京都橘大学
未来のデータ活用を見据えて『AI ヘルプデスク for Microsoft Teams 』導入!
過去の導入失敗を乗り越え、全学へチャットボットを展開
導入サービス | PKSHA AI Helpdesk for Microsoft Teams, PKSHA Chatbot |
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業種 | 教育 |
活用対象 | 学生・教員 |
導入目的 | 学生の満足度向上、問合せ業務の効率化 |
京都橘大学 蘆田様
京都橘大学 久保様
京都橘大学 鈴木様
京都橘大学 櫨山様
京都橘大学について
京都橘大学について、教えていただけますか?
櫨山様:京都橘大学は、京都市山科区に本部を置いている、9学部15学科を擁する総合大学です。2005年に共学化、2012年に通信課程を設置し、現在通学課程、通信教育課程を合わせて約7,800名(2023年4月現在)の学生が在籍しています。また、2023年には総合心理学部を設置し、これまで以上に充実した学びの環境を整えています。
貴学はDXやAIの活用に関してかなり前向きな印象ですが、大学としてDXに対する方針などはあるのでしょうか?
久保様:これまでも、Teamsを利用した遠隔授業やオンライン学習、その他既存業務の各種電子化を目指した新たな法人システムの導入など、学園として様々なDXに取り組んできましたが、今後も積極的に推進していく方針です。
ただ、積極的にDXを推進しつつも、デジタル技術そのものはあくまで「人が」様々な目標を達成するための効率的かつ効果的な武器を生み出すツールだと捉えています。
そのため、単なる業務改善やコスト削減といった目的ではなく、DXによって生まれるリソースの有効活用まで見据えて追求していきたいと考えています。
本学の今後の計画として、これまで対応しきれていなかった顧客(=学生、受験生、保護者等)のニーズをいかにスムーズに「収集」し、「分析」し、「活用する」かが重要だと考えておりますが、この「収集」や「分析」といった膨大なデータ処理においてAIの力を借りることで、人が組織内の課題改善、変革、業務効率化を実行する際の大きな助けになると考えています。
業務の効率化と学生の利便性向上を狙い、チャットボットの導入を検討
現在、弊社のサービスをどの部門で導入いただいているか、あらためてお伺いできますでしょうか?
櫨山様:Teamsと連携して動くAIヘルプデスクと、WEB版のチャットボットを場面によって使い分けておりまして、主なものとしてはAIヘルプデスクは通信教育課程における授業対応に使用し、WEB版のチャットボットは通信教育課程の学生募集、就職進路課での相談窓口や、情報システム系におけるシステム利用に関するQAに利用しています。
また、2023年度からは履修登録や留学中の相談といった教務系に加え、日々の学生生活に関する問い合わせ対応などの学生支援に関する部門や研究支援に関する部門でも利用を本格化させていきます。
PKSHA AI Helpdeskは、Microsoft Teamsと連携することで、問い合わせ管理・ナレッジ蓄積・自動対応をTeams上で実現します。
京都橘大学様では、通信教育課程の学生向けに導入いただき、大学生活における学生からの問い合わせ対応に活用されています。
最終的にはPKSHAのチャットボットを導入いただくという結果になったわけですが、そもそも導入前にはどのような課題感があったのでしょうか?
鈴木様:分かりやすい課題感としては、教員や学生からの問い合わせ対応をスムーズに効果的にしたいというものですが、チャットボットという選択肢を採ったのにはさらに複数の考えが影響しています。
その中で最も重要視したのは利用する学生、ユーザー側にもメリットがあるものにするという点。新システムを導入するのであれば、それが学生に還元されないことには意味がないので、学生との接点になる部分を改善したいという思いが前提にありました。
あくまで学生のため、というのが大切だったんですね
鈴木様:そうです。特に通信教育課程では、その特性上学生同士のつながりが限られているため、学生同士で情報が共有されにくく、類似の質問が大学側に多く寄せられる状態でした。それにも関わらず、窓口の開室時間と学生の学習時間が重ならないため、単純な質問ですら、学生は欲しいときに回答を得ることができませんでした。
ここには非常に大きな課題感を感じていたため、夜間にも質問回答ができるチャットボットを注視していました。
併せて、近年他大学でチャットボットの導入が進んでいることは把握しておりましたので、大学としてAI活用、ICT、DXにおいて先端を進んでいきたいという思いから、やはり採用するのであればチャットボットという流れになっていきました。
先のことを見据えた際にも、コロナ禍における受験生動向の変動や18歳人口の今後の減少から、今後入学者数確保におけるマーケティング要素は非常に重要になってくると考えておりましたので、学生や保護者のニーズが効率的に蓄積される窓口としても、チャットボットに魅力を感じていました。
他にも導入検討されたシステムはありましたか?
鈴木様:他大学の事例などを見て、RPAの導入も検討しました。ただ、業務効率化の側面では効果的でも、先ほどお話しした「学生の利便性が上がるか」という点において、チャットボットの方がより高いパフォーマンスが発揮されると期待し、導入を決めました。
実は一度失敗していたチャットボット導入。有人連携機能に着目し、全学を巻き込んだプロジェクトへ
導入プロジェクトを進めていくにあたって、特に慎重に検討したポイントなどもお伺いできますか?
蘆田様:そのお話をする前に、少し過去の話に遡らせてもらえばと思うのですが、そもそも我々はチャットボット導入に一度失敗しているんです。
新型コロナウイルスの影響を受けて、2020年に「学生支援緊急給付金」という制度が国により導入されました。新たな制度で、かつコロナ禍でのヒューマンリソースが不足していたこともあり、PKSHAさんとは別のチャットボットを導入し学生への問い合わせ対応に活用しました。一定この新制度における問い合わせ対応はチャットボットでの成果は見え、さらなる活用拡大を目指し学内での研修会、テスト運用などを行いました。しかし、結果としては学内での利用が広がらず、最終的にはクローズするという流れになりました。
この失敗の大きな要因は、目的設計のミスだったと考えています。当時は「AIが学生からの質問に全て回答してくれる」という状態を目指してチャットボットの設計を行っていたわけなのですが、大学という教育組織の特性上、学生から寄せられる質問には非常にパーソナルなものも多く、それら全てをチャットボットに回答させるには、膨大な分岐と果てしない数のFAQが必要になります。
結局それを実現することはできず、チャットボットが答えてくれないからメールや電話で問い合わせする学生が増え、「ならば直接回答した方が早い」と従来型の対応に舞い戻っていきました。
なるほど。かなり苦いご経験になったかと思うのですが、なぜそこから再度チャットボットに期待を持てたのでしょうか?
蘆田様:大きな転機は、全学的にTeamsの普及・活用が進んだことです。学内でのコミュニケーションがTeamsに集約されたことによって、様々な新しい糸口が見えてきました。
そのタイミングで、PKSHAさんから、Teamsと連携したチャットボット(PKSHA AI Helpdesk for Microsoft Teams)の提案をいただき、それであれば話を聞いてみようとなったのがきっかけです。
特に魅力的に感じたのは有人連携の部分で、チャットボットが回答できなかった際にそのままスムーズに有人対応に引き継げるため、定型的な質問もパーソナルな質問も同じ窓口から受け付けられる点が素晴らしいと感じました。 また、有人対応の履歴がデータベースとして蓄積されるので、これまで見えていなかった学生のニーズが可視化できると考え、前向きに検討することとなりました。
将来を見据えた取り組みを進めていくパートナーとして、PKSHAを選定
Teamsとの連携が再検討のきっかけになったとのことですが、最終的にPKSHAを選んでいただいた理由としても、Teams連携が決め手になったということでしょうか?
久保様:もちろんそれもありますが、一緒にプロジェクトを進めていくパートナーとして信頼できたというのも大きなポイントでした。
鈴木様:システムありきではなく、本学の現状を踏まえた上で、今後どうしていくべきかという提案を行っていただけたのが印象的でした。営業活動というより、まるで自社の課題のような熱意をもって取り組んでいただけたので、長く付き合っていくイメージがすぐにできました。
久保様:全学展開やマーケティングへの活用など、常に先まで見据えた提案をしていただけますし、実現までのステップも明確にしながら並走してくださるので、非常に頼れる存在でした。
導入後のPKSHAのフォロー体制についてはいかがだったでしょうか?苦労した点などもお聞かせいただけると幸いです
久保様:運用開始までかなり密にフォローいただきました。1月から検証、4月に導入というかなりタイトなスケジュールだったのですが、完璧な進捗管理で予定通り進めることができました。
櫨山様:導入後に関しても本学や各課の課題に寄り添った提案やフォローをしていただけるので、とても助かっています。
久保様:苦労した点としては、やはり全学の意識を変えていくところです。過去の失敗もあったことから、業務効率化だけではなかなかチャットボットの導入や活用に対してポジティブなイメージを持ってもらえませんでした。しかし、そこから蓄積したデータをマーケティングにおける基礎データとして活用するなど、チャットボットにより収集した「データの利活用」にフォーカスして、学内の理解を得られるよう進めてきました。
入学から就職まで、全ての段階で学生サポートするパートナーに
リリースから少し時間が経ちますが、現在はどのような成果が出ているのでしょうか?
鈴木様:期待していた以上に学生の声がかなり集められるようになりました。数字で言うと、学生からの問い合わせ数はチャットボット導入前の前年と比較して460%となっており、かなり気軽に問い合わせができるようになったのではないかなと思います。ここは学生ニーズのデータ収集を行うという達成目標は十分超えた成果が出たと考えています。
また、問い合わせ数がここまで大きく増えたにも関わらず、有人対応の件数は前年の80%ほどに落ち着いており、効率化の点でも大きな効果が出ています。
学生からの問い合わせが大きく増加したとのことですが、問い合わせ内容が可視化されるなかで、印象に残る問い合わせなどはありましたか?
鈴木様:通信教育課程の学生から、入学直後のタイミングで食堂に関する問い合わせがあったのが印象的でした。
そもそも通信教育課程の学生は大学に来ること自体少ないので、食堂に関する質問をすることが意外だったのはもちろん、入学直後のタイミングで食堂が気になるんだというのも驚きでした。
入学直後は履修に関する不安でいっぱいかと思っていましたが、履修に関する不安と同じくらい、大学生活を楽しみにしているということなんでしょうね。
食堂の使い方なんて、わざわざ電話やメールでは聞いてこないような質問ですから、こういった些細な悩みが見えるようになったのは非常によかったなと思います。
ありがとうございます。既に効果が見えているとのことですが、直近でさらに狙っている成果などはありますでしょうか?
鈴木様:まずは、問い合わせ窓口として学生の利用者数を拡大していきます。現在は通信教育課程での認知率8割、利用率は4割といったところですが、まずは利用率8割まで上げていきたいと考えています。
久保様:まだ問い合わせ窓口がチャットボットも含めメール、電話、対面カウンターなど複数チャネル存在していることはユーザー側にとっても煩雑だろうという課題を感じています。ので、まずは窓口を集約し、定型的な回答で十分な問い合わせについてはすべてチャットボットで対応できるようにしたいと考えています。
そして、通信教育課程での成果をもとに、AIヘルプデスクを全学に広げていき、全学の3割ほどが利用してくれる状態を目指します。留学生の利用率も上げていきたいですね。
最後に、長期的な目線でAIをどのように活用していきたいとお考えでしょうか。もし今後の展望などあればお聞かせください
鈴木様:単に問い合わせと回答のやり取りだけで終わるのではなく、LMSや他のオンラインツールと連携した、オンラインキャンパスの入口として機能することを目指したいです。
久保様:学園の中長期計画を立てるうえで、チャットボットで蓄積したデータをマーケティング活動につなげていきたいです。
また、学生の問い合せや大学との窓口のハードルを下げることで、日常の問い合わせ機能をチャットボットに集約し、そこから感情を読み取って、学生のケアができたらと思っています。こちらから学生側にヒアリングなどもできるといいですね。
櫨山様:チャットボットで蓄積したデータを学内で共有し、入学から就職まで全ての段階で学生サポートや満足度向上につなげていけたらと思います。単なるチャットボットや問い合わせ窓口ではなく、在学中の生活を伴走してくれるような存在を目指したいです。
ありがとうございました!
社名 | 京都橘大学 |
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事業内容 | 教育、学習支援 |
創立 | 1902年(明治35年) |
URL | https://www.tachibana-u.ac.jp/ |
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