人数を増やしました。しかし、ベテランオペレーターの持つ情報は各個人が紙ベースで管理していたため、属人化され共有がしづらく、新しく入ったオペレーターは基本的なマニュアルや商品情報だけを頼りに対応するしかありませんでした。
選定のポイント:サポートだけでなく社内情報共有への活用を目指し「PKSHA FAQ」を選定
「PKSHA FAQ」導入に至った経緯を教えてください。
露木:コールセンターではナレッジ共有ができていないため、個々の担当者が自分の持っているナレッジや情報をもとに問い合わせ対応をしている状態でした。各人が問い合わせのたびに手元の資料を参照する場面も多かったのです。問い合わせ対応の効率を上げるには、ナレッジを共有して必要な時に誰でも検索できることが重要だと感じ、対応するソリューション導入を検討しました。
「PKSHA FAQ」を選定したポイントを教えてください。
露木:前職でいくつかナレッジ共有ツールを利用していたので、その経験で比較検討し、コスト面なども鑑みて選定しました。前職では「PKSHA FAQ」をユーザーの自己解決ツールとして利用していましたが、今回はまず社内のナレッジを共有化するためのツールとして、コールセンター、営業事務、営業マンが利用できる必要があると考えました。
導入効果:一般公開FAQで問い合わせ数半減!
社内ドキュメント検索を含めた情報共有環境を整備
「PKSHA FAQ」はどのように利用されていますか。
露木:まず営業、営業事務、コールセンタースタッフ、修理センタースタッフが活用する社内FAQを整備しました。商品情報、修理ナレッジ、部品ナレッジ、市場品質情報、部品構成表、商品研修資料など、これまで個人で持っていた情報や紙ベースだった情報を含めてすべてを集約しました。マニュアルや商品情報の資料では図版やPDFファイルなどの資料も多くあります。
そういったドキュメントも含めた検索性を高めるために、サイト内検索サービスの「PROBO」と「PKSHA FAQ」を連携させ、全情報を一元的に検索できるようにしました。「PKSHA FAQ」を窓口にした社内ポータルのような使い方で、検索すると画面左半分には「PKSHA FAQ」のテキスト検索結果、右半分には社内ドキュメントの検索結果が表示されます。
社内活用の後、ナレッジの中からお客様に公開できるFAQを選定して一般公開し、自己解決に利用していただけるようにしました。
導入の効果を教えてください。
露木:コールセンターでは、どのオペレーターでも的確な回答、同じ回答ができるようになりましたし、新人が実業務に入れるようになるまでの期間も短くなっています。また各営業所でもナレッジが共有できるようになり、営業事務や営業担当者自身が社内情報を検索し、お客様からの苦情や問い合わせに対応できるようになってきています。社内のあちこちにあったナレッジもほぼ集約でき、全社共通活用できる環境も整いました。FAQの一般公開を進めるために、社内FAQからお客様がご活用いただけるFAQを抜粋して、会社が休日になるゴールデンウイークの前までに一般公開を開始しました。FAQ作成時に工夫を重ねた結果、対前年比でコール数が半減しました。
お客様が自己解決できている手応えはありますか。
露木:FAQ公開からコール数が明確に減り始めましたし、FAQの訪問数も月間で2,500-2,600件とかなり利用されています。この訪問数と減ったコール数がだいたい釣り合っているので、自己解決できているお客様が増えていそうだという手応えがあります。スマートフォン対応も進めたので、特にフリーダイヤル対応時間外である週末に利用したいお客様の利用は少なくないと感じられます。
専門家と初心者双方の「わかりやすさ・使いやすさ」を意識して現場スタッフがFAQを整備
FAQの作成と更新はどのような体制で行われていますか。
露木:基本的にはコールセンターで対応時に必要になったものを自分達で作成したり、技術的なもの開発メンバーに作成してもらっております。
そのため、ごく初心者向けのものから専門的なものまで幅広く登録しており、現在FAQナレッジは3,500件ほどあります。普段対応している人達が必要な情報を追加していること、現場で決めた対応を共通対応として即座に共有できる状態であることは大きな特徴です。
追加は、コールセンタースタッフおよび営業、営業事務から要望のあるものをFAQ事務局に集めて必要なものを選んだり、新製品発売時に追加したり。お客様の利用状況をレポートとログで確認し、作成と修正も行います。
加藤:コロナ禍でサポートスタッフの中に学校休業や出産など家庭の事情で出社できない人がいたので、テレワークでFAQ作成をしてもらいました。とても商品知識のあるベテランだったので、必要なFAQを即日でどんどん追加してもらえて電話に出られないテレワークでも活躍してもらえました。
FAQやサポートサイト作りの工夫を教えてください。
露木:わかりやすさにこだわっています。特に家庭向け製品についてはメインユーザーであるシニア女性向けにわかりやすさを意識して「かんたん用語集」も作りました。またサイト自体もアイコンだけで表示したり、製品を選べば関連FAQの上位のものが表示される仕組みにしたりしていますし、FAQ自体にも簡単なイラストや写真を添えてわかりやすくしています。
しかしエンジンポンプや、エンジン式高圧洗浄機など専門的にご利用されるお客様には簡単なイラストでは情報が不足してしまいますので、詳細情報も掲載するなど、掲載内容をお客様の要望に合わせる工夫しています。
最近では動画検索も加えて、「使い方編」「困ったときは」などを掲載しましたが、お客様の動画ご利用数は格段に増えてきております。
さらなる「わかりやすさ」の追求とAIチャットボット活用やグローバル対応も検討中
今後の展望について教えてください。
露木:FAQは0件ヒットの対策をしてきて、件数もだいぶ増えました。今後は見極めて不要なものを削除し、検索しやすくする必要もあると考えています。内容についてもイラストや写真をさらに活用するほか、動画も使って自己解決しやすくしたいですね。もっとわかりやすい用語説明や操作マニュアルの提供も考えています。お客様目線でのわかりやすさの確認やFAQ作りも今後の重要な課題だと考えています。
工進の商品つくりは「お客様のお困りごとの解決」が基本理念になっておりますので、工進のとってのFAQの目的は、お客様がご購入された商品を常に便利にお使いいただくためのサポートが最大の目的になります。
「PKSHA FAQ」とPKSHAへの要望を教えてください。
露木:検索も早く、欲しい回答も探せるので、基本的にとても満足しています。今や無いと困るものですし、選んでよかったですね。検索テクニックが必要なので使い方の問い合わせを受けることがあり、少し課題は感じています。それでも「PKSHA FAQ」導入している企業としては活用内容がトップクラスのユーザーだろうと自負しています。社内サーバとの接続や社内ナレッジの一元管理への活用など、企業規模が大きいとやりづらいでしょうが、規模が大きくないからこそのフル活用です。
今後は営業時間外の問い合わせへの対応としてAIチャットボットの活用を考えていますし、一般家庭向け機器のグローバル展開を予定しているのでFAQのグローバル化も必要です。PKSHAには、是非良い提案を期待しています。
※こちらの掲載内容は2021年11月時点の情報です。
社名 | 株式会社工進 |
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事業内容 | ポンプ・園芸機器・発電機等の製造及び販売 |
設立 | 昭和23年2月 |
従業員数 | 260名 |
URL | https://www.koshin-ltd.jp/ |
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