あいおいニッセイ同和損害保険

比較的単純な受付業務をボイスボットで対応
70%の完結率で5,000件近い入電削減に成功

導入サービス PKSHA Voicebot
業種 保険業
活用対象 一般ユーザー、オペレーター
導入目的 応答率向上、カスタマーサポートの自動化比率向上
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コンタクトセンター事業部 業務開発グループ 担当部長 根矢 吉郎様(左)
コンタクトセンター事業部 業務開発グループ 課長補佐 梅田 麗子様(右)
コンタクトセンター事業部 業務開発グループ 太田 麻由様(中央)

電話のつながりやすさ、素早い問題解決を重視

あいおいニッセイ同和損保について教えてください。

根矢様:2010年にあいおい損保とニッセイ同和損保が合併してできた損害保険会社です。現在は個人向け自動車保険「タフ・クルマの保険」や火災保険「タフ・住まいすまいの保険」などのTOUGHシリーズ、法人向け自動車保険「タフビズ事業用自動車総合保険」や企業財産の保険「タフビズ事業活動総合保険」などのTOUGHBizシリーズを主に扱っています。

コンタクトセンター事業部の業務内容を教えてください。

根矢様:コンタクトセンターで、電話を基本にメールやチャットからのお客さまのお問い合わせや契約内容の変更のご依頼に対応する部門です。お客様向けのセンターとして東京、大阪、沖縄の3拠点があり、それとは別に代理店様からのお問い合わせにご対応するセンターが新宿にあります。4拠点合わせて1200席あります。

その中で業務開発グループはどういった役割を担われていますか。

根矢様:大きな柱となる業務はシステム対応ですね。カスタマーセンターの電話基盤や各種端末機器、CRMといった様々な関連システムのメンテナンスを担当しています。それに加えて、お客様さま対応ノンボイス化や業務効率化を目的とした新しい仕組みの導入を企画する役割もあります。

お客さまサポートに関して重視していることは何でしょうか。

根矢様:電話応対が中心になりますので、丁寧でお客さまに寄り添った対応とつながりやすさを最も重視しています。つながりやすさという点では、応答率90%以上、20秒以内の応答を80%以上という目標を掲げています。
その上で、1回のお問い合わせでお客様さまの課題を解決することも大事にしています。1回で解決する、とは1度電話を切って後で折り返しをするような形でなく、できるだけ最初のご入電で解決するということです。

価格とスピード、信頼関係が導入の決め手に

ボイスボットの導入を検討されたきっかけを教えてください。

根矢様:他社から自動音声応答のツールを導入したという話をきき、当社でも同様にツールの導入を検討しました。最初から大きく導入するというよりは、実際に使用することでどのような業務に最適なのかを探ろうと考えました。

他のサービスとの比較はされましたか。

梅田様:「PKSHA Voicebot」以外に、3社のツールを検討しました。そのうち1社はオンプレミスのツールで、初期導入費用の高さや、構築の負荷を考えて断念しました。

根矢様:他の2社はSaaSだったのですが、それでも初期費用が「PKSHA Voicebot」よりも高額でした。

決め手となったのは価格面だったのでしょうか。

根矢様:価格もありますが、ボイスボット導入前から「PKSHA Chatbot」(FAQ/Chatbot事例にリンク)を利用していて、カスタマーサクセス担当の方との信頼関係があったことが大きいですね。

チャットボットやボイスボットといったツールへの理解が深く、こちらの質問に対していつも丁寧にお答えいただいていました。同様にボイスボットについてもサポートいただけるのであれば大丈夫だろうと思いました。

他にも選定のポイントになったことはありますか。

梅田様:まずはVoicebotがどのような業務に向いているのか把握することを重視していたので、素早く導入・検証できることを重視しました。

【コミュニケーター減の影響をボイスボットで回避

現在、ボイスボットをどのような業務に使われていますか。

根矢様:自動車保険の解約、控除証明書の再発行、代理店様向けにログインパスワード再発行と電子証明書更新といった業務に使っています。最も多いのが自動車保険の解約で月間4,500件、それに続いて控除証明書の再発行で、11月は月間2,400件です。代理店向けのパスワード再発行と電子証明書更新がそれぞれ月間1,800件、500件といったところです。
自動車保険の解約は完結率が約70%に達しており、非常に満足しています。控除証明書の再発行も約65%の完結率です。

コールセンターへの入電をどのようにボイスボットへ誘導していますか。

根矢様:お客様からのお電話については、フラットにコミュニケーターかボイスボットかを選択していただく、という形ではなく、最初に「自動音声による自動応答で対応しています」という音声を流しています。お客様に委ねるとコミュニケーターを選択する人が多くなると思いますので、積極的にボイスボットへ誘導しています。お客様から特にご意見をいただくこともないため、受け入れられていると考えています。

どのくらいの割合でボイスボットへ誘導できていますか。

根矢様:自動車保険の解約については6割、控除証明書の再発行は3~4割です。ボイスボット導入当初は、ボイスボットでは受付できないケースなど細かなガードトークを事前に流していたため、ボイスボットを避ける方が多くいらっしゃいました。現在は、アナウンスを簡略化したことで、数字が上がってきています。

代理店様からの問い合わせはどのようにボイスボットへ誘導していますか。

根矢様:代理店様向けのパスワード再発行と電子証明書更新に関しては、100%ボイスボットへ誘導しています。

代理店様の場合、IDなどはテキストで入力いただいたほうが確実なため、ボイスボットからSMS経由でチャットボットに誘導し、チャットボット上で必要情報を入力してもらうようにしています。

自動車保険の解約や控除証明書の再発行で高い完結率が出ていますが、そのポイントは何でしょうか。

根矢様:自動車保険の解約については、解約理由の聞き方を工夫して、最低限のことだけを聞くようにしたことが理由ですね。解約される理由によって当社の対応が変わるのですが、そういった部分を質問にして「はい」「いいえ」で答えていただけるようにしました。控除証明書については、証券番号を言っていただいて控除証明書発行済のデータベースを検索し、データの有無を回答する流れを作ったのが良い結果につながっています。

完結率については当初の想定と比べていかがですか。

根矢様:控除証明書の再発行は期待通りですし、自動車保険の解約は期待以上ですね。当初想定していたよりも、ボイスボットで受付完結できているコール数が1.5倍程度になっています。

コミュニケーターの受電数はどれくらい削減できましたか。

根矢様:月間4000件程度削減できています。コミュニケーターから、「自動車保険の解約についてのお電話が減りました」といった声が上がっています。
控除証明書の再発行は11月に電話が集中するため、その期間は例年コミュニケーターの負荷が高まるのですが、昨年はそれがありませんでした。退職や採用難によりコミュニケーター不足が発生していましたが、そういった中でも対応できたのは「PKSHA Voicebot」による呼量削減効果が大きかったと感じています。

ボイスボットで受電する場合、後処理を含めてどの程度対応時間の短縮につながっていますか。

根矢様:1件当たりの処理時間は概ね半減できます。「PKSHA Voicebot」は対話結果が項目ごとに整理された状態で出力されるので、後処理がしやすいという利点があります。

手厚いサポートオプションが成功の秘訣

導入初期の2か月は有償オプションの「対話改善サポート」をご利用いただきました。利用された理由や効果を教えてください。

根矢様:PKSHA Chatbotを導入した際、リリースしてからPKSHAの方と一緒に改善していくことで上手くいった経緯がありました。また、ボイスボットは初めから4つの業務に対応させるつもりでしたので、手厚いサポートが必要だと考えました。
自分たちだけでは、4つの対話フローを立ち上げ、今の効果を出すのは難しかったと思います。

「PKSHA Voicebot」を利用されていて便利な部分はどこですか。

梅田様:管理画面はとても分かりやすいと感じています。例えば対話フローの分析が効率的に行うことができます。どの質問で、どれだけの人が離脱したのか、明確に把握できることでスムーズに改善につなげることができます。

PKSHA Voicebotの管理画面イメージ

今後「PKSHA Voicebot」の利用を考えている業務があれば教えてください。

根矢様:火災保険の解約や、住居からの退去失効申出、保険証券の再発行など、いろいろな場面で活用できると思っています。また、要件により固定電話からの入電であればそのままボイスボットで対応し、スマートフォンからの入電であればお客様をSMS経由でチャットボットへ誘導し、手続きを実施していただく、といった顧客体験の最適化も模索していきたいと考えています。

他の企業の方に「PKSHA Voicebot」を勧めるとしたらどういった点をご紹介いただけますか。

根矢様:実際にグループ会社3社に紹介しています。カスタマーサクセスにきちっと伴走していただけることや、専門的な見識でアドバイスしていただけること、価格の安さなどが魅力だと感じています。

社名 あいおいニッセイ同和損害保険
主要業務 損害保険事業
設立 1918年6月30日
URL https://www.aioinissaydowa.co.jp/

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