三菱商事株式会社
全従業員への展開、Digital Workplace構想で余白時間を作り出す
導入サービス | PKSHA Chatbot |
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業種 | 総合商社 |
活用対象 | 一般ユーザー、社員 |
導入目的 | 社内問合せ対応業務の効率化、全社の生産性向上 |
ITサービス部 部長代行 兼 インフラチームリーダー:河原 義徳 様
ITサービス部 ITインフラチーム:山崎 由加里 様
※2021年度の所属部署、役職になります
会社、ご担当者様の紹介
会社概要について教えてください。
三菱商事は、世界約90の国・地域に広がる当社の拠点と約1,700の連結事業会社と協働しながらビジネスを展開しています。 天然ガス、総合素材、石油・化学ソリューション、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発の10グループ体制で、幅広い産業を事業領域としており、貿易のみならず、パートナーと共に、世界中の現場で開発や生産・製造などの役割も自ら担っています。
みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?
ITサービス部では、ITインフラの整備やシステム開発に加え、業務プロセスや既存ビジネスのデジタル化推進をミッションとしています。また、三菱商事グループや海外現地法人のへのサポートも一部行っています。
三菱商事のDigital Workplaceについて
情報・知恵・人的ネットワークをデジタル化し、個人の構想力を引き出す Digital Workplace 構想
河原様 もともと弊社では2015年頃から「情報・知恵・人的ネットワークをデジタル化し、個人の構想力を引き出す環境づくり」をミッションに掲げており、3〜4年ほど前から「Digital Workplace構想」として本格始動しました。本プロジェクトは事業を構想、実行するための余白時間を作り出すことをコンセプトとしており、あらゆる業務の細かい作業をデジタルに置き換えられないか、日々模索しています。プロジェクトの立ち上がり当時は、クラウドサービスを活用していく時代になった今、各部署でどのように業務効率化できるのかを検討していました。
山崎様 「Digital Workplace構想」により、足元で業務のデジタイズが少しずつ推進されていきましたが、新型コロナウィルス の感染拡大の影響で、在宅勤務体制を取り入れたことが追い風となり、デジタイズの動きが更に加速しました。
既存検索システムからのリプレイス
業務環境の多様化にともないFAQの需要・期待値が増加
山崎様 実はこれまでもAIエンジンを使った社内FAQの検索システムは導入していたんです。 高性能なエンジンのおかげで、膨大なFAQからユーザーが求める回答を一定の精度でヒットさせることに成功していました。
既存の検索システムで問合せ対応業務は十分行えていたものの、 在宅勤務の開始をキッカケに、自己解決ツールとしてのFAQの需要や期待値が高まり、下記のような検索システムに対する課題への取り組みとして、リプレイスの検討が始まりました。 勿論、背景にDigital Workplace構想のコンセプト「事業構想や実行の余白を作る」があったことも大きいです。
① ユーザーは自然文検索も単語検索も行うため、双方の検索に精度高く回答できる仕組みが必要
② 増加し続けるFAQと問合せに対して、効率的に回答精度を向上するチューニング手段が必要
半年間のPoCを経て、10社コンペから精度・運用性・拡張性の観点でPKSHA Chatbotに決定
各社システムにて同じ状況を構築、統一したデータによる入念な検証を実施
河原様 まずは10社程度リストアップして、打ち合わせ内で機能比較やそれぞれの課題を整理し、最終的に2社(PKSHA Workplaceと他社1社)まで絞りました。そして、今回最も重視していた精度比較をそれぞれで実施し、その結果をふまえPKSHA Chatbotを選びました。
山崎様 PoCの実施体制や特に注視したポイントは、「言語処理能力の高さ」「学習チューニングの運用性」「機能の拡張性」の3点です。
従来抱えていた課題から、回答精度を向上に繋がる「言語処理能力の高さ」「学習チューニングの運用性」は特に重視しましたし、 中長期的な活用を視野に「機能の拡張性」も考慮しました。 そのため、可能な限り既存システムと同じデータや状況でPoC環境を構築し、本番導入時の使用イメージや運用像を固めながらPoCを行 い、回答精度を精緻に測定しました。
初期時点での圧倒的な精度、更なる精度向上に向けた改善機能の充実性が決め手に
山崎様 PoCの結果、高い回答精度を確認できたPKSHA Chatbotを導入することを決定しました。 定量的に高い精度を確認できたことに加え、これを裏付ける言語処理能力や学習機能といった定性的な情報についても納得感をもって理 解できたことも要因の1つです。
また、機能面でもQAのカテゴリ内検索(人事、総務、ITインフラ等)が可能であったり、PC・モバイルのWebブラウザに加えてTeamsとも連携可能であったりと、端末や環境を選ばず、ユーザーの多様な利用シーンに柔軟に対応できる「ユーザビリティの高いシステム」を構築できると考えました。
さらに、弊社認証基盤システムとの連携によりシングルサインオンが実現できる事も大きなポイントでした。
こだわりが詰まったAIチャットボットの詳細について
洗練されたWebサイト、チャットウィンドウの動線・デザインを設計
河原様 今回はチャットボットだけでなく、チャットボットを設置する専用のWebサイトも併せて作成いただきました。選定理由のとおり、ユーザビリティが高いシステムを構築する事は導入にあたり重要事項でした。優れた性能を持っていても使われないと意味がないため、様々な環境からアクセスできる事に加えて、感覚的に使用できるUIを目指し、シンプルなデザインや操作性にカスタマイズしたWebサイトを作成したかったんです。
社内ポータルにログインすると上記のようなWebサイトにアクセス可能となり、ここからFAQを検索していく流れです。
社員の機会損失削減を見据えたストレスフリーなUIへ
河原様 Webサイト作成時のUI設計には議論を重ねました。1クリックでも早く回答にたどり着き問題を解決することが社員の機会損失を削減すると考え、ストレスフリーなUIとなるよう心がけました。
山崎様 「1クリックでも早く回答にたどり着く」ことに対しては、例えば、一般的には左から右に文章を読み進め、わからない場合は再度検索しますが、右下で視点が終わると考えて画面右側にチャットウィンドウを設置した方が良いという結論に至りました。それ以外にも、回答候補が何件表示されれば一番ストレスが少ないか、など、細かく話し合いましたね。
河原様 また、弊社認証基盤システムとシングルサインオンを実装するための条件としてSAML認証が必要だったため、実装方法の検討は時間をかけて行い、想定外の挙動が発生した都度調査と変更対応を行いました。その際も丁寧にサポートいただき、とても助かりました。
オリジナルキャラクターのBRIGHT(ブライト)についても教えてください!
河原様 名前、デザイン、チャットウィンドウトップのロゴは、全てプロジェクトメンバーが考えて生み出してくれたものをそのまま採用したんです。
山崎様 特にキャラクターの名前は、メンバーのみんなでアイディアを何個も出し合って、最終的に「BRIGHT」に決まりました。「BRIGHT」には聡明という意味もあれば、輝きという意味もあるので、このFAQシステムにぴったりなものとなりました!
リリースから約2ヶ月で月間3,000~3,500名の利用者数
山崎様 特別なことはしておらず、長年の草の根活動だと思っています。まず電話で問い合わせる前に自己解決をしようというキャンペーンは、チャットボットの導入前からあらゆるシーンで社員の皆さんに伝え続けてきました。これまでインフラ関連のお知らせを通知する際も、必ず「まずはヘルプデスクページをご参照ください」と徹底してきたので、その結果もあって、現在コールセンターへ直接問い合わせする前に自身で調べてくれている方が8割を超えているんです。
リリース後の変化・PKSHA Workplaceによるサポートの印象とは
試行錯誤の末に作成したAIチャットボットにより、ユーザーのアンケート回答率も1%~約10%へ大幅UP
山崎様 回答文とセットで表示されるアンケートへの回答率が、以前より非常に向上しています。以前のチャットボットでは全体の1%程度でしたが、まだリリースをしてそこまで時間が経っていない中で、すでに約10%の回答率となっています。ユーザーからのフィードバックをもとに精度改善に向けたチューニングができるので、ここはさらなる向上を目指していきたいです。
やはり、こだわりの詰まった分かりやすいUIや、親しみやすいキャラクターデザインが大きく起因しているのではと推測していますね。
運用方法や新機能提案において、スピーディかつ丁寧なサポートを実感
また、PKSHA Workplaceのサポートにつきましても、要望や課題に柔軟かつ迅速にご対応頂き非常にやりやすく感じています。システムの運用方法のご相談にも手厚くサポートいただいたおかげで、本番導入をスムーズに迎えられたと思います。
今後も引き続きサポートいただくとともに、積極的な新しい機能のご提案などをいただけることを期待しています。
三菱商事が目指すチャットボットの未来
経費精算、ワークフローの申請〜承認を自動化し、チャットボットをコンシェルジュのような存在へ
河原様 検索精度の更なる向上に加え、定常業務の効率化に寄与できるようなコンシェルジュとしての機能拡張を検討しています。QA案内だけでなく、チャットボットがユーザー作業をサポートし、生産性の向上に繋がることを目指していきたいですね。例えば、経費精算の申請をチャットボット上で受け付けることができる等、対話型の機能を活かした活用法も取り入れていきたいと考えています。
また、それ以外にも様々な社内システムとの連携を検討しており、その最初の取り組みとしてワークフローシステムとの連携を進めています。ワークフローの申請承認時、承認者がチャットボット経由で未承認リストを確認できる仕組みを想定しており、実装できれば、申請者、承認者双方に大きなメリットを感じてもらえると感じています。
あとは現状リリース済みの専用Webサイトに加え、今後Teamsでの公開も控えているので、他インターフェースで問題なくリリース、運用していくことも目標としています。
最後に一言お願いいたします。
今回の導入検討にあたり、既存チャットボットや他社製品と比較し、PKSHA Chatbotは、 弊社の抱えていた課題を解決するだけでなく、その後の活用も期待できることから正式導入に至りました。 今後も、サービスの持つ機能拡張性や発展性を活用し、継続してユーザー利便性の向上を進めていきたいと考えております。
以上、ありがとうございました。
社名 | 三菱商事株式会社 |
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事業内容 | 天然ガス、総合素材、石油・化学ソリューション、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発 |
創立 | 1954年7月1日(設立1950年4月1日) |
従業員数 | 連結:80,728名 単独:5,571名(2022年3月31日現在) |
URL | https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/ |
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