株式会社ジェーシービー
対話ログでいち早くお客様の声を察知、各サポートチャネルにおける顧客対応を改善
導入サービス | PKSHA Chatbot |
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業種 | クレジットカード |
活用対象 | 一般ユーザー |
導入目的 | お客様の自己解決リソースの拡充、お問い合わせ対応の自動化 |
コミュニケーション本部 コミュニケーション企画部 次長 棗 満佐子氏
コミュニケーション本部 コミュニケーション企画部 支援推進グループ 千葉 成次氏
お客様のご要望の多様化に対応したい
JCBでは現在、どのようなビジョンを掲げていますか?
棗様 当社では、「世界にひとつ。あなたにひとつ。」というブランドメッセージを掲げ、世界で加盟店約3,500万店、14,000万会員以上の方々にご利用いただいています。現在は、2021年度より新しく策定された中期経営計画【Plan 2024】を実現するため、デジタル化やキャッシュレス決済など日々変化するお客様のライフスタイルに応えるサービスを提供することを目指しています。
お二人はどのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?
棗様 私たちコミュニケーション本部はコンタクトセンターを運営するコミュニケーション推進部と、Web・紙メディアを制作・運営するメディアデザイン部、そして私達が所属するコミュニケーション企画部に分かれ、お客様とのコミュニケーションをより円滑にできるよう、企画・運営しております。
コミュニケーション企画部では、お客様とのコミュニケーションチャネルにおけるCXの向上を目指し、課題改善策の実行や新たなコミュニケーションツールの導入・設計などを担当しています。具体的には、コンタクトセンターに寄せられたお客様の声の量や動向、およびその内容についてテキストマイニングツール等も駆使して分析し、社内の様々な部署と連携しながら、改善・検証等を実行しています。
千葉様 私のミッションは、自己解決を望むお客様へ、不足なく、わかりやすいコンテンツを提供することです。その中でPKSHA Chatbotのメイン運用担当として、チャットボットの整備や管理を担っています。チャットボットに新しいFAQやシナリオを追加し、より的確な回答ができるよう調整することも私の仕事です。
PKSHA Chatbotを導入する前、コンタクトセンターではどのような課題を抱えていましたか?
棗様 チャットボットの導入を検討し始めた2016年当時、お客様の「電話離れ」が進んでいると言われているにも関わらず入電量は減少せず、さらに採用難からコールセンターにおける人材確保が困難、という課題を抱えておりました。
そこで、「電話が減らないのはなぜか」を確認するために、お客様に「困った時の解決方法について」アンケート調査を実施してみると、お客様は事前にWebを調べ、疑問が解決できなかったため、電話でお問い合わせしていることが分かりました。必ずしも電話をかけたくてかけているわけではないのです。
お客様の困りごとを、Webでデジタルに解決するツールを提供できればお客様の満足度向上と入電数の減少につながると考え、チャットボットを検討し始めました。
PoCでABテストを実施し、お客様の受容度を確認
コンタクトセンターの課題を解決するため、どのような基準で対話エンジンを選定しましたか。
棗様 最初は15社ほど幅広に比較していましたが、機能性などの比較でPKSHA Chatbotともう一社の2つのチャットボットに絞り込み、社内でトライアルしました。トライアルでは、操作方法のチェックから、回答精度、運用のしやすさなどを確認させていただきました。
その結果、チューニングなど運用にかかる工数に大きく差があることが分かりました。PKSHA Chatbotはもう一社のチャットボットと比較し、10分の1程度の運用工数でメンテナンスできたのです。もう一社のチャットボットは、CSVファイルですべてのデータをダウンロードしてチューニング作業をする必要があるのに対し、PKSHA Chatbotは管理システム上でクリックしていくだけで運用が可能でした。
多くのサービスの中から、PKSHA Chatbotを選定した一番の決め手は?
棗様 当時はまだチャットボット黎明期だったにも関わらず、機能性が高く誰でも使いやすい管理システムが備えられていたことです。当時は今ほどチャットボットが普及していなかったこともあり、システムやプログラム、チャットボットに精通した人でなければ扱えない製品が多かったようです。
その中で、PKSHA Chatbotは抜群の機能性でした。先程述べたとおり、運用性能の良さが際立っていたのです。
PoCではどのようなことを行いましたか。
棗様 社内でのトライアルを経て、チャットボットの選定はPKSHA Chatbotでほぼ内定していました。あとはお客様の反応を確認する必要があると感じ、実環境でお客様に実際にお使いいただき、検証を行いました。
1~2ヶ月間の間、ABテストツールを利用して一部のお客様だけにPKSHA Chatbotを表示し、実践での精度やお客様の受容度合いについて検証を行いました。
その結果、自己解決率は81%を超え、「今後もチャットボットを使いたい」というアンケートに「はい」と答えたお客様も80%を超えました。いずれも当社が事前に決めていたクリア条件を超えていたため、本格的に導入することになりました。
自己解決促進とお客様の声を収集するツールとして活躍
導入後、PKSHA Chatbotをどのように活用されていますか。
千葉様 現在は合計8カ所に設置しています。カードサイトのトップページ、そしてお問い合わせページの2ヶ所が主要な掲載先で、他にもお問い合わせが発生しやすそうなページに選択的に設置しています。
棗様 弊社では、お客様の困りごとに対応するコミュニケーションツールとして、FAQとチャットボットを導入していますが、それぞれのツールを利用されるお客様には行動の違いがある、と考えています。
FAQサイトに来られる方は検索サイトの検索結果から直接ランディングされる方が多いのですが、PKSHA Chatbotを使う方は、JCBのWebサイトを訪れてから必要な情報を探す際に利用されています。
チャットボットはJCBのWebサイトに来られて、何か情報を探したいお客様に対して、的確に情報を提供して自己解決に導くのに最適なツールだと考えています。
千葉様 お客様の声を拾うツールとしても価値が高いと感じます。FAQサイトだと、お客様がFAQを参照されたことはわかるのですが、具体的にどうして見られたのか理由を読み取ることが難しいのです。
チャットボットの場合、お客様が一度回答を見た後に追加で具体的に「これこれを知りたい」という入力をしてくださるので、お客様の意図の読み取りがしやすいのです。
導入後、どのような成果が現れましたか?
棗様 カスタマーセンターの呼量はそれほど大きく変わってはいません。しかし、これまで「電話をかけて問い合わせるのは面倒だ」と問い合わせずに離脱していたお客様に対して、問い合わせをしていただける接点を増やすことができたのは大きな効果だと感じています。
チャットボットに入力されるテキストから、お客様の動向を素早くキャッチできるため、新しい問い合わせ傾向の把握や、異常検知にも非常に役立っています。また、テキストデータで蓄積されるため、定性ではなく定量で傾向が把握できることも価値が高いと感じています。
最近では、マイナポイント事業に関する問い合わせが急増しましたが、こうした新しい問い合わせはコールセンターとチャットボット、どちらも同じ時期に増加する傾向があります。しかし、電話でのお問い合わせはテキスト化して分析するまで時間がかかるのに対し、チャットボットはお客様の入力がテキストとして残るので、素早く分析してコールセンターに「こういうマニュアルを追加してはどうか」というフィードバックが可能になります。
千葉様 弊社サイトのページに不具合が発生しているような場合も、お客様が具体的にどのページでどんな問題が起きているか入力してくださるので、問題をいち早く発見し、素早く修正することができます。
運用面で最も助かっているのはどのようなことですか。
千葉様 お客様の動向をリアルタイムにキャッチアップできることです。
例えば、「マイナポイント事業」への参加を公表後、チャットボットへ様々なお問い合わせをいただきました。事前に、問い合わせが予想される内容については回答を用意していたものの、それら以外にも、多種多様なお客様の関心やニーズがあることがチャットボットとの対話のログからわかったのです。そこで、チャットボットへ回答を追加することで、お客様の自己解決に寄与することができました。
つまり、チャットボットに寄せられる質問の量、内容をチェックすることで、いまお客様が必要としている情報や関心ごと、ニーズを素早くキャッチし、すぐに対応できるようになったのです。これは導入前には気づかなかった大きなメリットで、このおかげもありPKSHA Chatbotはいまやなくてはならない存在になっています。ウェブへのアクセスとは違い、チャットボットはお客様の要望がすべてテキストで可視化されます。その結果、リアルタイムで起こっていることを具体的に把握できるようになったことは、非常に意義のあることでした。
毎朝1時間の運用でチューニングが完結
日々、どのように運用していらっしゃいますか。
千葉様 チャットボットのチューニングについては、日々お客様から寄せられたお問い合わせのうち、正しい答えが返せていない質問を抽出し、正しい回答を紐付けて再学習させることで精度を高めています。正しい答えが返せていない対話、つまり、お客様が「お役に立ちましたか」というアンケートに対して「いいえ」とフィードバックいただいた対話はPKSHA Chatbotが自動的に抽出してくれるので、クリックベースで正しい回答に紐づけていくだけでチューニングが完結できます。
また、「いいえ」とアンケート回答いただいた対話の中には、回答すべきナレッジが不足しているケースもあります。このような場合、一旦正しい回答との紐付けを保留し、月に一回程度保留した対話を見直しています。そして、一定の問い合わせ数が発生しそうな質問を抽出して新しい回答を追加しています。
PKSHA Chatbotはチューニングが必要な部分だけを提示してくれるので、毎朝1時間程度その通りに対応するだけで日々の運用が済んでしまいます。
それ以外に、全体の解決率や正答率は日次でチェックして、日報に記録しています。PKSHA Chatbotのダッシュボードでこれらの数字はすぐに取得できるので、日次でも負荷はありません。
棗様 運用工数が1日1時間程度で済んでいるのは大きいと感じています。PKSHA Chatbotは他社の10分の1くらいの工数で済むため、新しいシステムを導入するときにつきものの運用フローが煩雑で結局使わなくなってしまうといった事態に陥らずスムーズにオンボーディングできました。
今後の展望は。
棗様 PKSHA Chatbotの設置場所を増やし、より多くのお客様にご利用いただきたいですね。そして、チャットボットに寄せられるお問い合わせの声をもとにお客様の困りごとやニーズにきめ細やかに対応することを通じて、CX向上に貢献できたらと考えております。
社名 | 株式会社ジェーシービー |
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事業内容 | クレジットカード業務、クレジットカード業務に関する各種受託業務、融資業務、集金代行業務、前払式支払手段の発行ならびに販売業およびその代行業 |
設立 | 1961年1月25日 |
従業員数 | 4,389名※時給制契約社員(サポーティブ・アソシエイト職)を含む(2022年3月末現在) |
URL | https://www.jcb.co.jp/ |
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