SBI損害保険株式会社

使いやすく親しみあるチャットボット+FAQでナレッジ活用を促進
社内を巻き込んだキャンペーンと迅速対応が活用率向上の鍵

導入サービス PKSHA FAQ
業種 保険業
活用対象 社員、オペレーター
導入目的 社内向けの業務ナレッジ、全社的な業務支援
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SBI損害保険株式会社 コーポレート本部 リスク・コンプライアンス部 業務品質管理課 課長 木村奏子氏
SBI損害保険株式会社 コーポレート本部 リスク・コンプライアンス部 業務品質管理課 マネジャー 伊藤美咲氏

SBI損害保険株式会社は、SBIインシュアランスグループの一員として、自動車保険を中心に幅広い損保商品を展開するダイレクト型損害保険会社だ。コンタクトセンター業務の効率化を皮切りに、全社的な業務支援FAQサイトの構築を「PKSHA FAQ」で実現。チャットボットとの組み合わせで誰にでも使いやすい環境を構築するとともに、親しみあるアバターの作成や社内キャンペーンを通じて周知も成功させている。その狙いと効果についてコーポレート本部 リスク・コンプライアンス部 業務品質管理課 課長 木村奏子氏と、同課 マネジャー 伊藤美咲氏に話を聞いた。

複雑な保険商品のユーザー対応が属人化
コンタクトセンターの業務効率化にFAQ活用を決意

SBI損保について教えてください

木村様:東証グロース市場に上場しているSBIインシュアランスグループ株式会社の子会社です。代理店を介さずに保険販売を行うダイレクト型損保として2008年の創業時から自動車保険を販売してきましたが、その後2012年にがん保険の取り扱いを開始し、現在は法人向け保険など幅広い商品を扱っています。今年は新たに海外旅行保険の販売も開始し、全体では120万件程度の保有契約があります。
現在はDX推進やCX追求に注力しており、業務効率化や新たな顧客体験提供にも取り組んでいます。

担当業務と体制について教えてください

木村様:保険募集など全体について品質を維持する業務の部署です。お客様向けだと、サイトの作りがわかりやすいか、内容に間違いがないか、ページごとの齟齬がないかなどを確認して品質を保持する役割です。社内外向けのFAQサイトはコンテンツ管理も含めて私と伊藤の2人で担当しています。

「PKSHA FAQ」活用以前はどのような課題がありましたか

木村様:お客様向けFAQは公開していましたが、社内向けの業務ナレッジが適切にまとめられていませんでした。その結果、人の入れ替わりも多いコンタクトセンターでは、オペレーターが曖昧な返答をしてしまう、確認のための質問がベテランオペレーターに集中する、といった問題が起きていました。ベテランオペレーターもノウハウをマニュアル化することは考えていても、実行する時間がなかったのです。お客様向けFAQのように社内向けFAQを作成したら課題が解決するのではないか、と考えていました。

チャットボット連携は必須!
検索性・容易な修正機能で「PKSHA FAQ」を選定

「PKSHA FAQ」採用の経緯を教えてください

木村様:対応ミスを減らすためにどうしたらいいのかという対策として、すべての情報が掲載されたサイトがあればいいという話が出ました。実は以前から社内向けの情報共有ツールは存在したのですが、検索しづらい、カテゴリを分けた記事構成にできないなどから使ってもらえない状態でした。また内容修正は部署でまとめて依頼しなければならず、ブラッシュアップもしづらかったため、適切に更新されていないという問題もありました。
保険というのは細かな運用上の変更もあるのですが、それが十分反映されていない可能性があるかもしれないと考えると安心して使えません。そこで、もっと使いやすいものとしてお客様向けFAQで利用している「PKSHA FAQ」をそのまま利用できないだろうか、という相談が業務部門側から出ました。

特に決め手となった機能はなにでしょうか

木村様:FAQと連携するチャットボットの存在です。これも業務部門側の希望で、絶対にやりたいと言われたポイントでした。当初はコンタクトセンターの属人化解消が目的でしたが、全社的な展開を考えると検索が課題になるからです。コンタクトセンターのオペレーターは検索に慣れていても、他部門のスタッフは不慣れで、検索するくらいなら人に聞いて済ませてしまうこともありました。だから、チャットボットがあって、人に尋ねるように質問できるようにして、まずはそこに聞いてください、とした方がいいということでした。そのため、チャットボットも一緒に利用できるのが第一条件でした。

全社のノウハウと業務ルールを全入力
アバターの社内公募で盛り上がり形成と周知を実現

FAQの構築と修正はどのようにやっていますか

木村様:まずは既存のFAQに加え、コンタクトセンターのベテランオペレーターが自分用に作ったメモ書きなども洗い出してもらって全部入れてみました。損害サービス部門にも同じようなニーズがあると確認できたので、やはり全部。集まったものをこちらで入力して、今あるものは全て入っているという状態でスタートしました。

伊藤様:最初はコンタクトセンター向けのコンテンツが大半でしたが、休憩室の使い方や休暇申請の方法など社内ルールもどんどん追加した結果、全社員に見てもらえるFAQサイトになりました。

木村様:使っているうちにニーズが増え、それまで存在も認識していなかった部署が使いたいと考えるようになるという流れがありましたね。使うからこそ改善すべき点に気づくことも増え、直してくださいと言ってもらえて、ブラッシュアップが進むという相乗効果も出ています。現在はアンケートフォームから修正リクエストを受け付けたり、自主的に修正してきたものを我々が確認して掲載しています。

社内周知や利用促進の工夫を教えてください

木村様:チャットボットのバナーを各部署が一番見る場所に置くなどはしました。また、それを使ってもらうためのアバターキャラクターを作りました。
アバターはこちらで作って出すだけだと親しみが持てずに無視されてしまうかもしれないと考え、社内公募することにし、賞品つきの社内キャンペーンにしました。全社を巻き込んだキャンペーンになった結果、認知向上に役立ったと思います。

伊藤様:手書きイラストのスキャンから本格的なデジタル絵まで、名前の候補も含めると数十件の応募がありました。この人にこんな面があったのかと驚くこともありましたし、私たちも楽しく進めることができましたね。

木村様:選ぶのが大変なのでキャラクターも名前も投票で決めました。名前はお客様向け記入事例で使っていた「恵寿美 愛(えすび あい)」が圧倒的多数だったのですが、今では皆「愛ちゃん」と呼んで親しんでくれています。賞品をつけて社長が手渡すことで、一部門の取り組みではなく全社的なものだとアピールできた部分もあると思います。

SBI損害保険株式会社

SBI損保 社内FAQサイト
社内公募で決まったキャラクター「愛ちゃん」は季節に合わせて衣替え
社内キャンペーン&親しみやすいキャラクターで活用を促進

問い合わせ対応減&正しい情報の容易な確認が好評
類義語登録で回答率向上

実際に「PKSHA FAQ」を利用した感想を教えてください

伊藤様:社内の各部門の担当から「問い合わせが減った」と聞きます。個別に聞かれることが減って楽になりました、と言われました。

木村様:何人もから同じ質問を受けていた、管理部門や経理・総務部門からも楽になったという声を聞きます。FAQ構築以前は答えることが仕事だと思っていたから、あまり意識していなかったようなのですが、FAQができたら質問が減り、これまで対応していた時間で他のことができると気づいた、とも話してくれました。

そうした意識の違いが一人ひとりにできたら、FAQにしたい項目も増えて、内容だけでなく「FAQサイトをこんなことに使えるんじゃないか?」というアイデアやリクエストも生まれるようになりました。内容修正も、お客様にわかりづらい細かな修正が必要と感じた時すぐアップデートできるというのも好評です。

「PKSHA FAQ」のご利用の効果を教えてください

木村様:コンタクトセンターではオペレーターよりも、オペレーターから質問を受ける立場であるスーパーバイザーの人たちがよく利用しています。回答の根拠を得るために以前はさらに上のマネジャーに確認するなど時間をかけていたけれど、今はFAQで確認できるし、自信が持てると聞いています。時間がある時には知識をブラッシュアップするためにFAQを確認したりもしているそうです。

伊藤様:検索スキルを問わずに利用できる、どんな質問の仕方をしても答えが出ると、チャットボットが非常に好評です。類義語登録ができるのもいいですね。ログで0件ヒットを確認して、類義語だけでなく略語も全部登録しています。

木村様:保険用語は普段利用しないような言葉も多いために誤字が出やすいですし、略語も多いです。だから我々には理解できないけれど業務部門にはわかるような略語もすべて類義語登録。「PKSHA FAQ」はこれができるおかげでヒット率が格段に上がると感じています。

運用で気をつけていることはありますか

木村様:修正依頼や新規記事作成リクエストなどへのレスポンスは、できるだけ早くするようにしています。載せて欲しいと言えばやってもらえるという手応えを社員一人ひとりに持ってもらい、「自分の意見を聞いてもらえる」と実感してもらうことで、より使ってもらえるようになると考えています。

親しみあるアバターでさらに活用を広げる
AI活用機能の拡張に期待

今後の展望について教えてください

木村様:より社員の利用を伸ばして行きたいと考えています。チャットボットは画像を設定して自由にアバターが作れるのもいいところで、皆に親しみを持って利用してもらえるようにできたと思っています。現在、毎月アバターの衣装を変更しているのですが、かわいい、と声があがることも。

昨年末、1周年記念キャンペーンとして「『愛ちゃん』にリクエストをください」と賞品つきでFAQへの要望や意見を募集したのですが、普段から利用しているがこういうものも載せて欲しい、今回初めて知ったが自分たちに必要なものも載せて欲しいというリクエストや、こういう時に利用しているという感想に加えて、「愛ちゃん」へのファンレターも多くありました。浸透してきていると感じます。

また役員からも、社員向けのメッセージも「愛ちゃん」を通じた方が周知できるのではないか、というようなリクエストもあり、新しいFAQとチャットボットの使い方になるかもしれません。

「PKSHA FAQ」と PKSHA Communicationへの要望を教えてください

木村様:文字入力ではなく、話しかけるだけで答えてくれるような機能ができたらいいですね。また、せっかくFAQとチャットボットが連携しているので、チャットボットの質問からある程度自動でFAQ記事を作ってもらえて確認掲載だけすれば済むようになったら嬉しいです。
1ヶ所修正した時に、連動して修正すべき候補を挙げてくれるような機能もあるといいですね。AIを活用して、現在マンパワーで対応するしかない部分をより楽にできるようにするような機能の開発を期待しています。

社名 SBI損害保険株式会社
事業内容 損害保険業
設立 平成18年6月1日(SBI損保設立準備株式会社として設立)
URL https://www.sbisonpo.co.jp/

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