佛教大学

満場一致でPKSHA Chatbotに決定。年間約56,000件超えの膨大な問い合わせ自動化と学習環境の改善をゴールに

導入サービス PKSHA Chatbot、PKSHA Knowledge Maker
業種 大学
活用対象 一般ユーザー
導入目的 在学生からの問い合わせ数の削減および、学習環境の改善
満場一致でPKSHA Chatbotに決定。年間約56,000件超えの膨大な問い合わせ自動化と学習環境の改善をゴールに

生涯学習部メディア・教材課 課長 八木利樹様
生涯学習部メディア・教材課 長野絵理様

会社、ご担当者様の紹介

佛教大学について教えてください

八木様 佛教大学は、1913年の佛教専門学校として出発し、現在では7学部14学科、大学院4研究科7専攻を配置して、学部生・大学院生あわせて約6000名を擁する総合大学です。

本学は通学課程に加え通信教育課程を併設しており、その歴史は長く「いつでも」「どこでも」「だれでも」自由に学ぶことができる場を提供して65年以上になります。現在6学部10学科、大学院は4研究科7専攻を併設しており、およそ8,000名の社会人を中心とした学生が日夜学んでおります。

通学、通信の両課程において、これまで一貫して、仏教精神を根底に、自分を大切にし、他者をも大切にできる人、そんな人材を社会に輩出してまいりました。

2021年10月にはオンラインと対面を融合させた新たな方法で公開講座を展開するオープンラーニングセンターの本格的稼働、2022年4月には教育学部に幼児教育学科を新たに開設(通学課程・通信教育課程ともに)する予定であり、新たな学びを常に提案し続けております。

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みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

八木様 私たちは、通信教育課程の運営を主に行っている生涯学習部にあるメディア・教材課に所属しています。
メディア・教材課は設立2年目の課で、ICTを使った様々な問題解決、および通信教育における教材の準備や開発が主な業務です。
また、今までの対面型授業に加え、「オンラインでもできる学習」や「オンラインだからできる学習」を新たに提案することが大きなミッションとなっています。

みなさんPKSHA Chatbotへの関わり方を教えてください

八木様 私は基本的に統括、システム周りも含む全体の取りまとめを担当しています。
実務は長野が担当しており、FAQの詳細確認や関係部署の間に立って種々の調整を行っています。

長野様 今回、同じフロアの通信の部署だけでなく、教職支援課や資格課とも導入をすすめています。
そういった複数部署の取りまとめ、統一のルールを決めたり、窓口となって何かあれば連絡をしたりしながら、作業を進めています。

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年間約3万4000件の問い合わせ対応で、朝から晩まで電話が鳴りっぱなしの状況…!

当時、どのような点に課題を感じていましたか?

八木様 学生が大学に問い合わせる方法は「電話」と「ポータルサイト」の2つですが、それぞれ件数が非常に増え、その対応に追われ職員のみんなが業務に疲弊していました。

「電話」での問い合わせは、まずインフォメーションセンターに繋がり1次対応をします。そこで解決できない場合は、各課に取り次ぎされるという仕組みになっています。昨年の電話問い合わせ件数は、年間で約34,400件で、本当に朝から晩まで電話が鳴りっぱなしの状態でした。

長野様 「ポータルサイト」については、2019年4月に新学習支援システム「B-net」を開設し、質問フォームから問い合わせができる仕組みになっています。「B-net」が開設される前の質問方法は、郵送かFAXだったので以前より格段に質問がしやすくなりましたが、それに伴い問い合わせ件数も増えました。稼働2年目の2020年には導入前の約4倍の問い合わせ数になり、年間で約12,000件ほどになります。

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八木様 スタッフを増やすにしても人手は全然足りない状況で、一人一人の負荷が高まり残業時間も長くなっていました。
間違った情報をお伝えしないように、丁寧に一つ一つ返しているため、当然時間もかかります。
大事な業務の一つではあるものの、本来もっと学生のために提供すべきサービスに対し手が回らなくなってきて、質問に対する回答を繰り返し作り続けるような日々でした。

問い合わせの自動化および、24時間対応に魅力を感じ、チャットボットに注目

ソリューションとして、なぜチャットボットに焦点を当てられたのでしょうか?

八木様 当時抱えていた課題から、職員の工数・負荷削減のために、問い合わせを自動化できる、24時間対応ができるという点で、チャットボットに注目しました。

チャットボット以外にはどのようなサービスを検討されましたか?

八木様 質問の多くが、すでに補助教材内に記載されており、そもそもの補助教材の内容を改善するという案も上がっていました。
ただ、私も長野も過去に前部署で補助教材制作を担当しており、どんなに見やすくなったとしても、必要な情報を見つけきれないというケースは一定発生します。
そのため、類似の質問が多いのであれば、それを効率的に見つける方法としてチャットボットが良いのでは、という結論に至りました。

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複数社のプレゼンテーションを経て、満場一致でPKSHA Chatbotに決定!

どのような流れでサービスを選定していかれましたか?

八木様 他社のチャットボットは多数見ていましたが、最終的に3社に絞り、プレゼンテーションしていただきました。
3社のプレゼンテーションを聞き終えた時点で、すでにPKSHA Chatbotへ決めようという意思決定は概ね確定していました。

長野様 当日のプレゼンテーションには本学から23〜24名ほど参加をしていましたが、ほぼ満場一致だったんです。
参加者へアンケートをとって、メディア・教材課だけでなく他部署の方々の意見もふまえ当日に決定しました。

PKSHA Chatbotに決めていただいた理由を教えていただけますでしょうか?

八木様 主に4つあります。
1つ目は「精度」です。
在籍している学生の年齢層が幅広いので、言葉の揺らぎに対して正しく回答できるかどうかはかなり注意して選定しました。PKSHA Chatbotを選んだ最も大きな理由が、日本語の理解力が非常に高いという点です。海外のAI型のチャットボット等も併せて検討はしていたのですが、やはり日本語の難しさを汲み取って高い精度で返答できるのはなかなかありませんでした。


2つ目は「メンテナンスのしやすさ」です。
せっかく導入をしても継続して使用しチューニングしなければ回答の精度が向上しないので、毎日10〜15分程度のメンテナンスを見やすい画面で行えるのも大きなポイントでした。

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3つ目は「導入に向けたサポートの手厚さ」です。
導入決定後も立ち上がるまでのサポートや、過去の質問の内容をAIで分析してくれるのは、新たにシステムを導入する際の安心感につながりました。通常業務に+αで作業が発生するので、その点をフォローしてもらえるのがよかったです。

4つ目は「ナレッジメーカー」です。
当初、FAQ自体が元々なかったのでどのように作成していくべきか悩んでいました。B-netの質問機能のおかげで問い合わせ記録は全て残っていたのですが、やはり問い合わせログを元に1からFAQを作成しようとすると気が遠くなる作業でした。導入までの道筋が長いと、システム導入のモチベーションも下がるので、いかにスピーディーにFAQを準備するかが肝だと感じていました。PKSHA Chatbotには「問い合わせログを元にFAQ案を作成できるソリューション(ナレッジメーカー)」があり、FAQ作成にかかる職員の負担も最小限にできたのも決め手でした。

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ナレッジメーカーの活用で、13,000件という膨大なログからFAQを作成

サービス選定から現在までの流れをお聞かせいただけますでしょうか?

長野様 まずは名前や学籍番号などの個人情報を省いた13,000件の問い合わせログをお渡しして、FAQの作成からスタートしていただきました。FAQの作成自体もさることながら、「どんな質問が多いのか」と言った問い合わせの分析を定量的なデータとともに知れたのは大きかったです。今は最終チェックの段階で、この後いよいよエンジンにFAQを追加していく予定です。

特に苦労した点があれば教えてください

長野様 FAQの最終チェックはやはり大変でした。確認する上で、表記ルールの違いや認識のずれを統一すること、一定の数まで減らして選定するのも一定工数がかかると感じています。とはいえ、ナレッジメーカーから利用したのは正解だったと思っています。一から作成した方が時間がかかっていたと思いますし、どのカテゴリにどのくらい質問が集まっていたか、重みづけ、統廃合をしてもらったのはとても参考になりました。

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逆に想定よりもスムーズに行えた点があれば教えてください

長野様 一方で、スムーズに行えた良かった点は「シナリオ型で登録ができること」です。大学院生・学部生など課程ごとにFAQを出し分けることができるので、そこは使いやすさと利便性を感じています。

FAQの確認は苦労しましたが、各部署から不満の声が上がることはありませんでした。おそらくチャットボットに対する期待が大きく将来的な活躍を見据えているので、今はみんなで一丸となって作業を進めている段階です。

もし他社様、他大学様へのFAQ作成に関するアドバイスがあるとすれば、序盤にログの中身を一定きちんと精査しておくことかと思います。個別具体性の強いものはある程度削除しておく、そもそもFAQ化すべきかを議論しておく等、データのクリーニングをしておくと今よりスムーズに進められたと思っています。

SlackやSpreadsheetを活用した、フランクかつスピーディーなプロジェクト進行

まだリリースまでありますが、現在までのPKSHAのサポートや、メンバーについての印象・感想を教えてください

八木様 コミュニケーションも早く、Slack上でやりとりできたのでとてもスピーディでした。

長野様 わざわざ間に入らなくても、情報をスピーディにみんなで共有できるのはとても便利ですね。

八木様 また、定例のミーティングも前回の振り返りからスタートして、ミーティング終了後には決定事項と課題を明確に共有してもらえるので、大変ありがたいです。今日はここまで、と決めていただいて情報量を調整しながら説明してもらえるのも助かりました。

長野様 あとは今後、日々のチューニングなど慣れない作業になるので、その辺りのサポートをお願いしたいなと思っています。

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最終目標は7割の問い合わせ自動化!学習に専念できる環境づくりを目指して

最終的な目標値があれば教えてください

八木様 目標数値としては、全体の問い合わせの5割削減くらいを目指したいですね。一旦リリースをした後、状況に合わせて対応方法や中身の見直しをしていくことになるとは思いますが、最終的には7割くらいを直接聞かなくてもチャットボットから分かる、という状態にしていきたいです。

リリース時期や公開範囲を含めて、今後の展開予定について教えてください

八木様 リリースは11月中旬を想定しています。4月が最も問い合わせが多いので、それまでにチューニング作業を進めて精度を高くしておきたいですね。早く利用者さんの実際の声を聞いてみたいと楽しみにしています。

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八木様 現状が通信教育課程を対象としていますが、ゆくゆくは通学課程の学生向けにも導入できればと思っています。今はコロナの影響で窓口に直接相談に来る学生は減ってしまっているので、それに換わる新たなサービスとして展開できればいいですね。技術で対応できる部分はチャットボットに任せて、本当に時間をかけて注力すべき学生の個別相談などをしっかりケアしていく体制を大学全体で作れればと考えています。チャットボットは24時間使えるしスピーディーに回答が返ってくるので、まずは必要な情報をここから学び、その後有人で質問をするというようなプロセスにしていきたいです。

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その他、最終的に実現したい構想等があれば、ぜひ教えてください

八木様 とにかく学習しやすい環境を作っていきたいというのが一番の思いです。通信では限られた時間内で学習しなきゃいけない学生が多く、学ぶ以前に知っておくべき情報が多いので、効率化、短縮化できる業務はどんどんシステム化していきたいです。その一環で、補助教材の在り方を見直したいとも考えています。一度に過度な情報量を与えず、適切なタイミングで情報共有をし、必要であればチャットボットに聞くという状態にしたいですね。そして、ゆくゆくはチャットボットが補助教材の一部となるような存在にしていけたら嬉しいです。

以上、ありがとうございました。

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社名 佛教大学
事業内容 教育、学習支援
設立 1949年
URL https://www.bukkyo-u.ac.jp/