国土交通省 中国地方整備局様
働き方改革の基盤整備を促進、Teams × AIチャットボットによるインフラDX
導入サービス | PKSHA Chatbot |
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業種 | 行政機関 |
活用対象 | 一般ユーザー |
導入目的 | 問い合わせ対応業務負荷削減による生産性向上、中国地方整備局内のDX推進におけるコミュニケーション改善、およびTeams利用の促進 |
・企画部 情報通信技術課 課長補佐 木本 英哲 様
・企画部 情報通信技術課 建設専門官 小畑 哲也 様
・企画部 情報通信技術課 国土交通技官 新崎 貴士 様
※2022年3月取材当時の所属部署、役職となります
会社、ご担当者様の紹介
会社概要について教えてください
中国地方整備局では、中国五県の社会資本(インフラ)の整備や管理をしています。
企画部情報通信技術課は、河川・道路等のインフラにおける情報通信システムの運用・管理の他、職員の安全で快適なICT環境整備を担当しています。
みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?
木本様 国土交通省 中国地方整備局(以下「地整」)は、中国地方5県における公共インフラの整備や管理と、防災事業として国民の安心安全を守る重要な業務を担っています。
小畑様 その中で、我々の所属する企画部 情報通信技術課では、通信やインターネットといった地整職員約1,800名が業務を進めるにあたって必要なPC、ネットワーク機器、サーバーなど電気通信設備の整備や維持管理を担当しています。
チャットボット導入の背景
働き方改革のための基盤整備で AIチャットボットを導入
木本様 地整では、職員からの問い合わせに関してサポートセンターで問い合わせを受け付けており、サポートセンターの職員より「システムに関する問い合わせが非常に多い」と相談を受けていました。前々より地整内でも「働き方改革のための基盤、インフラ整備」については積極的に取り組んでいくべきと議論しており、AIチャットボットの存在は気になっていたので、まさにこの課題に対してチャットボットが労力の削減、生産性の向上、受け答えの簡略化に適しているのではないかと考えました。
新崎様 多い日だと一日数十件のシステム関連の問い合わせを受けることもあり、その対応で一日の大半の時間を使ってしまったり、それ以外の通常業務に支障を来すことも多々ありました。最も問い合わせの多い繁忙期は4〜5月の年度当初ですが、各種システムには日々の業務内で向き合うので、定常的に似たような質問を受けることも多かったですね。そういった定型で回答できる問い合わせに関しては、チャットボットに任せられるのではと可能性を感じ、本格的に導入を検討し始めました。
在宅勤務の促進で決定したTeamsの導入
新崎様 Teamsは、在宅勤務促進と併せて導入が進みました。もともと在宅勤務をする文化はなかったのですが、新型コロナウィルスの流行により、早期に職員が安心して在宅勤務ができる環境を作る必要がありました。どのように職員同士のコミュニケーションをスムーズにとっていくか考えた末、Web会議、電話、チャット機能をもつTeamsの導入に至りました。
在宅勤務の促進で決定したTeamsの導入
木本様 電話のみのコミュニケーションだと一対一なので、複数名と意見交換できるWeb会議や複数名でのチャットは、非常に重要な手段だということを改めて痛感しています。
チャットボットサービスの選定
日本語理解力、運用イメージが持てるかの2点を重視
新崎様 そもそもチャットボット導入以前に、「職員向けイントラ上のFAQを充実させていく」「窓口をどこかに一本化して統一する」方針も考えました。しかし、自身でイントラへ答えを探しにいく意識を定着化させることはなかなか難しいという意見も上がり、迷っていました。
小畑様 そんな時、PKSHA Workplace様よりお手紙をいただき、その内容を読んでこれはうまく活用できるんじゃないかと感じたのがきっかけです。そこからチャットボットを選定するにあたって、重視したポイントは主に下記二点でした。
① 日本語が正しく理解できるか
ユーザーがさまざまな単語や文章表現で質問をしてきた際、的外れな回答をしてしまっては利用されなくなってしまうので、初期時点でもある程度日本語を適切に認識して適切な回答を返せるのかは注目していました。
② 日々運用していくイメージが鮮明に持てるか
ユーザーの質問内容は時期によっても変動的なので、チャットボット側も常に進化し続けなくてはいけないと思っています。その中で、FAQの内容アップデートなどメンテナンスがしやすいかどうか、また運用によって精度がしっかり成長していくかどうかは重要なポイントでした。
正答率90%超の検証結果 × Teams上で利用できることからPKSHA Chatbotに決定
新崎様 一番の決め手は、Teamsを窓口としてチャットボットを利用できたことです。すでにTeamsの導入はされていたものの、地整全体で見ると、浸透率はまだまだでした。次のステップとして、全体でのTeams活用と+αの可能性は検討していたところでしたし、問い合わせ窓口の統一化も目標としていたので、この点は非常に魅力的に感じました。
小畑様 あとは、精度の高さは圧巻でしたね。導入検討時、PoCで地整のFAQを取り込み実際に賢く回答が返ってくるのかを検証したのですが、半信半疑で投げかけた質問に対して、期待していた回答が返ってくるのを目にした時はとても感動しました。精度検証の結果、正答率が90%を超えていたのは本当に驚きでした。
木本様 イントラ上のFAQ拡充だと、「探して見つけてください」と相手に委ねてしまいますが、チャットボットでは「こちらで回答を用意して提示する」ことができるので、ユーザーの利便性もかなり高くなったかと思います。そういった点でも導入を決めて良かったと思っていますね。
リリースまでの構築工程
苦労して作成したFAQは今後の資産
小畑様 一番最初の工程である、チャットボットに登録するFAQを作成することが最も大変でした。FAQの質問文、回答文の内容をどうするかはもちろん、文体(ですます調 / だ・である調)やそれ以外のルール(使用する単語をどう統一するか、どんな表現がユーザー視点でわかりやすいか等)を決めるところも苦労しましたね。ただ、準備に時間はかかったものの、FAQ一つ一つは今後資産となっていくものなので、今は作成して良かったと思っています。
地整内へのメール配信でPR、次はポップアップでの周知を検討
新崎様 地整内に向けてチャットボットがリリースされる旨をメール配信しました。職員が最も確認するものがメールなので、なるべく多くの方に見てもらいたいという理由から、この手段での周知を実施しました。
木本様 今後も継続的なPRが重要だと思っています。地整では、例えば全職員のPCトップページで、指定時刻に「定時退社しましょう!」といったポップアップを表示させたりしているので、その方法でチャットボットの周知もしていけたらと考えています。
リリース後の感触
Teamsへの設置により問い合わせまでの道筋がシンプルに
小畑様 昨年12月に全職員向けにTeamsからチャットボットを利用できることを周知、リリースして、現在少しずつ浸透してきている段階です。Teamsを立ち上げるとサイドバーにチャットボットがある状態なので、これまでより問い合わせまでの道筋がシンプルになり、時間短縮ができていると認識しています。
また、我々の情報通信技術課以外の各部署から、AIチャットボットを導入したいという声がいくつか挙がっていたりします。
自動応答で解決できなかった質問は、チャットボットで事前ヒアリング後スムーズに担当者へ連携
新崎様 現在、チャットボットの自動応答で解決できなかったものに関しては、チャットボット上で問い合わせ内容の詳細をヒアリングし、その後サポートセンターの職員より折り返し電話、メールで連絡をして個別対応するようなフローにしています。Teams上でそのまま有人チャットに連携することもできますが、約1,800名の職員に対して回答者が少人数なので、対応しきれない状況になりうることを考慮し、ダイレクトに繋がる動線はまだ設計していません。
小畑様 とはいえ、事前に必要な情報をヒアリングすることができるので、回答者から連絡する前にある程度「〇〇関連についてはXXさん」等と前さばきをすることができます。これまで、電話の問い合わせに対しては、電話をとった担当者では回答できず別の担当者に引き継ぐことも多々ありましたが、そこが解消されて、かなり対応しやすくなっていますね。このような変化から、今後サポートセンターの職員たちの残業時間削減にも繋がればいいなと思っています。
Teams上でのやりとり(上/下)
定期的な打ち合わせでこまめな目標のすり合わせを実施中
小畑様 リリースまでの定期的な打ち合わせ、サポートはもちろんですが、リリース後も月一回のペースで打ち合わせを実施いただき、その中で丁寧に指導いただけているのはとても助かっています。チャットボットを放置することなく、次に決めるべきこと、追うべき指標をわかりやすく提示いただけるのはありがたいですね。
木本様 あとは、サポートセンターの職員からの質問に対してスピーディーに回答いただけるのも非常に助かっています。機能追加や改善要望に対しても迅速に対応してもらえています。
今後の展望
AIチャットボットが全ての質問を自動解決する未来へ
新崎様 大きな目標ではありますが、今後はほぼ全ての質問をチャットボットが解決できるように育て、情報通信技術課やサポートセンターの職員の負荷が少しでも軽減されれば嬉しいです。そのためにも、まずは我々から全体へチャットボットの周知を積極的に行い、認知度の向上をしていく努力をしていければと思っています。その先に、働き方改革やワークライフバランスの担保があると考えていますね。
問い合わせ窓口の一本化、インフラDXや働く環境づくりの整備に向けて
小畑様 現在リリースから2〜3ヶ月ですので、まだ利用比率にばらつきはあるものの、今後は全員がチャットボットの存在を認識し利用する、日常業務の中にチャットボットが当たり前にあるような未来を創っていきたいですね。そして、情報通信技術課だけでなく中国地方整備局内の各部署で導入していけたらと思います。
木本様 最終的には電話やメールの窓口をクローズし、チャットボットに窓口を一本化するのが理想です。その理想に一日でも早く近づけるよう、FAQの拡充や精度向上のための運用も進めていきたいです。ユーザーの意見も取り入れ、より使われる、頼れる存在にしていけたらいいなと思っています。
問い合わせ窓口の一本化、インフラDXや働く環境づくりの整備に向けて
また、中国地方整備局全体では、今後も地整内の基盤整備、インフラDXは積極的に取り組んでいくテーマです。例えば、土木の分野で三次元データを利用して構造を作る、維持管理をしていく等はやっていきたいですね。働く環境づくりの面でも、災害時に外出先でもPCが使えたり、職場PCを持ち帰っても仕事ができるようにしていけたらと考えています。
あとは、子育て世代に対して、家庭や子育てをしながら仕事も両立できるような環境を提供できれば非常に良いなと思っていますね。
最後に一言お願いいたします。
小畑様 まずは導入してみて、今後どのように浸透し、AIチャットボットが公務員の働き方をどのように変えていくか、どのように進化していくのか、また、それが遠い未来なのか近い未来なのか、とても楽しみです。
木本様 インフラDXの取り組みが世の中に広がり始めている時期にAIチャットボットに携わる事が出来て貴重な体験となりました。様々な業種でも問い合わせ対応がチャットボットに切り替わって行くのではと感じました。
新崎様 初めて携わる内容ということもあり右も左も分からない状態でしたがPKSHA Workplace様のサポートにより大変勉強になり貴重な経験をさせていただきました。引き続きAIチャットボットを活用・周知していくことで地整全体へと浸透させ、いずれは地整の様々な業務がAIチャットボットに移行され業務改善されていけば嬉しいです。
以上、ありがとうございました。
社名 | 国土交通省 中国地方整備局 |
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事業内容 | 国土の総合的かつ体系的な利用開発、および保全、そのための社会資本の整合的な整備、交通政策の推進、気象業務の発展並びに海上の安全および治安の確保 |
創設 | 明治19年7月(1886年) |
URL | https://www.cgr.mlit.go.jp/ |
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