同志社大学

大学領域におけるPKSHAのノウハウを活用し、わずか1ヶ月でリリース!
リアルタイムな悩みを収集し、学生生活の質を向上させるAIチャットボット

導入サービス PKSHA Chatbot
業種 高等教育機関
活用対象 学生支援機構
導入目的 学生向けオンライン相談窓口の設置
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学生支援機構事務部長・キャリアセンター所長 岩田様
学生生活課長 田中様
スポーツ支援課長 河村様
キャリアセンター キャリア支援課長 近藤様
保健センター・カウンセリングセンター課長 大亦様
京田辺校地学生支援課長 浜田様

大学、ご担当者様の紹介

まず、貴学について簡単にご説明いただけますでしょうか?

岩田様:同志社大学は、京都市中心部の「今出川校地」にある4キャンパス(今出川、烏丸、室町、新町)と、京都府南部の「京田辺校地」にある京田辺キャンパスおよび学研都市キャンパスからなり、14学部・34学科に渡る幅広い学術分野の教育・研究を展開しています。

京都御所の北側に位置する今出川校地には、5棟の重要文化財があります。一方の京田辺校地は、79万㎡の広大で緑豊かな敷地に最新の施設を有しています。京都の地で、芸術と文化の伝統に触れながら、生涯の財産となる学びを得られる総合大学です。

皆様が所属する学生支援機構では、どのような業務を担っていらっしゃいますか?

岩田様:学生支援機構では、同志社大学生の学生生活をサポートするための幅広い業務を行っています。私は学生支援機構の部長職として、学生に対する支援を統括して見ています。また、キャリアセンターの所長も務めています。

河村様:スポーツ支援課で、体育会に所属する51クラブの運営に関する業務を行っています。

近藤様:私はキャリアセンターで、学生の就職に向けての支援を行っています。

大亦様:カウンセリングセンターおよび保健センターを担当しています。カウンセリングセンターには心理士が所属し、学生の心理面をフォローしています。保健センターでは医師による診療や健康診断を行っています。

田中様:私は主に奨学金関連の業務を担当しています。また、学生食堂や学生寮の運営など福利厚生に関する業務を担当し、学生が安心して生活できる環境を整えています。

浜田様:私は京田辺校地の学生のサークル活動全般を支援しています。また、障がいをお持ちの学生の支援も行っています。

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学生支援にチャットボットを活用

貴学がチャットボットを導入するに至った経緯をお聞かせいただけますか?

岩田様:コロナ禍で学生が大学に来られなくなり、オンラインで利用できる相談窓口の設置が急務となったことが、チャットボット導入のきっかけでした。一昔前までは、大学が発行する紙の学生便覧や学生手帳などに相談先を載せていましたが、スマートフォンで情報や予定を管理することが一般的になった今では、学生は紙の手帳をほとんど使いません。

このような時代の流れを受け、本学では学生へ向けた情報提供の方法を、紙からWebに移行しましたが、こんどは必要な情報になかなか行き着かないという課題を抱えていました。AIチャットボットであれば、複雑な階層に分かれた情報でも簡単に調べられることは以前から知ってはいたのですが、費用の都合で踏ん切りがつかない状態でした。

そんななか、新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、長期に渡って対面授業を行えなくなったため、学生が自宅からでも簡単に情報を得られる仕組みを早急に作る必要がありました。京都府からの補助金も後押しとなり、チャットボットの導入に至りました。

チャットボット導入前、学生様はどのようなことに困っていましたか?

岩田様:学生の就職活動は非常に混乱していました。コロナ禍で企業側が採用活動を止め、企業からの連絡が急に途絶えてしまったため、不安を抱える学生が多くいました。

大学としては、企業の動向に関する情報を集めながら、オンラインで就職相談ができる体制を整えるのに1か月半ほどかかりました。そのような緊急事態において、学生が最新情報をすぐに得られるツールがあればと反省しました。

現在の状況や、今後の見通しに関する情報がすぐに得られない状態だったのですね。

岩田様:はい。当時もWEBで伝えることはできたのですが、チャットボットを導入したことで、タイムラグが生じることなく、「今、学生が何を知りたいのか」を正しく把握できることで、学生が真に求めている最新情報を提供できるようになったのがチャットボットの最大の利点です。

例えば先日、チャットボットに「大雨警報が出ているが、今日は休講になるか?」という質問が多く寄せられました。その質問に対して従来は、休講になる場合のルールを回答していたのですが、学生からは「不満」という反応が多く返ってきました。

学生は、ルール上は休講にならないことを知ったうえで「交通機関が麻痺するレベルの大雨なので、今日はさすがに休講なのではないか」と懸念していたのです。このような場合にはルールを周知するのではなく「今日、大学がどのような判断を下したか」を回答すべきでした。

学生の疑問を解決する回答は何かを探りながら、学生が自分で疑問を解決できる確率を上げていけるのがチャットボットのいいところです。

チャットボットは、実際に学生が「何を考えているか」や「何に悩んでいるか」をキャッチするアンテナとしても機能しますよね。

岩田様:そうですね。何か疑問があっても、わざわざ大学に電話をして尋ねる学生は少ないです。しかし、チャットボットなら「何か情報が出ているかな」と気軽に質問できます。特にセンシティブな事柄については、匿名で相談できるチャットボットが適していると思います。夜中にベッドに寝転びながら、スマホに疑問を打ち込んで解決できるのは手軽ですね。

さらに、大学側がどのような質問が多いかをチェックし、リアルタイムで回答に補足を加えるなどして細やかに対応すると、学生も安心するのではないでしょうか。このような頻繁なコミュニケーションが、安心安全なキャンパス作りのために重要だと考えています。

 

PKSHA選定の決め手は、大学での豊富な導入実績

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プロダクトを選定するうえで、どのようなことを条件とされていたのでしょうか?

岩田様:補助金の関係で期限が定められていたため、構築期間が短く済むことが一番の条件でした。また、留学・下宿・奨学金・スポーツ・サークルなど、多種多様な学生の質問に対応できることも重要でした。

一般的な企業向けチャットボットでは、Q&Aの数を上位100程度に絞り込むことも多くあります。しかし本学では、学生生活の質を向上させることを重視し、ひとりでも多くの学生の悩みを解決するために、500程度のQ&Aを作成してくれる会社を探していました。

多少ニッチな問合せにも回答できるような環境を用意したかったんですね。

岩田様:おっしゃる通りです。本学では、問合せ件数を減らして事務局の業務を効率化することよりも、学生によい環境を届けられることが大切であると考えています。そのため、ボリュームの大きい問合せだけ自動化できればいいというわけではありませんでした。

PKSHAを選定した決め手はどういったことでしょうか?

岩田様:PKSHAさんは当時すでに20校ほどの大学での導入実績があり「大学ではどのようなQ&Aが発生するのか」というノウハウがあったことが決め手となりました。他社も検討しましたが、搭載できるQ&Aの数がまったく足らず、サービスの質の向上を目指したい本学とは根本の部分で意見の相違がありました。

PKSHAさんには本学が求めるものをよく理解していただけましたし、どのようなサービスを提供すべきかについて豊富な知見をお持ちでした。そのおかげで、リリースまで1か月という早さで構築を進めることができました。

リリース後わずか1か月で、学生にチャットボットの利用が浸透

PKSHAを選定した決め手はどういったことでしょうか?

岩田様:利用者数は非常に多く、自己解決率もかなり高いため、チャットボットとしては成功していると認識しています。

リリース後、学生様の方の反応はいかがでしょうか?

大亦様:2023年3月にチャットボットをリリースしたのですが、翌4月には早速、さまざまな質問が寄せられるようになりました。面白いと思ったのが「人生を豊かにする方法」という質問です。チャットボットは機械ではありますが、こうした遊びの部分もQ&Aに盛り込むと、血が通ったような感じが出て、よいかもしれません。

ChatGPTが世の中に登場したタイミングと重なったので、感度の高い学生はそのような質問を試みたのかもしれませんね。
チャットボットを導入したことによって明らかになった学生の意見や要望などはありましたか?

大亦様:4月はサークル選びや履修登録に悩む学生がやはり多かったです。意外だったのは「自分に合ったサークルをチャットボットに提案してほしい」という声があったことでした。学生はチャットボットに対して、個人個人に寄り添った対面窓口のようなやり取りを期待していることがわかりました。一問一答だと答えが限定されてしまうので、1つの質問に対して回答の候補が2つから3つ程度は引っかかるように意識しています。

岩田様:また4月には今出川と京田辺との2拠点を結ぶ二校地間シャトルバスの時刻表に関する質問が非常に多いこともわかりました。これに対するアクセスが1日5,000件もあったことには教職員も驚きました。

河村様:大学のトレーニングルームを使うためには特定の講習を受ける必要があるのですが、その講習についても予想以上に多くの質問が寄せられていました。

大亦様:ゴールデンウィーク前には「連休中に授業があるのか」という質問や「期末テストはいつか」という質問が多くありました。学生がいつごろからテストの日程を気にしはじめるのかがわかるので、どのタイミングで発表すればよいのかもわかりやすくなりました。

問合せに対応するなかで、どのような変化を感じていらっしゃいますか?

岩田様:学生の行動心理を、エビデンスとともに把握できるようになったことが大きいです。4月の時点で転学や転部を考えている学生が一定数いることは、以前から感じていましたが、人数や時期などのエビデンスがあることで、大学の事務サービス向上の参考にしやすくなりました。

学生の声を分析し、大学のアップデートに活かしていきたい

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今回導入したチャットボットを、今後どのように活用していきたいとお考えですか?

岩田様:当初、本学では、会話が多少できるようなチャットボットを目指していました。しかしChatGPTの登場により、その方向性を大きく転換させる必要が出てきました。今後は、同志社大学の個別情報に特化したチャットボットにしていきたいと考えています。

また、学生は「自分の人生の羅針盤」となる存在を強く求めていると感じています。自分の適職や向いている業界について、チャットボットが指針を出せるようになればよいと思います。大学としては、学生が知りたいことをしっかりと把握し、キャリア支援の改善につなげていくことが重要です。学生から集めた声をどう分析し、どう活かしていくかが本学の今後の課題です。

近藤様:キャリアに関する質問に対して、現時点では個別相談会への誘導を行っていますが、チャットボットがキャリアの具体的なモデルを提示できるようになればよいと考えています。

貴学の展望を叶えるにあたって、PKSHAに期待するものがあればお聞かせください。

岩田様:PKSHAさんには、大学運営のさまざまな面をアップデートするためのノウハウを提供していただきたいです。また将来的には生成AIと連携し、より効率的に最新情報を網羅できるようにしていただければと思います。

例えば、多様化している入試方法のなかから、どの方法を選ぶべきかについて回答させることができれば、志願者増につながるかもしれません。また、何十種類もある奨学金のうち、自分はどれに申請できるのかといったことをチャットボットが回答してくれれば、学生は非常に助かるだろうと思います。

最後に一言お願いします。

岩田様:同志社大学は今後、チャットボットを通じて得た学生ニーズを、大学運営全体に活かしていくべきだと考えています。大学に特化した情報を提供し、それに対してステークホルダーがどのようなことを聞きたいのかを数値化して知見を蓄積し、さらに得られた知見を運営に活かすという、PDCAを回すような形になればと思います。今後もPKSHAさんのお力をお借りしたいと思っています。

ありがとうございました!

大学名 同志社大学
業種 高等教育機関
設立 1875年
URL https://www.doshisha.ac.jp/

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