株式会社北國銀行
PKSHA Speech InsightでACW約30%削減!
オペレーター・SVの負担も大幅軽減し、より顧客に向き合った対応が可能に
導入サービス | PKSHA Speech Insight |
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業種 | 地方銀行 コンサルタント・専門コンサルタント/ソフトウェア/リース・レンタル |
活用対象 | 一般ユーザー、社員、オペレーター |
導入目的 | 応対品質の向上 |

執行役員 カスタマーサービス部長 井上 純子 様
カスタマーサービス部 CSグループ長 兼 ダイレクトセンター長 菖蒲田 忠博 様
カスタマーサービス部 CSグループ マネージャー 田中 彩 様
カスタマーサービス部 CSグループ チーフ 北 由美子 様
導入前の課題:
サポート人員に限りがある中で、一人でも多くのお客様により丁寧な顧客対応ができる仕組みが必要だと感じていた
導入効果:
▼SV業務の効率化
・オペレーターの対応状況をリアルタイムに把握できるようになり、フォロー時間が短縮
・アラート検知により、SVがリモートのオペレーターを即座にサポートできるように
▼オペレーター業務の効率化
・要約機能を活用することで、ACWが3か月で約30%削減
・オペレーターの応対中の心理的な負担が軽減され、よりお客様に寄り添った対応ができるようになった
・オペレーターが自ら対応の振り返りをするようになるなど、意識の変化に繋がった
早くからキャッシュレス化などDXに注力
事業内容を教えてください。
当社は、石川県金沢市に本店を構える地方銀行でして、北陸3県を中心に、72拠点、104店舗を展開しています。
2021年10月には「北國フィナンシャルホールディングス」が設立され、北國銀行を含む11のグループ会社体制となりました。グループ全体で、お客様のニーズや多様な課題に幅広く対応しております。
DXの分野では、早い段階からデジタル技術を活用した社内の業務改革、地域の生産性向上を推進してきました。最近では、地方銀行として初めて自社デジタルバンキングを構築しています。キャッシュレス化に関しても、2016年からカード発行や加盟店契約業務のサービスを開始し、2024年4月には日本初の預金型ステーブルコイン「トチカ」を発行するなど、新しいサービスを提供しています。
顧客接点として重要な役割を担うカスタマーサービス部
所属されているカスタマーサービス部の役割を教えてください。
現在、カスタマーサービス部には約120名のスタッフが在籍しており、お客様に安心して当社のサービスをご利用いただくための重要な窓口となっています。
カスタマーサービス部のコールセンターでは、個人や法人のお客様向けにお問い合わせ対応やサポートを行っています。また、銀行の営業店やグループ各社宛のお電話も一括して受け付けています。
さらに、カスタマーサービス部内にはコールセンターに隣接し、グループ全体のCSを統括するCSグループがあります。コールセンターでお伺いしたお客様の声をCSグループが迅速にまとめ、社内に共有し、商品やサービスの改善に役立てています。
金沢駅西にある本店8階に拠点をおいており、経営管理部門や企画部署など、連携が必要な他部門と迅速にコミュニケーションがとれる体制を整えています。
近年AI技術が発展していますが、人による応対が必要な場面は無くならないと考えています。例えば、フィッシング詐欺にご不安を感じている方からのお電話や、2024年の能登半島地震で被災された方からのご相談の際などは、マニュアル通りに回答するのではなく、それぞれのオペレーターがしっかりとお客様の状況をお聞きしながら判断して対応することが、お客様に寄り添うことにつながると考えています。
放棄率や応対品質についてのKPIを設定
コールセンターで重視しているKPIを教えてください。
コールセンターでは、電話の放棄率削減と応対品質の向上の両立を目指しています。放棄率については、受電が集中する時期でも10%程度に抑えられるよう改善を進めています。
また、応対品質向上のために、部内の電話応対指導者検定保有者を中心に、オペレーターに必要なスキルをマップにまとめ、それがしっかり身に付いているかを定量的に測れる仕組みを取り入れています。
FAQサイトやチャットボットについてもそれぞれKPIを設定しています。現在、有人対応とセルフサポートの比率はおおよそ2:8です。そのため、セルフサポートで自己解決につなげる仕組みは非常に重要だと考えています。より使いやすくなるよう、利用率と解決率の数値を確認しながら改善を続けています。

より丁寧な顧客対応のために音声認識システムの導入を検討
PKSHA Speech Insightをご導入いただく前にはどのような課題がありましたか。
当社はデジタルを活用したサービスやキャッシュレスの展開に力を入れています。これらのサービスの便利さを、より多くのお客様に実感していただき継続してご利用いただきたいとの想いから、幅広い年齢層のお客様へインターネットバンキングやキャッシュレスサービスを積極的にご案内しています。
お客様の中にはデジタルでのお取引に、不慣れであったり、不安を感じられる方もいらっしゃいます。そういったお客様にはより丁寧なサポートが重要ですが、充分なサポートを提供するには人員に限りがあります。この課題を解決するために、オペレーターやSV(スーパーバイザー)の業務の生産性を上げながら、一人でも多くのお客様にサービスを提供できる新たな仕組みが必要だと考え、音声認識システムに注目しました。
音声認識システムなど最新技術の動向を把握するために、2023年の「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス」に参加しました。そこで様々な音声認識システムの進化を目の当たりにして、「私たちの課題を解決できるのではないか」と思うと同時に、想定している以外にも様々なことができるようになるのではないかと可能性を感じました。
導入が簡単なことや、
PKSHA FAQ・Chatbotでの実績が採用の決め手
複数のツールが候補としてあったと思うのですが、PKSHA Speech Insightを選んでいただいた理由は何でしょうか。
認識精度などの機能面、導入費用などのコスト面が優れていると感じたことに加え、導入するための開発が不要で、インストールするだけで利用できることも魅力に感じました。AI関連のシステムは進化が早いため、ベンダーロックインになってしまうような、簡単には変えられないシステムは導入すべきではないと考えていたためです。その点、PKSHA Speech Insightは、開発不要ですぐに導入できるSaaS製品であり、継続的な機能向上も期待できるため、安心して導入を検討できました。
また、以前からカスタマーサポート(FAQ・Chatbot)や社内のヘルプデスクでもPKSHAのプロダクトを利用しており、使い勝手や信頼性を評価していたことも理由の1つです。(社内ヘルプデスクでの活用事例はこちら)
同じ企業のプロダクトを複数利用することのメリットも感じています。問い合わせに関するナレッジデータベースを統合することで業務効率化の効果を感じており、将来的には音声認識システムとFAQやChatbotといったシステムとの連携も視野にいれた場合、音声認識システムについてもPKSHAのプロダクトを利用することで連携がスムーズにでき、相乗効果も高いと考えました。

本格採用に向けて、2024年4月からPKSHA Speech Insightの試用を始めました。実際に使ってみると、最初は社内システムのセキュリティの影響から、アプリが想定どおり動作しないなどの問題が発生しました。その際は、PKSHAの担当者様と弊社カスタマーサービス部、システム部が随時連携し、一つひとつ問題を解消していき、プロダクトの導入効果を確認できたので、本採用を決めました。
ACWやSVのオペレーター支援業務が大きく効率化
現在、PKSHA Speech Insightをどういったところでご利用いただいていますか。
本店や各支店の代表電話に入る様々なお問い合わせや相談を受けるダイヤル、個人・法人のお客様のインターネットバンキングヘルプデスク、iDeCo(個人型確定拠出年金)やローンの電話対応で使っています。
導入後の具体的な効果について教えてください。
PKSHA Speech Insightの要約機能を導入したことで、ACWの時間が平均で1分半近く短縮しました。導入前の2024年9月のACWは約5分かかっていましたが、導入後の同年12月は約3分半に短縮できました。
主なACWには、応対内容を要約し、CRMの応対履歴に登録する作業があります。導入以前のCRMへの登録は、煩忙のため一部しかできず、また登録の時間も掛かっており、交渉内容を網羅できていませんでした。
現在はPKSHA Speech Insightの属性要約機能を活用し、CRMの入力項目に合わせた形式で応対内容の要約をアウトプットしています。項目ごとに該当箇所の要約を自動で抽出し、精度も高いため、提示された要約をほぼそのまま入力することができています。その結果、お客様からのお問い合わせ内容の全容が把握できるようになりました。
<属性要約のイメージ>
オペレーターを支援するSVの業務も大きく効率化しています。例えば、以前はSVがオペレーターからトラブルの報告を受けた際に、内容確認のため通話の録音をすべて聞き直すことがありました。現在は、通話を文字起こししたテキストを見て確認することができるので、遥かに短時間で内容を把握できるようになりました。
SVがリアルタイムにオペレーターをサポートすることも容易になりました。通話中のオペレーターがクレーム対応している場合など離れた場所にいても気が付くことができます。アラートを検知しSVがリアルタイム通話の書き起こしを読み内容を即座に把握のうえ、必要であれば通話を変わるなどのサポートをすることができるようになりました。
コールセンター業務をリモートで行う社員を支援する際にも、とても役立っています。各支店の店舗業務には場所や時間帯などによって繁閑があります。そのため当社は以前から、繁閑の差を利用し店舗の社員にリモートでコールセンター業務を担ってもらっていました。しかし電話を受けている担当者が対応に迷うようなケースが発生した際、遠隔にいるSVがお客様とどういったやり取りをしているかを即座に把握することができないため、すぐに支援することが難しい状況でした。現在はリモートであってもリアルタイムの通話の書き起こしを確認し、迅速にリモートのオペレーターを支援できるようになりました。

「応対品質の向上」にも貢献
数字以外の部分でも何か効果は出ていますか。
実際に応対している社員からは、応対中の心理的な負担が軽減されたことで、よりお客様に寄り添い応対ができるようになったという声がありました。これは、私たちの応対品質向上にもつながっています。
例えば、お客様と会話する中で、一度に複数の質問をいただくことがあります。最初の回答について話すうちにお受けした質問の1つを忘れてしまうといったことも以前はありました。従来は必死にメモをしたり、時にはお客様に対して「どういった質問をいただいていましたか」といった確認をしなくてはなりませんでした。しかし今は、お客様とお話しながら通話の書き起こしを確認することができます。
お名前やお電話番号などをお伺いした際に上手く聞き取れない場合でも、以前は確認のために何度もお話いただく必要がありましたが、今は書き起こしを見ればすぐに確認できます。
こうした通話中の不安が軽減したことにより、オペレーターがよりお客様のお話の理解や対応に集中できるようになっています。

また、オペレーターが自ら、対応の振り返りをするようになりました。多くのオペレーターが、応対時間や話すスピードは適切か、お問い合わせ目的の理解ができているか、お伝えした内容は正しいかといったことをテキスト化された応対内容をチェックしています。一人ひとりの意識が大きく変化したことを感じ、とても嬉しく思っています。
あるオペレーターは「今日は上手く書き起こしがされないから、わかりやすい話し方ができていないのかもしれない。気を付けよう」といった具合に、自分の調子を判断するバロメーターにもしているそうです。
利用業務の拡大を検討
今後PKSHA Speech Insightの利用範囲を広げていきたい、といったことはございますか。
現在、カスタマーサービス部の一部の業務に利用していますが、利用範囲を拡大していきたいと考えています。社員がPKSHA Speech Insightを活用することで意識も変化しており、今後も様々な可能性が広がるのではないかと期待しています。
例えば、オペレーターの応対品質向上の一環として、モニタリングや研修にも、PKSHA Speech Insightを活用したいです。現在は、お客様応対業務の合間に社員が1件1件実際の音声を聞きながらモニタリングを行っていますが、回数が限られてしまうのが課題になっています。AIを使うことで自動化できるところや、人の主観が入らないことで客観性や納得感が高まるところもあると考えています。PKSHA Speech Insightを上手く活用しながら、AIと人のそれぞれの良さをモニタリングに取り入れていくことで、より効果的な研修プログラムが実現できると考えています。
ビジョンを共有できるパートナー選びが重要
PKSHA Speech Insightの利用を考えられている方にメッセージをお願いします。
私たちがシステムを導入する際に、提供いただく企業に期待することは、ビジョンを共有し、自社だけでは実現が難しいことをパートナーとしてサポートしてもらうことです。PKSHA様にはITやAI活用のパートナーとしてサポートいただいています。これまでのお付き合いを通じて、「プロダクト導入だけでなく、私たちのありたい姿の実現といった大きな視点で考えていただけている」と感じる機会が打ち合わせをさせていただく中で多くあります。
こういったディスカッションができると、私たちのビジョンがよりクリアになっていきます。そういった視点も重視し導入するプロダクトを選ぶことで、プロダクトの機能面以上の導入効果があると思います。

社名 | 株式会社北國銀行 |
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主要業務 | 預金業務、貸出業務、有価証券売買業務・投資業務、為替業務など |
設立 | 1943年12月18日 |
従業員数 | 1,533名 |
URL | https://www.hokkokubank.co.jp/ |
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