東亜建設工業株式会社
Microsoft TeamsとUiPathとの連携でDXを実現!全27部署へのAIヘルプデスク導入で建設業の働きやすさ向上
導入サービス | PKSHA AIヘルプデスク |
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業種 | 総合建設業 |
活用対象 | 社員 |
導入目的 | 社内問合せ対応の業務効率化 |
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株式会社PKSHA Workplace カスタマーサクセス 大槻
東亜建設工業株式会社 内部監査室 高橋 様
会社・ご担当者様について
まず、貴社について教えてください。
高橋様:弊社は明治41年の創業以来、社会インフラ企業として、国内外のさまざまな建設工事を手がけてまいりました。海洋土木を強みとし、港湾・空港・橋・鉄道といった公共建設工事を担っています。また、経済を循環させるための物流倉庫や商業施設、宿泊施設や住宅の建設を通し、人々の暮らしを支えています。弊社の技術研究開発センターでは、防災技術や環境保全・改善技術など、次の時代に向けた新しい技術開発を積極的に進めています。
高橋様はどのような業務を担当されていますか?
高橋様:以前は経理部でERPパッケージ導入の担当を務めていました。その後、経営企画本部のDX戦略技術部(旧:情報システム部)で、業務支援システムの検討から導入・運用までを担当しました。このときは外部のコンサルティング会社に依頼し、社内の無駄な業務を洗い出して、改善するという業務を行っていました。今回のAIヘルプデスクの導入プロジェクトでは、リーダーとしてプロジェクト全体を推進するのが私の役目でした。現在は内部監査室に所属しています。
DX推進のため、社内問合せ業務の効率化とワークフローシステムの整備に取り組んだ
AIヘルプデスク導入プロジェクトが立ち上がるきっかけになったのは、どのような課題でしたか?
高橋様:本社の問合せ部門に寄せられる質問の量が多く、負荷がかかっていたことです。「パソコンの設定がうまくいかない」といった情報システム系の問合せに対しては、本社のヘルプデスクが対応していましたが、同時に業務システムの運用担当者にも同様の質問が来ていました。
また、給与などの人事労務関連の問合せについては、まず各支店の総務課に質問が入りますが、そこで解決できない場合には、本社の人事部にメールや電話で問合せるという仕組みになっていました。結果として質問がたらい回しになり、回答までに時間がかかる状態でした。
問合せに対応する側と、問合せする側の双方にとって負荷が高い状態だったのですね。
高橋様:はい。当時は、従業員が自分で調べて解決したいと思っても、社内ネットワークのどこにどの情報が存在するかわからない状態でした。支店ごとに個別のホームページが存在し、そこに掲載される内容も形式もバラバラであったためです。当社では「現場第一主義」の考え方が強く、現場と支店とのつながりも強いため、すべての支店のホームページを統一しようと思っても実行するのは容易ではないという事情があります。
そこで今回のプロジェクトでは、イントラネット内にあった情報をチャットボットに移行し、集約しようと考えました。一方、ホームページには通達やマニュアル、簡単な社内ニュースなどの情報を載せるに留めたいとしています。会社全体としてもDXを推進したいという方針であったため、AIヘルプデスクの導入と並行してRPAツール「UiPath」の導入も進めることになりました。
問合せ対応以外の課題はありましたか?
高橋様:ワークフローが整備されていないことも課題でした。当時、支店から本社へ稟議書を出して決裁されるまでには最大で20人もの捺印が必要で、2週間かかることもありました。 こちらはワークフローツール「AgileWorks」の導入により、決裁までの時間が格段に短縮しました。稟議書だけでなく、他の書類のワークフロー化も順次進めています。
現場の課題は、どのようにして拾い上げていったのでしょうか?
高橋様:まず、全支店の業務内容を一覧にして提出してもらい、それをもとに、ボトルネックになっている部分をピックアップしました。具体的には業務ごとにパレート図を作成し、時間がかかっている部分を探すという作業を行いました。さらに、アンケートを複数回実施し、社内の意見を集めました。
Teams・UiPathとの連携が決め手となって選定
Teamsとの連携を重視されていましたが、具体的にどのようなことを実現したいとお考えでしたか?
高橋様:今回のプロジェクトでは、さまざまなツールをTeams上に集約させ、社内コミュニケーションのインフラとして使用したいと考えていました。しかし、プロジェクトを開始した2020年当時は、まだいまほどTeamsの利活用は進んでいませんでした。
そんななか、新型コロナウイルスの感染拡大で出社ができなくなったことがきっかけとなり、Teamsの利用率が飛躍的に上がりました。コロナ禍以前にはペーパーレス化について否定的な意見が社内に多くありましたが、現在では稟議書の電子化がすっかり定着しています。コロナ禍が契機となって、結果的に業務再構築が進みました。
新型コロナウイルスが企業に与えたのは、マイナスの影響だけではなさそうですね。
導入にあたり、他社とも比較・検討をされましたか?
高橋様:外部のコンサルティング会社も交えて慎重に検討を重ねました。TeamsとUiPathとが連携できることを条件にした結果、PKSHAさんのほかにもう1社が候補に残りましたが、その会社もPKSHAさんのAIエンジンを使用していました。それならば直接エンジンを提供している会社にお願いするのが確実だと思い、PKSHAさんに決定しました。
ありがとうございます。連携以外の部分で重視したポイントはありますか?
高橋様:管理画面のメニューが豊富で、操作性が高いことが決め手になりました。さらに保守性・メンテナンス性が優れていることもポイントでした。
27部署全てを対象にリリース。リリース後の感触も良好
全社を対象とした導入プロジェクトを進めるなかで、難しいと感じたことはありましたか?
高橋様:まず、既存の旧式FAQを移行することからはじめたので、そこまでの抵抗はありませんでした。回答できなかった質問を、FAQの項目として追加していく作業はこれまでにも行っていましたので、フローが大きく変わることもありませんでした。スムーズな導入が実現できたと思います。
ただ、人事労務に関する問合せについては、まだ利用が少ないように思います。詳しい人に電話やメールで質問する文化が残っているためです。今回導入したAIヘルプデスクは匿名で回答する仕組みなので、属人化の解消につながるのではと期待しています。
現状では、DX部門や情報システム部門への質問は内容が難しいものも多く、ヘルプデスクの利用も多いのですが、人事・労務部門への質問はすぐに回答ができるような質問も多いようで、すぐに電話で聞いてしまう方が早いと考える社員が多いことも原因です。
しっかりと利用率を高め、管理部門の工数削減や属人化の解消ができるよう、文化の変革にも取り組んで行きたいと考えています。
そのほか、今も残っている課題感はありますか?
高橋様:人事労務のFAQを充実させ、自動回答の精度を向上させたいです。そのためには、FAQ作成のための工数をいかに確保するかが課題です。また、チャットボットへの質問の仕方について社内教育を実施することも必要だと感じます。検索エンジンのように一つの単語だけを入力してしまい、「期待した回答が返ってこない」と諦めてしまうケースが多いためです。
FAQの作成に関しては、FAQ提案やFAQ生成機能なども追加していきますので、是非ご活用いただければ幸いです。今後、他に利用を増やしたい部署はありますか?
高橋様:営業部門や技術部門での活用を進めていきたいです。例えば、営業部門では「このようなお客様の案件には、どのような取り組みを進めるべきか」といったような、FAQでは回答が難しい疑問が発生します。一問一答形式ではなく、判断軸をサポートしてくれるようなAIがあるとよいかもしれません。
「わからないことがあったときにいつでも頼れる」AIヘルプデスクに期待する未来
今後、AIヘルプデスクをどのように活用していきたいとお考えですか?
高橋様:まずは、ヘルプデスクで不満が出ないくらいの対応を可能にしていきたいです。自動応答ができる範囲をどんどん広げていき、負担を軽減できればと思います。また、チャットボットコンシェルジュを実現し、「何か不明なことがあれば、まずはここに聞こう」と思えるような存在になってほしいです。
そのほかにAIで実現したいことがありましたらお聞かせください。
高橋様:マニュアルなどのデータベースが自動で更新され、そこから情報を引っ張れるようになることが理想です。さらに、施工に関する許可申請や入札関連の手続きを自動化できたらいいですね。そうした手続きは現在、非常に複雑化しています。
データベースとBI(Business Intelligence)ツールとを連携させ、情報を検索できるようになれば、営業経験の浅い社員の助けになると考えています。そのほかには、例えば「〇期の全支店の受注経過を出して」と入れると、答えをパッと返してくれるようなシステムができたら便利だなと思います。
弊社は今後、クラウドストレージ「BOX」の展開を視野に入れています。AIヘルプデスクがBOXと連携できれば、そうした構想の実現も現実的になるのではと期待しています。
2024年4月23日時点の情報です。
企業名 | 東亜建設工業株式会社 |
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業種 | 総合建設業 |
設立 | 1920年1月 |
URL | https://www.toa-const.co.jp/ |