株式会社NTTドコモ

PKSHA Chatbotを13サービスで共同利用
サポートコスト削減や自己解決率向上を実現

導入サービス PKSHA Chatbot
業種 通信
活用対象 一般ユーザー、社員
導入目的 サポートコスト削減、自己解決率向上
株式会社NTTドコモ

株式会社NTTドコモ
コンシューマサービスカンパニー マーケティング戦略部
サービスマーケティング室 ポータルサービス ポータルビジネス担当
高橋 悠太様
奥村 優奈様

AIエージェントサービス「my daiz」にてチャットボットを提供

所属されている部署の事業内容について教えてください。

スマートライフカンパニー コンシューママーケティング部 ポータルビジネス担当に所属しており、当社のポイント会員基盤である「dポイントクラブ」の会員様向けに、メディア運営をしています。

会員様向けのメディアは複数あり、私達は「my daiz(マイデイズ)」というメディアを担当しています。my daizはお客様が必要とする情報を適切なタイミングでご案内する、AIエージェントサービスで、現在1日のアクティブユーザー数として約330万人のお客様にご利用いただいています。

my daizの機能の1つに音声やテキストを用いたお客様との対話機能があります。この対話機能では、キャラクターとの雑談をしたり、今日の天気を聞いたりと様々なことができますが、その中の1つとしてドコモに関する質問に回答してもらえる機能があります。契約中のプラン内容やその月に使用したデータ量や料金などについて、お客様が音声やテキストで質問すると、その質問にチャットボットが回答します。

株式会社NTTドコモ

指標として回答提示率と自己解決率を併用

その対話用のチャットボットとしてPKSHA Chatbotをお使いいただいているのですね。

はい。当社はお客様との対話において、いくつかのシステムを組み合わせて使っておりまして、そのシステムの1つとしてPKSHA Chatbotを採用しています。

先ほど例に挙げた料金のお問い合わせや契約内容確認などについては、社内の顧客システムと連携させての回答が必要になってくるため自社開発したシステムで回答しています。PKSHA Chatbotは、お客様情報に紐づかない汎用的なドコモサービスに関する質問に対して回答する際に利用しています。PKSHA Chatbotにはドコモの公式FAQなどを基に約4,500問のQAを設定しており、お客様からの様々な質問に回答できるようにしています。

株式会社NTTドコモ

my daiz お問合せチャットボット

どのようなKPIを設定されていますか。

回答提示率と自己解決率を組み合わせて設定しています。最も重視しているのは自己解決率で、お客様の疑問や知りたいことに対してボットで解決に導けているかを確認していますが、この数値にはそもそも回答を提示できなかったものは含まれていないため、回答提示率もみるようにしています。この2つの数値を上昇させ、より便利なチャットボットとなるように、日々改善に取り組んでいます。

当然、全てをチャットボットだけで解決してもらうことは難しいと考えています。チャットボットで解決できないものについては有人チャットなど他の窓口にシームレスにつないで解決をご支援しています。

株式会社NTTドコモ

複数サービスのお問い合わせを「1つのチャットボット」で対応

最初にmy daizでPKSHA Chatbotをご採用いただき、2021年4月頃から他のサービスでもご採用いただいています。そのきっかけは何だったのでしょうか。

当初はmy daizでのみ利用していましたが、2021年4月頃から他の弊社サービスにおいても、サイトやアプリに掲載するチャットボットとして利用するようになりました。

他サービスでも利用を始めたきっかけは、新型コロナウイルスの拡大などからコールセンターのDX化を進める必要が出てきたことです。ドコモショップへの来店が減りお電話でのお問い合わせが増えている中、コールセンターでの感染拡大を避けるために出社するオペレータの数を制限したため、応答率が大幅に下がっておりました。

そこで、もともとmy daizで利用していたPKSHA Chatbotを社内の各サービスのサイト・アプリ上でも提供することで、オペレータを介さずにお客様のお問合せに回答できることをめざしました。現在は手続きサイトの「My docomo」、決済サービスの「d払い」、料金プラン「ahamo」など計13サービスでPKSHA Chatbotを利用しています。

現在13のサービスでPKSHA Chatbotをご利用いただいていますが、どのように利用拡大いただいたのでしょうか。

前述の通り社内でチャットボット導入の需要が高まった際、私たちとしては既にmy daizで利用しているPKSHA Chatbotがあったため、それを活用してもらうのはどうかという話をいくつかの部署と調整しました。はじめはこちらから提案する流れで他サービスに導入していきましたが、使われるサービスが増えていくと、「自分たちのサービスでも使わせてもらいたい」と他部署からご要望をいただいて導入箇所が増えていきました。

また、チャットボット導入前/導入後の運用作業を私たちが一括で実施していたことも、他サービスの部署からすると導入ハードルを下げることにつながったかもしれません。
実は、他部署を含め13のサービスにおけるQAを全て1つのPKSHA Chatbotエンジンに集約しています。一般的には同じ会社であってもサービスが変われば、別のボットを構築することが多いかと思いますが、当社はそれを1つのボットに統合しました。

背景としては、当社の場合、提供しているサービスの性格もあり、多くのお客様が「どのサービスもNTTドコモが提供しているサービスだから」とお考えです。そのため例えば、dポイントのお問い合わせ窓口にd払いについてのお問い合わせが入る、といったことが頻繁にあります。

そこで、各サービスが1つのチャットボットに相乗りし、異なるサービスについての質問にも相互に回答できるようにすることが、最も効率が良いと判断しました。それにより、同一のFAQを二重、三重に管理することなく、一元的に管理することができています。

複数サービスで使う重要なチャットボットとなると、そのタイミングで他サービスを導入することも考えられたかと思います。PKSHA Chatbotをご利用いただいた決め手は何だったのでしょうか。

複数サービスで利用する分、インテント数が膨大になります。PKSHA Chatbotはエンジンの性能が高く、大量のインテントを登録しても回答を出し分ける際の精度が落ちないことを評価しました。

導入後もPKSHAにサポートいただき、チューニングを繰り返して精度を高めています。より精度が高められるようにアルゴリズムの改善も日々開発いただいているとのことで、期待しています。

株式会社NTTドコモ

年間2500万円のコスト削減に成功した部署も

2021年4月のPKSHA Chatbotの利用拡大後、どのような効果が上がっていますか。

当初期待したコールセンターへの問い合わせ数の削減については、明確な効果が示しにくいところがあります。当社のビジネスの特性上、新しい料金プランを出した際や、スマートフォンの新機種を発売した時などは、どうしても問い合わせ数が増えてしまうためであり、問い合わせ数の増減が一概にチャットボットの効果であるとすることは難しいです。

ただしそれ以外のところでは、様々な効果が上がっています。現在のチャットボットの発話数は、2021年4月の導入当初と比べて6.8倍に増加しています。

自己解決率も向上しています。サービスによって数字は異なりますが、高いものだと60%を記録しているものがあります。

ある部署では、PKSHA Chatbotの導入により、年間2500万円のコストが削減できました。その部署では、従来から有人チャットを積極的に活用していたのですが、有人チャットに繋ぐ前にPKSHA Chatbotで自己解決してもらうようにしたところ、有人チャットへのコール数を大きく減少させ、オペレータの稼働を削減することができました。

株式会社NTTドコモ

生成AIを使ってQA作成を自動化したい

今後の展望を教えて下さい。

生成AIを様々なところに活用していけたらと考えています。例えば社内にあるドキュメントや事務連絡などから、新しいQAを生成AIが自動で作成するような流れを作れたらと思っています。当社としても研究を進めていきますが、PKSHAも生成AIを使った新機能の開発に取り組んでいると聞いているので、とても期待しています。

今後は、AIについての開発元の技術力がプロダクトの性能を大きく左右するようになるでしょう。PKSHAのAIに関する技術力や先進性はとても優れているため、今後はより強力なプロダクトを作ってくれるのではないかと感じています。これからも、様々な課題に一緒に取り組んでいただければと思っています。

社名 株式会社NTTドコモ
設立 平成3年 8月
事業内容 通信事業:携帯電話、光ブロードバンド、衛星電話、国際、各サービスの端末機器販売など
スマートライフ事業:動画・音楽配信・電子書籍等のdマーケットを通じたサービス、金融・決済、ショッピング、生活関連サービスなど
その他の事業:補償サービス、法人IoT、システム開発・販売・保守受託など
   
URL https://www.docomo.ne.jp/

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