株式会社プレステージ・インターナショナル

ボイスボットとチャットボットを併用し、入電数の10%削減に成功

導入サービス PKSHA Voicebot、PKSHA Chatbot
業種 コインパーキング管理
活用対象 一般ユーザー
導入目的 お問い合わせ業務の効率化
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執行役員 日高 剛太 様(取材当時)

コインパーキングユーザー向けのサポート事業を展開

PKSHA AI SaaSをご活用いただいている事業について教えてください。

無人のコインパーキングを経営されているクライアント企業から、コンタクトセンター運営などの管理業務を受託しております。コインパーキングのユーザーからのお問い合わせやトラブルが発生した際の電話受付、現地での修繕・メンテナンス対応を行っています。
街中で見かける大手のコインパーキング事業者様から業務を受託しています。

日高様のお仕事内容やコンタクトセンターのオペレーターの人数、入電数、応対内容などについて教えてください。

クライアント企業であるコインパーキング事業者様向けに提供しているサービス全体の統括をしています。当社は東北をはじめとする各地にコンタクトセンターを有していますが、コインパーキング事業者様向けのコンタクトセンターは山形にあり、80人ほどのオペレーターが対応しています。契約しているコインパーキングは全国でおよそ4万ヶ所ほどあり、月の入電件数は4〜5万件ほど、1日にすると大体1400〜1500件の入電があります。

1件の入電対応にかかる時間は、料金のお問い合わせなど簡単な内容であれば5分前後ですが、出庫できないなど遠隔からの状況確認が必要な場合は15分ほど、内容によっては1時間におよぶこともあります。現地に人を派遣することが必要となるお問い合わせも、かなりの割合に上ります。代表的なお問い合わせ内容としてはおつりの硬貨が出ない、お札が詰まった、近隣からの「アイドリング音が気になる」といったお声です。

カスタマーサポートで重視しているポイントやKPIについて教えてください。

最も重視しているのは応答率です。クライアントによりますが平均するとおよそ92%で、目標は95%に設定しています。次いで応答速度も重視してはいますが、応答率が上がれば応答速度も自然と上がっていく構図になっています。

事業拡大などを見据えPKSHA AI SaaSの導入を検討

導入前はどのような課題がありましたか。

入電は、出庫が多い昼から夜の時間帯に集中します。現在のオペレーターの人数では、目標としている応答率を達成することは難しい状況でした。対応している山形のコンタクトセンターは業務拡大に応じて2021年に総席数を1000まで拡大しましたが、採用は簡単ではありません。人の力だけで応答率95%を目指さなくてはならない状況を打破し、事業拡大を考える上では何かしらやり方を変える必要がありました。

課題解決のためにどのような方法を検討されましたか。

お問い合わせの用件によって、ITを活用して省力化することです。例えば、よくお問い合わせいただく領収書の再発行であれば、緊急性が低いですし、対応を自動化することが可能なのではないかと考えました。従来の仕組みでは、電話がかかってきた時点でお問い合わせ内容を把握することができていなかったため、用件を切り分ける仕組みも必要だと考えました。

なぜPKSHA AI SaaSを選んでいただけたのでしょうか。

漠然とAIを活用して効率化しようと考えていたところ、協力会社の方からPKSHA AI SaaSをご紹介いただきました。
PKSHAの提案内容が優れていたこと、PKSHAグループに駐車場機器開発をしているアイテック社があり、駐車場事業に知見があったことなどを評価しました。コインパーキング管理のノウハウを持っているツール事業者は他にいないだろうと感じたのが大きかったですね。

契約されているクライアント企業からは、問い合わせ対応の自動化に対してネガティブな反応がありましたか。

クライアント企業によって、「完全にお任せします」というところから「できるだけ狭い範囲で始めてほしい」といったものまで、最初の反応は様々でしたね。ただ、スモールスタートで結果を見せながら導入範囲を拡大することができたので、スムーズに導入できました。
また、PKSHAの担当の方に、クライアント企業への説明に同行していただけたのも非常にありがたかったです。第三者の目線で課題の全体像を俯瞰し、整理してご説明していただけたのはとても心強かったです。

コインパーキングユーザーの反応はいかがでしたか。

ポジティブなものが多かったですね。最近では、あるユーザー様から有人チャットに「こんなに良い物があるんですね」とコメントをいただきました。論点だけを説明しやすいなど、チャットならではのメリットもありますので、好まれる方が多い印象です。

入電数が10%減少、オペレーターの満足度も高い

PKSHA AI SaaSの具体的な活用方法について教えてください。

まずチャットボットを先行導入しました。コンタクトセンターへの入電をIVRで切り分け、用件によってSMSでチャットボット対応に誘導する形を取り、緊急度が低く、定型的な内容のお問い合わせをチャットボットで対応していました。具体的には、領収書発行の受付や駐車場の料金計算方法、長期利用したい方向けの説明などです。

その後、ボイスボットや有人チャットもご利用いただいていますが、きっかけは何だったのでしょうか。

チャットボットを導入してからしばらくすると、この方式ではIVRからSMSを送信するために電話番号を入力していただく段階で離脱することが多いと分かりました。理由を検証したところ、スマートフォンで通話中にダイヤルパッドに切り替えて番号を入力することができない方が多いのではないかという仮説にたどり着きました。そこで、PKSHA Voicebotを導入し、電話番号を口頭で聞き取るように変えたところ離脱が半分に減りました。

チャットボットへの流入経路という点では、コインパーキングの看板にQRコードを貼ることで直接チャットボットにアクセスできるようにしました。しかし、コインパーキングユーザーに活用いただけるケースはほとんどありませんでした。やはり、電話の自動応答化が重要だと感じています。
有人チャットについては、サービスの対応範囲を拡大するために追加しました。

有人チャットが必要になるのは具体的にはどういった問い合わせなのでしょうか。

例えば「料金の計算方法を知りたい」というお問い合わせに対しチャットボットでご案内していましたが、実はそのお問い合わせには「利用料金を確定したい」という意図があることが分かりました。例えば、駐車場の利用を開始した直後のユーザーの方が6時間後の出庫を予定しているような場合に、「看板の条件によると料金は○○円だが、本当に合っているか確認したい」というニーズです。確かにコインパーキングの料金は「24時間最大」、「当日最大」など、様々な条件があるので迷われる方が多いのかもしれません。そういったお問い合わせには有人チャットが最適でした。

導入効果はいかがですか。

全てがチャットボット・ボイスボットによる効果かは分からないのですが、コンタクトセンターへの入電は確かに減りました。有人チャットについては、「簡単なお問い合わせに対してテキストで対応できる」「テキストなのでほかの作業をしながら対応できる」といった声もありましたね。

数値としては、月間入電数の約10%にあたる約5000ユーザーがチャットボットや有人チャットを利用しています。入電数を10%削減できたと言えるでしょう。

人手が必要なトラブルへの応答率100%を目指す

今後、ボイスボット・チャットボットの適用領域を拡大するお考えはありますか。

チャットボットで対応する用件を増やしたいと思っています。例えば、コインパーキングの周辺を警備するために現地へ人員を派遣することがあるのですが、現在は警備の配置が完了した際に、ユーザーの問い合わせ窓口と同じ番号でコンタクトセンターに電話し、完了報告を行っています。こういった業務は自動応答できるはずですし、他にもいくつか候補があります。

PKSHA AI SaaSの導入を考えられている方にコメントをお願いします。

コインパーキングの業界は今後も大きく成長するでしょう。それを支えるコンタクトセンターのようなサービスもキャパシティを拡大していく必要がありますが、あらゆるお問い合わせに人が対応することには限界があります。PKSHA AI SaaSをうまく活用していけば、自動応答で対応すべきはAIに任せ、人が対応すべきお問い合わせに対する応答率を100%に限りなく近づけられるはずだと感じています。

社名 株式会社プレステージ・インターナショナル
事業内容 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業
オートモーティブ事業
プロパティ事業
グローバル事業
カスタマー事業
金融保証事業
IT事業
ソーシャル事業
   
設立 1986年(昭和61年)10月30日
URL https://www.prestigein.com/

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