株式会社クレディセゾン
継続的改善で自己解決率を12%向上、チャット型対話エンジンでコールセンターのDXを推進
導入サービス | PKSHA Chatbot |
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業種 | クレジットカード・金融 |
活用対象 | 一般ユーザー、オペレーター |
導入目的 | 定型的問い合わせの自動化、およびDXの推進 |
東京インフォメーションセンター デジタルコンタクトチームの皆様
コールセンターのDXを目指しデジタルチームを発足
みなさまの現在のミッションや業務内容は?
当社は「顧客満足主義の実践」「取引先との相互利益の尊重」「創造的革新の社風創り」の3点を軸に、お客さまやお取引先様に様々な価値を提供し、貢献することをミッションとしています。
当社は全国約60ヶ所のセゾンカウンターや、東京・大阪にあるインフォメーションセンターなどを擁し、有人によるヒューマンタッチを得意としてきた会社です。現在、セゾンカウンター、インフォメーションセンターでは合計2,000人体制でお客さまに対応しています。
私達が所属する東京インフォメーションセンターは、クレディセゾンにご契約いただいているお客さまのお問い合わせを受け付けるコールセンターです。デジタルコンタクトチームは、従来電話が中心だったお客さまとのコミュニケーションに、Eメール、スマートフォンアプリ、チャットボットなどデジタル上の接点を取り入れ、変革する役割を担っています。
デジタルコンタクトチーム設立の背景についてお教えください。
世の中のデジタル化が加速し、コロナ禍や台風などの影響でスタッフの出勤が難しくなるケースも出てきました。そこで、いつでも・どこでも・簡単に、お客さまがご自身で疑問を解消できる環境を提供することが急務となっていたのです。
有人に依存せず、お客さまのご希望に沿うお問い合わせ環境を構築したい。そんな思いのもと2020年11月に東京インフォメーションセンターに新設されたのが、私たちのいるデジタルコンタクトチームでした。
当チームでは、日々Webサイト上のFAQやチャットボットをエンハンスし、電話以外の顧客接点において、お客さまの課題解決のお手伝いをしております。
お客さまが必要とする情報にすぐアクセスできる工夫で自己解決を促進
現在、PKSHA Chatbotをどのように活用していますか。
お客さまがお問い合わせしやすいよう、Webサイト上の5ヶ所にチャットボットを設置しています。トップページ、よくあるご質問、お問い合わせページ、ご利用ガイド、Netアンサーのご案内ページに設置し、お客さまが質問したいと思ったときに質問できるように設計しています。
よくいただくご質問をいくつかのカテゴリに分けてリッチメニュー化※しています。リッチメニューをクリックするとシナリオが開始され、お客さまの課題解決につながる選択肢を提示していきます。ボリュームの多いお問い合わせは、このようにシナリオを進めるだけで自己解決いただけるようになっています。
※画像をボタン化した直感的にわかりやすいメニュー
チャットボットを設置しているページの特性を考慮し、メニューを設定しています。例えば、インターネットサービス「Netアンサー」のご案内ページでは、Netアンサー特有のよくあるお問い合わせを初期表示することで、自己解決を促しています。
また、お問い合わせページではチャットボットウィンドウが開いた際に「最近のよくあるお問い合わせ」を自動表示しています。その時期によくいただくご質問を表示し、お客さまがすぐ自分の知りたいことにたどり着くことができる確率を高めています。この項目は月に2回更新しています。
クレディセゾン様ならではの活用方法はありますか。
当社の『セゾンコネクト』という会員情報連携APIと連携し、セゾンカードの永久不滅ポイントや請求額照会、売上照会、可能額照会、振込先口座照会などをチャットボット上でできるようになりました。チャットボットの利便性を高め、利用頻度を高めていただくことを目的に実装しました。
この連携により、引き落とし口座の残高不足で未入金となったお客さまからの電話が削減されました。連携前はお客さまからお電話でお問い合わせいただき、振込先口座を口頭でお伝えしていましたが、お電話中に手元でメモを取れる状態でないことも多く、結果ご入金いただけないこともありました。お客さまがチャットボットからスマートフォン上の操作で振込先口座を取得できるようになり、利便性が高まった結果だと思います。
改善活動の積み重ねにより、自己解決率が大幅向上
PKSHA Chatbot導入当初はどのような取り組みをされましたか。
まずはインテント※の元となるFAQを作成しました。もともとWebサイトにFAQがありましたが、これに追加して東京、大阪の各インフォメーションセンターに一斉ヒアリングし、お電話でのお問い合わせのなかで数の多い質問をピックアップして、約400のFAQを一気に作成しました。
※PKSHA Chatbotに学習させる、質問と回答がセットになったデータ
導入当初はトップページとお問い合わせページの2ヶ所だけにチャットボットを設置していましたが、お客さまの利用動向を見て掲出先を追加していきました。リッチメニューや最近のよくある質問などもお客さまの気持ちになって改善してきました。
クリックするとチャットボット画面が展開されるアイコンにも、あえて「自動チャット」と表記することで、人につながってしまうのではないかという不安を取り除く工夫をしています。
日々の改善はどのような取り組みをされていますか。
回答精度を高めるための「NGチャット※振り分け」は日々実施しています。NGチャットの内容を見て、「なぜ、この質問は解決しなかったのだろう」「この質問は、本意ではない回答をしてしまっている」といった振り返りをし、インテントの質を高めています。
※チャットボットとの対話の結果、お客さまの自己解決につながらなかった対話のログ
それだけでなく、チャットボットが全く回答できなかった質問を毎月抽出し、該当する回答に紐付けたり、新しく回答を作成したりしています。
自己解決率を高めるために気をつけているのは、質問に結論から答えることです。回答は長文にならないようシンプルにまとめ、さらに詳しく知りたいときは他の回答やWebページへ誘導し、解決を促すようにしています。
回答精度を高める上で、便利な機能はありますか。
改善が必要なFAQを発見する上で、「インテント別KPI」はとても参考になっています。問い合わせ数が多く解決率が低いインテントを洗い出せるので、改善が必要なインテントの優先度付けに活用しています。
対話シミュレータも日常的に利用している機能の一つです。インテントやシナリオに変更を加えた際に、本番環境のKPI(対話数や自己解決率)に影響を与えずにシミュレーションできるので、チャットボットのメンテナンスに欠かせない機能の一つです。
PKSHA Chatbotの管理コンソールにはチャットボットを運用する上で必要なKPIを表示する画面がビルトインされており、自分たちでデータを作らなくて良いので助かっています。しかもグラフで可視化されているので、ひと目で状態が分かります。
改善の結果、どのような効果が現れたでしょうか。
PKSHA Chatbot導入直後は自己解決率※が45~50%でしたが、日々メンテナンスを行うことで57%まで向上しています。目標とする58%までもう少しのところまで到達しています。
※チャットボット対話後に表示される「お役に立ちましたか?」というアンケートに「はい」と回答された率
お客さまの自己解決のほかに、どのような成果が出ましたか。
お客さまニーズを素早く検知できるようになりました。例えば、キャンペーンや障害発生時など、お客さまの問い合わせニーズが変化した際にチャットボットへの問い合わせに変化が現れるため、すぐにその変化に対応できるようになりました。
Webサイト上に設置してあるFAQも、チャットボットのログを見てお客さまの声を知ることにより、早いサイクルで改善することができています。
チャットボットを通じて、お客さまに様々なデジタルチャネルをご案内するようになったため、呼量も少しずつ削減できつつあります。その分、デジタルチャネルの利用率も高まっています。
チャットボットが、コロナ禍の対応に貢献できましたか?
また、チャットボットに「ただいまお電話が繋がりにくくなっております」というお知らせを一文入れるだけでも、呼量増加の回避につながったと思います。
今後の展望は?
今後はセゾンカードのみならず、UCブランドをはじめとする様々な商品の問い合わせ対応にチャットボットを活用できたらいいですね。
IVR(自動音声サービス)や有人チャットなどデジタルチャネルを拡大し、一人ひとりのオペレーターのヒューマンタッチスキルをさらに高めていきたいと考えています。
社名 | 株式会社クレディセゾン |
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事業内容 | ペイメント・リース・ファイナンス・不動産関連・エンタテインメントほか |
設立 | 1951年5月1日 |
従業員数 | 4,084名 |
URL | https://www.saisoncard.co.jp/ |
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