株式会社シグマクシス様
コーポレート部門全体での問い合わせ数の大幅な削減を実現し、全従業員の約70%が利用するツールへ
導入サービス | PKSHA Chatbot |
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業種 | コンサルティングファーム |
活用対象 | 一般ユーザー |
導入目的 | 従業員からコーポレート部門への問い合わせ対応を効率化する |
テクノロジーマネジメント ワーク環境 Senior Manager 長谷川 めぐみ様
テクノロジーマネジメント インフラ Principal 田中 康道様(オンライン参加)
会社、ご担当者様の紹介
会社概要について教えてください
田中様 2008年設立のコンサルティング会社です。2021年3月時点の社員数は約560名になります。
お二人はどのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?
長谷川様 「テクノロジーマネジメント」という、いわゆる情報システム部門にインフラ、アプリケーション、ワーク環境という3つのチームがあるのですが、私はワーク環境チームのリーダーです。
ヘルプデスクや、PC・iPhoneなどのデバイスの管理・運用保守など、社員がパフォーマンス高く執務できるIT環境整備に関わる業務全般を担当しています。
田中様 私はコンサルタントとしてお客様向けのデリバリー活動を行いながら、テクノロジーマネジメントでインフラチームのリーダーを兼務しています。
具体的にはネットワークやサーバ、クラウドサービス、システム連携、セキュリティなどを管轄しています。
お二人のPKSHA Chatbotへの関わり方を教えてください
長谷川様 日々のメンテナンスに加えて、BPKSHA Chatbot全体の運用責任を担っています。
田中様 私は、モバイル端末でのPKSHA Chatbot利用や、社内システムとの連携などのインフラ関係をメインに担当しています。
PKSHA Chatbot導入前の課題
PKSHA Chatbot導入前の問い合わせ体制について教えてください
長谷川様 コーポレート部門では、各部署の担当者が電話とメール、ビジネスチャット、口頭での会話の4つのチャネルで問い合わせ対応をしていて、かなり煩雑な状態でした。
どのような問い合わせ内容が多かったですか?
長谷川様 各部署で異なりますが、例えばテクノロジーマネジメントには「パソコンが壊れた」「iPhoneの電池が持たない」「液晶が割れた」などの問い合わせがよく来ます。
ハードウェア系以外では「システム連携が上手く動作しない」「システムにログインできない」等が多いです。問い合わせ内容、件数、タイミングともに課題がありました。
課題 ①:リアルタイムかつ迅速な問い合わせ対応が難しいタイミングがある
長谷川様 コロナ禍前は、海外を含めお客様先に常駐している従業員が多く、彼らはお客様の業務時間に合わせての執務のため、弊社の業務時間外に問い合わせが発生するケースもありました。特に遅い時間に受けた質問への対応は、どうしてもタイムラグが発生してしまっていました。
また、各部署とも問い合わせ対応以外の業務もあるため、繁忙期などには、突発的な質問にリアルタイムで対応できないケースもありました。
課題 ②:社内情報サイトのコンテンツを参照する前に問い合わせが行われる
長谷川様 社内ポータルサイトに、各部署から社内手続きに関するガイドラインやFAQを掲示し、案内もしているのですが、それらを参照せずに問い合わせるというケースが少なくありませんでした。
課題 ③:異なる従業員がそれぞれ同じ問い合わせを行っている
長谷川様 一番課題を感じていたのは、同じような問い合わせを様々な社員から受けるということでした。その都度仕事を中断して対応するため全体としての業務効率が上がらず、改善しなければという思いが強くありました。
導入までの流れ
まずはPKSHA Chatbot選定の理由を教えてください
長谷川様 導入前に複数製品を使ってみたのですが、管理画面の操作やメンテナンスにプログラミング知識が必要なものは候補から外しました。
候補に残ったBEODREのPoCを3ヶ月実施し、導入の意思決定に至りました。主に3つの理由からです。
① 管理機能が充実しており、誰でも難なくFAQをメンテナンスできる
② 自然言語処理において重要な辞書が多く備わっており、他社製品サービスより少ない学習データで精度向上が期待できる
③ 導入企業の実績が多い
導入にあたってまずは何をされたのでしょうか?
長谷川様 各部署から代表者を出してもらい、PKSHA Chatbotに関する説明会を実施したうえで部署ごとのFAQを作り出すという形で進めました。
FAQを作る際の苦労等はございましたか?
長谷川様 もともと社内ポータルサイトにある程度FAQコンテンツを掲載していたため、それらを整理する形で作業を進められ、特に苦労した点はありませんでした。
最初から網羅的に全部のFAQを作り切ろうとすると大変だと思いましたので、まずは効果がありそうな必要最低限のものだけ準備するというスタンスで進めました。例えば、オフィスの使い方や給湯器の操作方法、文房具の場所や、宅急便の出し方など、作りやすくかつ利用されやすいものから着手していきました。
また、データの準備もExcelのフォーマットに入力する形だったため、問題なく進められました。
FAQを作る際の苦労等はございましたか?
長谷川様 もともと社内ポータルサイトにある程度FAQコンテンツを掲載していたため、それらを整理する形で作業を進められ、特に苦労した点はありませんでした。
運用、活用方法について
現在のPKSHA Chatbotの利用方法について教えてください
田中様 リリース当初は、社内ポータルサイトのトップページにだけ表示していましたが、利用率が上がったこともあり、現在は表示範囲を広げ全てのページでチャットウィンドウ(質問する窓口)を表示しています。
どのページを見ていても、すぐにチャットボットに聞ける表示構成になっています。
長谷川様 チャットボットのアイコンは、弊社のキャラクターである「シグマくん」を採用しています。親しみやすいキャラクターにすることで、より聞きやすい雰囲気を演出するようにしました。
全コーポレート部門のFAQが登録されているとのことですが、メンテナンスはどのよう行っているのですか?
長谷川様 ビジネスチャットで各部署のメンテナンス担当者のチャンネルを作り、そこでコミュニケーションを取りながらメンテナンスを行っています。基本的には各部署1〜2名が運用を担当しています。
具体的には、月1回の回答の見直しを行っています。管理画面から「上手く答えられていないログ」をCSVでダウンロードして、クラウドストレージに格納のうえ、前述のチャンネルに共有しています。 各部署の担当者はそのログを見て、不足しているFAQを追加したり、回答を修正したりして、次回以降正しい回答が返せるようチャットボットに学習させています。
各部署ごとに不足しているFAQを作成しているとのことですが、重複チェック等の工夫はなにかされていますか?
長谷川様 複数部署で追加することにより、FAQの二重作成が発生することはありますが、足りないよりは良いという判断で、まずは各部署が不足していると判断したFAQはどんどん追加しています。
毎月の見直し時に、ログと合わせて格納されているFAQも担当者と共有しているので、そのタイミングで重複チェックをする運用にしています。
また、新システムの導入やPCの入れ替えなど、一時的に問い合わせが増加することが見込まれる際には、予め関連したFAQを拡充して登録しています。
みなさん、最初から高いモチベーションでPKSHA Chatbotのメンテナンスをされていたんですか?
長谷川様 最初は効果がどのぐらいあるのか分からなかったため、「とりあえずやってみる」という雰囲気でした。毎月PKSHA Chatbotの利用状況のレポートをビジネスチャットで共有して「予想以上に使われていますよ」というアピールを根気強く行いました。
また、利用率の高まりに比例して、問い合わせ対応が効率化されていることを体感できたことも大きかったと思います。
利用率を高めるための施策はなにをされましたか?
長谷川様 リリース初月は物珍しさもあって、多くの社員が利用していましたが、2ヶ月目以降からは少し低迷しました。
特に、当初は想定していなかった質問が一定数あり答えられなかったことで、「あまり賢くないね」と思われたようで、2回目以降なかなか利用されないという状況でした。
そこで、ビジネスチャットの全社員向けチャンネルで、毎月アナウンスを実施しました。過去に答えられなかった質問への回答を追加したことを書いたところ、日々メンテナンスされていることが伝わったのか、それ以降利用数がとても伸びました。
効果について
現在の利用者について教えてください
長谷川様 毎月増加傾向にあり、現在の利用数は190名くらいです。従業員数(560名)を母数とした場合の利用率は約34%になります。
おそらく質問しない従業員もいると思いますので、仮に半分の人が質問すると計算した場合の利用率は68%程度で、非常に浸透していると思います。 特に、入社して間もない社員が利用している印象があります。
社歴が浅いと周りの人に聞くハードルが高いと思いますが、初歩的な質問でもチャットボットには気兼ねなく質問できるのだと思います。新卒はもちろん、経験者採用の社員も毎月入社するので、従業員満足度の観点からも役立っています。
正答率について教えてください
長谷川様 リリースしてから70%〜80%をキープしています。 利用者数が伸びてきているので、より幅広い質問がくるようになっていますが、高い水準で維持できていると思います。
途中、利用数向上のためにプロモーションを行った際に、普段利用していなかったユーザーが増えて、一次的に下がった時期もありましたが、溜まったログをもとに継続的に改善したことで従来の水準に回復してきました。
問い合わせ数の削減効果はいかがでしょうか?
長谷川様 リリースしてから70%〜80%をキープしています。 利用者数が伸びてきているので、より幅広い質問がくるようになっていますが、高い水準で維持できていると思います。
その他の効果があれば教えてください
長谷川様 チャットボットという1つのシステムをコーポレート全体でメンテナンスしていくプロセスの中で、部署横断の連携が強固かつスムーズになったように思います。
田中様 弊社では社員の自立・自律を重視していますが、忙しいからといってコーポレート部門に何でも頼るのではなく、自ら効率良く見つけ出すという、自立と自律の基本動作の一助となっていると思います。
今後の展望
今後のPKSHA Chatbotの活用方針について教えてください
長谷川様 社内ポータルサイトにもFAQページがあるのですが、操作性の難度からメンテナンスできる人が限られているという課題があります。 PKSHA Chatbotの利用率がかなり伸びてきているので、FAQコンテンツはPKSHA Chatbotに統一する方針で検討しています。
PKSHA Chatbotの場合は、管理画面からFAQを作成することも容易ですし、CSVによる一括取り込みができるので、Excelさえ使える人であれば誰でもメンテナンスができるため、業務効率が向上し、これによる社内の情報アクセスに対する満足度向上が期待できます。
現在はWeb画面で利用していますが、インターフェイスを拡張する予定について教えてください
長谷川様 やはり、ビジネスチャットとの連携はしていきたいです。
PKSHA Chatbotを導入した当初は、ビジネスチャットも導入したてで、それぞれの運用ルールの整備中だったり、浸透率が低かったりしていたので、見送っていました。
しかし、現在はほぼ全従業員がビジネスチャットを利用しているため、改めて検討しています。
メール送信機能も活用していきたい
長谷川様 最近リリースされたメール送信機能も検討しています。現在はチャットボットに回答がない場合は、ユーザーの抱える問題が解決しないまま終わってしまっています。次フェーズは、そこから該当業務の担当者にメールを送るような仕組みを作って解決に導くことで、より利用率が向上するのではと期待しています。
最後に
PKSHA Chatbotに期待することがあれば教えてください
長谷川様 先日、PKSHA社主催のセミナーに参加させていただいて、最新機能の説明や活用方法を知ることができたので、非常に助かりました。
これからもセミナー等を通じて、ナレッジを共有していただけるとありがたいです。
改めて、最後にチャットボットの成功の秘訣を教えてください
長谷川様 FAQの拡充を継続的に行うことです。
そのためには、より少ない工数で継続的にFAQが追加されるような運用にすることが大事です。
弊社の場合は、現時点では管理画面から「上手く回答できていないログ」をCSVでダウンロードして共有し、担当者ごとに随時追加するという運用に落ち着いています。
また、活用状況を見える形で共有するなど、担当者が品質向上を維持するためのインプットを継続的に行っていく工夫も大切だと考えています。
取材:2021年3月
社名 | 株式会社シグマクシス |
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事業内容 | コンサルティング、事業投資 |
設立 | 2008年 |
URL | https://www.sigmaxyz.com/ |
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